二次創作小説(新・総合)
- 目覚める歌姫 ( No.325 )
- 日時: 2020/08/12 12:32
- 名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)
認定特異災害ノイズが出現した際、出動する政府機関……特異災害対策機動部。
そこには二つの課が存在した。
一課は主に避難誘導やノイズの進路変更、は被害状況の処理といった任にあたっている。
通常は「特異災害対策機動部」と聞いた時に、 一般の人間が思い浮かべるのはこちらとなっている。
対して二課は基本的には同じであったものの、決定的に違うものがあった。
ノイズへの対抗が可能な武装システム―――シンフォギアの保有。
現在は超常災害対策機動部タスクフォースとして再編成され、正式に国連直轄下となっている。
これにより、安保理が定めた規約に従って 日本国外での活動が認められるようになった。
また組織名も変わり、「Squad of Nexus Guardians」―――通称、「S.O.N.G」と呼ばれている。
――――――
「S.O.N.G」の本部である潜水艦にて。
自分を見て戸惑ったりする職員や見知らぬ装者である響の存在に、内心で困惑する奏。
何を言えばいいのか分からず、奏の存在に緊張してギクシャクとした動きになった響。
二人を気にせず、手錠をされているが艦内を見回してる麻琴。
その三人が歩いている。
麻琴「こんなに施設が充実した潜水艦は初めて見たな」
興味津々というように呟く麻琴。
やがて目的の部屋前に着くと響が入室の許可を取り、中に入る。
そこには風鳴弦十郎の他にショートヘアの女性と髪が跳ね気味の男性に未来だけでなく、響と奏にとって見慣れない女性もいた。
項の辺りで一つに括った、胸下までの茶髪に同色の瞳で身長が低めな、平凡な顔立ちの女性だ。
眼鏡をかけている彼女の姿に、誰なのかと首を傾げていると。
麻琴「何だ、月音はここにいたのか」
月音「やらないといけないことを考えると、彼らに先に説明した方がいいと思いまして。それに先に見てきましたが……麻琴があれを投影すればなんとかなりそうです」
麻琴「なるほど…」
月音と呼ばれた女性が麻琴と短く会話を交わす。
弦十郎達は奏の姿に僅かに目を見開いていたが、すぐに戻って。
弦十郎「響くん、お疲れさま。そして……“こちら”の俺とは初めましてだな、奏」
奏「…だ…んな……」
優しく、安心させるように弦十郎は笑みを浮かべる。
そんな彼の、“もう二度と見れないはず”の姿に思わず固まってしまう。
その間に跳ね気味の髪の男性が麻琴に近づき、彼女の手錠の鍵を外してどこかに案内する。
響が慌てるが、未来が落ち着かせる。
月音はしばらく眺めていたが、奏が落ち着いたのを見ると。
月音「さて……響さんと奏さんにも説明しますね」
無表情ながらも真剣な雰囲気で言葉を紡いだ。
- 目覚める歌姫 2 ( No.326 )
- 日時: 2020/08/12 12:37
- 名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)
医務室に案内された麻琴は、ベッドに横たわる彼女達を見た。
青いロングヘアーの女性、おさげのような髪型の銀髪の少女、ピンクのロングヘアーの女性、長い黒髪の少女、ショートの金髪の少女、少し短めの金髪の少女。
二人の女性と四人の少女達を真剣な目で見てから、男性に視線を向けた。
麻琴「原因は分かった。……あー…あんたの名前は?」
藤堯「藤堯朔也です。翼さん達が倒れた原因って…」
麻琴「……それに関しては全員に話したいと思う。今から彼女達が倒れた原因をなんとかするから、ここを出てくれ」
しばらく迷う藤堯に麻琴はため息を吐き出し、服を脱がせる必要があると告げる。
それで察した彼はすぐに医務室から出るのを見てから、片手を掲げる。
持っていない魔力の代わりに、妖力を集めて…。
麻琴「投影、開始」
詠唱した。
すると短剣が現れる。
黒と赤に彩られた柄と鍔、まるで稲妻のように歪んだ刃。
その短剣の名は、「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」。
とある世界にて、「裏切りの魔女」と呼ばれた英霊の伝説が象徴として具現化されたものだ。
「あらゆる魔術を初期化する」という特性により、対魔術では最強とされている。
麻琴「まさか魔術が使われてるとはな……」
再び六人を見て、僅かに眉を寄せた。
彼女達から感じ取れるのは魔力だ。
さらに、感じ取れる魔力の形からして、「Fate」シリーズ世界の術式だ。
故にルールブレイカーを投影した。
小さくため息を吐き出し、ルールブレイカーを片手に六人に近づいた。
- 目覚める歌姫 3 ( No.327 )
- 日時: 2020/08/12 12:43
- 名前: 月詠 (ID: Uj9lR0Ik)
月音から説明を聞いた二人は納得したような、してないような表情をする。
奏はこことは別の世界の人間であり、何かが原因で起こった次元亀裂を通ってこの世界に来てしまった。
現在は次元亀裂の原因を月音は探っているらしい。
月音「仮称としてこの世界を「立花ワールド」、奏さんの世界を「天羽ワールド」と今は呼びます。そんな「立花ワールド」と「天羽ワールド」には大きな違いがいくつも存在します」
「それは初耳なんだけど…」
ショートヘアの女性が呟く。
聞こえたのか月音が申し訳なさそうにする。
月音「すみません、これらはかなり重要なものなので……下手に言えなかったんです。それに辛いと思われますが確認も必要なので…」
ちらりと奏を見る。
その視線で彼女は気づいた。
辛いというのはおそらく、自分の世界で起こったことなどだろう。
確かに、まだ辛い気持ちはある。
だが、“会えないはずの”弦十郎と会えたことで少しだけ気持ちが上向きとなった。
だから大丈夫だと言おうとした時。
「奏!」
懐かしい、声がした。
声の方向を向くと、そこには入院着を着た何人かの女性と少女達。
その中でも自分が知るより大人びているし、雰囲気も少し違う一人。
それでも、特によく知っている、未だに“最期”の姿も記憶に焼きついている。
奏「つば、さ……っ!」
駆け寄ってくる姿を見ているはずの視界が滲む。
自分の世界の彼女ではないが、それでも…。
自分からも駆け寄り、抱き締める。
力を込め、温かく柔らかい体に触れて、安堵する。
生きている、この世界の自分の片翼は生きているのだと。
強く強く、実感しながら。
――――――
後書き
「シンフォギア編四話目!彼女達が目覚めました!」
麻琴「やっと後書きメンバーに入れた麻琴だ。今回は天羽奏の世界事情を少しだが見えてきたぞ」
「ちなみにイメージ的にはシンフォギアXDの奏やセレナの登場イベントが近い感じですかね?動画とか見てないから詳しくないので申し訳ないですが……」
麻琴「なお、倒れた彼女達に魔術がかけられていた理由は……いつか明かされるんじゃないか?多分」
「プロットでは今のところは明かされてませんね……まだ。それでは今回はこれにて!」