二次創作小説(新・総合)

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.90 )
日時: 2018/03/26 09:35
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ーもうひとつの時空監理局ー

メイドウィン
「と、言うわけで戦場海斗君が一時的にうちに加入することになったんだ」

海斗
「よろしくな!」

たくっちスノー
『どういうわけだよ』

マクスウェル
「うちは児童預かり所じゃないんだぞ...」

メイドウィン
「良いじゃない、向こうのあいつが言うにうちの仕事はバリバリこなせるそうだから」

海斗
「俺、ヒーローの経験がありますので悪党退治なら任せてください!」

たくっちスノー
『だってさーマクスウェル、俺らの仕事取られちまうかもな』

マクスウェル
「僕らの仕事を心配するより、向こうの時空監理局を心配しろ...例の名無しの怪物が復帰したんだろ?」

たくっちスノー
『そういえばそうだな...今でも黒影剣作りに夢中になっているようだけど、いつこちらを狙いに来るか...』

海斗
「...名無しの怪物って?」

メイドウィン
「あれ?全時空に放送してたはずだから君の世界にも届くはずじゃ?」

海斗
「うちでしたらよく臨時ニュースが挟みますんで、テレビ番組が映ることは滅多にありませんよ?」

たくっちスノー
『そういう世界もあるのか...』

マクスウェル
「なるほどな...そういう異例のパターンもあるならはっきり伝わっていない世界もあるだろう、いいか?名無しの怪物っていうのは...」

.....
ーハグレ王国ー

たくっちスノー
「ふぅ...」

クラマ
「最近夜更かしばかりだな、俺たち...」

福ちゃん
「犯罪者というものは夜に活動するから仕方ありませんよ」

龍我
「でも、なんか物騒な依頼ばっかりでさ...次はもうちょっとファンシーな奴にしないか?」

クラマ
「ファンシーとかお前にしては珍しい発言だな...」

福ちゃん
「でも、確かにもうちょっとゆる~い依頼も頼んでみたいかもね...あら、これなんてどうかしら?」

たくっちスノー
「えーと何々...お菓子の世界からだってよ!」

龍我
「おおいいな!デーリッチ達もやる気が出そうだ!」

たくっちスノー
「よーし、そうと決まれば...開け、パンドラの門!」

たくっちスノーは召喚魔法で女性を呼び寄せる

たくっちスノー
「貴方が依頼人ですね?自己紹介を」

「え、ああ...グミラと申します」

福ちゃん
「グミラさん...ですか、その内容とは...?」

グミラ
「あの...あ...」

「全くしょうがねぇ奴だなぁ!」

たくっちスノー
「なんだこの声!?」


突如、グミラの口からオレンジ色をした丸いものが飛び出す

龍我
「なんだこりゃキモッ!!」

「キモいだってぇ!?俺っちに向かってなんたる口の聞き方!」

グミラ
「お、落ち着いて...私が悪かったから...」

「あーそうだよ!元はと言えばお前がハキハキしないから!」

福ちゃん
「え、えっと...すいません、貴方の名前は...?」

「ああ、こっちもカリカリして悪かったよ...俺っちはオレンジ味グミの妖精でオーレって言うんだ、グミラは相棒さ」

クラマ
「グミの妖精...そんなのもあるのか」

福ちゃん
「うちにだって紅茶の神様がいるんだし、不思議なことじゃないと思うけど?」

オーレ
「へーっ、本当に変わってる所だねぇ」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.91 )
日時: 2018/03/26 11:19
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

たくっちスノー
「それで、何の依頼を?」

オーレ
「依頼の話の前に、俺っち達の暮らすお菓子の世界について話させてくれや」

福ちゃん
「ええ、どうぞ。」

龍我
「やっぱお菓子の世界だしメルヘンチックなのか?妖精もいるし」

オーレ
「いんやいんや、ビルもあるし車もファミレスもデパートもある、お菓子の妖精とハグレが人間と一緒に共存しているくらいさ」

たくっちスノー
「なんか拍子抜け...」

グミラ
「だ、だけど...私たちの世界はお菓子会社が覇権を利かしていて...」

オーレ
「そうそう、お菓子が世界を動かしていると言っても過言じゃないくらい、お菓子大好き連中ばかりなのさ」

たくっちスノー
「なるほど...となるとそちらも、お菓子会社の社員で?」

オーレ
「社員なんてもんじゃない...グミラ・ジーメルスタイン氏は最大級のグミ会社『ジーメルスタイン』の若社長なのさ」

龍我
「しゃ、社長!?」

オーレ
「普段はこんな引っ込み思案だけども、仕事中はバリバリのスーパーウーマンなんだよ」

グミラ
「そ、そんなことないって...」

たくっちスノー
「すっげぇな...あ、分かった!依頼って新商品のPRとか?それとも新しいグミの味を考えて欲しいとか?」

グミラ
「違います...ええと...あの...」

オーレ
「頼みたいのは...そんな甘い仕事じゃあない」

龍我
「お菓子だけにか?」

クラマ
「ちょっと黙ってろ」

オーレ
「グミラ」

グミラ
「あ、うん...これを。」

グミラは鞄から複数の資料と新聞を取り出す

たくっちスノー
「ガム専門お菓子会社フクラップ?」

クラマ
「新聞の一面は『新発売フクラップのロマンスG』って書いてある」

オーレ
「フクラップがロマンスGを発売してバカ売れ、それはいい...どういうわけかジーメルスタインのお得意までロマンスGの虜になっているんだ、グミ好きばかりなのに」

オーレ
「ジーメルスタインだけじゃない、ビスケット、ラムネ、ゼリー、チョコレート...ありとあらゆるお菓子会社の客がみーんなロマンスGしか買わなくなってしまったんだ」

グミラ
「こ、このままじゃ...ジーメルスタインはもちろんとして、他のお菓子会社が皆倒産しちゃう...」

たくっちスノー
「そ、そんな深刻な事かなぁ...何にだってブームはあるんだし、時期が過ぎればまた...」

オーレ
「グミラも同じ事を言っていたがそうじゃない、よく見な...その新聞を」

クラマ
「新聞?...福の神様、この新聞の発行日...去年ですよ!!」

オーレ
「そう...去年から今まで、ずーっとだ」

たくっちスノー
「マジで?」

オーレ
「マジマジ、信じられんかったら途中で止めても構わんけど...」

グミラ
「.....」




オーレ
「改めて、依頼の内容だけどな...フクラップをぶっ潰してもらいたいんだ!」


オーレ
「もう新商品なんて作ったってあの世界の人間は見向きもしない!ならこちらが滅ぶ前にフクラップを亡き物に変えてやるんだ!!」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.92 )
日時: 2018/03/26 14:50
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ーお菓子の世界ー

ヅッチー
「すっげー!あっちこっちでお菓子があるぞー!」

デーリッチ
「うっひょー!」

たくっちスノー
「いくつかお土産代わりで買ってこーぜ」

ローズマリー
「こらこら、私たちは遊びに来たんじゃないからね」

福ちゃん
「でも本当にお菓子だらけねぇ...」

クラマ
「フクラップがいなくても企業争いとか激しそうだなぁ...」

グミラ
「普段はそれぞれの専門を売ってるから仲良しなんだけど...」

クラマ
「なぁ...本当にやるつもりなのか?」

オーレ
「ああ、このままじゃガム以外のお菓子は無くなってしまうからよ」

ローズマリー
「潰すって...そこまでする必要が...?」

オーレ
「たかが会社の社長がよその商品の販売中止にする権限はないからなぁ...不正をでっち上げるのはリスクが高すぎるし」

福ちゃん
「誰かに頼んで潰すって言うのも危険だとは思わないんですか」

グミラ
「それに関しては心配はいらないです」

オーレ
「他の企業だって同じ事をしているはずだからな...だからしらばっくれてりゃバレはしない」

ローズマリー
「そういう問題じゃ...」

龍我
「...なんか、とんでもない依頼を引き受けちまったかもな」

ローズマリー
「どうしよう、このままじゃ私達、時空犯罪者になっちゃうかも...」

「心配ありませんよ」

青髪の長身の妖精が、ローズマリーの肩を叩く

ローズマリー
「あっ、プリシラ...」

オーレ
「こいつ誰?」

龍我
「ああ、大明神の住む妖精王国で参謀をやっているプリシラって奴だ...経済術なら右に出るものはいないんだってよ」

ローズマリー
「まさか着いてきてくれるなんて...君とは色々あったけど、今だと心強いよ」

プリシラ
「ヅッチーが行く場所だったら私はどこにだって行きますもの」

グミラ
「経済...だって」

オーレ
「俺っちに何を求めるんだ、グミ開発の提案してるだけまだマシだろ」

プリシラ
「会社を1つ潰すと聞きましたが...どうやって潰すおつもりで?物理的に潰してほしいですか?それとも経済的?」

オーレ
「もちろん経済的だよ...俺たちお菓子会社の顧客を取り戻すためにもな」

プリシラ
「でも、一年経っても客が一人も戻ってこず、1つの商品に夢中になるなんて変ですね...うちだって数ヵ月に一回は新商品を作るのに」

福ちゃん
「何か方法はある?」

プリシラ
「そうですねぇ...」

オーレ
「確かめてみたいけどよ...ガムの虜になるのはごめんだぜ」

デーリッチ
「おーい、ローズマリー!」

ヅッチー
「なんか人気そうなの買って来たぞー!」

デーリッチとヅッチー、そしてたくっちスノーは買い物袋を持って戻ってくる


たくっちスノー
「これがフクラップの作ったロマンスGって奴だ...」ムグムグ

龍我
「お、おい!?そんなあっさり食っていいのかよ!?」

たくっちスノー
「心配いらん!マガイモノは時空から乱れた存在、洗脳だとか催眠だとか状態異常は一切効かないから!」

ローズマリー
(アルコール要りチョコで酔いかけた事あったくせに...)

福ちゃん
「で、どうです?味は...」

たくっちスノー
「...うーん、美味しいんだけど、何味かさっぱり分からないんだよな。」

龍我
「俺にも食わせてくれよ」

たくっちスノー
「どうぞ」

たくっちスノーはガムを龍我の口に放り投げる

龍我
「ん...ん?確かにどんな味か分からねぇけど、どこかクセになるな」

たくっちスノー
「ゲテモノって感じでもなければ、王道でもない...言葉で言い表せないけど美味しいことは確かなんだ」

オーレ
「なんじゃそりゃ...」

ヅッチー
「へー、なんだか美味しそうだな!」

デーリッチ
「ハグレ王国の皆の分も買わないとでち!」

プリシラ
「待ってヅッチー...その前に寄りたい所があるんだけど、いい?」

ヅッチー
「え?ヅッチーは別に構わんが...お前はどうだ相棒?」

デーリッチ
「デーリッチもいいでちよ!プリシラちゃんは何を買うんでちか?」

プリシラ
「買う...まぁ、間違ってはいませんけど」

福ちゃん
「何か、名案でも?」

プリシラ
「ええ、フクラップ社へ行きましょう!」


龍我
「おい、他に何買って来たんだ?」

デーリッチ
「プリン味のグミでち」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.93 )
日時: 2018/03/27 09:19
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: XsTmunS8)

ーフクラップ社ー

フクラップ社に付くと、受付嬢らしき妖精がプリシラ達の元に飛び回る

受付嬢
「フクラップ社へようこそ、ご用件はなんでしょうか?」

プリシラ
「私達はプリシラ商会です、ロマンスGに関して社長と取引をしたいのですが...」

受付嬢
「取引ですか?少々お待ちください...」

プリシラは受付嬢に名刺を渡し、受付嬢はどこかに電話を掛ける

ヅッチー
「見た感じは普通の所だけどなぁ...」

オーレ
「分からないぞ、警備員に知らせてるかもしれんし...」

デーリッチ
「そうでちかねぇ?考えすぎじゃないでちか?」

たくっちスノー
「.....」

受付嬢
「お待たせしました...応接室へどうぞ」

プリシラ
「ありがとうございます」

受付嬢
「あ、その前にボディーチェックを...」

受付嬢がボタンを押すと、奥から大きなロボットが二台現れた

ロボット
「カイセキカイシ」ピピピピピ

龍我
「おう...ボディーチェックって、まさか社長を襲いに来た奴でもいるのか?」

受付嬢
「ええ...三日前の事です、 貴方達のように取引を持ちかけて来た男が爆弾を...」

ローズマリー
「ああ...それは災難でしたね」

ロボット
「イジョウナシ フクラップシャヘヨウコソ」

受付嬢
「応接室にはロボットが案内しますのでどうぞごゆっくり」

プリシラ
「ありがとうございます」

たくっちスノー
(あっぶね、刀置いてきて良かった...)

福ちゃん
(ゴールデンハンマーが鈍器扱いじゃなくて良かった...)

...

応接室にて、ロボットがアームを伸ばしドアを叩く

ロボットA
「シャチョウガオマチシテオリマス」

ロボットB
「ゴユックリドウゾ...ト、イイタイトコロデスガ、ココデオヒキトリネガエマスデショウカ、ミス・ジーメルスタイン」

グミラ
「あっ...やっぱり知ってたんだ...」

オーレ
「はぁ!?ここまで来て引き下がれるかよ!!」

プリシラ
「ジーメルスタインさん、ここは諦めた方が良いですよ」

グミラ
「やっぱりそうですか...?」

オーレ
「うるせぇ!!ここまで来て帰れるか!!お前の作ったガムに何入れやがった!?新手のドラッグか!?それともCMにサブリミナル機能でもあるのか!?」

プリシラ
「ジーメルスタインさん」

オーレ
「返せ!!俺たちの客を返せ!!お前の所だって何かやってんだろ!?俺っち達だけじゃない、他の妖精だってそう思ってんだ!!」

福ちゃん
「...!」

プリシラ
「オーレさん?...今から私達は仕事の話をするんです、私情を挟まないでください」

オーレ
「だけどよ!俺っち達だってマガイモノ屋に依頼してんだろうがよ!」

たくっちスノー
「それとこれとは話が別だよ、無駄話してる暇あったら新しいグミの新商品でも考えてたら?」

ロボットA
「デハ、ドウゾ」

プリシラ
「失礼します」

たくっちスノー
「失礼しまーす」


プリシラ
「それとこれは経験談ですが、思い込みはいずれ身を滅ぼしますよ」

そう言って扉が閉まる

オーレ
「くそぉ...新しいグミだって...?ロマンスGより凄いお菓子なんて作れるのかよ...?」

グミラ
「ねぇオーレ...プリシラさんの言う通りだよ。潰すなんて物騒なことやめて、会社に戻って新しいグミ作ろ?...ね?」

オーレ
「グミラ、お前は甘いんだよ」

オーレ
「どうしてもフクラップには負けたくないんだ...他の妖精達もな!」

...

応接室には、年配の妖精と小さな子供が座っていた...子供がお辞儀をして名刺を渡す

「貴方達がプリシラ商会なんですね!俺はこのフクラップでガム造りをしている、フワット・ピッチョといいます!」


たくっちスノー
「あの人より若いな...じゃあ、妖精の方が社長で?」

「ほっほっほ、初めまして...わしはこの会社の社長であり、オレンジ味ガムの妖精で柑と申します」

プリシラ
「初めまして...」

デーリッチ
「おじいさんの妖精は初めて見たでち...」

ヅッチー
「ヅッチーもだ...」

フワット
「蜜柑じーちゃんは他の社長のパートナーの妖精達の親みたいな存在なんだ!」

ローズマリー
「それって長老みたいな?」


「まぁ、そんな感じですな...それで取引と聞きましたが」

プリシラ
「はい...フクラップ社の売り出したあのロマンスG、私達もとても気に入りまして...」

フワット
「おー、アレ食べてくれたんだ!不思議な味だよね~!」

プリシラ
「単刀直入に言いますが...このガムを色んな世界に売り出したいと思いませんか?」


「ほお?」

Re: ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(募集中) ( No.94 )
日時: 2018/03/26 18:42
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

プリシラ
「私達プリシラ商会は、フクラップからロマンスGを売る権利を貰いに来たのです」

フワット
「どういうこと?」

プリシラ
「フクラップ社が造り、商会が買い取りそれを他の世界で販売する、そして利益は貴方達に...どうでしょうか?」

デーリッチ
「えっ、それってデーリッチ達の世界でもこれが食べられるって事でちか!?」

フワット
「あれ!?もしかして君ってハグレ?奇遇だねー俺もなんだ!」

デーリッチ
「そうなんでちか!時間ができたら遊びに来てほしいでち!」

フワット
「おー!いくいく!」

プリシラ
「...それで、どうですか?この交渉は」


「ふむ...確かにガムが色んな子供達に食べてもらえるのは喜ばしい事じゃが...」



「申し訳ありませんが、ロマンスGに関してだけは首を振れません...」

プリシラ
「何故です?」

ヅッチー
「なー、お菓子食べたい」

デーリッチ
「デーリッチもー!」

ローズマリー
「こらこら...すいません、大事なときに...」

フワット
「お菓子食べたいのか?じゃあ特別に出来立てホヤホヤの新商品を食べさせてあげるよ、じーちゃんいいよね?」


「うん、是非食べていってほしい」

ヅッチー
「えっ、いいのか!?」

福ちゃん
「すいません...」

フワット
「じゃーん!新商品のあわあわガムをどうぞ!」


「皆さんもどうぞ」

デーリッチ
「わーい!」

龍我
「あ、悪いな.....おお旨めぇ!」

ローズマリー
「美味しい..!」

クラマ
「この若さで作ったと考えると、よく出来てるな...」


「おお...また腕が上がったのぉ」

フワット
「いやいや、じーちゃんのガムほどじゃないって!」

福ちゃん
「柑さんもガムを作るのですか?」


「ええ、わし達お菓子の妖精はお菓子作りが得意で、昔は妖精の子供達と一緒にお菓子を作っていたのじゃが...皆負けず嫌いで自分が一番だと思う者ばかりで、皆わしの元を離れていってな...」

フワット
「その妖精達は今、ラムネやチョコレートといった会社でお菓子を作ってるんだってさ!」

ヅッチー
「じゃあ、ジーメルスタインのオーレって奴も?」


「あの子に会いましたか...他の妖精も同じような物でしたが、彼は負けず嫌いで、出し抜くためならなんだってやる子です」

ローズマリー
「でしょうね...」


「わしとしては会社を持った以上、人間達が喜ぶようなお菓子を作ってもらいたい、それを分からせるためにアレを作ったのに...」

クラマ
「アレ、というのは?」


「貴方達もよく知る...ロマンスG。」

デーリッチ
「えええええーっ!?」

たくっちスノー
「あのガムってこの子が作ったんじゃないのか!?」

フワット
「うん、じーちゃんは俺に『いつかこのガムよりも美味しいお菓子を作りなさい』って言われてね...頑張って勉強してるんだ!」

福ちゃん
「そうなの...」


「アレで初心に帰って、また美味しいお菓子を作ろうと思ってほしかった...じゃが、わしの行動は間違っていた」

クラマ
「全ての人間がロマンスGしか食べなくなった事だな」


「ええ...」

フワット
「ああ~...」


「わしとしては、皆に沢山のお菓子を食べてもらいたい...それなのに...ああ、すいません、お客さんにこんなこと話してしまって...」

フワット
「じーちゃんは何も悪くないって!じーちゃんのお菓子が美味しいのは事実だからさ!」

福ちゃん
「...何だか、申し訳ない気持ちになってきましたね」

たくっちスノー
「ああ、むっちゃいい会社じゃねーかここ...」

クラマ
「あの妖精め、こんな手使ってきやがって...いや、引き受けてしまった俺たちも大概か」


「一体どういう事です?」

福ちゃん
「実は、我々は...」

福の神達は全てを話した

なんでも屋「マガイモノ屋」のこと。

オーレからここを潰すように頼まれたこと。

お菓子作りより妨害という手を選んだこと


オーレの口振りからして、他の妖精達も...


福ちゃん
「すいませんでした!なんて言えばいいのか...!!」

たくっちスノー
「本当に、申し訳ない!!」


「いえいえ...貴殿方にも罪はありませんよ」

フワット
「でもどうしようじーちゃん、ここまで恨まれちゃのんびりガムを作れないよ」


「ふむ...そうじゃ、この件を期にわしらは隠居するのはどうじゃ?」

フワット
「え、隠居?」


「そう、お金や会社の事は忘れ...遠いところでゆっくりするというのは」

フワット
「いいかも!後継ぎは決めてあるの?」


「...いいや、いっそのことフクラップなんて無くしてしまおう」

フワット
「ええっ!?じゃあ社員はどうなるの!?」


「もちろん次の働き先が見つかるまでどうにかするが...」

プリシラ
「.....」

ヅッチー
「そっかー、無くなっちゃうのか、残念だな。」


「ええ...ということで、取引の件は無かったことに...」

プリシラ
「ええ...残念です」

たくっちスノー
「これって...依頼達成になるのかな?」


「これでオーレが納得してくれるといいがのぉ...」

...

フクラップ社から出ると...オーレが待ち構えていた

オーレ
「おい!?仕事の話は終わったか!?」

クラマ
「グミラという奴はどうした?」

オーレ
「ジーメルスタイン社だよ、一人で籠ってグミ造りしてやがる...どうせ無駄なのによ」

ローズマリー
「無駄...君達の長が作ったお菓子に敵うはずがないと、我々にこんな手段を取らせたのか?」

オーレ
「文句あるかよ...このままじゃ金稼げないんだよ...」

福ちゃん
「...もう行きましょう」

オーレ
「待てよ!?フクラップを潰す件は...」


たくっちスノー
「それならとっくに片付いた」

オーレ
「え?」

たくっちスノー
「ま、その後の事は考慮しませんけどね...行こうか皆、お菓子買ってから帰ろうぜ」

ヅッチー
「ああ、フクラップのガムをお土産にするか」

プリシラ
「それなら箱買いしなきゃね」

オーレ
「ま、待てよ!!おい!!」

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その後のことだ、あっちの父さんに調べてもらったら...本当にフクラップ社は無くなっていた。

でも元社員が新しくガム会社を立ち上げたらしく心配はいらないそうだ。

問題は...それ以外のお菓子会社。

その次の日、ラムネの粉からやばい粉が発見されラムネ会社が検挙。

さらにその次の日は爆弾襲撃がチョコレート会社の妖精の命令によるものと発覚し消滅

...あのグミのジーメルスタイン社も、グミラ・ジーメルスタイン氏がオーレ氏がグミの材料偽装をしていたことを告発したそうだ

そして、お菓子の世界の住民の恨みを買ったちび妖精達は逃げるように都会を去ったという...