二次創作小説(新・総合)
- 黒い龍と巫女の話 ( No.59 )
- 日時: 2018/10/05 12:13
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
花火大会からの話。
リュウガのとある相談と、ちょっとした麻琴への実験的なの。
オマケでは、とある話題が少し出ます。
~第三者side~
仮面ライダー龍騎の世界。
その世界にある紅茶専門の喫茶店、「花鶏」。
そこの二階の窓から部屋に向かって、人の手が出てくる。
花鶏が休みなので部屋の中で本を読んでいた、黒い服装の男はなんとなく察する。
面倒な奴が来たと。
すぐに立ち上がって部屋を出ようとしたが。
リュウガ「秋山、ちょっと相談がある」
その前に、窓――正確には窓の表面からリュウガが出てきた。
嫌そうな表情で男――仮面ライダーナイトの変身者、秋山蓮はリュウガに向き直った。
- 黒い龍と巫女の話 2 ( No.60 )
- 日時: 2018/10/05 12:13
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
リュウガからされた相談内容に、思わず頭を押さえた。
というのも。
蓮(俺にどうしろと…?)
その内容が問題だったのだ。
リュウガ「……?」
きょとんとした表情のリュウガの姿に、頭痛がしてきたような気がする。
相談内容とは「麻琴の姿が頭にずっと浮かび、場合によっては不整脈が起こる」というもの。
それだけならまだ、あぁ、こいつの犠牲者がまた出たのかと蓮は思った。
が、その後に続いた言葉が衝撃だった。
リュウガ「で、秋山。不整脈は薬を飲むかなどをして治すが、どうやったら麻琴のことばかり考えてしまうのと、あいつと話すなどをしてしまうとたまに顔が熱くなったり妙に喜んでしまうのかなどを治せるんだ?」
蓮「……色々と待て」
そう、この言葉である。
途中までは腐男子になってしまったリュウガが、麻琴を気に入って腐った趣味の犠牲者にしたかと蓮は考えていた。
花火大会の翌日に神崎士郎を通して月音から「仮面ライダー龍騎」のライダーを集められた時、麻琴と会っていたので特にそう考えた。
けれど最後まで聞くとあれである。
蓮と同部屋で、リュウガの双子の弟で実像のとある男が前、自分にしてきたものと同じ相談だ。
しばらく考えていたが。
蓮「………境界の館に行くか」
思考を放棄し、月音に押し付けるために提案した。
~第三者side end~
- 黒い龍と巫女の話 3 ( No.61 )
- 日時: 2018/10/05 12:15
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
華奢な女の子が重いものを軽々と持ったのを見た瞬間って衝撃だよね。
そんなことを思いながら、目の前で行われてるものを見ていた。
麻琴「重そうな見た目に反して軽いな」
映司「………泣いていい?」
オーズ・サゴーゾコンボに変身した火野映司をお姫様抱っこしてる麻琴は、何でもないかのようにそう言う。
現在、ウチは半分は人間、半分は人外という麻琴に関するデータなどが欲しいというエグゼイドメンバーや研究者系のライダー達の要望により、彼女の身体測定や身体能力テストみたいなことをしている。
先ほどまでやってたのは身長や体重を測る、一般的なものから血液採取や細胞採取といった専門的なものをしていた。
今、やってるのは腕力を調べることなんだが……まさか、冗談で言ったお姫様抱っこが採用されるとは…。
ちなみに、ライダー達は全員が変身前にも一回はお姫様抱っこされてる。
重量系の形態があるライダーは、二回もお姫様抱っこされるのが確定されてる地獄だ。
蓮・リュウガ「……何だ、これ」
と、身体測定用の場になってる訓練所に蓮とリュウガが入ってきた。
真司「あれ?蓮?リュウガ?」
月音「二人は今回、呼んでないのですが…」
私の契約者の一人であり、今日は花鶏もOREジャーナルも休日なので手伝いに来てる真司と一緒に首を傾げる。
と、同じく実は契約者の一人である克己が二人に近づく。
克己「どうした、お前ら?」
蓮「リュウガを月音に押しつけに来た」
克己「そのリュウガ、あそこで弟から飛び膝蹴り食らってるぞ?」
マグネットステイツのフォーゼに変身した弦太朗をお姫様抱っこしてる麻琴の写真を連続で撮り、躊躇いがない真司に飛び膝蹴りされてるリュウガを指差す克己。
本当に躊躇ないな、真司。
そして押しつけるとはどういうことだ、蓮。
- 黒い龍と巫女の話 4 ( No.62 )
- 日時: 2018/10/05 12:20
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
弦太朗を下ろした麻琴は、げしげしと真司に何度も蹴られながら倒れてるリュウガに気づく。
麻琴「あ、リュウガだ」
リュウガ「!」
真司「うおっ」
その呟きに反応したリュウガは勢いよく起き上がって立ち上がり、驚いた真司が後ろに転びかける。
が、すぐに体勢を立て直して事なきを得た。
麻琴は不思議そうな表情でリュウガに近づく。
麻琴「どうしたんだ?秋山もいるが…」
リュウガ「ちょっとな…。ところで、何で巫女服なんだ?」
麻琴「身体測定みたいなのをしてるんだが、終わって休憩の後に模擬戦もするとのことで二番目に動きやすい格好になったんだ。一番動きやすいのは、視覚的にあれかなと…」
ああ、あの衣装か…。
露出は多いとかじゃない……むしろ、ほぼ無い衣装を思い出して納得する。
ただ、結構目立つのでやめたらしい。
と、リュウガと蓮が怪訝そうに麻琴の胸元をちらちらと見てるのに気づいた。
理由はなんとなく察した。
いつもは完全にぺったんこな胸が、今日は豊かだからだ。
普段は少々特殊な技術でサラシを巻いて、形を崩さないようにしつつ胸を潰しているからそちらに見慣れてるのだろう。
今日はちゃんと胸の下着を着けるように言ったからなぁ…。
麻琴「それに、これでもウチは巫女やしね………似合わへん…?」
リュウガ「安心しろ、めっちゃ似合ってる………可愛い…」
首を傾げる彼女の問いに、リュウガは真顔で答える。
その後に続いた呟きに聞こえた人達がざわ…っ、とした。
というのも、「可愛い」なんて単語は絶対に使わないリュウガが使ったのだ。
似合ってると言われた本人は喜んでて聞いてないが……。
そして蓮が何故、彼を私に押しつけようとしたのかが分かった。
- 黒い龍と巫女の話 5 ( No.63 )
- 日時: 2018/10/05 12:20
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
どうやら、まだ自覚はないようだ。
会話してる二人を見ながらそう判断した。
麻琴は諸事情あって自分に向けられてる、とある感情には疎くなってしまってる。
リュウガは単純に経験不足だから自覚が出来てないのだと思う。
そのことを説明したら、蓮は納得していた。
蓮「あいつの享年と、城戸から聞いてた性格を考えるとあり得そうだな…」
月音「私としては、本当にいつ、麻琴はリュウガとのフラグを建てて回収しちゃったのかが気になります…」
花火大会でやってた、カラオケ大会がそうだったのだろうか?
二人で考えてると、いつの間にか重量系の形態を持つライダー達のお姫様抱っこは終わったらしい。
お姫様抱っこによる精神ダメージをメンタルケアしてた、子虎姿の窮奇がてってこてってこ歩いてきた。
窮奇「月音、ブラッシングしてくれー」
月音「………毛がボサボサだな」
窮奇「めっちゃ撫で回された」
だろうね。
窮奇をブラッシングしてると、真司に首根っこを掴まれたリュウガがこっちに引きずってこられた。
リュウガが蓮にしたという相談内容も聞いたし、さて、質問しなくては。
月音「リュウガ、蓮から聞きましたが不整脈などはいつから起こるようになりました?」
リュウガ「あ?あー……花火大会のカラオケ大会から、だな。楽しそうに麻琴が笑顔で歌ってたのを見てて、可愛いなぁ…と思ってから。それから頭に麻琴の姿が頭に浮かんで離れないし、彼女のことばかり考えてるな。それから顔が熱くなったり、一緒に話が出来たりすると妙に喜んだりもしてしまうな」
月音「…………そうですか」
ブラッシングを終えて艶々もふもふな毛並みに戻った窮奇が、真司の頭に登りながら一言。
窮奇「麻琴に惚れたのか?」
瞬間、彼は固まった。
- 黒い龍と巫女の話 6 ( No.64 )
- 日時: 2018/10/05 12:22
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
なんかぶつぶつ呟き始めた。
リュウガ「………いや、確かに麻琴は可愛いが俺より年下だし俺は異世界の自分と比べてキャラ崩壊してる自覚もあるし、そもそも魂は人間だけど肉体はミラーモンスターと変わらないようなもんで、俺が麻琴に惚れるとかそれは多分違ういやでも納得してって納得って何、何で納得してああああああ」
月音「あ、バグった」
蓮「真顔なのが怖い」
克己「大丈夫か、こいつ」
窮奇「……自覚なかったのか」
しゃがんで頭を抱える彼の姿に、好き勝手に言う。
あと、キャラ崩壊の自覚あったんだ。
真司「じゃあさ、リュウガ。麻琴ちゃんが他の男の人と恋人になったらどうする?」
リュウガ「………………………………絶対に嫌だ」
同じくしゃがんだ真司からの問いかけに、想像でもしてみたのかしばらくしてからリュウガは答える。
本気で嫌なのか、軽く目が死んでる。
そこまで嫌なのか、おい。
窮奇を頭に乗せたまま真司は立ち上がる。
真司「そんなに嫌ならリュウガは麻琴ちゃんが好きなんだよ、恋愛的な意味で」
リュウガ「……そうらしいな」
真司「てか、リュウガが恋愛感情を覚えるなんてなー。てっきり、麻琴ちゃんを同人誌とかのモデルにするかと思って俺、あの子を心配してたから…」
リュウガ「百合やNLの受けもいいが、攻めも似合いそうだなとは思ってる。既に何本かネタは書いた」
真司「兄さん、ちょっとは自重しろや」
怒った真司のアイアンクローがリュウガに炸裂した。
地味に爪が食い込んでる、痛そう。
………まぁ、自覚したんならいいんじゃないかな?
私は遠い目をした。
- 黒い龍と巫女の話 後書き ( No.65 )
- 日時: 2018/10/05 12:22
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
えー………リュウガの恋心自覚&ちょっとした麻琴の身体測定的なお話ですが……書いてて思った、私はリュウガを何だと思ってんだろう。
克己「本当にそうだよな。そして真司がわりとリュウガに容赦ないんだが…」
真司「リュウガには普通に止めるだけじゃ効かないって理解したから」
今回の後書きは克己と真司を招きましたー、麻琴に振ってもつまらないので。
真司「で、メタい理由だとリュウガが麻琴ちゃんに惚れたのって、ダイスを回してクリティカルが出たからって…」
そうなんですよね、一発で出た時は二度見しました。
「花火大会」の執筆中に頭の中で「麻琴に惚れるリュウガ」ってネタとストーリーは生まれてましたが、ダイス回してクリティカルが出なかったら書かないつもりでした。
本気でびっくりしました。
克己「下手したら新たなヤンデレ登場とかになりそうだな」
もうヤンデレはいりません、いやマジで。
今回はオマケつきです。
- 黒い龍と巫女の話 オマケ ( No.66 )
- 日時: 2018/10/05 12:23
- 名前: 月詠 (ID: FpNTyiBw)
擬戦が終わり、備え付けのシャワー室でシャワーを浴びた麻琴は着流しになって出てきてからふと、気づいたように私を見た。
既にライダー達は帰ったり、談話室でデータをまとめたりで訓練所にはいない。
麻琴「そういえばさ、月音。最近、噂で月属性というものがあると聞いたんだが」
月音「………月輪をか」
月輪、もとい月属性。
とある次元世界で見つかった属性であり、作者にしか備わっていない力。
一応、私も持っているが取扱い注意な代物だ。
麻琴「うん。で、作者のみに宿ってるという、その力を調べてみたいんだ」
月音「………麻琴でも無理だと思うぞ?あの方達の世界でも分かってない部分があるらしいし」
麻琴「だが、データの採取や提供は出来るんやろ?」
にっこり笑いながら近づいてくる。
嫌な予感がして逃げようとするが、遅かったらしい。
私の影に一本の針が刺さっていて動けない。
麻琴「影縫いだ。さて、月音……いや」
次に紡がれたその名前で、走馬灯が一瞬よぎった。
どこからか取り出したサバイバルナイフを片手に、麻琴は距離を完全に詰めると。
麻琴「解剖の始まりだな」
私の体を解体し、解剖した。
この一時間後に克己と真司がやってきて、バックアップされてた“私”の意識&記憶データと肉体データをダウンロードして復活させてくれた。