二次創作小説(新・総合)

Re: ポケタリアクロニクル-英雄の軌跡- ( No.94 )
日時: 2018/04/01 19:28
名前: テール (ID: LAu9zylb)

第六章 劇団「自由な風」


「破壊神ティルヴィング」
かつて大陸を揺るがした魔神の眷属であり、
破壊と殺戮を繰り返し、大陸の人々を恐怖のどん底へと叩き落した者である。

しかし、聖騎士「ユフラテ・フルーレ」の活躍により、
柄が黒く、刀身が赤い魔剣に封じ込められたのである。
その剣は魔封じの鞘に収められて一件落着・・・のはずだった。

剣は何者かに盗まれ、その行方は様々な人々に渡っていた。

一度鞘から放たれれば持ち主は自我をティルヴィングに奪われ、
何百、何千の人々を殺し続ける鬼神と化する。

持ち主が変われど、ティルヴィングの囁きは変わらない。
「誰かを殺せ」とけたたましく叫び、持ち主を操って血や魂を吸い上げる、
まさに「魔剣ティルヴィング」である。

そして、ティルヴィングは最後に持ち主の魂すら喰らうのである。






「へぇ~、こっわ!」

クーが、「神竜神話」の「魔剣ティルヴィング」の項目を見て、声を上げた。

その場には、リーヴェシア、スピカ、クー、リベルテの4人がいた。
今日はたまたま依頼がないため、一緒に勉強をしているのである。


「魔剣ティルヴィング・・・・伝説が本当だったら、今もなおこの大陸を彷徨っているんでしょうか?」
「リベルン怖いこと言わないでよ~、間違って手に取っちゃったらどうすんのさ!」

リベルテの疑問に半泣きになりながら叫ぶクー。
リーヴェシアは笑いながら二人を見る。

「まあ、もう気が遠くなるくらい前の話ですから、真相は定かではないですけどね。」

スピカは「神竜神話」を読み進めている。
隣にいたルビーとサファイアも一緒になって読んでいる。


「神竜神話」とは、この大陸に伝わる神竜アナンタの信仰に基づく神話である。
大陸ではもっとも有名な文献であり、
子供たちの教育にも引用されるほどでもある。

そんな本を読んでいると、ネイラとレイが帰ってきていた。


「あら、4人とも、ただいま。」
「おかえりネー先生!お疲れさまー!」

ネイラに手を振って笑うクー。
すると、ネイラは一つの紙切れを取り出してテーブルに置く。

「いい仕事が入ったのよ、明日からみんな揃って練習するわよ。」
「いい仕事?」

ネイラの言葉を繰り返すリベルテ。
リーヴェシアは紙切れを手に取り、読む。

「劇団団員募集・・・?」
「そう。うちのギルド全員で劇をやるのよ。」
「はぁ・・・。」

レイは肩を落として心底面倒くさそうに肩をすくめる。

「何やるの?」

スピカはワクワクしながら尋ねた。

「それはみんなが集まってから相談しましょう。
 とにかく明日からは予定を開けておいてね。」

ネイラはそういうと、いつになく上機嫌で自身の部屋に入っていってしまった。