二次創作小説(新・総合)
- Re: ポケタリアクロニクル-英雄の軌跡-【オリキャラ募集】 ( No.25 )
- 日時: 2018/03/13 23:32
- 名前: テール (ID: LAu9zylb)
一行が目的地に着いた頃には、陽が天高く上っており、気温も上昇していた。
少年は暑そうに息を荒くする。
すかさずティルは水の入った革袋を少年に差し出す。
「水分補給しないと、熱中症になるから気を付けて。」
少年はぺこりと頭を下げて水を飲む。
山賊たちは家が数件建っている集落のような場所を根城にしていた。
集めた金品を一か所に集め、頭領らしき大男がそれを数えている様子が見える。
アジトにいるせいか、山賊たちは皆無防備であった。
「先生、この少人数じゃすぐにやられるぞ」
「・・・・まだこちらは気づかれてない。
ティル、私と一緒に反対側へ。
あなたとレイは、私たちが囮になってる間に魔法を乱射して。」
ティルとレイは一瞬何を言われてるかわからないでいたが、
ああ!と声を出してネイラの言葉を理解する。
「まかせて先生!私頑張っちゃう!」
「ああ、こんなじゃじゃ馬よりは役立ってみせる」
「だれがじゃじゃ馬よ!」
「うるせえな脳筋」
二人がまたにらみ合うと、ネイラは二人の頭を両手でチョップを喰らわす。
「次喧嘩したら先生、怒りますよ。」
「は、はひぃ・・・」
二人は魂が抜けたかのように同時に返事した。
「おい、お前魔導書は持ってるのか?」
レイは少年に尋ねる。
少年は懐から赤い表紙の魔導書を取り出してレイに見せる。
「「ファイアーの書」か、まあ妥当か。
できるだけ持てるすべての力を出し切れよ。
山賊とはいえ、数もそこそこだしな。」
レイは少年を見ながら指示をし、少年はそれをきいて頷いた。
「ティル、油断しないようにね。」
槍を構えるネイラはティルに強く指示をする。
「はい、先生!」
「思い出すわね、初めての訓練もこんな感じで・・・」
「先生、おばさんっぽいです。」
ネイラはティルをキッと睨んだ。
しかし、すぐに山賊に向き直る。
「そろそろ行きましょう、向こう側の二人もじれったそうにしているに違いないわ。」
「よし、頑張るわ!」
ネイラは槍を構えて、ガサガサと音を立てて山賊たちの前へ出た。
ティルも剣を携え、前に出る。
山賊たちは驚いてネイラとティルを見た。
「な、なんだおめえら!?」
「覚悟しなさい、依頼であなた達を討伐するように言われたギルドの傭兵よ!」
「降伏するなら今のうち!」
二人は武器を構えた。
「おい、ギルドだか知らねえが他人のシマを荒らすとは、教育がなってないようだな!
子分共!こいつらを」
山賊の頭がそこまで言うと背後から黒い雷が山賊たちを襲った。
さらに、火炎の弾が山賊たちを次々に燃やし、
ネイラとティルが棒立ちしている間に、山賊たちはほぼ壊滅してしまった。
「なっ・・・!?」
頭は驚いて動けないでいる。
ティルはそこへ頭の腹を思いっきり蹴って縄で縛り付けた。
「よーし、ミッションコンプリート!」
ティルは右腕を天に掲げて喜びの雄たけびを上げた。
「ありがとうございます、皆さん・・・
これからは山賊の脅威に震えずに生活ができます。」
依頼主であるおばさんが深く頭を下げてお礼を何度も言う。
ネイラは首を振り、
「いえ、当然のことです。
ですがまた山賊が現れる可能性がありますので・・・
その時はまた、私たちのギルドをお呼びください。」
「そうですね、こんなにお若い方々なのに立派な方々で安心しました。
これは、ささやかなお礼です。」
おばさんはそういうとお金をネイラに手渡した。
ネイラはにこりと笑った。
「はい、ありがとうございました。」
ネイラたちは、おばさんに手を振って別れを告げた。
「さて、これで依頼を達成したんだけど、
ここからが本番よ、ティル。」
「本番?」
ネイラは遠く彼方にある山脈・・・フェティエ山脈を指さす。
「あそこを超えて、「結託の街ミットヴィルクング」にある
ギルド本部でギルド結成の申請をするのよ。」
ネイラはティルと少年に説明をする。
正式にギルドを登録しなければ、ギルド活動を認められない。
なので、まずは依頼をいくつか達成し、
ある程度人数が揃ったところで、「結託の街ミットヴィルクング」にある
ギルド本部で、ギルド結成の申請、登録を行わなければならない。
これは、もし不相応の人格を持つ人間がギルドを結成し、
好き放題活動をされて、ギルドの名に泥を塗られてしまった場合、
帝国に即座にギルド本部を潰されてしまうため、このようなシステムを取り入れている。
ティルはなるほどと声を出して頷いた。
「まあ、連絡船を使えばすぐのはずだから、
まずはここから南にある港町メロウに行きましょう。」
「はい、先生!」
そして、四人は、港町メロウへと、歩みを進めた。
「ところでティル、ギルドの名前とか想像できてる?」
「うーん・・・・「自由な風」ってのはどうかな?」
ネイラはにこりと笑う。
「いいわね、それ。」
「でしょ?」