二次創作小説(新・総合)

剣と銃との手合わせ ( No.428 )
日時: 2021/03/09 23:59
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

シンフォギア装者は歌を歌いながら戦う戦士である。
戦士である前に一人の少女でもあるが。
そんな彼女達は自分達の世界以外にも様々な世界があると知り、そこがどういう世界なのかと所属してる組織とともに調べるのは普通の流れだった。
結果、境界の館にあるDVDや漫画や小説、あるいは住人や本人達から話を聞くなどすることで「仮面ライダー」と「ぬらりひょんの孫」、「D,Gray-man」、「少年陰陽師」の世界などをある程度理解や把握をすることが出来た。
彼らの戦闘力などに関しても。

が、どうしても把握出来ない存在がいた。
それは境界の館の住人達だ。
麻琴は響と奏から歌いはしてなかったが、自分達のようにノイズを倒すことが出来たと聞いてるから彼女はいい。
トライアル一真と窮奇も元々の出身世界が「仮面ライダー剣」と「少年陰陽師」と聞いているし、人間ではない………月音曰く「ネフィリムみたいな自律?自立?した完全聖遺物みたいな存在」というようなことを言っていたから、まぁ、いい。
問題は月音とツキト、燐、悠姫だ。
この四人の戦闘力は不明だし、月音以外とはそれほど交流もしていない。
ツキトと燐は翼達が目覚めた時に僅かに会話したくらいだし、悠姫は館関連を案内してくれた時くらいだ。


月音「手合わせ、ですか?」


故に、彼女達に手合わせを願い出た。
境界の館に住む、戦える者の力量を知りたい。
そう言われた月音は少し考えてから、すぐに了承した。

剣と銃との手合わせ 2 ( No.429 )
日時: 2021/03/10 00:05
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

境界の館、訓練所。
シンフォギア世界からは装者は翼とクリス、データの記録係として了子とエルフナインがいる。
装者が二人しかいないのは、「立花ワールド」も「天羽ワールド」のどちらも都合がつかなかったからだが……。
ちなみに月音は買い物に行っていて、今はいない。


ツキト「えっと……本当にいいんですか?」

翼「気にしなくていい。こちらも二人同時にいくし、そちらの連携なども見たい。あと、仮面ライダーに変身出来るとも聞いたから何に変身するのか気になるというのもある」

クリス「複数の敵を相手に戦った経験もあるしな。だからなんというか、大丈夫だ」

燐「……それなら分かったけど、俺とツキトはまず生身でやっていいか?生身でも戦えるし」

了解「それはちょっと危険すぎない?」


燐の言葉に少し困った表情で了子が言う。


悠姫「あー………ツキトは確かに生身はやめた方がいいかも。でも燐さんは最初は生身の方がいいかな?」

エルフナイン「いえ、危険ですから…」

燐「…………………これでもか?」


話が終わらないと考え、燐がその姿を変える。
腰と尻の境には太く大きな爬虫類のような尻尾が現れ、それと左側の目の周りから頬までを紅い鱗が覆っている。
背には黒く蝙蝠のような皮膜がある翼と、こめかみの辺りにはまるで山羊を思わせる角が生えた。
瞳もよく見れば瞳孔が変化し、爬虫類と同じように縦に細長いものとなっている。
キメラとしての姿を、彼は晒したのだった。

剣と銃との手合わせ 3 ( No.430 )
日時: 2021/03/10 00:11
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

人間の姿の面影があり、その形でありながらも完全なる人外の姿。


エルフナイン「もしや……人間をベースとした、合成獣キメラ…!?」


装者二人と了子は言葉を失い、エルフナインは驚きの声をあげる。
その反応に化け物扱いされて終わりそうだなと燐が思っていると。


エルフナイン「人道的な問題はありますが……非常に興味深いですね」

了子「そうだな。出来ればじっくりと調べたいものだ」

燐「えっ」


真剣な表情で自分を見てくるエルフナインと了子の言葉に、本気で驚く燐。
八年ほどぶりのことで彼は忘れているが、キメラは研究者にとって興味深い存在だ。
現実世界ではキメラとは架空の存在とされている。
シンフォギア世界や仮面ライダー世界ならば探せば見つかるだろうが、身近かつ意思疏通が容易いキメラは今のところ燐くらいだ。
…………仮面ライダービーストの変身者、仁藤攻介がその身に宿しているファントムもキメラ、もといキマイラだが精神世界から出せないのでスルーされている。


ツキト「僕達の兄を調べたかったら母さんに話を通してくださいね~」

悠姫「燐さんから許可もらえても月音さんからももらわないとダメです」


ささっと燐の前に立ち、視線を遮らせるようにするツキトと悠姫。
燐の方が背が高いので、二人では隠せていないが…。

剣と銃との手合わせ 4 ( No.431 )
日時: 2021/03/10 00:17
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

とりあえず好奇心が疼いていた了子とエルフナインが落ち着き、月音が張っておいた結界の中に入る。
結界内には普段、彼女達が使ってる機材のようなものや道具が置かれている。
結界は五人の手合わせによる被弾から守るためのものだ。
了子、もといフィーネもバリアのようなもので防ぐことが出来るが、ネフシュタンの鎧と融合しているわけではないので耐久性が低い。
故に、彼女達は大人しく結界内にいることにした。

翼とクリスはギアペンダントを服の中から取り出す。
そして軽く息を吸い込んで。


翼「Imyuteus amenohabakiri tron」

クリス「Killiter Ichaival tron」


聖詠を歌った。
光が二人を包み込み、晴れる。

ぴったりとした青と白のインナースーツとグローブ、脚には踝の部分にブレードがついたブーツのようなものと太ももには何かを収納するような武装、耳にもブレードがついたイヤーパッドのようなものがあり、姿が変わる前と変わらずに髪が括られた部分にブレードのようなものがついたヘッドギアの翼。

ぴったりとした赤と白のインナースーツに赤いブーツ、腕にはグローブの上に肘の部分が尖ったような武装があり、腰には何かの羽を思わせる武装、頭には三つ繋がった六角形のパネルのようなものの端に筒状のものをつけ、耳に当てる部分にある赤紫のものを同じ筒状のもので挟んだヘッドギアのクリス。

天羽々斬とイチイバルのシンフォギアだ。

剣と銃との手合わせ 5 ( No.432 )
日時: 2021/03/10 00:23
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

シンフォギアを纏った二人の姿にツキトが目を輝かせる。


ツキト「なるほど、歌うことで武装を纏うとはフィーネさんや母さんから聞いていたけど、こういうことか…!すごい興味深い!」

了子「私が教えてる時並に輝いてるわね~、目が」

悠姫「ツキトも技術者だからね…」

燐「フィリップの影響とか受けてそうだよな……魂を通して…」


了子が苦笑し、悠姫とキメラ姿の燐が遠い目をする。
燐がキメラのままなのは、生身は生身でもその姿でならと許可が出たからだ。

悠姫は燐から少し離れると、どこからか取り出した黒いもの……バックルを腹に押しつける。
するとそれからベルトが出現して巻き付き、固定される。
新たに取り出した紫色の角ばった球体の錠前……ブドウロックシードを解錠した。


『ブドウ!』


悠姫の頭上に円を描くようにファスナー―――クラックが現れ、開かれる。
そこからロックシードと同じ果物、ブドウアームズが出てきて降下する。


悠姫「変身」

『ロックオン!』


ベルトとなったバックル――戦極ドライバーにブドウロックシードをセットしてロックをかけると、銅鑼の音が流れる。
戦極ドライバーのバックルにある小刀――カッティングブレードを倒し、ブドウロックシードを輪切りにした。


『ハイーッ!ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!!』


頭上のブドウアームズが悠姫の頭を飲み込むように落下し、彼女の体を緑色のライダースーツが覆う。
ブドウアームズは彼女の頭に完全に被さると四方に展開され、中華風の戦士を思わせる姿に変わる。
現れた頭にはマスクが装着されていた。
そこには仮面ライダー……いや、アーマードライダー龍玄がいた。

剣と銃との手合わせ 6 ( No.433 )
日時: 2021/03/10 00:29
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

悠姫が変身したことに気づいたツキトが自分を落ち着かせる。
真ん中に暗い色をした丸いものがあり、その周囲を何かの模様―――ライダークレストが描かれた四角形の白いもの……バックルを取り出す。
悠姫の時と同じようにそれを腹部に押しつけるとベルトが出現し、固定された。
カードスロットを展開し、左腰にあるカードホルダーのようなもの―――ライドブッカーを開き、そこからカードを取り出す。
そのカードをスロットへと装填、閉じた。


『カメンライド』

ツキト「変身」

『ディケイド!』


様々なライダークレストと幻影が現れ、ツキトへと重なっていく。
重なった幻影は黒のスーツへと変化し、彼の前に出現したプレートがマスクに刺さっていく。
プレートが全て刺さると、スーツにマゼンダの武装がついた。
「世界の破壊者」と呼ばれる戦士……仮面ライダーディケイドになった。

T(ツキト)ディケイドは左腰にあるライドブッカーを変形させ、ソードモードへと変える。
それの刃を片手で一撫でし、Y(悠姫)龍玄はハンドガン型のアームズウェポンであるブドウ龍砲を構える。
燐の右腕が変化し、両刃の剣の刀身が肘から少し下の辺りから生えた。

剣と銃との手合わせ 7 ( No.434 )
日時: 2021/03/10 00:35
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

クリスが二丁の携行型の二連装ガトリングガン型アームドギアを形成し、銃口を三人へ向ける。


クリス「先手必勝だ!」


二丁四門での一斉掃射された。



『BILLION MAIDEN』



放たれた弾丸を一歩前に出た燐が口から吐き出した炎が壁になり、高温の熱で融かす。
炎が消えた直後にY龍玄は燐の後ろから出ると、クリスに向かって何発か発砲。
彼女は腰部アーマーの後方ユニットに収納されている菱形の小片パーツを周辺に散布してエネルギーリフレクターを展開し、それらを防ぐ。
その間に翼がY龍玄に素早く接近し、刀剣型のアームドギアで斬りかかる。


Tディケイド「おっと、させないよ?」


Tディケイドが割り込み、ライドブッカーで防いだ。
そのまま二人は斬り結ぶ。


燐「はぁっ!」

クリス「っとぉ!」


燐がクリスに接近して斬りかかるがスナイパーライフルに変形したアームドギアをまるでトンファーのように持ち、片方を盾とし、もう片方で殴りかかる。
アームドギアを弾くようにし、その勢いを使って後方へと下がる。
まるで隙間を縫うようにして、Y悠姫からの射撃が放たれた。

剣と銃との手合わせ 8 ( No.435 )
日時: 2021/03/10 00:41
名前: 月詠 (ID: yyWFfh9m)

ガンモードのライドブッカーの銃口から、マゼンタ色の光弾が放たれる。
翼は脚部のブレードのバーニアによりホバー走行をし、光弾を避けながらもTディケイドへと接近。
Tディケイドは舌打ちし、ブックモードにしてからカードを取り出そうとする。


翼「させん!」


彼の上空の空間に、無数に近い数の青いエネルギーで出来た剣が出現する。
気づいたことをきっかけとするように、剣達は降っていく。



『千ノ落涙』



再び舌打ちし、剣を避けながら後退していく。
それでも素早く距離を詰めた翼が斬りかかる、が。


『アタックライド、イリュージョン!』


いつの間にかライドブッカーからアタックライドのライダーカードを取り出したTディケイドが、バックルに装填して読み込ませていた。
Tディケイドの分身が複数現れたことに彼女が驚いてる隙に分身の一人を盾として斬られ、本体は距離を取る。
残った分身はすぐに消え、ライドブッカーをソードモードにする。


Tディケイド「剣が降ってくるとはな…」

翼「驚いているみたいだな」

Tディケイド「かなりね。それと同時にそのシンフォギアを、じっくりゆっくりと調べたくもなった」


マスクをしているのに、獲物を狙う肉食獣のような目をしていると分かる声のTディケイド。
あ、これは手合わせ終わったらシンフォギアを守らなければいけないと、翼は思ったそうな…。

剣と銃との手合わせ 9&後書き ( No.436 )
日時: 2021/03/10 22:12
名前: 月詠 (ID: Cnpfq3rr)

約三十分後。
途中、燐がドライブに変身するということや装者コンビがイグナイトモジュールを使うことなどがあったが、それまで手合わせを続けた五人。
二人のイグナイトモジュールの制限時間が来たので手合わせを終了させることにし、了子とエルフナインでデータを纏める。
変身を解いたツキトが、武装を解いて待機形態のギアペンダントを見つめていたが装者コンビが徹底的に守ったとか…。
それから充分に休憩を取り、夕飯などの買い物から帰ってきた月音と装者コンビが手合わせを開始したのだが……。


月音「いやぁ、久々にスパッと斬られたな。青蓮やあの世界以来かな?」

翼「だ、大丈夫なんですか!?月音さん!?」

クリス「というか前にもされたことあるのかよ!?」


身体能力が最弱モードなせいか、体の前面にスパッとした切り傷がある。
翼のアームドギアによる攻撃を防ごうとして、間に合わなかった結果だ。
さすがにこれはと思った了子により、エルフナインは目隠しされている状態だ。
彼女の子供兼弟子達は慣れてるからか、救急箱を取りに行ったり治癒魔法の準備をしている。


月音「ちょっと色々あってね。大丈夫、今は魔力使って痛覚断ってるから大丈夫」

了子「それ大丈夫じゃないわよ」


月音の言葉に思わず突っ込む了子だった。


――――――


後書き





「というわけで手合わせ回でした!脳内で話を考えてたら、ツキト達とあまり絡めることが出来ない感覚があったので、念のために」

ツキト「最後、スパッ(物理)とされてるよね?」

「なんかスパッ(物理)されてるのが浮かんだから。ではまた次回!」