二次創作小説(新・総合)

彼の一日 ( No.216 )
日時: 2019/05/28 22:19
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

トライアル一真。
改造実験体、トライアルシリーズの一体。
本来の姿はトライアルEそっくり。
現在の人間姿は仮面ライダーブレイドの変身者の、剣崎一真をコピーしたので彼そっくり。
見分けるものなのと同時に、彼の特徴は赤いマフラーやスカーフを首に巻いていること。

真名に近い、二つ名のようなものは「青蓮」。
何故、真名に近いのか。
トライアル一真のトライアルはシリーズ名から。
トライアル一真の一真は剣崎の許可をもらって。
その二つを合体させただけのものだからだ。
まぁ、本人は青蓮の名に関しては「月音は俺のことは必ず青蓮と呼んで」と言っていたが…。
……周りもいつの間にかトライアル一真や、その名前関連のあだ名で呼んでたから了承したが。

そんな本来は無口なはずが、今はわりと普通に喋るようになったトライアル一真の一日を見てみよう。

彼の一日 2 ( No.217 )
日時: 2019/05/28 22:20
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

朝食の後。
トライアル一真はてくてくと歩いている。

ここは「仮面ライダー剣」世界。
彼の出身世界だ。
誰かに呼ばれたのか迷いなく歩いている。
と、何かを見つけたのか脇道に逸れた。
路地裏へと続く道に入り、何かを探しているようだ。


トライアル一真「いた…」


目当てのものを見つけたのか、嬉しそうな声で呟く。
彼が探していた何かは、十匹近くいる猫達。
首輪がついてる猫や、そうじゃない猫といるので集会みたいなことをしているのだろう。
トライアル一真がしゃがみ、懐から何か……魚肉ソーセージを取り出した。
何でそれを持ってる?
包装を剥くと猫達が近寄って魚肉ソーセージを食べ始める。
ちょうだいと言わんばかりにトライアル一真にくっつく猫もいる。
可愛らしい姿である。


トライアル一真「ふふ」


嬉しそうに笑みを浮かべた彼の手から魚肉ソーセージが猫達によって食べ尽くされた。
そのまま他にも取り出した、猫用の缶詰の蓋を開けるとさらに取り出した皿に盛って地面に置いた。
猫達はそちらへと近づいて餌を食べる。
トライアル一真に登ってる猫は肩へと乗った。


トライアル一真「よしよし」


肩に登ってた猫を下ろすと、トライアル一真はもふもふと撫で始める。
よく見ると撫でながらマッサージしてるのか、猫はうっとりとした表情をしている。
そのまま撫で続けていると、骨抜きになったのか猫がくったりとしてしまった。
その猫を地面に下ろし、他の猫を抱き上げてマッサージしながら撫で始めた。

人間の姿をした人工アンデッドが猫達を次々と骨抜きにしていく。
絵面はほのぼのとして和むのだが、字面ではとてもシュールだ。

一時間ほどが経つと、猫達は完全に骨抜きとなっていた。
トライアル一真の表情は、とても満足げだった。
と、誰かが走ってくる足音が聞こえてくる。


剣崎「お前、ここにいたのか!って、何この骨抜き猫達!?」

トライアル一真「あ、一真」

剣崎「あー、もう、BOARD行くぞ!時間無くなる!」

トライアル一真「うん」


立ち上がると剣崎についていくトライアル一真。
どうやらブルースペイダーで来たのか、ダークブルーのヘルメットを渡していた。

さて、どうやら行き先はBOARDみたいだし、お先に行きますか。

彼の一日 3 ( No.218 )
日時: 2019/05/28 22:23
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

BOARDに着いて三時間。
どうやらトライアル一真を調べるために呼ばれてたらしく、色々やってた。
セリシアとの戦いの後はほぼ間もないから消えたとしても強化系の術式の効果が微妙に残ってたためか、いつも以上に強くなってたらしい。
充分な時間を置いて、完全に効果が消えてから再び調べたらしい。
嫌々やって、終わった頃にはトライアル一真は無言で無表情という、ハイパーバトルビデオの時みたいな状態になった。


トライアル一真「………」

広瀬「えっと……トライアル、これ食べる?」

トライアル一真「……いや、いい…」


差し出されたクッキーを断るトライアル一真。
剣崎は橘さんをジト目で見る。


剣崎「だから言ったでしょ、橘さん。血液採取とかならまだしも、薬を飲ませたりとかはダメだって」

橘「だが、トライアルシリーズのデータはないからこういう機会でもないと…」

剣崎「それなら広瀬さんのお父さん……もとい、トライアルBから資料をもらうなり何なりすればいいじゃないですか。だからなかなかトラに慣れてもらえないどころか、距離を取られるんですよ」


叱られてる橘さんだが、反省などはしていないようだ。
なんとも言えない気持ちになる。


広瀬「私達、お昼はハカランダに行くけど……トライアルも来る?奢るわよ、橘さんが」

橘「!?」

トライアル一真「……いや、お昼はどこで食べるかもう決めてるから。誘ってもらって悪いけど…」

広瀬「気にしてないからいいわよ」


広瀬さんがトライアル一真の頭を撫でる。
……気のせいか、撫で方が犬の頭を撫でるようなものに見えるのだが…。
気のせい、だな…きっと…。

彼の一日 4 ( No.219 )
日時: 2019/05/28 22:23
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

剣崎達と分かれたトライアル一真は、“ワールドワープ”を使って移動。
着いたのは「仮面ライダークウガ」の世界。
今はお昼を少し過ぎたせいか、彼はちょうど近くにあった店に入った。


「いらっしゃ…お、トライアル」

ツキト「あ、トラだ」

トライアル一真「やっほ、雄介……あれ、ツキト?」


きょとんと、その店……喫茶「ポレポレ」に入ったトライアル一真が首を傾げる。
客のいない店内ではツキトがテーブルをタオルで拭き、仮面ライダークウガの変身者である五代雄介は鍋に入ってるカレーをかき混ぜてる。
そういえばツキトは今日、「クウガ」の世界の遊びに行くと言ってたな。


ツキト「あはは…帰国しててポレポレにいるって聞いて雄介さんに会いに来たら、お客さんがいっぱいいてさ。お手伝いしてたんだ」

雄介「今はお客さんいなくなって、おやっさん達はその間に足りないものの買い出しに行って、俺達は片付けやカレーを作ってたんだけど……タイミング良かったね」


ツキトは苦笑し、雄介は微笑む。
とりあえず納得したらしいトライアル一真をツキトがカウンター席へと案内する。
カレーを注文してからツキトと話すトライアル一真。
まぁ、片付けも終わったみたいだからいいのかもしれないが…。


ツキト「でも珍しいね、トラがポレポレでご飯食べるの」

トライアル一真「なんとなくカレーが食べたくなって…」

雄介「はい、カレー。お肉入ってるけど大丈夫?前みたいにならない?」

トライアル一真「あの時は本当にすみませんでした!」


あー……前みたいにって、あの時か…。
境界の館に遊びに来た雄介が、何故かカレーを作ってくれたが……具材にあったお肉にトライアル一真の体が拒絶反応を起こして…うん。
今はしっかり火を通したものなら拒絶反応も起こさないが……起きるようになった原因が、セリシアが埋め込んだ術式のせいだったからなぁ…。
そんなことを考えながら見ると、カレーを食べながらも雑談してる三人。
雄介とツキトも食べてるところからして、あの三人も昼はまだなのだろう。

彼の一日 5 ( No.220 )
日時: 2019/05/28 22:26
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

カレーを食べ終えたトライアル一真は雄介とツキトと別れ、三度目の“ワールドワープ”でまた別の世界に移動。
この世界はどこなのかと考えていると。


トライアル一真「………?」

「……」


トライアル一真の前に、彼そっくりな誰かが現れる。
本人は首を傾げるが、その誰かは姿を変えた。
緑色の、昆虫のサナギみたいな姿をした怪人……ワーム。
納得したような表情のトライアル一真へと、ワームは攻撃しようと…。


『Clock Over』


していたが、吹っ飛んでいて、爆散した。
先ほどまでワームがいた場所には、違う存在がいた。


トライアル一真「あ、天道」


そこにいたのは仮面ライダー……もとい、マスクドライダーカブト。
なるほど、ここは「仮面ライダーカブト」の世界か。
納得しているとカブトからカブトゼクターが離れると、生身に戻った。


天道「トライアル、何故あんなに無防備でいたんだ」


マスクドライダーカブトの変身者、天道総司。
呆れたような表情でそう言った。
その言葉には同意しかない。


トライアル一真「だってブレイバックル持ってきてなかったし、風を使うにも俺はまだ媒体が必要だし……それに天道が来るなら大丈夫だろうなと」

天道「……当然だ。俺は天の道を往き、総てを司る男だからな」

トライアル一真「(ちょろい)」


天道、気づけ。
無表情気味だから分かりにくいかもしれないが、そいつ「こいつちょろいな」って表情してるから。


天道「それで、何をしに来たんだ?」

トライアル一真「天道にお願いがあって」

天道「俺に?」


頷くとトライアル一真は天道に耳打ちした。
耳打ちだと何を言ってるのか聞こえないな…。
耳打ちが終わると、天道は少し考えてから頷いた。
そしてそのまま……あ、“ワープ”しやがった!
こうなるとどこに行ったか分からないな…適当に探すか…。

ビストロ・ラ・サルや再結成されたZECT、豆腐屋など。
二人が行きそうな場所を探したものの、いなかったので天道家に行ってみた。
ら、気配でいるのは分かったもののトライアル一真が張ったのだろう結界で、近づくことも中を覗き見ることも出来ない。
仕方ない、適当に時間でも潰すか…。

彼の一日 6 ( No.221 )
日時: 2019/05/28 22:27
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

「ジオウ」の世界で、クジゴジ堂にちょうどいたジオウメンバーとトランプ遊びで時間を潰し、現在は四時頃。
そろそろ終わったかなと「カブト」の世界に行くと、トライアル一真が一人で歩いていた。


トライアル一真「………俺のストーカーして楽しい?月音」


またどこかに行くなら私は帰ろうかなと考えていたら、立ち止まったトライアル一真はくるりと振り向いて声をかけてきた。
めちゃくちゃ驚くが、その視線の先はまっすぐこちらに向かってる。


月音「……よく分かりましたね」

トライアル一真「だって、朝ごはんの後からずっと俺を見てただろ?天道の時は別として」


自分にかけてた姿と気配と視線を消す魔法を解除し、話しかけるとそう言われた。
その時から既にバレていたのか…。


月音「もう少しこの魔法を改善した方がいいですかね?」

トライアル一真「一真は兎も角として雄介やツキト、天道は気づかなかったから改善しなくていいと思う。あと、口調」

月音「……天道も気づかなかったのか。なら、確かに改善はいらないな」


口調を指摘されて思わず苦笑した。
基本的に麻琴と窮奇の二人にだけ、素の口調で話すことが多かった。
だが、どういうわけかトライアル一真から素の口調で話してほしいと言われた。
最初は断ったのだが……捨てられた犬のような目で、じーっと見られたら……うん…。


トライアル一真「帰ろう?」


手を差し出してくるトライアル一真。
彼の手と顔を何回か見比べ、少しため息を吐き出してから……手を繋いだ。


月音「魔法で帰れるんだから手ぇ繋ぐ必要はないと思うんだけど…」

トライアル一真「いいじゃん、これくらい」

月音「………そういえば、青蓮。天道に何をお願いしたんだ?」

トライアル一真「内緒」


手を繋いだら、なんかすごく嬉しそうにしてるトライアル一真と雑談しながら帰った。

彼の一日 後書き ( No.222 )
日時: 2019/05/28 22:28
名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)

「何度、最後の辺りを変えようと考えても必ず気づくのは何故だ」

トライアル一真「さぁ、何でだろうな?」

「しれっとした表情で言いやがって…。今回はトライアル一真の一日をお送りしました」

トライアル一真「猫もふもふしてた」

「良かったね……もう、話題がないのでこれにて失礼しました」