二次創作小説(新・総合)
- 陽光が射す鏡 ( No.549 )
- 日時: 2024/09/23 12:10
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
陽光が射す鏡
※替え歌、XDネタあり注意
※一部に抜けあったので修正(2024/09/23)
胸の内から、歌が溢れる。
それはあの時と似ていて、非なる歌だ。
BGM:『陽鏡・シェンショウジン』(「歪鏡・シェンショウジン」の替え歌)
あの時より歌とともに流れる音は少し明るい。
未来「暁光…目覚メル世界 暮夜…眠ル世界
守護…帰ル場所ヲ 陽ダマル場所ヲ」
ヘッドギアが閉じられてバイザーとなり、ダイレクトフィードバックシステムが、未来へと情報を与える。
鏡の特性に倣い、装者の脳に「情報」を画として直接映写する機能がある。
それらは用意されたプログラムをインストールすることで、戦闘経験が未熟な装者のポテンシャルを機械的に底上げし、合理的に戦うことが出来るようにする機能がある。
未来「危ないから隠れててくださいね。
………流星…アノ日ノ心 追憶…消エナイ心
消エズニ…歌ウノ… 残響ガ温モル歌
指をすり抜けた キミの左手
今度は私から 繋ぎに行くんだ…!」
歌うのを一度止め、自分を見て驚くティキ達に安心させるように微笑んでから声をかける。
そして再び歌声を奏で、ギアに搭載された飛行機能を使用して宙に浮きながらアームドギアを展開させる。
広がり、円形に展開されたアームドギアからは薄く紫に輝く光線がアルカ・ノイズへ放たれた。
その光線はアルカ・ノイズを飲み込み、消し去る。
『閃光』
しかし、ダイレクトフィードバックシステムで脳に「情報」を直接映写するということは、第三者から都合のいい「情報」を書き込める機能ともなりうる。
それによる洗脳、装者の人格を歪めるというとりたてて危険なシンフォギアとなっている。
その機能であの時、未来の響を戦わせたくないという想いを歪められたのだ。
同時に、聖遺物由来の力を分解、あるべきカタチを映し出す「凶祓い」の力が強く顕現したのだが。
さらにビーフェルド-ブラウン効果による飛行機能行動が可能な「イオノクラフト」、ミラーデバイスやアームドギアから発せられる聖遺物由来の力を分解する光起電力効果という機能を解放した。
他のシンフォギアに使われている聖遺物と比べて格が低いが故、必然的な低スペックだ。
代わりに対シンフォギアに特化した弦十郎曰くの「聖遺物殺し」の力を有している。
最弱にして最凶のシンフォギア、それが神獣鏡だ。
- 陽光が射す鏡 2 ( No.550 )
- 日時: 2023/03/23 21:26
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
接近してきたアルカ・ノイズを、閉じたアームドギアの先端から放つ光線で両断する。
そのまま腕を振るうと、まるで鞭のように光線がしなるように動いて他のアルカ・ノイズまでも切り裂いていく。
未来「あのすれ違ったメモリア 皆で紡ぐメロディーを
過去も今日も…そう、そして未来も!
私は絶対譲らない 隣に並び立つと決めたんだ
こんなに好きだよ ねえ…大好きだよ」
神獣鏡のシンフォギアら鏡の特性から派生した隠形や分身等、いくつかの機能がオミットされている。
唯一、神獣鏡だけが通常時でも有している飛行機能と、聖遺物殺しの力がある。
そんなシンフォギアと、纏っている装者である未来の未熟な戦闘練度を、ダイレクトフィードバックシステムで補っているような状態である。
だが、前述の通りダイレクトフィードバックシステムは危険なものだ。
機械的にということは、装者の体に掛かる負担を無視することにもなる。
それは、「立花ワールド」の“ウェル”───“ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス”が、造ったもののままならば…。
未来「落涙…泣イテタ愛 満面…花咲ク愛
嚆矢…Lalala 歌ヲ Lalalala…歌ヲ
新星…変ワッタ夢 抱擁…笑顔ノ夢
引キ寄セ…掴ンダ… コノ道ヲ行ク力ヲ」
ダイレクトフィードバックシステムが、バイザーを通して未来に情報を伝える。
腕のケーブルが動き、脚部のギアにあるアーマーと合体、円形に変化する。
そこに光が収束していく。
未来「私もいるから 隠さないで
キミ一人だけには 背負わせたくない」
両手を広げ、極太の光線を前面にいる、集まってきていたほぼ全てのアルカ・ノイズへと放った。
『流星』
纏ったこれは、ツキトが造ったもの。
人格を有さないAIを搭載したダイレクトフィードバックシステムに、ギアとバイザーを通して情報が伝達される。
現在の未来が持つバトルセンス、体調による最高と最低の身体能力の変化、戦場の状況を混ぜながら登録されている敵の情報から自動で解析、分析する。
解析と分析から導き出された、最小の動きと体力での回避、攻撃による動きの情報をバイザーに表示される。
その間にもシンフォギアとダイレクトフィードバックシステムで、情報の交換が絶え間なく行われる。
脳に直接映写することの負荷、機械的に底上げせずに今の身体能力に合わせた戦い方。
限りなく負荷を減らし、洗脳や人格の歪みが発生する危険を排除し、サポートするようにもしたもの。
それがツキトが“ウェル”のものをベースとし、生み出した神獣鏡のシンフォギアだった。
- 陽光が射す鏡 3 ( No.551 )
- 日時: 2023/03/23 21:30
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
未来の歌声が響く。
再びシンフォギアを纏うとは思わなかった。
響「未来…」
アルカ・ノイズを倒していく未来を、思わず見つめる。
未来「忘れられないメモリア ぐしゃぐしゃに笑って泣いた日
強く握った手はあったかく…あったかく
私は絶対諦めない その為に求めたんだ
だから戦うの そう…戦うの」
あの時みたいな、感情がないような声ではない。
「まさか、思わなかったな、もう一人装者がいるとは……!」
苦々しい表情で男性は呟く。
ずきりずきりと頭が痛みを発するのも、表情を歪める理由となっている。
未来の歌声が響いた時、頭痛がしてきたのだ。
何故なのかは分からない。
けれど、思い出せと、目を覚ませと頭の中で強く叫ぶ何かがある。
舌打ちし、さらに大量の結晶を取り出してばら撒き、アルカ・ノイズを向かわせる。
気づいた響が邪魔をするようにアルカ・ノイズの前に躍り出て、数体のそれらを拳と蹴りで消滅させる。
が、させないと言うように男性は接近し、響の蹴りを受け止めた。
すぐに逆の足で蹴りを放つと解放され、彼女は体勢を整える。
響「……未来!ごめん、その人達をお願い!」
未来「!…うん、任せて、響!」
驚き、歌を中断させる未来。
けれどすぐに頷き、バイザーで分かりにくいが微笑んだ。
- 陽光が射す鏡 4 ( No.552 )
- 日時: 2023/03/23 21:35
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
響からの言葉。
未来のやる気は上がっていた。
未来「うつむかないから…あきらめない
この力で皆を 守ると誓った…!
あのすれ違ったメモリア 皆で紡ぐメロディーを
過去も今日も…そう、そして未来も!
私は絶対譲らない 隣に並び立つと決めたんだ
こんなに好きだよ ねえ…大好きだよ」
アーマーと腕の鞭のようなケーブルを戻し、再びアームドギアを展開させる。
円形になったアームドギアは淡く光を纏い、増えて向かってくるアルカ・ノイズへと投擲する。
鋭く、回転するアームドギアは刃となってアルカ・ノイズ達を切り裂いていく。
『追憶』
全てのアルカ・ノイズが消え去り、戻ってきたアームドギアを閉じた。
周囲を素早く見回すとバイザーにアルカ・ノイズの存在は0だという情報が届く
安堵しながらバイザーを開き、顔を露出させるとティキ達の元へと滑空する。
ティキ達は隠れていたが、見つけやすい場所にいた。
未来「大丈夫!?」
ティキ「うん!ありがとう!」
「もっと助かったぜ…」
「わたくしめらでは、あの量のアルカ・ノイズを倒しきれるか不安でありましたから…」
「装者がもう一人いてくれて良かったわ」
笑顔でティキは頷いて礼を言い、女性と少女の三人は安心した表情をする。
未来も安心してから振り向いて響の加勢に向かおうとして……人影が空から降ってきた。
- 陽光が射す鏡 5&後書き ( No.553 )
- 日時: 2023/03/23 21:40
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
響と男性の攻防戦は続いていた。
だが、先ほどと違う点があった。
あんなに響を一方的に追い詰めていたはずの男性の動きが鈍り、時折止まるのだ。
それにその瞬間、昏い瞳がはっきりとした意思を宿しているのが見える。
どういうことなのかと距離を取りながら不思議に思っていると、蒼い人影が空から降ってきてその手に持つ剣で男性に斬りかかる。
男性はバックステップで避け、降ってきた人影────天羽々斬のシンフォギアを纏った翼は地面に刺さったアームドギアを引き抜き、構えた。
響「翼さん……っ!」
翼「無事みたいだな、立花。雪音と急いで来たのだが……」
見れば、未来とあの四人のところにもイチイバルのシンフォギアを纏ったクリスがいた。
彼女は未来をチラチラと見ながらも、アームドギアの銃口を男性に向けている。
「……分が悪いな、今の状態だと。今のところは君達に預けよう、彼女達を」
翼「っ!あれは…!」
名残惜しげにティキをちらりと見てから男性は懐から赤い結晶を取り出す。
それを自分の足元に投げ落とし、割れると錬成陣が現れて男性の姿が消えたのだった。
────────
後書き
投稿からこんなに早く同シリーズの新たな話を更新出来ると思わなかったです、自分で驚いてます。
今回も未来の戦闘シーンと歌が書きたかったシーンの一つです。
彼女の技、「追憶」はゲームアプリ版のからお借りしました。
それではまた次回で!