二次創作小説(新・総合)
- 年始のお話 ( No.130 )
- 日時: 2019/01/01 09:17
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
『初日の出前の話』
~第三者side~
ミラーワールドには人間や動物がいない代わりに、ミラーモンスターと呼ばれる怪物達がいる。
人間などがいたとしても、それは仮面ライダーかミラーモンスターに引きずり込まれたかのどちらかだ。
そしてミラーモンスターやある特殊な存在以外はミラーワールドに入り時間が経つと粒子化し、消滅する。
それは二人を除いて仮面ライダーも例外ではない。
その例外の一人である仮面ライダーと、とある存在は元々は人間だったためか、平和になってからは年始になると初日の出を見ることがあった。
ミラーモンスターはいるが、そういう風情を楽しむ者はあまりいない。
人間などはいないからこそ、静かでもある。
そのことを弟に頼まれ、大晦日の買い出しで偶然にも会った麻琴に話したことは例外の一人、リュウガは確かに覚えている。
覚えている、が。
リュウガ「まさか来るとは…」
麻琴「リュウガと初日の出を見に行くときちんと約束しただろ?」
リュウガ「冗談かと思ったんだよ」
現実世界と同じくまだ暗いミラーワールドにある、花鶏の前。
そこにリュウガと、何故か麻琴がいた。
仮面ライダーであったとしても、変身しないでミラーワールドに入ると早く粒子化が起こってしまう。
なのに麻琴は粒子化が起こり始めてすらいない。
それを訝しむが、すぐに分かった。
麻琴「ミラーワールドに一時的に適応が出来る薬も作って飲んだのに~」
リュウガ「ええぇ……どうやってそんな薬作ったんだよ…」
麻琴「企業秘密や」
とんでもない薬を作って服用してた。
思わずツッコミを入れたが、にこりと可愛らしい笑みで言われた。
可愛いなぁと思いつつも、約束したものはしょうがないとため息を吐き出す。
リュウガ「なら見に行くか……ブラッカー」
リュウガが呼ぶと黒い龍―――ドラグブラッカーが現れる。
いつもなら契約者であるリュウガの近くに行くのだが…。
麻琴「ん?」
リュウガ「は?」
何故か、ドラグブラッカーは麻琴の方に行くと顔を擦り寄せる。
心なしか、甘えるような声を出して。
地味にショックを受けるリュウガをスルーし、もしかしてと麻琴は着ている上着のポケットから何かを取り出す。
ハンカチらしき布に包まれたそれを開くと、クッキーが出てきた。
それを差し出すと、ドラグブラッカーは慣れたようにクッキーを食べていく。
その光景にもしやと思って尋ねる。
リュウガ「………麻琴、よくブラッカーに食べ物やってるのか?」
麻琴「ん?ああ、去年の十一月の始まりくらいの時に料理対決があったろ?その準備期間に何回か試作してて、たまにブラッカーにもあげて……それからちょくちょく、ウチが作ったのや買ってきたのをあげてたな」
リュウガ「……………ブラッカー?」
クッキーを食べ終えたドラグブラッカーを見れば、知らんぷりするかのように顔を背けてる。
顔文字にするならば。
【(´゚з゚)~♪】
というような感じだ。
片想いを抜きにしても、料理上手な麻琴の作った料理や菓子を食べていたという事実に少しだけドラグブラッカーを羨ましく思う。
そのドラグブラッカーが話を逸らすように思念で早く行かないのかと告げてきた。
後で話し合うことを決めてから、地面に降りて待機するドラグブラッカーに乗ると麻琴に手を差し出す。
ちょっときょとんとしたが、その手に手を繋いで麻琴もリュウガの後ろに乗る。
ふわりとドラグブラッカーが浮くと、麻琴はそのままぎゅっとリュウガの背中に抱きつく。
見に行く場所とドラグブラッカーとの話し合いの内容を考えていたリュウガは、無意識に手を差し出したことも抱きつかれたことも気づいていないが。
夕方頃、現実世界からミラーワールドに帰ってきた時にドラグブラッカーからそのことを指摘され、悶えていたのは別の話である。
~第三者side end~
- 年始のお話 2 ( No.131 )
- 日時: 2019/01/01 09:18
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
『お餅の話』
境界の館の中庭。
元旦のうちのこの恒例行事をやる奴が増えたな。
死んだ目で眺めながらそんなことを思う。
ドガガガガガガガガガガガガガガガ!
工事現場のような音が二重で響く中、周りは気にせずにお汁粉や甘酒を口にしたり新年の挨拶などをしてる。
いや、私も慣れてるよ?
慣れてるけど……この恒例行事に参加者が増えると思わないじゃん?
ウチ、これでもギャグカオス組のはずなのに何でツッコミ組になってんだろ……?
戦兎・ソウゴ「あけまして!おめでとうございまーす!今年もよろしくお願いしま~す!!」
龍我「よっ!あけましておめでとう!今年もよろしくな」
ゲイツ「あ、あけましておめでとう…?」
と、銀色のオーロラが現れてそこから「ビルド」のベストマッチコンビと新入りの「ジオウ」の二人が出てきた。
仮面ライダージオウの変身者、常磐ソウゴ。
仮面ライダーゲイツの変身者、明光院ゲイツ。
どうやら五十年後には正月という概念がないのかは分からないが、ゲイツは戸惑っているように見える。
本編を考えると、お正月の概念が無くてもおかしくはなさそうだから何も言わないが。
ドガガガガガガガガガガガガガガガ!
そんな四人は恒例行事を見て固まり、驚きの表情を浮かべてる。
そりゃそうだよねーと苦笑し、四人に声をかける。
月音「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。ちなみに、あれはただの境界の館お正月恒例・餅つき工事です」
ソウゴ「待って、工事って今言ってなかった!?」
月音「だって工事現場みたいな音ですし」
私達がそう話してる間も餅つきは続いてる。
だってさぁ。
ドガガガガガガガガガガガガガガガ!
この音、最低でもあと一分しないと終わらないんだぜ…?
杵と臼はツキトが作った、特別頑丈で衝撃吸収力がハンパナイ。
何でそんな特別製なのか?
理由もちゃんとあるんだよね…。
ゲイツ「……月音。何で燐はドラゴン成分が表に出てて、ツキトは仮面ライダーカブトに変身してるんだ?あと、目が死んでる」
月音「知りませんよ。気にしないで」
何故か、燐はドラゴンの鱗と尻尾を出した状態で杵を持って餅を突き。
何故か、仮面ライダーカブト・ライダーフォームに変身したツキトが餅を返す。
これ、二人が会ってから初めての正月からずっとこれなんだよ?
しかも残像が見えるレベルのスピードで餅つきしてるんだよ?
死んだ目にもなるよ。
戦兎「いや、麻琴と窮奇もやってるんだけど…」
龍我「麻琴は振袖だろ…何で出来るんだよ…」
ツッコミを入れる「ビルド」コンビに激しく同意と言いたくなる。
薄紅の桜模様をした黒い振袖姿の麻琴が杵の係で、人型の窮奇が返す係をしてる。
性別的に逆だろとか、せっかく髪も整えたのに乱れるぞとか、何でお前らも残像が見えるスピードなんだよとか。
色々ツッコミを入れたいが、我慢してる。
夏海「お汁粉出来ましたよ~」
と、白いミカンの花模様をした橙色の振袖を着た夏海がお汁粉の入ったお椀をいくつかお盆に乗せ、やってくる。
その横には洋服の士がいる。
ソウゴ「あ、俺のご飯食べた人」
士「門矢士だ」
ゲイツ「そう言われても当然だろ」
月音「ジオウ本編でソウゴのご飯食べましたからね」
うぐっと言葉に詰まった士を無視して、夏海はお汁粉を配る。
麻琴「餅つき工事飽きた……リュウガ、餅食べる?」
リュウガ「食う」
初日の出を見に行って、そのまま館に誘われたというリュウガが椅子に座ったまま頷く。
つきたてのお餅を丸めた麻琴が皿をどこからか取り出し、渡す。
受け取って用意してあった醤油をかけてもちもち食べるリュウガの隣に、自然な動きで麻琴が座ると。
リュウガ「うぐっ!?」
麻琴「リュウガ!?」
驚いたのか、お餅を喉に詰まらせた模様。
麻琴が必死に背中を叩いてる姿を生ぬるく見てから、ソウゴとゲイツに近づく。
月音「あ、これ、少ないですが二人にお年玉です」
ソウゴ「え、いいの?」
ゲイツ「……?」
月音「本当はツクヨミにも渡したかったんですけどね。ソウゴ、代わりに渡してください」
ソウゴ「ツクヨミは叔父さんの初売りの買い物に付き合ってるからなぁ。分かったよ」
ポチ袋を渡し、私もつきたてお餅でも食べようとしたら。
羽衣狐「あけましておめでとう。月音、餅をもらいに来た………む?見慣れないのがいるな」
と、相変わらず真っ黒セーラー服姿の黒髪の美少女―――羽衣狐がやってきた。
餅つき工事の常連さんの登場だ。
月音「羽衣狐、あけましておめでとう。この二人は常磐ソウゴと明光院ゲイツ、「仮面ライダージオウ」組」
羽衣狐「新入りか」
納得する羽衣狐。
その時には燐&ツキトの餅つき工事は終わっていた。
- 年始のお話 後書き ( No.132 )
- 日時: 2019/01/01 09:19
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
「皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
麻琴「お前が連想した正月らしい話題って初日の出と餅つきなのか?」
「いえす。ちなみに餅つき工事は以下のことが起きました」
燐とツキトに餅つきさせたいなー。
↓
なんかドラゴン成分出した燐とカブト・ライダーフォームに変身したツキトが脳内に浮かぶ。
↓
しかも超高速で餅つきし始める。
↓
効果音はドガガガガガガガガガガガガガガガ!
↓
音が工事現場みたいだな…。
↓
よし、命名は「餅つき工事」だ。
「という」
麻琴「おうふ」
「ちなみにうちの設定では契約したミラーモンスターは、契約者と思念で会話が出来ます。これで話は終わりですね、それではー」