二次創作小説(新・総合)
- 始まりは静かに 2 ( No.270 )
- 日時: 2020/05/02 22:42
- 名前: 月詠 (ID: a0p/ia.h)
あの戦いから数ヵ月。
癖毛で薄茶色のショートヘアの少女が、潜水艦の中を小走りする。
そしてある部屋に着くと、自動でドアが開かれて中に入る。
響「師匠!立花響、到着しました!」
びしっと敬礼する少女――立花響。
そんな彼女に師匠と呼ばれた、大柄な赤毛の男性――風鳴弦十郎が申し訳なさそうにする。
弦十郎「すまないな、響くん。学校が休みだというのに…」
響「いえ、大丈夫です。それに未来も、今日は用事があるって言ってましたし……あの、何があったんですか?」
弦十郎「実は…」
弦十郎の言葉に首を振ってから響が答え、問いかけると彼は説明する。
響以外のシンフォギア装者や、数ヵ月前に仲間になった少女が体調を崩して寝込んだこと。
そのため、彼女達が回復するまでは一人で戦うことや、シンフォギアの整備が出来ないこと。
もしかしたら出撃する回数が増えるかもしれないこと。
すまないと謝る彼に、大丈夫ですと彼女は返す。
―――――シンフォギア。
それは統一言語を奪われた、太古の人類が生み出した人間のみを殺す兵器に対抗する手段。
「聖遺物」と呼ばれし神話や伝承に存在する武器の欠片から、旧特異災害対策機動部二課所属の技術主任に所属していた故・櫻井了子が提唱した「櫻井理論」に基づいて作られたFG式回天特機装束である。
現行憲法に抵触しかねないため、完全秘匿状態となっているが。
けれど欠片だけではその力は発揮されず、兵器を倒すことは出来ない。
ならば、どのように力を発揮・増幅させるか。
それは、それぞれの「聖遺物」に適合した者達が紡ぐ「歌」である。
装着者の精神状態に合わせて内蔵された機構から旋律を奏で、合わせて歌うことでフォニックゲインと呼ばれるエネルギーのようなものを高めて出力を上げていく。
その構造からとても分かりやすく言うと「戦うことが出来るカラオケマシン」のようなもの。
また、装着者への負荷を最低限とするために数多のロックなどがかけられている。
開発者ですらも知らない姿や力を秘めている。
現在、シンフォギアは六機が現存。
天羽々斬、イチイバル、ガングニール、イガリマ、シュルシャガナ、アガートラーム。
それに合わせてシンフォギア装者も六人いる。