二次創作小説(新・総合)

真相 ( No.183 )
日時: 2019/04/13 12:07
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

情報を集めてから一度、境界の館に帰ってきた私。
情報整理をした後に仮眠をし、アラームが鳴って起きるとちょうど夜だったから適当に何か食ってから「少年陰陽師」世界に行こうとする。
が、麻琴に声をかけられた。


月音「どうしたんだ?」

麻琴「これが出来たんだ、トラが戻ってきたら渡してくれ」


そう言われて渡されたのは、箱のようなもの。
それを見て驚く。


月音「ラウズアブゾーバー?」

麻琴「ああ。剣崎のをちょっと借りて調べてツキトと一緒にトラ用に造ったんだ、ジャックとキングの両方になれるようにな」

月音「調べたとはいえ、よく造れたな…」

麻琴「簡単だったぞ?」


このバグチートめ。
思わず呆れてしまい、ため息を吐き出した。

真相 2 ( No.184 )
日時: 2019/04/13 12:08
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

夜食のうどんを食べてから「少年陰陽師」世界に行くと、ちょうど昌浩ともっくん、六合がいた。
が、他にももう一人いる。
肩に付かない位置で切りそろえた漆黒の髪に、濡れたような黒曜の瞳を持つ女性――十二神将の勾陣だ。


月音「勾陣も来たんですね」

勾陣「ああ。騰蛇と六合に話を聞いてな」


なるほどと私は納得する。
だが、勾陣が来てくれたのは正直助かったと思ってる。
何かあった時に昌浩を守る存在が多いに越したことはない。
私に関しては基本的に放置するように晴明を通して頼んでるから大丈夫………な、はず。
死んでも復活する手段はあるし。

そう話してから夜警を始めた。

真相 3 ( No.185 )
日時: 2019/04/13 12:09
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

いつものように一日一潰れが行われ、昌浩が怒っていたが私はスルーして雑鬼達から情報収集する。
昌浩ともっくんの言い争いもスルーして情報を集めていたが、既に私が集めてまとめたものばかりだった。
金平糖を雑鬼達に渡して散開させる。


昌浩「まったく、あいつらめ…」


ぶつぶつ言いながら狩衣についた汚れを払う昌浩に苦笑する。
が、すぐに声をかけた。


月音「雑鬼達から話を聞いたのですが既に知ってることでした」

物の怪「そうなのか?」

月音「はい」

六合「………情報を集めたと言っていたが、どういうものだったんだ」


六合に言われて「あ…」と声を漏らす。
そうだ、そのこと伝えようと思ってすっかり忘れてた。
すぐに伝えようとしたが、ざわざわとしたものを感じて口を閉じる。
昌浩達も感じたのか、ざわざわとしてくる方向を見る。
そこにいたのは灰色の狩衣を着た、中年くらいの男にあの銀髪の妖、そして………最初に会った時よりもさらに目が虚ろで虚空を見つめているトライアル一真。
妖は私を見て何か納得したような表情になる。
けど、そんなことは気にせずにトライアル一真に声をかけた。


月音「青蓮!」

トライアル一真「……」


トライアル一真が僅かに反応する。
こちらを見ると一瞬……本当に一瞬だけ、つらそうに表情を歪めた。

真相 4 ( No.186 )
日時: 2019/04/13 12:11
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

トライアル一真の記憶がどうなってるか心配になりながら、私は六合に聞く。


月音「六合、あの妖が…」

六合「ああ。セリシアとかいう奴だ」


そうかと呟き、妖―――セリシアの妖気で情報にあったあれは本当だったと確信する。
男は忌々しそうに昌浩達を見る。


「私の邪魔をしに来たのか……!」

昌浩「え?」


きょとんとする昌浩。
そんな彼に気づかずに男は何やら叫ぶのだが。


「彼女は私のものだ、絶対に誰にも渡さん!邪魔となるだろう貴様らを消し…」

月音「黙れよ、屑。あの姫君はお前とはただの幼馴染みだっただけの他人だろうが」


私が低く冷たい声で遮った。


昌浩「どういうこと?」

月音「あいつは貴族の一人で、家柄が上の貴族の姫君と幼馴染みで互いに子供の頃はよく一緒に遊んでたりしてたらしいんです。で、その姫君のことを好きになったのですが彼女にはさらに上の家柄の許嫁がいて、裳着を済ませてからはなかなか会えなくなった………当たり前ですがね。それで姫君が許嫁の元に嫁ぐ前に自分のものにしようとして失敗して、彼女の家から敷居を跨ぐなとされたんです。死んでないのは温情か何かですかね?」


うわぁという雰囲気の昌浩達。
男は目を見開き、何故知ってるという表情だが………教える義理はないから無視だ。

真相 5 ( No.187 )
日時: 2019/04/13 12:11
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

私はまだまだ続ける。


月音「そこで終われば良かったのに…何をとち狂ったか、雇った陰陽師に姫君に呪詛をかけたんですよ。手に入らないのなら殺してしまえってか?姫君の許嫁が晴明に依頼して呪詛返ししたことで事なきを得たし、嫁ぐことも出来ました。……………が、さらに何をとち狂ったのか、姫君が産んで成長した娘が彼女そっくりということで拉致しようとして……まぁ、それで家や地位とかから追い出されました。次男だから切り捨てるのも容易だったでしょうね…。それで逆恨みか何かか世界を破壊しようとしてます」

勾陣「…………つまり?」

月音「好きな女を自分のものに出来ないなら、世界なんて壊れればいいというはた迷惑野郎」


思いっきり要約すると、昌浩達は納得してくれた。
………トライアル一真が虚ろな目だけでなく、死んだ魚のような目になってるように見えるのは気のせいだろう。
気のせいということにしたい。


月音「そんなそいつにあの術式を埋め込んだ青蓮を貸したのは、お前だな……吸血鬼、セリシア」

セリシア「そこまで掴んでいたか」


私の言葉にセリシアが薄く笑みを浮かべる。
吸血鬼という言葉に神将達が僅かに反応したが、後にしよう。


セリシア「彼から聞いてたのにはそういった情報を掴めるような力はなかったはず…」

月音「てめぇに教える義理はない」


言い捨てるとそれもそうかとセリシアは頷く。
と、男がセリシアに近づく。
私が色々暴露したせいか怒りで顔が真っ赤になってる。


「おい、何でそんなのんびりしている!?早く奴らをころ、ぜっ!?」

セリシア「うるさいな」


男の言葉が妙なことになる。
それはセリシアが彼の首を掴んだからだ。
いくら屑のような奴だろうと、それでも人間だ。
人質にされでもしたらやりづらい。

真相 6 ( No.188 )
日時: 2019/04/13 12:12
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

だが、そんな予想の斜め上をいくことになった。


セリシア「元から貴様に価値はない。利用出来るから使っただけだしな……いただきます…」


にたりと笑みを浮かべたセリシアが、男の首に噛みつく。
そのまま何かを勢いよく啜る音が響き、男の体が干からびるようになっていく。
血を吸われてる、すぐにそう察した。
一滴も残さず吸われたのか、完全に干からびた男の死体を捨てたセリシアは嫌な笑みを浮かべる。
その妖気も先ほどよりも強い。


セリシア「じゃ、戦おうか」

トライアル一真「……変身…」

『Turn up』


剣を持ったセリシアと、変身したトライアル一真―――T(トライアル)ブレイドが構える。
筆架叉と銀槍を構えた勾陣と六合、本来の姿になった紅蓮、昌浩も構える。
私は真名解放した蓮月を構えた。

戦いが、始まった。

真相 後書き ( No.189 )
日時: 2019/04/13 12:13
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

「ジオウ三十話を見て泣きかけた、そしてスウォルツと白ウォズ殴りてぇ……白ウォズはある程度は許すが、だからといって殴りたいのは変わらない」

麻琴「いきなり本題に関係ない話題だな…いや、ブレイドという意味ではあるのか?」

「ブレイドという意味ではな。しっかしまぁ…よくラウズアブゾーバー造ろうと思ったな」

麻琴「トラに造ってやりたいなーと思ってな。というか……あの男…」

「自分でも書いてて「さすがにないな」と思った。平安時代は現代とは違う結婚事情というか、恋愛事情というか……それでも平安時代でも「これはない」という男です」

麻琴「あー……確かに…」

「話はこれくらいですね。以上で失礼します」