二次創作小説(新・総合)
- かつての敵 ( No.383 )
- 日時: 2020/12/11 22:02
- 名前: 月詠 (ID: CKHygVZC)
昌浩はなんとも言えない表情をしていた。
その足元にいる物の怪もだ。
原因はというと……。
窮奇「うぅん……」
文机の上でもぞもぞと姿勢を変える、子猫くらいの大きさの子虎姿で眠る窮奇だ。
ここは昌浩の部屋なのだが、どこから入ったのだろうか。
昌浩「なんというか……この子虎があの窮奇だとは思えないよなぁ。いや、会ってから長い付き合いだけど」
物の怪「まぁな………いくら別の世界の存在とはいえ…」
部屋に入った昌浩と物の怪は座り、未だに眠ってる窮奇を見た。
自分達が知る窮奇と姿は勿論だが、性格がとても違う。
力すらもそうだ。
元々は同じ存在だっただろうに、何が彼をここまで変えたのか。
窮奇「うん……?」
起きたのか窮奇の目が開かれる。
欠伸を一つ漏らしてから伸びをし、軽く毛繕いしてから。
窮奇「よ、昌浩、騰蛇」
昌浩「あぁ、うん……おはよう………?」
物の怪「何しに来たんだよ」
文机から降りると一人と一匹に声をかけた。
昌浩は少し戸惑い、物の怪は若干警戒する。
月音が境界の館に呼び寄せたことで長い付き合いとなるが、やはり警戒などはしてしまう。
―――例え信じられないくらいに知っている存在とは違うと分かっていても。
- かつての敵 2&後書き ( No.384 )
- 日時: 2020/12/11 22:08
- 名前: 月詠 (ID: CKHygVZC)
座った窮奇は異世界渡航系転移魔法“ワールドワープ”を使い、あるものを自分の近くによこす。
和紙に包まれたそれを前足で器用に挟むと、昌浩へと差し出した。
窮奇「我以外の全員が買ってきたせいで多くてな、お裾分けに来た。彰子姫や晴明にも既に渡してある」
昌浩「あ、ありがとう」
窮奇「気にするな。じゃっ」
昌浩が受け取るのを見てから、いつの間にかあった銀色のオーロラに入っていく。
オーロラが消えていくのを見届けながら、包みとなっている和紙を開いた。
中に入っていたのは白や桃色、薄めの橙色という十数粒のこんぺいとうだった。
昌浩「あ、こんぺいとうだ」
物の怪「こんぺいとうか……あっちじゃないとなかなか食えないよな…」
物の怪が昌浩の肩に乗り、和紙の中を覗き込んだ。
諸説あるがこんぺいとうが日本に伝わってきたのは戦国時代辺りだと言われている。
そのため、歴史としては平安時代となる「少年陰陽師」世界には存在しない。
食べたくなったら最低でも境界の館まで行かないといけなくなる。
昌浩「………そういえば、前に料理対決の時に窮奇がここに来たって話をしたよね」
物の怪「あー、言ってたなぁ。聞いた時は驚いたの覚えてる」
昌浩「試作したイチゴタルト持ってだけどね。美味しかったけど、いきなり来たからね……………また窮奇が来たら、話でもしてみる?どういう世界を巡ったのか聞きたいし」
物の怪「………そうだな」
そう話して、一人と一匹はこんぺいとうに手を伸ばした。
――――――
後書き
「シンフォギア編書いてたら、ふわっと浮かんだから書いてみました。そしたらさくさく書けた」
「ちなみに窮奇はオリキャラ組でもあるけど、原作にも出てくるキャラだから……「少年陰陽師」組にも入るので、オリキャラいない扱いになります。私のなかでは!」
「…………ではまた次回!」