二次創作小説(新・総合)

Re: ポケタリアクロニクル-英雄の軌跡- ( No.133 )
日時: 2018/04/16 12:10
名前: テール (ID: LAu9zylb)


レイが目を覚ますと、そこは自室であった。

「おはようございます、レイ。」
「・・・・・。」

相変わらず、目の前にはプリムラが添い寝をしていた。

「・・・・状況がつかめねえんだが。」

レイは頭が痛むのか、頭を抱えながら起き上がる。
プリムラも起き上がってレイを見る。

「はい、私を使って魔術を放った後、倒れました。
 おそらく、強力な魔術を使ったため、身体に不可がかかったのでしょう。
 その後、ティルとルドガーに背負われて、あなたは自室に戻ってこられました。
 そして、10日間眠ったままでした。」

プリムラの説明に、レイは「なるほど」と声を漏らす。

「その間、ずっとおれの隣で?」
「はい、いつ起きるのかと思いまして、ずっと。」

レイはそれを聞いて顔を真っ赤にさせる。

「や、やめろよ!ずっと見られると恥ずかしいだろ!
 あと、寝てる間におれの隣にいるの禁止だ!」
「はあ、申し訳ありません。」

プリムラはわかってるのかわかってないのかわからない返事をする。
レイはため息をついた。



「おーい、レイ!起きたー?」

そこへ、レイの声を聞いたティルは、勢いよくレイの部屋を開けた。
レイは驚いてティルを見る。
ティルもプリムラとレイの様子を見て目が点になる。

「・・・・・あ」
「・・・・・う」

二人は顔を見合わせて、声を出す。

「ごめん、お邪魔しました。」
「いや、勘違いしてんじゃねえよ!なにもねえよ!!」
「いいのっ・・・お姉ちゃん、何も見なかったからっ・・・・!」
「おい!待て!」

ティルは顔を赤らめて出て行ってしまった。
部屋に取り残されたレイは口をあんぐりと開けたまま。
プリムラは首をかしげる。

「ティルはどうしたんでしょう?」
「・・・・・。」

レイはうなだれていた。












「おーレイ!起きたんだね!」
「メウィル!?なんでここに?」

レイは起きて部屋から出ると、メウィルが拠点へとやってきていた。
拠点には、メウィルのほかに、ルドガー、ティル、少年もいた。

「うん、僕このギルドのメンバーに入れてもらったんです。
 自分の家から通うから、毎日ここに来るわけじゃないけど、
 よろしくお願いします。」
「は、はあ。」

メウィルは手に持っているティーカップを指で躍らせる。

「あ、あの後さ、ちょーっと調べさせてもらいました。
 なぜ巨人が突然動き出したかなーって思って、
 壊れたソウルハートを解析してみた結果・・・」

メウィルは唐突に目つきが鋭くなる。

「「破壊神ティルヴィング」の力の反応があったんです。」
「!?」

レイは驚く。

「破壊神ティルヴィング!?奴は伝承の中の存在だろ!?」
「僕もそう思ったんですけどねー。
 でも解析結果にはそういう結果が出ちゃったもんだからさ・・・」

ルドガーも頭を抱える。

「だが、ティルヴィングは確か、魔剣に封じ込められてるんだろ?
 魔剣らしきモノなんかなかったぞ?」
「既に破壊されて、魂が誰かを器にしているなら、移動も可能だし、
 既に死亡して、転生しているならっていう推測もあり得る。」

メウィルはそう答える。
ティルは腕を組んで今まで黙っていたが、口を開く。

「ま、考えたってしょうがないわよ。
 推測だけじゃなにもわからないし。」
「今はまだ、ね。」

メウィルは表情を硬くさせたまま、そうつぶやいた。
そして、席を立って、拠点の入り口に近づく。

「あ、僕はこれからニコルの手伝いに行かなきゃなんないから、これで。」
「あの人と仲良くなってたんだ・・・」
「うん、あの人行動と発想が面白くってさ!
 あのあと何度もコンタクトをとってるんですよ!」

メウィルがそういうと、スキップをしながら拠点を後にした。




「レイ、プリムラはどうするの?」

ティルはレイに尋ねる。

「・・・・?いや、このままここに置くしかねえだろ。
 こいつはどこにも行くところがないわけだし。」

レイは半目でプリムラの頭に手を置いて言う。

「これも何かの縁だろ。一応、こいつはおれを主人としてみてくれてるしな。」
「レイ・・・」

プリムラは胸に手を当てる。
ティルはそれを見て、笑った。



「だったら、最期の時まで一緒に居なさいよね!」
「そ、それは・・・いや、わかってるさ。」

レイはプリムラを見て、頷いた。