二次創作小説(新・総合)
- 実食 裏回 ( No.295 )
- 日時: 2020/06/09 09:12
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
採点方法
六段階で表します。内訳は以下の通り。
5・もはやプロレベル、お金を払ってまでも毎日食べたいほどです。
4・レシピに忠実だが個性や遊び心を感じさせる美味しさです。
3・良くも悪くもレシピ通り。普通レベルですね。
2・ちょっと失敗してますが頑張ったのは伝わります。慌てず、落ち着いてやりましょう。
1・不味いですが改善しようとしてるのは分かります。高評価組の料理のお手伝いから始めましょう。
0・料理をするな。
※評価は増える可能性があります、その場合は審査員達で話し合いましょう
お題「ご飯に合うもの」
役割
固定審査員
月音、大道克己、トライアル一真、門矢士
挑戦者兼ランダム審査員
乾巧、剣崎一真、ヒビキ、野上良太郎、フィリップ、如月弦太朗、葛葉紘汰、桐生戦兎、小野寺ユウスケ、ワタル、辰巳シンジ、剣立カズマ、尾上タクミ、芦河ショウイチ、天堂ソウジ、アスム
伝言
ツクヨミ
成分分析&解析
ザルバオルタ・?
司会
常磐ソウゴ、明光院ゲイツ
医療班
一部除くエグゼイド組&医者ライダー達
鴆一派
黒の教団本部所属の科学班
光夏海
ドクターマリオ(柊様から)
戦闘班
相川始、橘朔也、上城睦月
左翔太郎、照井竜
海東大樹
リュウガ
モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス
万丈龍我
十二神将
オリキャラ組
駆紋戒斗
薬研藤四郎(柊様から)
月音「私、ぶちギレてもいいですよね」
トライアル一真「落ち着いて」
※今回は第三者視点です
- 実食 裏回 2 ( No.296 )
- 日時: 2020/06/09 09:13
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
テーブルや椅子、ゲーム機、テレビなどがある、とある部屋。
そこに挑戦者に選ばれた八人がどこからか落ちてくる……が、そこは仮面ライダーの変身者。
受け身を取ったり受け止めてやったりとして、誰もダメージを負わずに着地した。
カズマ「っと…、ここは…」
弦太朗「あ、手紙があるぜ」
着地したカズマの隣で、着地しながら良太郎を受け止めた弦太朗がテーブルにある手紙を見つけた。
それを一番近くにいた戦兎が手に取り、声を出して読み上げる。
戦兎「えーと……「ここは料理を提供する側の挑戦者用控え室です。あなた方はこちら側に選ばれました。結果発表で呼ばれるまで待機していてください。ばーい、月音。P.S.待機している間は暇だと思うので飲み物やおやつ、ゲームなどを用意しておきましたのでご自由にどうぞ」…なるほど、俺達は挑戦者側か」
手紙の内容に全員が納得し……すぐに誰がこの部屋にいるか確認する。
ある人物を見つけ、絶望した。
良太郎・アスム「何でショウイチさんがこっちなの!?」
ショウイチ「どういう意味だ、それ!?」
紘汰「そのまんまの意味だろ!一回は固定審査員が死ぬのが確定したんだぞ!!」
良太郎とアスムの叫びに驚くショウイチへと、紘汰が睨みながら言う。
その言葉に弦太朗とカズマ、戦兎が頷く。
戦兎「あの玉子焼きと思えない玉子焼きで固定審査員やランダム審査員に選ばれた誰かが死ぬと分かって、叫ばずにはいられないと思うけど?俺だって殺ろうかと思ったし」
ぎろっと、殺意すら滲ませた怒りのオーラを放ちながらショウイチを睨む戦兎。
………おそらく、ここに純粋組であるアスムと弦太朗と良太郎がいなかったら、今すぐにでもあえてハザードトリガーを取り出していただろう。
それほどまでの怒り具合である。
フィリップ「……とりあえず、僕達が呼ばれるのはかなり後だから暇潰しにゲームでも…」
黙り込んだショウイチをスルーしてフィリップがゲームでもしようと言おうとした時。
葛城「やぁ」
エボルト「よっ」
戦兎「…」
自分のギャグカオス組の登場に絶句する戦兎。
葛城巧はエボルトを嫌ってる、本来の自分である存在だ。
だが、どういうわけかギャグカオス組であり、そういう時だけはエボルトと手を組むことには躊躇しない一面を持つ。
嫌な予感を覚えた良太郎が二人を見る。
良太郎「あの……何をしに来たんですか?」
エボルト「何って、料理対決をしてるって聞いて裏回をやろうと思ったんだよ。ランダム審査員に選ばれた側も料理は作ってあると聞いてるからな」
挑戦者メンバー「…」
挑戦者に選ばれた者達が絶句する。
そして慌ててランダム審査員に選ばれたメンバーを確認する。
アスム「……ワタルはこっちにいないので、あちら側ですね」
弦太朗「ヒビキさんもあっちだな…まともなハズレは…」
ショウイチ「だが、ソウジやユウスケもあっちだから美味いのが食える可能性があるのは助かるか…」
葛城「あ、ちなみに表側の料理は僕が取りに行くから。それとこの部屋に結界を発生させる機械を作動させたから、緊急時以外は出れないよ」
あとで絶対にぶん殴る。
何人かが内心でそう呟きながら、嫌そうに……本当に嫌そうに裏回を開催した。
- 実食 裏回 3 ( No.297 )
- 日時: 2020/06/09 09:15
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
フィリップは不機嫌そうな表情で、椅子に座る。
エボルト「何でそんなに不機嫌そうなんだよ」
フィリップ「不機嫌にならないと思うのかい?」
睨みつけてくるフィリップの視線を受け流し、エボルトは楽しそうに笑う。
カズマ「一番目ってのも、わりと嫌だよな…」
カズマが同情してる中、葛城がクロッシュの乗ったお盆を持ってきた。
テーブルに乗せられたそれを、さっさと終わらせる気なのかフィリップはクロッシュを取る。
そこにあったのは何かが入ったタッパーで、クロノスウォッチのボタンを押して時間を動かしてから蓋を開けてみる。
中に入っていたのは、味噌汁のようで味噌汁ではないもの。
フィリップ「キュウリとかがあるね…冷や汁かな?」
葛城「念のために、と」
タッパーの中身……冷や汁を見ながら彼が自分の知識にあるものを思い出してると、葛城が服の中から何かを取り出す。
それは仮面を被った女性の頭部のような装飾がトップの、ペンダントみたいなもの。
『あら、出番かしら?』
エボルト「葛城、何だそれ?」
葛城「麻琴やツキトから借りたザルバオルタのデータを基にしてアレンジして造った、シルヴァオルタだ。ちなみにオリジナルのシルヴァは黄金騎士じゃなくて銀牙騎士の相棒だよ」
シルヴァオルタ『……解析したけど普通に冷や汁ね。使われてる魚はサバよ』
ギャグカオス組二人を無視しながら解析したシルヴァオルタが、その結果を告げる。
なるほどと呟いてからフィリップは茶碗にご飯を盛りつけてから、冷や汁をかける。
そして食べ始めた。
フィリップ「うん、食べやすくて美味しいね。暑くなってきたからさっぱりしてていい」
少し機嫌が良くなった彼は完食してから評価用紙に書き込んだ。
フィリップの評価 ☆3
冷たくてさっぱりしていて美味しかったよ。
ちゃんとダシも取れているね。
今度、これのレシピを教えてくれないかい?
- 実食 裏回 4 ( No.298 )
- 日時: 2020/06/09 09:17
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
フィリップの次に二番として席に着いたのは、弦太朗だ。
弦太朗「うわぁ……すげぇ嫌だ…」
エボルト「酷くね?」
紘汰「弦太朗は何を作ったんだ?」
顔色を少し青ざめさせる彼にエボルトが言うが、それを無視して紘汰が問いかける。
同じように弦太朗もエボルトを無視して答える。
弦太朗「俺が作ったのは煮込みハンバーグのはずだったんだけど……何故かチョコバナナケーキに」
良太郎「相変わらずのミラクルだね…」
思わず良太郎が苦笑していると、葛城が料理を持ってきた。
テーブル置かれたそれのクロッシュを取って……固まった。
シルヴァオルタ『これはシチューね……普通のものより、かなりルウが多めに入ってるけど』
アスム「あの……僕の師匠………あ、海東師匠じゃないですよ?…鬼としての師匠の原典が、懲りずに作ってた記憶があるんですが」
葛城「伝言は……「一時期、かけるシチューってのが流行ってたでしょ?だから作ってみた!」…」
付属されていた手紙を読み上げる葛城。
何人かは「かけるシチューって、それ用のルウがあるはず…」と内心でツッコミを入れた。
とりあえずカレー用の皿にご飯を盛って、シチューをかけてから食べ始めてみる…が。
弦太朗「……かけてもしょっぱい…」
エボルト「一口もらうぞ……塩でも塊で入れたか?」
濃いシチューのしょっぱさに弦太朗は顔を顰める。
一口だけ食べてみたエボルトも首を傾げてしまう。
評価のために二、三口ほど食べたら血圧のためにシチューを残し、彼は評価用紙に書き込んだ。
如月弦太朗の評価 ☆1
かける用にしてもしょっぱかったんで、この評価に…。
血圧上がりそうなんで、もう少しルウは控えめに頼むッス。
- 実食 裏回 5 ( No.299 )
- 日時: 2020/06/09 09:19
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
三番としてショウイチが席に着いた瞬間。
フィリップ「ランダム審査員に選ばれた方に声をかけてくるよ」
カズマ「俺、戦闘班に声かけてくる」
アスム「お願いします」
紘汰「医療班にも声かけないとな」
戦兎「先に行ってるから」
弦太朗「あ、俺も行きます」
良太郎「僕も行きます」
ショウイチ「おい、どういうことだ、それ」
ショウイチのツッコミを無視して、他の挑戦者達は控え室を出ていく。
………結界から通り抜けたところに、緊急だと判断されたのだろう。
エボルトが何も言わない辺りに、さすがになんとも言えない気分になる。
エボルト「俺が言うのもあれだけど……お前の料理もあれだからなぁ」
葛城「玉子焼きにタバスコとかはない」
真顔で言いながら裏三番の料理を持ってきた葛城。
テーブルに置かれたそれのクロッシュを取ると、一人用の小さな土鍋があった。
時間を動かして蓋を開けると、中には汁を吸って味の染みた美味しそうな大根とがんも、玉子という三種類の具が入ったおでんが入っていた。
エボルト・葛城「(修羅場だ…)」
ショウイチ「あいつのか」
具の種類と少なさ、そして料理で誰が作ったのか察しながらショウイチはおでんを食べていく。
そして完食すると評価用紙に書き込んだ。
芦河ショウイチの評価 ☆5
まぁ、お前の実家でよく食う味だな、美味かった。
- 実食 裏回 6 ( No.300 )
- 日時: 2020/06/09 09:21
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
激辛クトゥルフ三体との戦いの後、シャワーを浴びたり嗅覚を戻したりとして。
控え室に戻ってから真っ先にカズマがショウイチに腹パンしてから。
四番として良太郎が席に着いた。
良太郎「……僕、生きて帰れるかなぁ…」
弦太朗「帰れるはずだぜ!」
フィリップ「確かに不吉な数字だが、あの惨事のあとだから大丈夫なはず……!」
戦兎「クトゥルフが来たら葛城とエボルトにぶつければいいから」
アスム「いや、それはさすがに…」
純粋組と準純粋組が会話し、腹パンされて悶えるショウイチを紘汰がつついてると、葛城が裏四番の料理を持ってくる。
テーブルに置かれたそれのクロッシュを取り、中身を見て目を見開く。
ソースがかけられた、焼かれているが少し色が薄いハンバーグだ。
葛城「伝言は……ないね」
シルヴァオルタ『でも豆腐が入っているわね、豆腐ハンバーグかしら?ソースは……ケチャップとウスターソースの混合ソースね』
良太郎「良かった、当たりだ……いただきます…」
安堵してからハンバーグを食べ始める。
豆腐が入っているからか、肉の味はさっぱりとした感じになっているが甘じょっぱいソースのおかげでご飯とよく合う。
食べ終わってから上機嫌で評価用紙に向き合った。
野上良太郎の評価 ☆4
お肉がさっぱりして食べやすくて美味しかったです。
姉さんにも教えたいのでレシピを教えてもらいたいのですが……大丈夫ですか?
- 実食 裏回 7 ( No.301 )
- 日時: 2020/06/09 09:23
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
五番として席に着いたのは。
紘汰「次は俺かぁ…」
少し不安げな紘汰である。
というのも、原作である「仮面ライダー鎧武」のネタバレに当たるために詳細は伏せるが、現在の彼はとある果実以外の食べ物は食べられなくなっている。
一応、紘汰や、念のためにと彼のパートナーである舞の設定に月音が干渉したことで、この世界の二人はその果実以外のものも食べられるようになった。
が、大幅な干渉が出来なかったためか紘汰の味覚はおかしくなっていて、いわゆる「味オンチ」になってしまっている。
かろうじて姉の料理の味は分かるが、それ以外のものは分からないためにすごく悔しそうにする姿があったとか…。
エボルト「不安そうだなぁ?」
紘汰「いくら味オンチでもクトゥルフとか来るかもしれないのは嫌なんだよ……はぁ…」
ため息を吐き出す。
まぁ、確かにクトゥルフ料理は基本的に誰でも嫌だが…。
それにクトゥルフ料理は味オンチだろうが関係なく、そういったものも平気な悪食癖があるものじゃないと大ダメージ受けるし。
葛城「僕としてはクトゥルフ料理のメカニズムとか知りたいけどね」
弦太朗「え、外宇宙の何かを?」
戻ってきた葛城の言葉に思わずツッコミが入る。
そのツッコミをスルーしてテーブルに置かれたのは。
紘汰「……鍋?それも二つ?それに卵も…」
葛城「伝言は「甘口と辛口の二種類のカレー作ったから。辛口が苦手な人は卵を混ぜてね」とのことだよ」
シルヴァオルタ『甘口の方は市販のものが使われてるけど、辛口の方はスパイスが使われたスパイスカレーね。卵と合うように味付けもされているけど』
なるほどと頷いてから、カレー皿にご飯を盛って辛口の方をかけて食べ始める。
が、味オンチになってしまってるので…。
紘汰「味が分からねぇ……匂いとかで大当たりレベルなのは分かるのに…」
味が分からなくて悔しそうにしていた。
葛葉紘汰の評価 ☆5
匂いとか気遣い含めてとかで大当たりなのは分かるけど、俺の味覚の問題で味は分からなかった…ごめん…。
評価用紙に書き込んでから。
紘汰「あ………伝言忘れてた…やべぇ…」
小さく呟いた。
- 実食 裏回 8 ( No.302 )
- 日時: 2020/06/09 09:25
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
六番の戦兎は席に着くが…。
戦兎「……」
無表情で言葉を発さないので、思わず挑戦者側の誰もが黙ってしまう。
というのも「話しかけんな」というオーラが出ているからだ。
主に裏回開催者の二人に対して。
エボルト「おい、戦兎、何でそんなに不機嫌そうなんだよ」
だというのにエボルトが話しかける。
空気読めよと何人かが思いながらも無言を貫く。
誰だって流れ弾は受けたくない。
エボルト「戦兎?」
葛城「持ってきたよ」
戦兎がエボルトの言葉に無視を決め込んでると、葛城が料理を持って戻ってきた。
テーブルに置かれたそれのクロッシュを取り、さっさとクロノスウォッチのボタンを押して時間を動かす。
それから料理を見る。
ふわっと生姜と醤油の匂いが、玉子と豆腐が入っている薄茶色のとろりとしたスープだ。
ただ……湯気がすごい出ている。
葛城「伝言には「中華風の餡掛けスープにしてみました、熱々のうちに食べてください」ってあるね」
シルヴァオルタ『解析したら鶏ガラも入っているみたいよ』
戦兎「へぇ…」
湯気を見て熱そうだと思いながらも汁椀を手にして息を何回か吹き掛ける。
ある程度冷めたかと思ってスープを一口、口にして。
戦兎「……っ…!!あっつ!!」
あまりの熱さになんとか飲み込んでから叫んだ。
桐生戦兎の評価 ☆2
味は美味しいよ、美味しいんだよ?
でも冷めにくい餡掛けにしただけでなく、めっちゃ加熱したのか熱かった…。
ご飯には確かに合ったけど、もう少し温度を考えて…自分好みの温度にしないで…。
- 実食 裏回 9 ( No.303 )
- 日時: 2020/06/09 09:27
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
七番としてカズマが席に着いて、ふと気づいた。
カズマ「……未だにクトゥルフとミラクルクッキングが来てない」
その言葉に、あ…と誰かの声が漏れた。
アスム「今まで出たのは…」
フィリップ「多分だが一番は乾巧だと思う、彼は猫舌だしね」
弦太朗「二番は確実にヒビキさんだな。このメンバーでシチュー作るのあの人しかいねぇし」
ショウイチ「三番は確実にソウジだな、おでんだったし」
良太郎「四番は……多分、剣崎さんかな?今まで出た料理で消去法だけど…」
紘汰「五番も確実にユウスケだな。カレーだったし」
戦兎「六番はあの熱さからしてタクミ以外にいないよな……そうなると…」
それまで出てきた料理の特徴や消去法などで推測をしていた面々が一気に青ざめる。
何故なら死ぬ可能性が高いクトゥルフとプロレベルだがお題から外れる可能性が高いミラクルクッキング。
そしてまだ食べていないのは、七番として席に着いたカズマと最後になったアスムなわけで…。
アスム「さすがに…ワタルが作ったもので死にたくないです……!」
カズマ「せめて俺にワタルが作ったものが来てほしいなぁ………!!」
涙目で嫌がるアスムと、純粋組を守るために自分にクトゥルフ来いと願うカズマ。
誰だって純粋組が死ぬところは見たくない。
念のためにとショウイチと紘汰で純粋組と準純粋組を控え室の奥まで避難させる。
その間に葛城が七番の料理を持ってきてテーブルに置いた。
覚悟を決め、クロッシュを取って中身を見て。
カズマ「……っっっっし!」
エボルト「あ、ガッツポーズした」
葛城「目は死んでるけどね」
アスムが死ななくて済んだことに喜んだ。
彼の前にあるのは、何故か薄黒い液体のようなものが瓶に入っている。
白で色を薄めて灰色にしたとか、そういう色ではない。
黒をそのまま薄めたような色だ。
葛城「伝言だけど…「また変なのが出来上がったので食べないでください」って…」
シルヴァオルタ『……この状態のままでも解析が出来るみたいだから解析したけど、私に内蔵されてるデータには無い物質ばかり出てくるわ…』
カズマ「……」
無言でクロノスウォッチのボタンを押して時間を動かす。
がたがたと瓶が揺れ、きっちり閉められてるはずの瓶と蓋の隙間から粘性を持った液体のようなものが溢れ出てくる。
それはぐちゃぐちゃと形を変えていき、爪が灰色で中指と薬指を畳んだ薄黒い手のようなものになると手首部分には金色の仮面が現れる。
ペルソナシリーズに出てくるレアシャドウ……「宝物の手」の色違いになった。
手のひらサイズな色違いな手のひら「宝物の手」を死んだ目で見ながら、カズマはブレイラウザーを取り出し。
『SLASH』
『THUNDER』
『ライトニングスラッシュ』
………コンボを決めて、色違いな手のひら「宝物の手」を斬った。
奇妙な断末魔を上げて色違いな手のひら「宝物の手」は消えず、銀色の体液を飛ばしながらテーブルの上に沈む。
すると何故かファンファーレでのレベルアップ音声が流れた。
……何で仮面が金色で体は薄黒いのに体液は銀色なのかとか、何でレベルアップ音声が流れるのかとか、何でペルソナシリーズの音声じゃないのかとか、突っ込みたいところがあるが無視した。
ますます死んだ目をしながら、色違いな手のひら「宝物の手」の残骸をつまみ上げ……口に運んでそのまま飲み込む。
静かに口から銀色の液体を吐き出し、椅子から落ちて倒れた。
紘汰「ちょっ、カズマーーー!?」
ショウイチ「医療班…医療班んんんんん!!」
ちなみに液体を吐き出した時、再びレベルアップの音声が流れたことを記しておく。
剣立カズマの評価 ☆0
うん、まぁ……何で色違いで手のひらサイズな「宝物の手」が出来たのかは聞かないから。
倒してレベルが上がるのは分かるけど、食べても上がるのは予想外だった、とある世界での料理対決の裏回を思い出したけど。
ワタルは悪気無いし、反省するのは分かってるから………あ、エボルトと葛城を殴るのはOKだと思う。
- 実食 裏回 10 ( No.304 )
- 日時: 2020/06/09 09:30
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
最後であり、八番になったアスムは紘汰のクラックで医務室に送られたカズマを心配しながらも、席に着く。
エボルト「じゃ、俺はちょっと行くとこあるから」
同時に星が飛びそうな明るさでエボルトはそう言うと、凄まじいスピードで控え室を出た。
察した何人かはチベットスナギツネみたいな顔で見送っていたが、最後の料理を持った葛城が戻ってきた。
葛城「はい、最後の持ってきたよー」
テーブルに置いたそれのクロッシュを取り……固まる。
そこにあったのは背の高くて少し大きめのグラスに生クリームやコーンフレーク、刻まれたイチゴが交互に入っていて、その上にバニラアイスを中心に切られたイチゴやバナナ、メロン、生クリーム、ウエハースが配置されているパフェがあった。
葛城「………「韓国風の茹で豚を作ろうとしたら、何故かアイスや生クリームになった。量も多いから仕方ないからパフェにした。評価はしなくていいから」って伝言が」
シルヴァオルタ『解析してもパフェの材料や成分しか出ないわ……豚肉はどこに行ったの…?』
アスム「とりあえず……食べますね」
良太郎「はい、スプーン」
どこからか持ってきたパフェ用のスプーンを良太郎から渡され、アスムはパフェを食べ始めた。
果物の酸味や甘さが、甘さ控えめの生クリームとマッチしており、バニラの風味が程よいアイスの合間にウエハースを食べて舌の温度を戻す。
とても美味しいのだが…。
アスム「ご飯には合いませんね…」
食事ではなくスイーツなので、お題から外れることで評価が下がるのが確定してしまった。
アスムの評価 ☆4
お題から外れるので星は一つ減らしました、すみません。
でも生クリームは甘さ控えめだけど果物やアイスと合わせるとちょうど良くて、すごく美味しかったです。
これでいいかなとアスムが書き終わった瞬間。
麻琴「こっちも終わったか。エボルトはあいつらがなんとかするとして……葛城、お前を拘束する」
葛城「は!?」
銀色のクロッシュから麻琴が現れ、その手に着けた黒い手袋から伸びる糸で葛城を拘束する。
困惑する彼を床に倒して椅子にするように座り、冷たい目で見下ろした。
弦太朗「麻琴?何でここに…」
麻琴「四番……良太郎が試食をした時にはミラーワールドを通してここを見ていたんだ。あいつに頼まれてな」
フィリップ「あいつって?」
麻琴「すぐに分かるぞ…」
やれやれと言わんばかりに肩を竦めた時。
控え室の扉が開かれた。
- 実食 裏回 11 ( No.305 )
- 日時: 2020/06/09 09:32
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
話を聞いた月音はなるほどと呟く。
ちなみにまだ奇跡料理による性転換後の姿から戻っていない。
月音「エボルトは克己達がやってくれてるだろうからいいとして…葛城、てめぇ何してやがる?あ"ぁ"?」
葛城「月音、ガラが悪いよ!?あと素、素の口調が出てる!!」
月音「うるせぇ。なんとか生命的な被害が出なくて良かったと思いたかったのに、台無しにしやがって…」
葛城に近づいた彼女……彼は睨みながら見下ろす。
キレているのか口調を改めることもしない。
月音「あ、麻琴。医務室行ってカズマの治療……もとい、食べたものの影響を“無かった”ことにしてくれ」
麻琴「りょーかい。あ、シルヴァは没収するから。月音に壊されたら嫌だし」
シルヴァオルタ『……よろしく頼むわ』
葛城からシルヴァオルタを取り、自分が装着すると手袋を外してクロッシュを使ってミラーワールドに入る。
そこでいつも以上に素の口調が荒いことに驚く挑戦者達やトライアル一真、ソウゴの視線を集めてると気づき、舌打ちをする。
ため息を一つ吐き出してから。
月音「……………とりあえず葛城とエボルトのしょけ……処分は固定審査員で話し合って決めます。今回は事が事なので、三時間後に結果発表としますので覚えててください」
戦兎「分かった…」
なんとか敬語に戻った月音に、代表して戦兎が頷いた。
- 実食 裏回 後書き ( No.306 )
- 日時: 2020/06/09 09:34
- 名前: 月詠 (ID: Ft4.l7ID)
「やっと完成しました!長かった!!一気に書き上げようとか思うんじゃなかった!!」
トライアル一真「というかクトゥルフが色違いなレアシャドウなんだけど…」
「そこは気にしちゃダメ。とりあえず料理紹介!裏一番は冷や汁で、さっぱりとしています」
トライアル一真「裏二番はかけるシチューらしいけど……ご飯にかけてもしょっぱいよ。パンに少しつけて味見したけどしょっぱかった」
「裏三番は玉子、大根、がんもというシンプルな具のおでん。絶品だけど……修羅場確定コースです」
トライアル一真「裏四番は豆腐ハンバーグ!豆腐のおかげで肉がさっぱりしてるよ」
「裏五番は辛口なスパイスカレーと甘口な市販ルウなカレーです。お好みでどうぞ」
トライアル一真「裏六番はシンプルな中華風のスープだけど…かなり熱いから気をつけて。特に猫舌な人」
「裏七番は……説明不要。食べないでとか以前に、時間を動かした直後に討伐してください。反省タイプだけどさすがに……ね?」
トライアル一真「裏八番はパフェだよー。つまりはミラクルクッキング」
「では次回、結果発表にて」