二次創作小説(新・総合)
- 花火大会・準備 ( No.36 )
- 日時: 2018/09/04 22:49
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
月音「花火大会?」
剣崎「うん」
境界の館、自室にて。
大鎌の手入れをしてたらやってきた剣崎からの言葉に首を傾げると、頷かれた。
というか、よく私の部屋が分かったな…。
剣崎「ほら、「仮面ライダービルド」のメンバーがここに加わったじゃん?だから大規模な歓迎会みたいなことしたいなーって…月音には花火を作ってほしいなって…」
月音「それで花火大会ですか……やるとしてもいつくらいに?それによって変わります」
剣崎「今日」
思わず大鎌の刃を剣崎の首筋に沿わせた。
いくら私の大好きな剣崎だろうと、当日に花火を作らせるとは何事だろうか。
月音「……………は?」
剣崎「ごめん、ホントにごめん!花火大会の間は一緒に出店巡りしよ!?花火打ち上げるのは職人さんがやるから!」
舌打ちしてから詳しく話を聞く。
どうやら花火大会は一週間前から決定されていたらしく、依頼された職人さんも作っていたらしい。
が、数日前に手に怪我を負ってしまい、打ち上げるのには支障はないが作るのは難しいらしい。
……………一週間前から計画されてたとか私、知らなかった。
ビルド世界を加えたり彼らに説明したりとか、色々してたんだけどなぁ。
月音「はぁ……分かりました。残りはどれくらいですか?」
剣崎「217発」
月音「りんご飴奢れ」
剣崎「うぇい……」
真顔になって素で言ったら頷いてくれた。
- 花火大会・準備 2 ( No.37 )
- 日時: 2018/09/04 22:53
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
剣崎を一度帰らせてから考える。
一人で二百発以上の花火はさすがに作れないし、知識もないし。
かといって我が子で弟子の三人に手伝ってもらうことも、教えてもらうことも出来ない。
どうしたものか、と思ったが。
月音「あ、あいつら呼べばいいか」
携帯を取り出して事情を含めて手伝いをお願いするメールを送る。
一分後にメールが帰ってきた。
内容は「分かった」だけ。
運び込まれてる花火の材料がある訓練所に移動して“ワールドワープ”を使うと、私より僅かに小柄な人物が現れる。
茶色の髪と瞳で雪のように白い肌の、可愛らしい美少女だ。
黒に桜模様の着流しを身に付け、肩には彼女を覆うことが出来そうなサイズの正方形な漆黒の布を羽織っている。
金と黒の毛並みを持つ、生後一ヶ月くらいの子猫サイズの子虎を片手で抱き上げている。
小虎は少女から降りると、姿を変える。
金髪に黒のメッシュか、黒髪に金のメッシュか。
どちらかは分からないが金と黒の縦縞模様のようになった髪は腰を越すほど長く、上は中国の長袍(ちゃんぱお)というものに似た服に下はジーンズ。
左目に包帯を巻いた、銀の瞳をした彼はかなりの長身の男だ。
月音「お久しぶりです、麻琴(まこと)、窮奇(きゅうき)」
麻琴「あぁ、久しぶり」
窮奇「おう」
少女――終夜(よすがら)麻琴と男――窮奇に話しかける。
月音「で、早速ですが……手伝い、お願いします……!!」
麻琴・窮奇「……うん、分かった」
勢いよく頭を下げると、生暖かい視線を感じた。
すみません、その視線やめてください…。
- 花火大会・準備 3 ( No.38 )
- 日時: 2018/09/04 22:55
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
花火を作りながら話をする。
普通はやってはいけないのだろうが、二人は難しくて複雑な模様のを、私は簡単な模様のをやってるから花火に湿気を防ぐ結界を張って会話が出来るという。
…………時間がないからお前は簡単なのをやれ、と言われたけど…。
麻琴「で、何で敬語なのさ?調子狂いそうなんだが」
月音「色々ありまして。でも、たまに素が出ちゃうんですよねぇ。二人と話す時は違和感ありますが」
窮奇「なら、俺達だけの時は素で話せばいいだろ。そっちの方が楽だ」
月音「……そうするか。そっちの方が楽だし、一人称も戻すか」
窮奇の言葉に納得し、口調を素に戻す。
二個目が完成したのでそれを箱に入れる。
私が二個、作ってる間に二人は既に十個近く作り上げていた。
早いよな、こいつら。
三個目を作り始めつつ、会話を続ける。
窮奇「にしても……」
月音「悪いが、名前については月音と呼んでくれ。理由は…」
窮奇の言いたいことをなんとなく察し、先回りして言っておく。
理由も話すと納得され、麻琴は花火を作り上げた後に話しかけてきた。
麻琴「納得はしたが………そのことを知ってるのは?」
月音「光夏海、大道克己、城戸真司、呉島貴虎……ちなみにこの順番で契約もした。契約はしてないが、我が子兼弟子達には教えてある」
なら大丈夫かと呟く麻琴。
ところでお二人さん、何でもう三十個近く作り上げてんの?
早すぎやしませんか?
- 花火大会・準備 4 ( No.39 )
- 日時: 2018/09/04 22:56
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
休憩として食堂に行き、お茶とお茶菓子を口にする。
月音「体や服が火薬くさい…」
麻琴「花火大会の会場に行く時は軽くシャワーでも浴びるか?」
月音「そうします…」
花火を作っていたために火薬の臭いがついたので、軽くシャワーを浴びるのが確定した。
お茶を一口飲んでから、ふと気になったことを聞く。
月音「そういえば、二人は今、どういう世界にいるんだ?」
“千巡り”という、平行世界を含めて様々な世界に千回も生まれ変わるという呪いを麻琴は魂にかけられている。
名前や容姿、記憶だけではなくその世界で得た力なども含めて力……陰陽術やスキルなども、持ち越してしまう。
しかもどういうわけか、呪いや魂が影響してるのか純粋な人間の血筋に生まれても人外―――妖と神の血が、その身に宿ってしまう。
おかげで超チートとも言えるという。
窮奇は麻琴の式……使い魔みたいなもので、彼女が転生した世界に移動が出来る。
チートの一人でもある。
麻琴「まあまあ普通な世界だ………半年前まではな」
月音「というと?」
窮奇「………全滅したんだよ、突然。麻琴と俺以外の生物が、全て」
窮奇の言葉に驚いてると、説明してくれた。
- 花火大会・準備 5 ( No.40 )
- 日時: 2018/09/04 22:57
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
説明を聞いた私は、二人の世界に行こうか考える。
が、すぐに止められた。
麻琴「……行かなくていい、あの世界に未練などないしな」
月音「家族とかは…」
麻琴「あの世界で人間の家族なんていないよ、捨てられたんだし」
あっさり言い切った姿には、悲しみとかはない。
心底どうでもいいという感じだ。
麻琴「ウチの“家族”は“彼”と窮奇だけだ……今までも、これからも」
無表情で言う麻琴にため息を吐き出してしまう。
ある意味、仕方ないのかもしれないな。
複雑そうな表情の窮奇を横目にし、冷めてきたお茶を飲み干した。
- 花火大会・準備 6 ( No.41 )
- 日時: 2018/09/04 22:58
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
休憩の後に花火作りを再開して早くに終わらせて職人さんに連絡と運搬してから、軽くシャワーも浴びた。
着替えた後に二人を我が子兼弟子達に紹介し、剣崎が来るまで待つ。
というか、二人は帰ろうとしたが私が捕まえた。
あの話とか聞いちゃうと…うん。
ツキトや燐は元々約束してたのか、タケルや剛&チェイスが迎えに来て一緒に行った。
悠姫は貴虎に拉致された。
剣崎「月音、迎えにー……ウェ?誰?」
談話室で雑談してたら剣崎がやってきた。
月音「ああ……二人は私の知り合いで女の子は終夜麻琴、男は窮奇です。二人とも、この人は仮面ライダーブレイドの変身者の剣崎一真です」
麻琴「月音からも紹介されたが、ウチは終夜麻琴だ。好きに呼んでくれ」
窮奇「俺は麻琴の式の窮奇だ、よろしく」
剣崎「あ、剣崎一真です、こちらこそよろしくお願いします」
さて、紹介も終わった。
二人も花火大会に連れていきたいことを伝えると、あっさり了承してくれた。
というわけで、麻琴と窮奇も連れて花火大会に向かった。
- 花火大会・準備 後書き ( No.42 )
- 日時: 2018/09/04 22:59
- 名前: 月詠 (ID: RnkmdEze)
オリキャラ追加と久々の更新です。
麻琴「花火ネタねぇ…」
………別にいいじゃないですか、花火ネタ。
本当はホラーネタがしたかったんですよねぇ。
麻琴「難しくてやめた、と」
そうなります、花火にしたらすらすらと書けました。
次回は花火大会です。