二次創作小説(新・総合)

Re: 逃走中02 誘惑に誘い込まれる者達よ ( No.3 )
日時: 2018/03/10 13:39
名前: あめとあんきも (ID: MgJEupO.)


──さぁ、ゲームの始まりだ……。



 とあるショッピングモールの本館一階の一角に集められた十八人の女性逃走者達。
彼女たちはこれから恐怖のオープニングゲームを行わなければならない。



 『これより逃走中をスタートする』



 目の前には三つのハンターボックス、そしてサイコロ。
サイコロの目は2から6、そしてハンターの目が一面ずつ書かれている。
これより一人ずつ投げ、その和が16以上になればオープニングゲームクリアとなり、
ハンターが放出されるまで一分間の猶予が与えられ、エリアへ逃げることが出来る。
ただし誰かがハンターの目を出した途端、ハンターが放出されゲームスタートだ。
ハンターの目を出せば、誰かが三体のハンターの餌食となる。
 尚、サイコロを投げてもその逃走者は逃げることはできないため安心はできない。
サイコロを投げる順番はくじで決定、その結果一番目は……



幸子
「よりによってどうしてボクが一番なんですか……」



 十四歳のアイドル、興水幸子だ。



カエデ
「ハンターの目だけは出さないで! 」



幸子
「さすがに出しませんよ……それでは投げます」



 投げられたサイコロはハンターボックスへ一直線、そして出た目は……




















 4だ。



 これにより、ハンターボックスは4マス前進、残り12マスとなった。



幸子
「早ければあと二人でクリアですからハンターの目は出さないでくださいよ」



麗奈
「大丈夫だから、次は私が投げるから」



梨子
「大丈夫の保証はどこから出てくるんだろう……」



 二番目はトランペット担当、高坂麗奈だ。



麗奈
「ハンターの目だけは出さない……絶対に。えいっ」



 投げられたサイコロは遅かれとも進み、転がっていく。そして出た目は……

























 またまた4だ。



麗奈
「悪くはないよね……」



果南
「うん、ハンターの目さえ出なければ安心だよね」



 続いて三番目の東絛希が5、四番目のカエデが2を出した。
残りマスは1、次でハンターの目以外ならばオープニングゲームクリアだ。



 その重要な役目を任されたのは五番目、堕天使ヨハネこと津島善子。



善子
「よりによってヨハネが投げるのね……ハンターの目を出したらごめん」



梨子
「まぁ確率は6分の1だからきっと大丈夫だと思うけど」



蘭子
「ええ、己の力を信じて運命のダイスを投げるが良いわ! 」




「善子と蘭子って似ているかも……隠れる場所探さないと」



善子
「な、投げるわよ……えいっ」



 ここでハンターの目以外が出ればオープニングゲームクリア、
ハンターの目を出すと目の前でハンター放出、誰かが三体のハンターの餌食に。 



 出た目は……
























 


善子
「……あ」



 出た目はハンターの目、クリア目前にしてハンター放出、ゲームスタートだ。



120:00



梨子
「善子ちゃん運が悪すぎるよ! 」




「ハンターと反対の向きに逃げよう」



絵里
「まさか本当に出ちゃうなんて……それより逃げないと」



 ハンターの標的になったのは……津島善子だ。



善子
「あ、貴方達リトルデーモンになら」



ポン



119:40



津島善子確保、残り十七人



善子
「もう……ヨハネの運が悪すぎたわね」



 堕天使ヨハネ、ハンターをリトルデーモンに出来ず……。



プルルル、プルルル



果南
「『津島善子確保、残り十七人』まぁあの距離じゃ無理だよね」



鞠莉
「それにしても逃走中なのに女性ばかりなのは何故かしら? 
意味はあるのかしら? 」



 今回のエリアはとあるショッピングモール、本館三階、別館二階、
そして屋外のイベントエリアや駐車場などを構える広大なエリアだ。
東京ドーム4個分の広さを残り十七人の逃走者達が駆け抜ける。
逃走成功すれば賞金は1,440,000円、
エリア二ヶ所(本館一階はなまる広場、別館二階ホビーエリア)で
自首することも可能。自首用電話から名前を名乗って申告すればその時間までの賞金を獲得し、ゲームからリタイアが出来る。ただし、ハンターに捕まれば賞金はゼロ。



 それがrun for money 『逃走中』だ。



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ーキャディクロヌ社ー



ゲームマスター(あめとあんきも)
「今回の逃走中、テーマは『誘惑』だ。ミッションや通達は欲を出せば他の逃走者も巻き込むだろう」



ウミ
「今回の逃走者が女性ばかりなのは何故ですか? 」



ゲームマスター
「女同士の醜い争いは見れぬかと思ってな……隠れた欲を暴いて見せよう、逃走中」



 そしてゲームマスターによって逃走者に一つの通達が送られた。



115:00



プルルル、プルルル




「あぁ煩いな……ん? 通達①? 」



久美子
「『通達①:二つの自首ボックス付近に別のボックスを設置した。
中身は裏切り者専用電話だ。』」



真姫
「『一番最初に手に取った逃走者は裏切り者となり、逃走者の位置情報を通報してその逃走者が確保されれば、一人辺り200000円のボーナスとなる。』」




「『裏切り者も確保されれば報酬はゼロになる。やるかやらないかは君達次第だ。
裏切り者を募集するのは残り100:00まで、早い者勝ちだ』
凛は絶対にやらないにゃ……」



 通達①:裏切り者になるのか?



 本館一階のはなまる広場、別館二階のホビーエリアの自首ボックスの近くに出現したボックス。
その中身は裏切り者専用電話だ。これで裏切り者になり逃走者の位置情報を通報、
そして確保されれば一人通報で200000円ボーナスとして手に入る。
その逃走者も確保されればボーナスはゼロになる。やるかやらないかは逃走者次第だ。




「そこまで動くまでに捕まりそうだからやめよう」



 本館二階のペナントに隠れる杏はどうやら動く気はないそうだ。



 だがしかし、別館二階ホビーエリアに近付く二つの人影。



114:30



李衣菜
「ハンターはここには戻ってこないよね」



 本館一階に戻ってきた多田李衣菜。しかしそこにハンターが接近。



李衣菜
「この看板に隠れてよう……」



ハンター
「……! 」



 見つかった……。



李衣菜
「うわ、後ろからハンターじゃん! 」



 気付くのに遅れたためすぐに距離は縮まり、



ポン



113:00



多田李衣菜確保、残り十六人。



李衣菜
「こんなの、ロックじゃないよ……」



 僅か七分で逃走中、終了だ。



プルルル、プルルル



にこ
「『多田李衣菜確保、残り十六人』もう二人目なのね」



 そしてこの間に誰かがあのボックスに手を伸ばしていた。



プルルル、プルルル



にこ
「ってまたメールが来てるじゃない。
『通達②:裏切り者が誕生した』……って嘘でしょ! 」



 これより他の逃走者にも警戒しなくてはいけなくなった。裏切り者は誰だ!



Re: 逃走中02 誘惑に誘い込まれる者達よ ( No.4 )
日時: 2018/03/10 23:24
名前: あめとあんきも (ID: OypUyKao)

112:30



梨子
「裏切り者が誕生しちゃったか……でもこっちには居ないよね」



 梨子がいるのは別館二階ホビーエリア、そう裏切り者専用電話が入っていたボックスの付近だ。



梨子
「私はここで隠れていたけど誰かが近付く様子もなかったからな……」



 そんな梨子に近付く黒い影……。



梨子
「ハンターが来てる……」



 咄嗟に隠れたために見つからなかったようだ。



梨子
「一応、鞠莉さん達にも教えておかないと」



プルルル、プルルル



鞠莉
「ハロー、って梨子じゃない? どうかしたの」



梨子
「あの、裏切り者についての情報になれば良いなって思って言うことがあって」



鞠莉
「つまり裏切り者の候補が絞れるかもってこと? 」



梨子
「まぁ希望は薄いですけど」



鞠莉
「それでどんなヒントなの? 」



梨子
「私別館二階ホビーエリアに今もいるんですけど誰かがボックスに近づいた様子は無くて……」



鞠莉
「つまり裏切り者は本館一階のはなまる広場の方に来てたってこと? 」



梨子
「はい、私の近くに蘭子ちゃんがいるから多分あの子は違うと思うんです」



鞠莉
「マリーは本館二階にいるけど分からないわ。でも蘭子が違うかもってのは分かったわ。ありがとう」



梨子
「はい、それじゃあ失礼しますね」



スタッフ
「裏切り者は誰だと思いますか? 」



梨子
「蘭子ちゃん、私は違うから除外するけど怖いのは有希子ちゃんかな」



111:30



有希子
「裏切り者に気を付けながらこれからミッションなど行わないと……ですか」



 その通り。ミッションに動いてもハンターだけではなく裏切り者にも気を付けないとである。



有希子
「それにしても動くのが早かったですよね、通達から2分くらいでなると決めたんですよね」



 裏切り者の正体はまだ分からない。



有希子
「ミッションももうすぐ出るのかな……」



 それはどうだろうか?



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ーキャディクロヌ社ー



ゲームマスター
「さて、そろそろミッションを出そうか」



ウミ
「裏切り者に気を付けながらですからね……」



ゲームマスター
「とはいえ、このミッションには積極性だけじゃなく頭脳も必要だがな」



 そしてゲームマスターによってミッションが発動された。



110:00



プルルル、プルルル



麗奈
「あ、メールが来てる……」




「『ミッション①:エリア内三ヶ所にハンターボックスを設置した。』」




「『駐車場、本館二階のゲームセンター、そして屋外のイベントエリアに
それぞれ設置してある。残り95:00になると放出されてしまう。』」



絵里
「『ハンターボックスを封印するにはそれぞれクイズに正解しなければならない。
問題はハンターボックスを見なければ分からない。
間違えた時点でハンター放出となる、注意せよ』」



 ミッション①:ハンター放出を阻止せよ



 駐車場、本館二階ゲームセンター、屋外イベントエリアに設置された、
三つのハンターボックス。残り95:00分になると放出されてしまう。
ハンター放出を阻止するにはそれぞれクイズに正解しなければならない。
ただし間違えた時点でハンターは放出となる。



絵里
「このミッション、問題によるけど私が向かった方が良いかしら? 」



 現在の絵里の位置は本館一階。ここから近いのは駐車場、そしてイベントエリア。
問題はハンターボックスを見るまで分からない。



絵里
「ひとまず向かうしかないわね。問題は分からなければチャットで聞けば良いし」



 逃走者間ではチャットのやり取り、通話が可能となっている。



109:20



真姫
「私、イベントエリアに近いのよね……」



 イベントエリア付近のペナントに隠れていた真姫。どうやらミッションに参加するつもりのようだ。



109:00




「ゲームセンター近いなぁ……行くだけ行ってみようかな」



 本館二階のペナントに隠れていた杏、とりあえず参加してみるようだ。



108:20


蘭子
「ミッション……。決戦の地まで遠いからさすがに退くことにするわ
(ハンターボックスまで遠いから今回はやめておくわ)」



 別館二階ホビーエリア、受付に隠れる神崎蘭子。その近くにハンター……。



蘭子
「……何か、悪い気配を感じる」



 それはハンターだ。



蘭子
「今動くのは賢明ではないわね……」



 隠れていたせいか、ハンターに見つからなかったようだ。



蘭子
「……ここは危険ね、住み処を移すわ」



 どうやらそこから動くことにしたようだ……が、先程のハンターに見つかった。



蘭子
「あぁ……もうやめなさい! 」



ポン



107:50



神崎蘭子確保、残り十五人。



蘭子
「はぁ……終わりのようね」



プルルル、プルルル



梨子
「『神崎蘭子確保、残り十五人』
蘭子ちゃんは私の近くだからここを離れた方が良いかも……」



106:00




「ゲームセンターのハンターボックス発見……で、問題は」



『問題:原子番号111、元素記号Rgの名前を答えろ』




「あ、三択が表示されてる。正解をタップすれば良いんだ……」



『選択肢:レントゲニウム、レジウム、レンゲニウム』




「うん、簡単」


 ポチッ



 ハンターボックス、封印。




「レントゲニウム、だったね。一応、このことをチャットで知らせとこう」



103:40



真姫
「あ、杏ちゃんからチャットね。ゲームセンターは封印したよー、だって。
私も目の前のハンターボックスを封印しなきゃ」



──西木野真姫、ハンターボックスを封印できるか?