二次創作小説(新・総合)

歌姫達と他の世界 1&2 ( No.375 )
日時: 2020/11/22 12:58
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

奏の検査は異常無しと分かり、無事に「天羽ワールド」に帰してから一週間。
とりあえず「立花ワールド」と「天羽ワールド」のS.O.N.Gは協力体制を取ることにしたらしく、頻繁に連絡係らしき人物達が境界を行き来する姿を見かけた。
ちなみに基本の連絡係は「天羽ワールド」からはセレナ、「立花ワールド」からは未来が選ばれたらしく彼女達はよく見かける。

今日は協力体制のことについて本格的な話をするためか、境界の館の一室を借りれないかという連絡が両方の世界からあった。
連絡を受けた月音は了承。
談話室で話し合いとなった。
ついでに互いの装者達とS.O.N.G所属の錬金術師二人、連絡係の未来も連れてくることにしたらしい。
曰く、交流だとか。


――――――


成人してる奏とマリアを保護者として彼女達は、茶髪に琥珀色の瞳の少女―――紫藤悠姫の案内を受けて境界の中を歩く。
ツキトが管理してる野菜畑や果樹園、主に麻琴が管理してるハーブを含んだ様々な薬草畑、境界にある森や泉など……。


響「色々あるんだね~」

エルフナイン「畑もあるとは思わなかったですが」

キャロル「まぁ、確かにな…」


エルフナインが畑のことを思い出すと、少し苦笑してキャロルが同意する。
二人の手は繋がれており、端から見ると仲の良い双子の姉妹だ。


悠姫「薬草畑以外は私がここに来た時には既にありましたから、普通だと思ってましたがね」


畑を見た時のシンフォギア組の反応にしみじみとしてしまう。
後から館に住むようになった麻琴達は「そういうこともあるよな」という感じで普通に受け入れていたので、余計にしみじみとしてしまう。


マリア「あなたが来た時?」

悠姫「それはまぁ、いつか………館の中に行きます?未来さんやセレナは入ったことは…」

セレナ「……ない、ですね…」

未来「なかなか機会ないから…」


ですよねーと悠姫は苦笑する。
軽く話し合い、館の中も案内することとなった。
途中、金と黒の毛並みに銀の瞳とした子猫サイズの子虎―――窮奇を拾い上げるということもあったが。

歌姫達と他の世界 3 ( No.376 )
日時: 2020/11/22 13:04
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

現在、話し合いが行われてる談話室を除いて館の中にある施設などを案内する。
和室と洋室の宴会場に食堂、訓練所、住人達の私室などなど…。


クリス「広いとこだな、おい」

翼「迷子になりそうだな…」

悠姫「実際、慣れないと迷子になりますよ…」

奏「あ、やっぱり」


ふっ、と遠い目で虚ろな笑みを浮かべる悠姫。
それを見た奏は苦笑してしまった。


切歌「おぉ、もふもふデス!」

調「可愛い…」

窮奇「撫でるのが上手いな…」


子虎姿の窮奇を抱き上げたり撫でたりしてる切歌と調。
撫でられてる本人……本虎ほんにんはのんびりとしているが。
図書室に着くと悠姫はそこの扉を開けて。


悠姫「ここは図書室です。他元世界関連、漫画と小説、雑誌と新聞、呪術関連と大雑把に五つに分けていてここにある物は自己責任で閲覧が出来ます」

未来「図書室ってことは貸出しもされてるの?」

悠姫「はい。出入り口のところに紙と特殊なインクの入ったペンがありまして、自分と本の名前を書いて期限さえ守れば自由に借りれます。まぁ、図書室の中に洋室と和室があるのでそこで読むことも出来ますが」


なるほどと全員が納得しながら、図書室へ入ってみた。

歌姫達と他の世界 4 ( No.377 )
日時: 2020/11/22 13:10
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

図書室に入ると何人かが自分達の興味があるコーナーに向かう。
切歌と調から離れた窮奇は悠姫の頭に乗り、のんびりとする。


エルフナイン「………キャロル、LiNKERの作り方に関する資料が…」

キャロル「……見なかったことにしよう…」

響「見て見て、未来!「料理対決」系だって、読んでみようよ!」

切歌「美味しいモノがあるかもデス!」

未来「響……」

調「切ちゃん……」

翼「奏、見て!私達がツヴァイウイングとしてデビューした頃の!」

奏「うわ、本当だ!!懐かしいなぁ…」

マリア「私のデビューした時のまで…」

セレナ「ちょっと読んでみたいかも…」


聞こえてくる声に楽しそうだなぁと思いつつ、彼女は近くにある椅子に座る。
と、図書室に誰かが入ってきた。
悠姫と窮奇の視線がそちらに向けられた。
そこにいたのは逆立てた髪と無精髭、くたびれたような雰囲気の男性―――リーバー・ウェンハムだった。


悠姫「リーバーさん?」

窮奇「リーバーか、珍しいな」

リーバー「お、悠姫と窮奇か」


リーバーは二人に気づき、よぉと軽く片手を上げて軽く挨拶する。

歌姫達と他の世界 5 ( No.378 )
日時: 2020/11/22 13:16
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

ぴょんと窮奇がリーバーの肩に飛び移る。


リーバー「ちょうどよかった、LiNKERの資料を借りに来たんだが…」

悠姫「LiNKERの?」


何でだろうと首を傾げていると。


「お、リーバーに悠姫、窮奇もいたのか」


羽織を羽織った着物姿の青年―――鴆も入ってきた。
そこに響達が戻ってきた。


響「悠姫ちゃーん……って、あれ?」

未来「人が増えてる…」

鴆「お?たしか……月音の言ってた奴らか。シンフォギアって世界の…」

セレナ「そうですが…知ってるんですか?」

鴆「月音から写真つきで教えられてな。わりと人数が多いから、先に覚えて顔と名前を一致させといた方がいいって」


あぁ、なるほどと納得する響達。
両方の世界の装者だけでも十人近くいるのだ。


リーバー「と、自己紹介しとくか。俺は「D,Gray-man」世界、黒の教団の科学班に所属してる班長のリーバー・ウェンハムだ。こっちは「ぬらりひょんの孫」世界の…」

鴆「奴良組系「薬師一派」組長の鴆だ、よろしくな」


組長という言葉にシンフォギア組が首を傾げたり、訝しげにしていると。
室内に風が僅かに流れてくる。

歌姫達と他の世界 6 ( No.379 )
日時: 2020/11/22 13:23
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

扉が開き、新たな客人が現れた。
栗色の長い髪を耳の上の高い位置で揺った、桔梗色の瞳の幼い少女と。
短めの黒髪と同色の瞳の幼い少年。
どちらも見慣れない、独特な衣装だ。


悠姫「あ、太陰様、玄武様」


少女―――十二神将、風将の一柱である太陰と少年―――十二神将、水将の一柱である玄武の名前を悠姫が呼ぶ。


太陰「こんにちは、悠姫。呼び捨てでいいって言ってるでしょ」

悠姫「それはちょっと…」

玄武「太陰、いつものことだろう。しかし人が多いが……シンフォギア世界の者達か」


少し拗ねたようにする太陰が言うと悠姫は苦笑し、玄武はきょとんとしているシンフォギア組を見た。
あぁ、と呟いてから悠姫が二人を紹介するとシンフォギア組は驚く。
彼女達が質問などをする前に。


悠姫「リーバーさんはLiNKERの資料を借りに来たみたいですが……鴆さんや太陰様達は?」

鴆「あ?あぁ、絶唱に関する資料だな。エクスドライブとかってので負荷を軽減出来るんだろうが、それでも命が危ぶまれるレベルって聞いてな。それがどれくらいなのか、俺達の医療とかが通じるか調べたくて」

玄武「我らは聖遺物についてのものだ。月音から我ら十二神将もシンフォギアの世界では聖遺物に近いから、ノイズに対抗出来る可能性があると言われて晴明が調べようと思ったらしい」

リーバー「ちなみに俺達、科学班はシンフォギア組の技術班が何かあった時に代理で動けるように、だ。LiNKERだけじゃなくてシンフォギアの整備も出来るように、ライダー世界の技術者やツキトも学んでる最中だしな」


問われた鴆と玄武、ついでにリーバーが答える。
太陰は風を纏って浮かぶと、リーバーの肩でのんびりしている窮奇を抱き上げた。

歌姫達と他の世界 7&後書き ( No.380 )
日時: 2020/11/22 13:28
名前: 月詠 (ID: M.fbnnZK)

そこでエルフナインが首を傾げる。


エルフナイン「あの……何でそんなにこちらのことに…」

太陰「…………実は前に私達、「少年陰陽師」世界で少し大きな事件があったの。といっても、私と玄武はそんなに関わってないから人伝てに聞いたものになるけど…」


少し苦い表情で、太陰が答える。


窮奇「我と悠姫は関わってるからある程度は言えるな。さっき太陰が言ったように「少年陰陽師」世界で事件があったんだ、別の世界……「仮面ライダー剣」世界の出身者を拉致され、呪詛を埋め込まれたりとかとんでもないことをされて、な」

悠姫「その経験があるから事前に防げそうなものは防げるようにって、他の世界にも協力してもらってるみたいなんです。ちなみにその事件については月音さんと、被害者だったトラ一真さんの許可があれば資料を読めるようになるので、気になりましたら二人から許可をもらってください」


規模は小さいかもしれないが、既に世界を越えた事件があった。
それに誰もが納得する。


キャロル「……そう考えると、今回の件は大きくなりそうだな」


ぽつりとキャロルが呟きを漏らす。

そんな彼女の予想は、後に当たるだろう……。


――――――


後書き


「ちょっと強引だけどここで締めです!下手したらだらだらと長くなるんで」


「ちなみに前の事件とは「偽りの剣を救い出せ」シリーズのことです」


「多分だらだらとこのシリーズ長くなりそうな気配がしますが……また次回!」