二次創作小説(新・総合)

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.130 )
日時: 2018/04/01 12:27
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

龍我
「なぁ、たくっちスノー見てないか?」

福ちゃん
「え?一体何が?」

龍我
「いや...なんか置き手紙を残してたからな」

福ちゃん
「手紙?」

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海斗君に用があるので、今日は非番になります
明日は二倍頑張るので今日だけは勘弁してください
自分自身と向き合って彼とのケジメを付けたいんです

それでは。
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福ちゃん
「海斗君の所に行ったのでは?」

龍我
「そう思ってメイドウィンにも連絡を入れてみたんだが、海斗を連れて何処かに行ったらしくてよ」

福ちゃん
「そうなの...一体どこに...」

龍我
「デーリッチとメイドウィンに頼んで場所を突き止めに行くが...一緒に行くか?」

福ちゃん
「ええ、クラマ君とマリーさんにも声を掛けてくるわ」

...そして、遠く離れた別の世界では

たくっちスノー
「なぁ海斗君...どう?時空監理局は」

海斗
「カリギュラと比べると仕事は少ないかなぁ...」

たくっちスノー
「まぁ、そっちはできたばかりで知名度もあまりないからねぇ...仕事は辛くない?」

海斗
「いや別に?」

たくっちスノー
「だよな!それでこそ君だよ!」

海斗
「なぁ、たくっちスノー...ずっと気になってたんだけどさ、前々から俺の事を知っていたの?」

たくっちスノー
「...うん」


たくっちスノー
「自分は君とは別の海斗君と会っている」

海斗
「...それって、うちに居るリニュ前のような?」

たくっちスノー
「うーん...専門用語を出すなら『アナザールート』って奴なんだけど...まぁそれに近い感じだね」

海斗
「その俺とはどんな関係だった?」

たくっちスノー
「...大事な人、君だけじゃない、君の仲間や友達ともよく話をしていてね...」

海斗
「へぇ...あっちの俺ってどうなんです?」

たくっちスノー
「君と変わらないよ!ヒーローになるために一生懸命で、前向きで...優しくて、最後まで諦めない子」

海斗
「会ってみたいな...」

たくっちスノー
「もう会えないよ」


海斗
「えっ?」


たくっちスノー
「突然だけど、君は僕と戦わないといけない」

海斗
「えっ...えっ!?」

たくっちスノー
「君の答えは聞いてない...さぁ、ヒーローとして僕を倒せ!!」

海斗
「え、なんで...どうしてだよ!!突然言われても戦う理由がないじゃないか!!」

たくっちスノー
「それもそうだね...じゃあ理由を作ってあげる、僕は時空犯罪者だ」

海斗
「そっ、それは...もう過去の話で時効ってメイドウィンが」

たくっちスノー
「いいやあの事じゃない...教えてあげるよ、君がヒーローとして僕という悪を倒さないといけない理由をね」

海斗
「.....」

たくっちスノー
「君の世界にもあるんだろ?地下都市」

海斗
「...あるよ」

たくっちスノー
「僕は地下都市に住む人間...ぴったり40万人を殺した」

海斗
「えっ...」

たくっちスノー
「時空監理局の力と...ヒーローソウルの力を悪用した」

たくっちスノー
「ヒーローが敵対するのには充分すぎる理由だよね?」

海斗
「.....」

たくっちスノー
「いつまでも君に隠しておくわけにはいかなかったからな...さぁ、僕を殺してよ、海斗君!!」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.131 )
日時: 2018/04/01 16:49
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ハグレ王国では...

デーリッチ
「たくっちスノーがまたいなくなったんでちか!?」

ローズマリー
「まったくあいつは...」

メイドウィン
「万丈に呼ばれたんだけど...何かあった?」

龍我
「あいつがこんな手紙を...」

デーリッチ
「海斗君に会うためだけに、どうしてわざわざ手紙を残したんでちかね?」

福ちゃん
「この間何も言わずに消えていったことを気にしているようだったけど...」

メイドウィン
「...そういえばさ、何か悲しそうな顔してたよ」

龍我
「あいつが悲しそうな顔?」

デーリッチ
「...メイドウィンさん、たくっちスノーが行った場所は分かるでち?」

メイドウィン
「履歴によると...海斗の世界みたいだ、たくっちスノーが知る方の」

デーリッチ
「キーオブパンドラに座標をセット出来るでち?」

メイドウィン
「できるかもしれない...ちょっと待っててくれ」

ローズマリー
「...どうしたんだい、デーリッチ」

デーリッチ
「たくっちスノーは...海斗君に何かをしようとしているのかもしれない」

ローズマリー
「それは分かっているけど...」

デーリッチ
「悪人だった頃のあの人とは違うとんでもないことを...」

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たくっちスノー
「ねぇ、頼むよ」

海斗
「...嫌だ」

たくっちスノー
「なんで?」

海斗
「俺は誰かを殺すためにヒーローになったんじゃない」

たくっちスノー
「君の世界には風魔もいないし尚更そうだろう、でも悪を倒すのがヒーローなんでしょ?」

海斗
「...なぁ、どうしてここを選んだんだ?」

たくっちスノー
「ああここ?僕のよく知る海斗君の世界...とは言っても、もう誰もいないけどね」

海斗
「...一体何があったんだ、話を聞かせてくれ」

たくっちスノー
「僕に勝てたらね」

海斗
「...分かった、戦いはするが殺しはしない、それでいいか?」

たくっちスノー
「うん、ごめんね変なことを聞いて」


たくっちスノーは肩をナイフで削ぎ、形を変えてスチームガンに変える

海斗
「それってリニュ前が持っていた...」

たくっちスノー
「あれはネビュラスチームガンだね、こっちはそれより型の古いものだ」

【クトゥルフ】

たくっちスノー
「...蒸血!」

【ミストマッチ...クトゥルフ...ク・クトゥルフ...ERROR!!】


カオスフェイカー
「この姿になるのも結構久しぶりだな...そっちも変身してよ!」

海斗
「それはさすがに...」

カオスフェイカー
「大丈夫、僕は痛覚の機能を全部消したからどんな力でも痛みは感じないよ」

海斗
「...ソウルチェンジ」

【一号!rider...rider!】


一号ソウル
「...」

カオスフェイカー
「あれ、ネオ一号じゃん!なんで君が持ってるの?」

一号ソウル
「このヒーローソウルの事も知ってたんだな...拾っただけだよ」

カオスフェイカー
「拾った...ふーむ、なるほど...運命、感じちゃうな」





カオスフェイカー
「まぁそれを作ったのも使ったのも捨てたのも僕なんだけどなぁ!!!」

一号ソウル
「うおおおおおりゃあああああ!!」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.132 )
日時: 2018/04/01 18:49
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

監理局内にて...

ローズマリー
「まだ終わらないんですか?」

メイドウィン
「今89%くらい...」

デーリッチ
「....」ソワソワ

かなちゃん
「たくっちスノーさん、たくっちスノーさんはどこにいますか!?」

ローズマリー
「かなちゃん?一体どうしたの?」

大明神は慌てながら時空の渦を飛び回る

メイドウィン
「大明神ー、どうした?」

かなちゃん
「あ、皆さん!たくっちスノーさんと海斗君を見ませんでしたか!?」

デーリッチ
「デーリッチ達も今たくっちスノーの所に向かおうとしてたんでち!」

かなちゃん
「それ、私も同行してもいいですか!?」

メイドウィン
「分かった...それならキーオブパンドラへのアクセスを手伝ってくれ、一秒でも早くあいつの所へ行くためにも」

かなちゃん
「了解!」

デーリッチ
「で、どうして慌てて探してたんでちか?」

かなちゃん
「どうやら狙ってるみたいなんです...海斗君を!」

...

カオスフェイカー
「うおああああああ!!」

一号ソウル
「はっ!!」

カオスフェイカーは両腕の触手を伸ばすが、一号ソウルは難なく弾く

カオスフェイカー
「やっぱネオ一号は強いなぁ!!本当に!!」

一号ソウル
「聞かせてくれ...あんたにとって俺は何なんだ!?何で俺にここまで...!!」

カオスフェイカー
「聞かせてくれなんて言われても、君に対する例えが多過ぎて表しきれないよ!」


カオスフェイカー
「君は素で話せる友であり、尊敬するヒーローであり...大事な人...」

一号ソウル
「.....?」

カオスフェイカー
「隙だらけだぞ!!」

一号ソウル
「おっと!!」

触手を飛ばしたり弾いたりの猛攻を広げながら二人は話を続ける


カオスフェイカー
「僕はね、君に憧れてたんだ...人間に」


カオスフェイカー
「だから僕は宅地雪と名前を偽装し喫茶店を開き人間とコンタクトを取りたかった、その喫茶店の初めてのお客さんがこの世界の君だよ」

カオスフェイカー
「普通に笑って、普通に友達がいて、普通に大きな夢を持ち、それに向かって一生懸命努力する普通の少年、戦場海斗!」

カオスフェイカー
「君の世界で僕は大切なものを手にいれることが出来たんだ!!」

一号ソウル
「そうか...そうなのか...」

カオスフェイカー
「でもね、1つだけまだ誰もが普通に持っている物を手に入れられなかった」

一号ソウル
「...誰もが持っている物?」

カオスフェイカー
「それは自分だけの名前」

一号ソウル
「名前...でもさっき宅地雪って...」

カオスフェイカー
「海斗君、名前というのはね...人間にとっては生まれて初めての誕生日プレゼントなんだよ、僕は親からプレゼントを貰っていない」

カオスフェイカー
「それとも海斗という名前は自分が考えたとでも言うつもりかい?」

一号ソウル
「...じゃあたくっちスノーというのは?」

カオスフェイカー
「個体名...かな、設定を合わせただけさ、顔はたくっちチャンネル、体はblack-snow...だからたくっちスノー」

カオスフェイカー
「まだ0歳だった時に設定を合わせただけだから、名前とは言えないんだ」

一号ソウル
「そうなんだ...」

カオスフェイカー
「でもね、一緒に過ごしていくうちに海斗君が観察対象の普通の少年から、守りたい相手に考えが変わったんだ」

カオスフェイカー
「でも.....話はこれで終わりだ!!マガイモノ奥義!」

カオスフェイカー
【奇・欲・怪・滅・暴・刹・撃!!】

一号ソウル
「...はぁっ!!ライダーキック!!」

カオスフェイカーとネオ一号、二つのキックがぶつかり...大爆発を起こす

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.133 )
日時: 2018/04/02 08:26
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

そしてようやくデーリッチ達も海斗の世界へと降り立っていた

メイドウィン
「ようやく繋がった!」

かなちゃん
「たくっちスノーさん!海斗君!」

メイドウィン
「...なんだこの世界、街に活気が感じられない...というか、人間の気配が二つしか感じないぞ!!」

ローズマリー
「二つ...あの二人か、一体どこに...」

デーリッチ
「あそこでち!」

デーリッチが指を指した先には、ビルの屋上で倒れている二人が...


たくっちスノー
「はぁ...やっぱり海斗君は強いなぁ」

海斗
「うっ...くっ」

たくっちスノー
「...うーん、引き分けか、この場合話した方がいいかなぁ」

海斗
「...俺にも知る権利がある、あんたが大事に思っていた同じ戦場海斗だからこそ」

たくっちスノー
「一緒じゃない」

海斗
「...え?」

たくっちスノー
「名前も見た目も同じでも、僕にとっては...」

ローズマリー
「たくっちスノー!」

たくっちスノー
「ん?」

メイドウィン
「何してんだお前らー?」

たくっちスノー達の後ろからデーリッチ値が降りてくる


たくっちスノー
「...王さま?ローズマリー参謀?どうやってここに」

メイドウィン
「デーリッチ達がお前を探してたんだよ」

たくっちスノー
「なんで探してたの王さま、今度はちゃんと手紙残したのに」

デーリッチ
「名無しの怪物の件で色々と揉めているのに、勝手にいなくならないでほしいでち!」

たくっちスノー
「ああ、ごめんね...心配かけちゃって」

たくっちスノーは首を掴んでボールのように担ぎながら小声で呟く

たくっちスノー
「まぁ、僕だって【名無しの怪物】と変わらないんだけどな」

デーリッチ
「え?」

たくっちスノー
「なんでもない、じゃあ行こう...」

海斗
「待ってください、この人達も連れていくんですか?」

たくっちスノー
「着いてきちゃった以上しょうがないじゃん...話しながら説明するよ」

ローズマリー
「一体何をしていたんだ?」

海斗
「実はこういったことを...」

...

ローズマリー
「四十万人を!?」

かなちゃん
「...それは事実なんですか?監理局の力を悪用したというのも」

たくっちスノー
「ああ...忘れはしないよ」

デーリッチ
「この街が誰もいないのって...」

たくっちスノー
「あ、それは自分関係ないよ...まぁ、理由の1つがあるんだけど」

海斗
「.....」

たくっちスノー
「行くよ」

...

たくっちスノー
「この街を歩いていたのも何ヵ月も前なんだなぁ...懐かしく感じるよ」

海斗
「誰もいない...荒らされた痕跡もあまりない...」

ローズマリー
「不気味だ...市民はどこにいるんだ?」

たくっちスノー
「市民なら居るよ?ここの真下に」

かなちゃん
「.....」

たくっちスノー
「さて、まず君に見てもらいたいものは...これさ」

海斗
「これは...!!」

たくっちスノーが連れてきた先は...墓場。

デーリッチ
「お墓...?」

たくっちスノー
「海斗、この辺りの墓をよく見てごらんよ」

海斗
「福井龍...与倉猛...なんで!?俺の仲間が...皆死んでるのか!?」

たくっちスノー
「彼らだけじゃないよ」


デーリッチ
「海斗君!こ、これ見るでち!!」


海斗
「...こ、これは!!」

デーリッチ達が見たもの...それは

【戦場海斗】

たくっちスノー
「海斗君、僕の中の『戦場海斗』はもう存在しないんだ」


たくっちスノー
「時空犯罪者としての三つめの罪、それは君を守れなかったことだよ...」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.134 )
日時: 2018/04/02 12:07
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

海斗
「えっ...俺...なんで死んでるんだ...」

たくっちスノー
「君どころか、君の知り合いはほぼ全員死んだ、生き残ったのは黄葉と僕くらいだ」

たくっちスノー
「まぁ、僕は死なないんだけど」

海斗
「この世界で一体何が...」

たくっちスノー
「次の場所に向かいながら説明してやるよ」

かなちゃん
「.....」ソワソワ

たくっちスノー
「大明神様、お手洗い?」

かなちゃん
「違いますから!...もう」

...

たくっちスノー
「この街もね、僕が来たばかりの頃は賑やかだったんだよ」

たくっちスノー
「ほら!あのテレビ塔とかむっちゃ臨時ニュース流してて、それを見て君やヒーローが出撃し悪を倒す!これが日課だった」

ローズマリー
「端から聞いてると、凄い物騒な世界だな...」

たくっちスノー
「それでも楽しかったよ...でもある日の事、市民が街を捨てていった」

たくっちスノー
「戦いが想像以上に激しくなってな...ヒーローを置いて遠く何処かへと逃げていった」

海斗
「...カリギュラ達ヒーロー組織は?」

たくっちスノー
「当然街に残って戦い続けた...毎日救助活動もしていた...でも無駄だった、皆死んじゃったからね」

たくっちスノー
「海斗君だって諦めかけた事もあった、喧嘩だってしたけど...最期まで戦ってくれたんだ、最期までね」




たくっちスノー
「僕は君を止めることが出来なかった、僕が他世界と深く関わっちゃいけない時空監理局だったから」

たくっちスノー
「海斗君は僕が殺したようなものなんだ」

海斗
「そんなこと...」

たくっちスノー
「で、さっき話した40万人だけど...当然その中にはこの街の市民だった者も含まれている」

ローズマリー
「逃げたから殺したのか?」

たくっちスノー
「逃げたことに関しては仕方ないと思っているよ、命が1つだけならそれを守ることを優先するのは当たり前の事だから」

ローズマリー
「ならどうして...!!」

たくっちスノー
「この世界には地下都市プロジェクトというものがあった、まぁそのまま、地下にここみたいな街を作ったんだよ」

たくっちスノー
「海斗君みたいな幼い子もヒーローだからと置き去りにしたことを百歩譲るとしても...おとなしく隠れてれば良かったものを...」

デーリッチ
「.....?」





たくっちスノー
「地下都市に籠った市民は...賭け事を始めた」

海斗
「え?」


たくっちスノー
「はっきり言うよ海斗君、君たちヒーローは市民の遊び道具にされたんだ...安全なところから汚ならしく懸賞金を掛けていた」

海斗
「信じられないよ...」

たくっちスノー
「まぁそうだろうね、でも実際に起こったことだ、君の他にも懸けられてた奴はいるし、ヒーロー狩りだとか言って不人気のヒーローは切り捨てられてたらしいし」

たくっちスノー
「だけど海斗君はそれを分かっててヒーローとして街を守る選択をした、だから僕も何もしないようにしたかった」

ローズマリー
「だが結局お前はやった」

たくっちスノー
「そうだな...だって、どうしても許せなかったから」


たくっちスノー
「海斗君達が死んだ後に新しい人に移っていく市民が、海斗君を時代遅れと物のように切り捨てた市民が」



たくっちスノー
「そこからは行動が早かったよ、最後の海斗君のショーに参加した三十万人、掛け金を出した十万人を徹底的に調べあげて襲撃した」

たくっちスノー
「その後街の場所を世間に公表して...僕はこの街から逃げていった」


たくっちスノー
「...ははは、なぁ?僕も父さんと何も変わらないよな?」

たくっちスノー
「私怨で街を滅ぼす道を進めたんだよ?なら僕はヒーローの敵だよね?」

ローズマリー
「...」

デーリッチ
「...」

たくっちスノー
「理由は明かしたよ...やっぱり僕は悪なんだ、何なら王さま達もまとめてかかってきたっていいんだよ?」

...その時、海斗の背後に手が

かなちゃん
「...あっ!海斗君の後ろ...!!」

たくっちスノー
「知っている!!」ズバッ

名無しの怪物
「ウグエアアアッ!!」

たくっちスノーはすぐさま刀で手を切ると、渦から名無しの怪物が飛び出してくる

海斗
「名無しの怪物!?どうして...」

かなちゃん
「調べてみたら、貴方を探す奴の姿がありましてね...それで探してたんですよ」

海斗
「そうだったのか...でもどうして俺を?」

名無しの怪物
「ねぇたくっちスノー...分かっただろ?俺がどんなにつるぎちゃんに会いたくて苦しいのか、お前だけ...側にいるなんて贅沢なんだよ!つるぎちゃんの失敗作のくせしてさ!!」

たくっちスノー
「黙れ!!あの海斗君と目の前の海斗君は全然違う!」

海斗
「たくっちスノー...」

たくっちスノー
「こいつにはこいつの人生がある、海斗君は僕が関わらなくとも有意義な人生を送っている、ならそれでいい、僕が口を挟む道理はない...」

たくっちスノー
「だけど!もう海斗君が死ぬところは見たくない!!」

ローズマリー
「名無しの怪物...お前...!!」

名無しの怪物
「関係ないならなんで守るんだよ!?それは本物じゃない、大事な存在じゃないんだぞ!」

かなちゃん
「大事だからかと言って、生き物の生死をどうこうしていいはずがないでしょう!!」

ローズマリー
「黒影剣はお前の『モノ』じゃないんだぞっ!!」

名無しの怪物
「...モノ....」


たくっちスノー
「今度海斗君に近づいてみろ、海斗の人生に関わってみろ」


たくっちスノー
「お前をどんな手を使ってでも殺してやるからな」


名無しの怪物
「...じゃあ、別の手を使う」


名無しの怪物は液状化して消えていく


ローズマリー
「逃げたか...」

たくっちスノー
「これで海斗君の件は心配ないだろう、ハグレ王国に帰ろう」

海斗
「たくっちスノー、まさかこれを分かってて俺を?」

たくっちスノー
「それもあったけど...君に僕のことを話したかった、というのもある」

海斗
「.....」

たくっちスノー
「他人の僕が、こんなことを言うのもアレなんだけど...約束して、死ぬときは寿命で死んでくれ」

たくっちスノー
「せめて君は幸せに死んでくれ」

海斗
「...分かった、俺は寿命がくるまで生きるよ、ヒーローとして生き抜いたこっちの俺の分まで」

たくっちスノー
「それがいい...ありがとう、海斗君...」


...

「ねぇ、ローズマリー参謀」

「どうした?」

「前に、局長をやめたらどうするかって聞きましたよね?」

「ああ...」

「...死のうって思ってました」

「死ねないのにか?」

「この世から存在を消す装置を作って、たくっちスノーというモノを歴史から抹消すれば死ねなくはないよ」

「.....」

「でも僕には生き甲斐が出来たんです、罪を背負うという目的が」

「僕はヒーローが苦しんだ分を、この不死身の体にぶつけます...誰かが望むまで、何度でも、何度でも殺されてやるんです」

「.....」

「参謀、僕は正義とか悪というのは、他人が判断する物だって思うんです」

「決められた通りの物を倒すしかない、だからこそ本当に悪いやつに誰も気づけない」

「結局のところ、善悪なんてものは信用でしか判断できないと僕は思いますよ」

「『何故悪が倒されないといけない』と言う人だっています...でも名無しの怪物は正義は自分が正しいと思えばなんだって正義だと言いました」

「逆なんです、悪が倒されないといけないんじゃなくて、倒れてほしい、いなくなって欲しいから悪なんです」

「だから...僕は生き物というものがとても信じられません、皆王さまや海斗君のような純粋な人だったらいいのにね」

「...ああ、そうだな」

デーリッチは、たくっちスノーの心境を背負いハグレの世界へ帰還する...


世界に大事件が起きていることも知らずに...



デーリッチ
「あの頃のたくっちスノーに...戻ってきてほしいでち」

たくっちスノー
「その依頼は聞けないよ王さま」

[To be continued....]