二次創作小説(新・総合)
- 術式 ( No.179 )
- 日時: 2019/04/01 17:59
- 名前: 月詠 (ID: xV3zxjLd)
トライアルの健康診断的なものから翌日。
連絡があったので「少年陰陽師」世界に来て、安倍邸で昨夜に起きた……トライアル一真が連れ去られたことを聞いた。
しばらくは黙っていたが、ため息を吐き出した。
月音「……トラ一真から目を離してた私が悪いですね。マフラーに魔力を込めてGPS代わりにしてたとは言え、世界が変われば分からなくなるし…」
渡された赤いマフラーから自分の魔力を抜き出して吸収する。
マフラーはBOARD製のものだが、魔力は込めることが出来るのでそうしていた。
多分、セリシアとかいう奴は気づいたんだろうな…。
昌浩「でも……すみません…」
月音「気にしません。にしても………そのセリシアって奴から、妖気を感じたんですね?」
物の怪「ああ」
月音「で、何らかの力で動きを封じられた、と」
物の怪「……ああ」
渋い表情で頷くもっくん。
六合もぴりぴりした雰囲気になってる。
そんな神将コンビを見ながら考える。
- 術式 2 ( No.180 )
- 日時: 2019/04/01 18:00
- 名前: 月詠 (ID: xV3zxjLd)
十二神将。
「少年陰陽師」世界の末席の神であり、人の想いの具現として人に似た姿をとるようになった者達。
セリシアはそんな彼らの動きを封じる力を持っている。
確かに「少年陰陽師」世界では神将達の動きを封じられるほど、力の強い妖がいたりする。
が、種族が分からなくて何とも言えない。
考えても仕方ないと思い、話題を変える。
私は解析結果のデータ画像を取り出す。
ここ、昌浩の部屋だから出来ることなんだよね。
晴明には昌浩から伝えてもらおう、そうしよう。
月音「ちょっと気になることがあって「仮面ライダー剣」世界で健康診断的なのをして、トライアルの体内とかを調べたんですけど…」
昌浩「呼び方がごちゃごちゃになってるような…」
月音「気のせいだ。その時にあることに気づいて、調べるために泊まって………この術式を見つけました」
解析結果の画像データを三つ並べる。
それらを覗き込む昌浩ともっくん。
本当は「少年陰陽師」世界は平安時代だけど、いちいち説明するのめんどくさくてライダーとかぬら孫とかの現代世界での物を徹底的に教えたから楽だわー。
本当はダメだけど、昌浩と晴明と十二神将にだけだし他の人には教えない約束もしたから大丈夫。
月音「刻んだ者にだけ従う強制隷従の術式と人間を喰らえば喰らうほど強くなる術式、穢れや瘴気を取り込むことで強くなる術式……昔、あまりに非人道的ということで封印された術式です」
実はもう一つあるが……これは伝えられないんだよな…。
だから出さずに隠したままだが。
物の怪「人間を…」
六合「穢れや瘴気…」
月音「何でこの術式が埋め込まれてたのかというより……これらをどこで知ったのかが分からないんですよね」
再びため息を吐き出し、画像データを仕舞う。
月音「とりあえず私は色々情報を集めてみます。夜警にもついていきますね、多分ですが……今日か明日にでもまた現れる可能性もありますし」
昌浩・物の怪「あー……」
納得してる一人と一匹。
苦笑してから夜にまた来ることを告げ、私は安倍邸を後にした。
- 術式 3 ( No.181 )
- 日時: 2019/04/01 18:02
- 名前: 月詠 (ID: xV3zxjLd)
巨椋池に移動した私は、昌浩達に見せなかった画像を出す。
それにある術式を見て顔を顰める。
月音「まさか、この術式をまた見るとは…」
その術式は記憶を封印し、操るもの。
おそらくだが、これのせいでトライアル一真が記憶喪失になったんだろうな。
月音「まぁ、根本的な欠陥があるから少し記憶が戻ったんだろうが…」
この術式が刻まれた時の環境とは、別の環境に長い間いると脳の記憶を司る部分が違和感を覚えて刺激されるようになる。
そのせいで術式を刻まれた時のことや、その環境のことなどを思い出してくるようになる。
どれだけ改良や改悪をしてもそれが変わらないため、ついにはそのまま使うということになった。
だが、根本的な欠陥があるから少しずつ使われなくなったんだが。
使うとしたら裏の世界にいる者くらいだ。
画像を仕舞うとペンと、小学生の頃に買って未使用のままのB5の自由帳を取り出す。
ここ来る前に急いで百均で買ったものだ。
目を閉じて意識を集中させ。
月音「さぁ、始めようか」
目を開くと同時に、そう呟いた。
- 術式 4&後書き ( No.182 )
- 日時: 2019/04/01 18:03
- 名前: 月詠 (ID: xV3zxjLd)
~第三者side~
男――セリシアはため息を吐き出す。
その理由は先ほどのこと。
セリシア「まったく……あの実験台は貸してるだけだというのに、何を勘違いしてるんだか…」
イラついて呟きながらとある部屋に入る。
瞬間、噎せるようなほどに濃い血の臭(にお)いが押し寄せてくる。
なのにセリシアは平然と……むしろ、口元に笑みを浮かべた。
まるで甘美なものであるかのように。
セリシア「今夜にでも動くか……邪魔なものを排除するために」
その小さな呟きは、何かを喰らう音に飲み込まれて消えた。
~第三者side end~
後書き
タイトル通りに術式の話になったなと、思いました。
そして新しい元号が発表されましたね。
令和……これから覚えていかないといけないので、少し大変です。
五月以降に間違えて平成って書いちゃう自分が見える…。
短いですし、話の内容にほぼ触れてませんがこれにて。