二次創作小説(新・総合)

花火大会 1 ( No.44 )
日時: 2018/09/27 22:55
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

暗くなった頃に花火大会の会場に着くと、様々な人がいた。
人外とか人間とかが種族関係なく仲良くしている。
麻琴はすぐにお面屋さんで顔の上半分を隠す狐の面を購入し、それをつけた。
………あれ、確実に自分の好きなものと術者的な意味合いを含めてるよね、絶対。
……深くは考えないようにするか、うん。
しかし、私と剣崎と窮奇は洋服だが麻琴は赤と白の彼岸花
模様の黒い着流しだから、面との違和感がないな。


麻琴・窮奇「……何だ、これは」

月音「おっちゃん、りんご飴一つ。何って…」

剣崎「リラックスベリー飴だな。あ、リラックスベリー飴も一つ。これ、代金です」

麻琴「ベリー?ベリー!?」

窮奇「でっか!?」


真っ先に向かった、べっこう飴やりんご飴、イチゴ飴の屋体で麻琴と窮奇はあるものに注目していた。
それは精神安定剤と同じ成分を含みながらも、今のところは自然界でしか育たない、拳サイズの大きくて深紅のイチゴであるリラックスベリー。
そんなイチゴ自体は見た目とは違い、上品ながらも繊細な甘みを持つ。
何故かハチミツと合わせるとその甘みが、舌が麻痺しかねないくらいの酸っぱさへと変わるという特性がある。
そんなリラックスベリーもイチゴ飴と同じように割りばしを刺し、飴でコーティングされてる。


剣崎「懐かしいなぁ、俺も初めて見た時はびっくりしたっけ…」


驚いてる二人の反応にしみじみしながら、リラックスベリー飴を屋体のおっちゃんから受け取る。
私は驚かなかったな…あまり…。

花火大会 2 ( No.45 )
日時: 2018/09/27 22:56
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

しゃりしゃりしゃりとりんご飴を食べながら、次の屋体を物色。
私の両隣では。


窮奇「うわ、美味い…見た目からしてあまり甘くないかと思ったら、ちゃんと甘いし美味い…」

麻琴「何このイチゴ、すげぇ」

剣崎「はちみつかけるとヤバイけどね」


リラックスベリー飴を食べる窮奇と剣崎、ちょくちょく窮奇から一口もらってる麻琴。
そろそろ食べ終わりそうである。
柔らかいから食べるのも早いのだろう。
私のりんご飴は固いからなぁ。


麻琴「お、射的だ」


射的を見つけたのでそちらに行く。
そこには先客もいた。


月音「アレン、リナリー」

リナリー「あ、月音さん、剣崎さん」

アレン「と、……?」


麻琴と窮奇に首を傾げる二人。
なので紹介しておいたが、麻琴は面を外す前に僅かな驚きを見せた。
が、それは私と窮奇しか気づいていない。
紹介の後に一緒に射的をすることとなったが……。


月音「何で二つあるんです?」


片方は普通の、棚に景品が置かれてるタイプのよく見かけるもの。
もう片方は回転寿司のようなレーンに景品が乗っていて回転しており、スピードはやや速め。
違いといえば、棚にある方はちょっとしたお菓子やライター、ぬいぐるみなどだが回転レーンに乗ってるのは商品券やゲーム機、洗濯機などの高額商品の交換券。
ちなみに射的に使う銃はライフルにハンドガン、スリングショット……玉を回す方じゃないパチンコと選択式になってる。
あと、棚の方はお菓子の詰め合わせがやや太めの紙紐で吊るされてる。


「それはね……スナイパー対策さ」


死んだ目で言う射的屋のおっちゃん。
スナイパー……心当たりのある私は納得した。


麻琴「一回百五十円、弾は五発か…。おっちゃん、ハンドガン二丁使いたい、弾は十発で」


三百円を渡して言う麻琴に、私と窮奇はおっちゃんに同情した。

花火大会 3 ( No.46 )
日時: 2018/09/27 23:00
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

ポカンとするアレリナカップルと剣崎とおっちゃんの四人、あーあと言いたくなった私と窮奇の二人。
というのも。


麻琴「おっちゃん、ぬいぐるみカモン」


二丁のハンドガンを両手に持ち、狐の面を首にかけた麻琴は平然とそう言う。
ぬいぐるみとは棚の方にあった、白い犬の可愛らしいものだ。
まず先に右手のハンドガンでぬいぐるみの眉間を撃ち抜き、軽く後ろに傾かせる。
そのまま間を置かずに流れるように首の辺りを撃ち抜くと、ぬいぐるみは大きく傾いて棚から落ちた。
まさにスナイパーだった、あれは。
おっちゃんから渡されたぬいぐるみは、流れ作業のようにリナリーに渡された。


麻琴「あげる、お近づきの印」

リナリー「え、あ、ありがとう」


ちょっと嬉しそうなリナリー、どうやら犬ぬいぐるみは欲しかったもののようだ。
次に麻琴が狙ったのは、お菓子の詰め合わせ。
それは一発でゲットされた。
しかもそれもアレンにお近づきの印として渡された。
窮奇リクエストで棚のお菓子(チョコ○ールとか)を四つ取ると、レーンに移動した。


麻琴「欲しいのある?」

剣崎「ゲーム機」

月音「洗濯用洗剤詰め合わせセット」


聞かれたから答えたら、麻琴は一発で同時に交換券二枚をゲットした。
ちょうど両端の方に二つがあったので、両手で同時発砲だったのだが妙に似合っていた。
交換券も渡してきた後で千円分の商品券を迷わずゲットした麻琴の姿に、おっちゃんがその場に這いつくばって落ち込んでいた。

花火大会 4 ( No.47 )
日時: 2018/09/27 23:00
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

アレリナカップルと別れたあと、次はダーツの屋体に来た。
が、こちらも普通のものだけじゃなく弓道やアーチェリーに使う的や弓矢があった。


剣崎「狩人対策?」


首を傾げて呟く剣崎に、あり得そうだなと思わず素で言ってしまった。


ゆら「あ、月音さんと剣崎さんや」

月音「お、ゆら」


ゆらの声にそちらを向くと、青田坊以外の清十字団のメンバーがいた。


昌浩「あ、月音殿」


さらに昌浩と藤原彰子もやってきた。
すかさず麻琴と窮奇を紹介したが……。


昌浩・彰子「窮奇……!?」

窮奇「お前らのところとは並行世界の、だがな」

麻琴「とりあえず害は無いから安心してくれ」


そんな感じの一悶着も起きたが、平和に終わった。
その後に私のところだと弓矢が得意という設定が組み込まれてるゆらが弓矢、投擲が出来る麻琴がダーツで的当てをした。
結果は一言で言うなら、獲物は絶対に逃がさないという雰囲気の二人はすごかった。

花火大会 5 ( No.48 )
日時: 2018/09/27 23:01
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

麻琴がゲットしたのはゲーム機(PS4)。
しかしそれはお近づきの印にと、清十字団に渡された。
ゲーム機はPS2世代までのしか出来ないから、という理由で。


月音「あ、戦兎と龍我」

戦兎「お、月音」


向かった先にいた戦兎と龍我に声をかける。
「仮面ライダージオウ」本編が始まってて今は戦兎から「桐生戦兎」の概念が消えてる?
そんなもの知らぬ。
この世界でそんなのは関係ない。


龍我「月音に剣崎さんに……そいつは?」


首を傾げる龍我に二人をしょうか……そいつ?
複数形じゃない?
剣崎と窮奇と一緒に最後尾を見る。
最後尾にいたはずの麻琴がいない。


剣崎「…………麻琴ちゃんは!?」


しばらく無言でいた私達だが、剣崎の声に我に返った。


窮奇「あいつ、いつの間に!?」


すぐに探しに行きそうな窮奇を引き留め、二手に分かれることにする。
麻琴をよく知る私と窮奇は別々になった。
私側には戦兎、窮奇側には龍我と剣崎を配置した。
ちなみに配置理由だが、暴走しそうな窮奇のストッパーとして龍我と剣崎を選んだ。
筋肉バカと不死だから大丈夫でしょ、多分。

花火大会 6 ( No.49 )
日時: 2018/09/27 23:03
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

~第三者side~


その頃。
出店や人気の多くある場所から離れた森に入った麻琴は静かに立ち止まると、片手で印を結ぶと詠唱もなく結界を張る。
それの効果は出入り不可という、結界の内外に関係なく出ること入ることも出来なくなるものだ。
これで被害者は出なくなる。


麻琴「出てきたらどうなん?」


鋭く言えば、木の影から人影が二つ出てくる。
すっかり暗くなっているが、晴れていることで綺麗な満月が出ているのと元々夜目が効くのではっきりと見える。
人影の正体が分かった麻琴は僅かに目を見開く。
その正体が二十代半ばくらいの、サングラスをかけた二人の男だからというわけではなく。


麻琴(ずいぶんと、手を血に染めてるな…こいつら…)


男達が“背負っている”ものを“視”て、気づかれないように小さくため息を吐き出す。
そういうものを“視”る力があるために、“背負っているもの”の正体も分かるのだ。
肌が白く、愛らしい容姿や綺麗な容姿を持った、自分と同じか少し上くらいの少女達。
十を越える人数の彼女達は着ている服と髪は乱れて汚れており、ところどころから血を流し続け、怒りと憎悪を混ぜた表情で男達を睨み、しがみついて離れない。
ぶつぶつと呟かれる内容から、どういうことか把握が出来る。
彼女達は全員、男達にその純潔を無理矢理に散らされ、命を奪われた被害者だ。


「何であの小娘、俺達に気づいたんだ?」

「どうでもいいだろ、んなこと。さっさとヤッちまおうぜ」

麻琴(逆に殺ってやろうか?)


片方の男の言葉に心の中で思わず言い返す。
片方がナイフを取り出したのを見て、わざと傷でもつけられるなどして正当防衛を成立させようか考えた時。

花火大会 7 ( No.50 )
日時: 2018/09/27 23:04
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

麻琴の後ろから、近づいてくる男達に黒い何かが向かっていく。
驚いているとその何かは男達を弾き飛ばし、そのまま器用にその長い体を使って地面に押さえつけて身動きを封じる。


麻琴「…………黒い、龍?」


そこにいた何かが黒い、東洋の龍みたいなものに気づいて呟く。


「大丈夫か?」


声をかけられて振り向くと茶髪の男がいた。
出入り不可の結界内にどう入ったのか不思議だったが、頷いた。
そうか、と男は呟くと携帯を取り出す。
何故それをと思っていると、男が戸惑ったような表情になった。


「圏外……?さっきは電波があったのに…」


その言葉に結界のせいかと察し、再び片手で印を結んで解除した。
すると無事に電波が復活したことに男が驚くのを横目に、龍に押さえつけられている男達に憑いている少女達を手招きする。
驚いたように龍を見ていた少女達はそれに気づき、顔を見合わせてからリーダーらしき少女が近づいた。


『………何かしら』

麻琴「お前らの様子を見るに奴らに軽くでもいいから復讐しないと、然るべき場所に逝けないみたいだからな。だから、お前らにウチの霊力を少し分けるよ」

『あら、私達がその霊力を使って何かするかもしれないわよ?』


にやりと笑う少女に麻琴は無表情で。


麻琴「その場合は然るべき場所へ無理矢理に送る。分けた霊力は存在維持のため以外には使わないでほしい……本当は、今すぐにでも出来るぞ?」


僅かに神気と妖気を滲ませる。
気づいた少女は苦い表情になると分かったわと頷き、分けられた霊力を大人しく受け取る。

花火大会 8 ( No.51 )
日時: 2018/09/27 23:05
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

戻っていく少女を見送り、男の方を見た。


「それじゃあ、俺は花火大会を楽しむから……お前らの事情なんざ知らん。じゃ」


話を終わらせて通話を切った男は、麻琴からの視線に気づく。


「……何だ?」

麻琴「あの龍はあんたの身内か?」


そう言って龍を手で示す。
頷く男にそうかと呟くと、小さく微笑み。


麻琴「助かった…ありがとう…」


本当は自分だけでも対処出来たが。
そんな本音は呑み込み、礼を述べる。
礼を言われたことに男はきょとんとしていたが、別にと口にして顔を逸らした。


麻琴「で、礼がしたいから花火大会の間、一緒にいたいんだが……いいか?」


簡易的な人の形に切られた、和紙のようなものを複数取り出して軽く投擲する。
すると紙は人の姿に変わる。
複数の屈強な男性の姿となったそれらは、拳を鳴らしながら男達に近づく。
怯える男達を見た龍は彼らから離れ、ぐるりと旋回してからどこかへと消えた。


リュウガ「…………まぁ、俺も花火大会を楽しむ気だったからいいか…。俺はリュウガだ、お前は?」

麻琴「ウチは麻琴、終夜麻琴だ。好きに呼んでくれ」


男―――リュウガの言葉に麻琴はそう返した。


~第三者side end~

花火大会 9 ( No.52 )
日時: 2018/09/27 23:07
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

麻琴は無事に見つかったが……。


月音「何でリュウガと一緒なんだよ」


私の契約者である仮面ライダー龍騎の変身者、城戸真司の鏡像であるリュウガと一緒だった。
こいつも仮面ライダーであり、その名前も同じくリュウガだ。
…………リュウガはヒーローサーガに出てくる真司――真二の双子の兄、城戸真一が死んだ後に魂がミラーワールドへ行き、真二をモデルにして神崎優衣が生み出したミラーモンスターと融合した存在だ。
つまりはヒーローサーガと劇場版の設定を混ぜ、割ったような感じである。
ただし真司は彼の名前はそのままだし、多重人格にもなっていない。
けど、そういう設定になっているのだ。


剣崎「月音、大丈夫なの?あれ…」

月音「分からないです…」


リュウガと一緒にいる麻琴を発見し、窮奇達と合流してから自己紹介しあってる五人を見ながら不安になる私と剣崎。
というのも、うちのリュウガは色々と……キャラ崩壊してる。
NLが好物だけどBLGLもいけるという腐った趣味持ちで、ブラコンで真司と恋人で結婚したら義妹になる霧島美穂に対してシスコンなのだ。
戦闘時はあの好戦的な性格なのだが…ううむ…。


麻琴「月音」


と、麻琴がやってきた。
ちらりとリュウガの方を見れば、あちらは漢字だが同じ名前だからか少し盛り上がってるようだ。


麻琴「リュウガは何者なんだ?人間の魂に、今までで生きてきた中で知らない存在の器…肉体だが…」

月音「あー………今日だけじゃ説明しにくいので、明日にしますよ」


翌日、説明のために真司を通して神崎士郎やミラーライダー達を呼び、ミラーモンスターなどについて麻琴に説明した。
ら、そういう存在もいるのだなで麻琴は締め括った。
………………もうちょい反応してやれよと思ったのは、間違いじゃないはず……多分…。

花火大会 10 ( No.53 )
日時: 2024/03/20 17:54
名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)

ここに到着した時より人数が三人増え、そのメンバーで花火大会を回る。
くじ引きの屋台でくじ引きもしたが、ハズレでフリスビーをゲットしたり。
型抜きの屋台で戦兎が綺麗にクリアしたり。
窮奇が食べ物系の屋台で色々と食べ物買ってドン引きされたり。
そんな感じで楽しんでいたが。


龍我「お?」


何かに気づいたらしい龍我。
彼の視線の先を見ると、カラオケ大会をしていた。
あー、だからさっきから歌や音楽が聞こえてたのか。
どうやら飛び入り参加が可能らしい。


戦兎「あ、カラオケ大会だ」

龍我「そういや、美空がカラオケ大会やってるから見てくるっつってたけど、ここだったんだな」

戦兎「紗羽さんもそれに付き合ってたな」

麻琴「………」


うずうずしてる麻琴に気づいた私は、苦笑して行っていいよと言うと彼女はすぐにカラオケ大会の会場に向かった。
窮奇と私がついていくと、剣崎達もついてきた。
観客の中に混ざり、舞台を見るとちょうど一人の少年が歌い終わったところだった。


『はい、ありがとうございましたー!さて、もう一人の飛び入り参加者が現れました!曲は「Be The One」!!』


司会の言葉が終わると同時に曲が流れ、麻琴が出てくる。
着流しだと歌には合わないからか、服装が変わってる。
黒いズボンに白いシャツ、腰には龍我が着ているのと同じスカジャンを巻いている。
にこりと笑いながら、麻琴は歌い始める。

どうやら今回は地声で歌ってるようだ。
女にしては低すぎて男にしては高すぎる、完全に中性的……というか性別不明の声。
それでも透き通るような、綺麗な声はよく響く。
最初は可愛らしい容姿に見合わない声に観客からざわめきが起きたが、プロといっても過言じゃない歌唱力に気にならなくなったようだ。

花火大会 11 ( No.54 )
日時: 2024/03/20 17:54
名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)

麻琴は生き生きと、楽しんで歌ってる。

最後まで歌う気の麻琴に苦笑する。
と、私の隣で歌を聴いてるはずのリュウガが微動だにしてないことに気づいた。
動かずただ立ってるだけの人も確かにいるが楽しんでるのは分かるし、呼吸以外で完全に動いてないというのはあまりない。
リュウガを見てみると、ぼんやりと麻琴を見ている。
まぁ、それはいいのだが…。


リュウガ「…………」


ほんのりと顔を赤くしてるのは、何故だろうか…?
麻琴、いつの間にフラグを建築したんだ…?

花火大会 12 ( No.55 )
日時: 2018/09/27 23:10
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

麻琴が歌い終わると場所を移動し、打ち上げられた花火を眺める。


剣崎「何でフルボトル型?」

戦兎「何でエボルのマスク型が!?」

龍我「クローズ見つけた!!」

麻琴・窮奇「俺らが作ったやつだな」

剣崎・戦兎・龍我「えっ」


様々な花火を見ながら五人の会話をなんとなく聞く。
え、リュウガ?
たまに麻琴を見ていますけど?


月音「あの数をウチ一人でやれるわけないだろうが」

剣崎「すみませんでした」


目が笑っていない笑顔になり、完全に素で言ったら謝ってくれました。

花火大会 13 ( No.56 )
日時: 2018/09/27 23:11
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

花火大会はまだ続いてるが、戦兎と龍我、リュウガと別れて私達は帰ることにした。
麻琴と窮奇に話があるからだ。
境界の館に着き、送ってくれた剣崎を見送ってから中に入って応接室に入る。


月音「まずは……花火の件、本当にありがと…助かった」

麻琴「気にするな」

窮奇「お前は器用とかじゃないし、職人じゃないからな。あの量は普通に無理だろ」


苦笑する窮奇。
思わず遠い目をしたが、すぐに戻る。


月音「で、これは二人が良ければなんだが……二人とも、この館に住まないか?」


私がそう提案すると、二人はきょとんとした。
が、麻琴は複雑そうな表情になる。


麻琴「いや、俺らは…」

窮奇「というより、いいのか?住んでも?」

月音「この館の主人はウチだし、部屋だって有り余ってる。我が子達だって同居人が増えても気にしない……むしろ、使われてない部屋が多いのがもったいないから増やせって言われてる」


特にツキトからね。
私が遠い目をしながら言うと、二人はこちらに背を向けて小声で相談を始める。
その間に私は本体に送るのに必要な書類を作成する。
………本当は、必要ない行為だが。
書類作成を始めて数分経ってから、二人はここに住むと言ってくれた。

花火大会 後書き ( No.57 )
日時: 2018/09/27 23:12
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

はい、麻琴と窮奇が館に住むことになりました。

麻琴「まぁ、そろそろお互い以外との会話や出会いには飢えてたし…生き物の気配も感じたかったから…」

でしょうね…。
ちなみにリラックスベリーはとある作者様のところにも出てますよ。

麻琴「それでは、とりあえずこの辺で」

花火大会 オマケ ( No.58 )
日時: 2018/09/27 23:13
名前: 月詠 (ID: /48JlrDe)

花火大会から一週間後。
今日は仮面ライダーエグゼイドの世界に麻琴と一緒に来ていた。


月音「異世界から隔離入院してきた患者?」

ポッピー「そうなの~」


ポッピーからの指名のため、CR室に通された私は彼女の言葉を繰り返す。
麻琴もいるのはただ単に、エグゼイドメンバーに挨拶させるためだ。

ポッピーから聞いた話によると、患者は二人でどちらも犯罪者。
様々な少女の純潔と命を奪った輩らしい。
そいつらは花火大会の日に捕まり、取り調べを受けていたのだが……事態は一変。
一晩経つと患者達は何故か怯えていた。
曰く、眠ると夢の中で何故か女の子になっていて、もう一人の自分達が犯して殺してくる、とか。
夢のはずなのに五感や痛みはあり、抵抗も出来ない。
取り調べを受けて素直に話すようになった男達に、警察は不審に思うも被害者の遺体捜索に出た。
そして数日が経ち……男達は発狂、自殺しようとした。


ポッピー「起きた時に「あなた達を許さない…永遠に私達の苦痛を味わいなさい…」って声が二人には聞こえたらしくて…。それからここの精神科のところに隔離入院になっちゃったんだ」

月音「ふーん……調べませんよ?」

ポッピー「えーっ」

月音「ホラーは嫌いなんですって!」


そうやってわちゃわちゃしてる最中、一人で静かにお茶請けとして出されてたケーキを食べてた麻琴が。


麻琴「………そう、満足したか。霊力を返してくれてありがとな。次の生は平穏であると願うよ」


そう小さく、誰かに言ってることを私もポッピーも気づかなかった。