二次創作小説(新・総合)
- Re: 新たな闘いの物語 ( No.23 )
- 日時: 2025/03/15 08:29
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第14話「エアリスの精神世界」
【大監獄・インペルダウン 6階 牢屋】
・アリンス視点
『ガチャッ』
「さっさと起きなよ、頼もしき花売りのお嬢さん?」
エアリス「………。私は誰にも愛されていないの、だから……だからわたしは此処で人生を終えたい……」
アリンス「……………(溜息)」
サンジ「済まない。俺が声をかけてもずっとこの状態なんだ。どうにかしてくれよ、アリンス博士……」
アリンス「分かったよ。さあさあ、お待ちかねの時間ですよ? ハクロウ殿」
ハクロウ「どれ? エアリス様を捕らえている心の様子を覗きましょうか」
つまり、心眼とやらの力だね。
確かに普段のエアリスなら、こんな憂鬱な言い方はあまりしない筈なんだ。
彼の力は素晴らしい、するとハクロウ殿の動きが止まったんだ。
ならば、此処は私とドゥーが行って来る価値は充分にありそうだね。
エアリスの精神内に潜んでいるこいつこそが…、彼女自身を捕らえている元凶に違いないよ。
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【エアリスの精神世界】
アリンス「時間がない。さっさと元凶を探しに行くよドゥー!」
ドゥー「はぁ〜い!!」
そう言えば、コレらに似た光景を大魔界で見た事があった気がするよ。
まずは研究所生活……、これはこれで辛い時間だったんだろうね。
そして隙を見て逃走し、ガスト博士は追手である宝条とやらによって殺された。
更に逃走した先でも、そう長くは続かなかった。
幼いエアリスを守って奮闘した母イファルナも意識が途絶えかけつつ、そこで出会った女性・エルミナに自分の娘を託す決意をする。
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【エアリスの精神世界 七番街ステーション】
「あんた! しっかりしなさい!!」
イファルナ「………。戦争中は……、よくある風景ですね……」
エルミナ「そうだね……。わたしの夫も……、戦地では大活躍だったよ……」
イファルナ「……。お願いです……、私に代わって……エアリスを……私の娘を安全な所に……」
エルミナ「………。分かった、アンタの大切な『形見』は私が責任を持って守るよ……」
イファルナ「………。ありがとう……、ございます………」
そうか、このステーションでエアリスの生みの親・イファルナ博士は亡くなったんだね。
それこそが、中々語ることも出来ないエアリスの辛い過去だった訳だ。
そんな幸せな日々も長くは続かず、それ以降エアリスは1人で何年間も神羅の追手から逃げ続けて来た事になる。
そして15年の月日を過ぎて、彼女が再び神羅に行く決意をしたのは……バレット・ウォーレスの1人娘…マリンを守るためでもあったのか。
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「見てくれた?」
アリンス「ああ……、酷い結末だったよ」
エアリス「そうだね。わたしのお母さんは……、幼いわたしを守る事に精一杯だったんだ……」
アリンス「あの場で泣いていたのも、もっと一緒にいたかったからなんだね?」
エアリス「そう。この衝撃を抑え続けたのも……、いつか話したかった…からなんだ」
アリンス「それを1年前から繰り返していたとはね……。だけど、その必要はないさ!」
エアリス「………。つまり、苦しまなくていいって事?」
ドゥー「そうだ。アリンス様を信じろ!」
アリンス「ああ。さあ帰ろう、お前を大切に想う『冒険家の坊や』の元へ!」
エアリス「………ッ!! はい……、はいっ!」
するとエアリスは迷いもなく、自身が長く使っている武器・プリンセスガードを装備したんだ。
最深部にあるこのコアこそが、エアリスの精神を操っていた元凶だった。
私が助太刀するよりも、本人の手で破壊する方が得策かも知れないからねぇ。
一瞬だけエアリスはたじろいたけど、ドゥーが優しく彼女を押したんだ。
この行動はつまり、何も気にするなと言っているような行動その物だからね。
さあ、思いっきってそのコアを叩き割るんだ!!
私とドゥーの想いがエアリスの力になり、エアリスの渾身の力が精神のコアを跡形もなく崩れていったのは…言うまでもなかったよ。
15話に続きます。