二次創作小説(新・総合)
- Re: マモノチューバーズ!魔王様、動画投稿始めました ( No.21 )
- 日時: 2018/06/01 09:48
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【第四話】
『ヘルチューバーの遠い壁』
事務所に所属する二つのチャンネル初の動画投稿の翌日...
コウモリさん
「どうだったよ、初の動画投稿は」
魔王
「生放送の時ほどではないが...震えが止まらん」
コウモリさん
「時期に慣れるさ、お二人さんはどうだった?」
雪女
「楽しかったぞ!」
イエティ
「うん、止め所を見つけるのが大変だったけど」
コウモリさん
「ふーん...チャンネルが二つなら、そろそろこの事務所の名前も考えなきゃな」
魔王
「事務所の名前?」
コウモリさん
「そうだ、この先お前さんら以外にもヘルチューバー志望者が出てくるかもだからな、名を付けて宣伝した方がいい」
雪女
「な、名前なぁ...」
魔王
「ジャガー、何かないか?」
ジャガー
「うーむ、そうですね...WAAM(ワーム)なんてどうでしょうか?」
魔王
「なるほど、意味は知らんがいいかもしれん」
コウモリさん
「じゃ、後で看板を建てておくぜ」
雪女
「なぁなぁ、イクサーパーティやろうぜ!」
イエティ
「うん...動画投稿分を撮り終わったら、一緒にやろっか」
雪女
「おおー!!」
魔王
「.....」
イエティ
「あれ、魔王様...どうかしました?」
魔王
「そ、それを...な」
雪女
「ああ、魔王もやりたいんだってよ!いいじゃんイエティ!」
イエティ
「ちょ、ちょっと雪女、一応魔王様なんだから」
魔王
「気にするな」
イエティ
「え、あ、はい...それじゃあ、投稿したら一緒にやりましょう」
魔王
「ああ...すまない」
コウモリさん
「ジャガー、話があるんだが」
ジャガー
「ええ?分かりました、では魔王様...先に動画だけ撮っておいてください」
魔王
「わ、分かった」
...
ジャガーはコウモリを肩に乗せ、屋上へと上がる
コウモリさん
「チャンネル登録者についての話だ」
ジャガー
「ええ...純白チャンネルはあの実況でコメント1つ、登録者二つ...まぁいい滑り出しですね」
コウモリさん
「マリアチャンネルは?」
ジャガー
「...まぁ、レビュー動画ですからね、これからちょっとずつ色んなことをして伸ばしていけばいいんですよ」
コウモリさん
「...ま、いいか」
ジャガー
「おや?何か聞きたいのかと思いましたが」
コウモリさん
「いや、魔王様にいちいち説明するのが面倒でな...」
ジャガー
「そんなことですか、しっかりしてくださいよ」
コウモリさん
「はいはい....」
コウモリさん
「あいつらがバカだからって何時までも誤魔化せると思うなよ、神」
ジャガー
「...」
- Re: マモノチューバーズ!魔王様、動画投稿始めました ( No.22 )
- 日時: 2018/06/01 11:16
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
雪女
「えっとなー!このタイミングでこのボタンを」
魔王
「よ、よく分からん...」
イエティ
「魔王様、ゲームやったことないのですか?」
魔王
「魔王城にも雪国にもこんなものはなかった...」
イエティ
「雪国でもゲームが売られるようになったのは最近ですから...」
魔王
「む...そうか、雪合戦で遊んだりはしないのか?」
イエティ
「雪女がやりたいって言ったときはよく付き合ってました」
雪女
「雪を投げるのも楽しいからな!」
魔王
「わかる」
イエティ
「魔王様は城でどんなことを...?」
魔王
「コウモリとよく話をしていた」
雪女
「へぇ...他には?」
魔王
「...それより前か、そうだな確かこんな風だったか?」
魔王は過去の生活の回想を魔法で具現化させる...しかし、ぼやけて音しか拾えない
雪女
「なんじゃこりゃ?」
イエティ
「古いラジオみたいになってる」
魔王
「ら、らじ...?」
...
【(ザーッ......)】
【魔】
【魔 様、ほら...もうご飯 時 です、よ】
【(ザーッ....)】
【方 そ で い】
【す き】
【わ れ な に】
雪女
「?」
イエティ
「?」
ジャガー
「何を見てるんですか?」
雪女
「ぎゅわっ!!?」
鏡にうつるジャガーを見て、雪女は前方向へと倒れる
(ガッシャン!!)
イエティ
「だ、大丈夫雪女!?」
雪女
「へーきへーき!!」
ジャガー
「魔王様、一体何を...?」
魔王
「いや、二人が我の事を知りたいとな」
ジャガー
「魔王様、二度と過去を振り返らないでください」
魔王
「なんだその要求」
ジャガー
「いいですから!!ほら、貴方も新作ゲームやりますから早く実況してください!」
雪女
「新作!!?やろうぜ!!」
イエティ
「移り変わりはやっ!!」
ジャガー
「ほら、魔王様も!」
魔王
「なぁ、何故我の事を」
ジャガー
「良いですから!」
魔王
「...?まあいいか、それで今回は何を使うんだ?」
ジャガー
「今回はですね...」
雪女
「なー?新作ゲームは?」
ジャガー
「はい、こちら新作の『ブレイブローラーZ』になります」
ジャガーは魔法でカセットを置く
雪女
「おおー!!すっげー!!」
イエティ
「ま、待ってください!!このゲームって...」
ジャガー
「いい動画を期待してますよ」
イエティ
「ちょ、ちょっとプロデューサーさん!」
...
雪女
「カセットふーふーしてぇなぁ...でも、新作だからなぁ」
イエティ
「...雪女、これ、実況しちゃダメだよ」
雪女
「え?」
イエティ
「...イクサーパーティ、やろ?」
雪女
「えー?新作ゲームは?」
イエティ
「今はダメ」
- Re: マモノチューバーズ!魔王様、動画投稿始めました ( No.23 )
- 日時: 2018/06/01 14:53
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
魔王
「それで、今回は何なんだ?」
ジャガー
「今回はこれです」
ジャガーは魔法で剣を作り出す
魔王
「こ、これは...あの伝説の...」
ジャガー
「ええ、貴方の祖母の祖母が使っていた氷剣【コキュルトス】...」
魔王
「ジャガー、何故こんなものを...!!」
ジャガー
「...の、模造品です」
魔王
「...なんだ、本物ではないのか」ホッ
ジャガー
「本物は時が経ちすぎて使い物になりませんからね」
魔王
「えっ...しかし、よくそんなもの手に入ったな、akumazonにあったのか?」
ジャガー
「ええ、まだ鍛冶屋も無かった頃に作られた物ですから、オーパーツ扱いされてるんですよ」
魔王
「ふむ...で、何をすればいい?」
ジャガー
「この剣を持ちながら、魔界の歴史を語っていただこうかと」
魔王
「ま、魔界の歴史!?」
ジャガー
「ええ、最近は平和ボケしてきましたからね...争いの悲劇感を忘れさせない為にも魔王様にと」
魔王
「それをするために剣は必要なのか」
ジャガー
「雰囲気が大事です!雰囲気!」
ジャガー
「そうそう、魔王様は服装まで魔王様でいてくれないと!着替えを用意しますのでこちらへどうぞ」
ジャガーは魔法で更衣室を作り出す
魔王
「ま、待て...魔王の服装とはコウモリの見せる教科書みたいな服か!?恥ずかしいから嫌だ!!」
ジャガー
「ダメです!貴方の一族は皆そういうの着てるんですから!胸の谷間が出たヘソだし鎧を皆!」
魔王
「何故肝心な部分を隠さない鎧を着せたのだ!?」
ジャガー
「そういうのが喜ばれるんです!」
魔王
「リザードマンに言い付けるぞ!」
ジャガー
「...ぐぬぬ、しょうがないですね!あの人が付けているような普通の鎧を用意します!」
魔王
「頼むぞ...ところで、魔界の歴史については...」
ジャガー
「コウモリさんがメモにして用意してくれます!」
魔王
「そ、そうか...おーいコウモリ!」
魔王が呼び掛けると、イエティ達の部屋からコウモリが現れる
コウモリさん
「はい、ごきげんよー」
ジャガー
「魔界の歴史を...」
コウモリさん
「あーなるほど、すぐリストにするぜ」
魔王
「すまないな...」
コウモリさん
「箱入り娘さんに今の事情を知るにゃちょうどいい機会だしな」
魔王
「...ああ」
コウモリさん
「何せあんたの祖母が雪国に行ってから今までの間に、色んなことがあったからなぁ」
魔王
「...分かった、それを話してみよう」
- Re: マモノチューバーズ!魔王様、動画投稿始めました ( No.24 )
- 日時: 2018/06/01 16:07
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
コウモリさんは魔法で鉛筆を操作し、軽いメモを魔王に渡す
魔王
「これが魔界の歴史?」
コウモリさん
「あくまで俺の知る限りだから発言には気を付けな、お前の発言がこの先の歴史になる可能性がある」
魔王
「そこまでのことなのか?」
コウモリさん
「それほどなのさ、魔王ってのはな」
魔王
「そうか.....」
コウモリさん
「...お前としては、友人を作りたいだけの為にヘルチューバーになった」
コウモリさん
「だが他は違う...成り上がるため、金が欲しいため、人気者になるため、何かの憧れ...沢山の重い理由がある」
コウモリさん
「ま、お前には無縁な生き物どもだ、他人の考えてることなんざ分かりやしないんだから好きにやりな」
魔王
「つまりなにがいいたいのだ」
コウモリさん
「応援してるから迷惑かけない程度に友達作りしなって」
魔王
「最初からそう言わんか...!!」
コウモリさん
「悪い悪い」
ジャガー
「魔王様、鎧の準備ができました」
魔王
「ああ...今行く」
コウモリさん
「んじゃ、頑張りな」
コウモリさんは空を羽ばたき、事務所を抜ける
...
<マリアチャンネルだ、今回は改めて我と共に魔界の歴史を...
<純白チャンネルです、今回もイクサーパーティを...
<なー?新作ゲームはー?
...
そしてコウモリは、岩山にひっそりと開いている洞穴へ入る
リザードマン
「...ああ、お前か」
コウモリさん
「よっ」
その洞穴には焚き火と干された肉、石のナイフ、いつも来ている鎧が置かれている
ここはリザードマンの住みかなのだ
コウモリさん
「せっかく近代化したんだからお前もそういう生活したらどうなんだ」
リザードマン
「騒音だらけの鋼の町は...私には合わん」
コウモリさん
「けどなぁ、今となってはどこにもないんだぜ?」
コウモリさん
「傭兵を雇う冒険者ギルドも、酒場も、戦う意味もクエストも」
リザードマン
「...私は、時代遅れなのだろうか?」
コウモリさん
「どーだかね、確かに今どき家じゃなく洞穴に住んでるモンスターはお前ぐらいだ」
コウモリさん
「こうやって戦時の衣装を着ているのもお前くらいだし、今でも戦いが起こると信じているのもお前くらいだ」
リザードマン
「...最後のは、そうなるかもしれないだろう?」
コウモリさん
「だな、運命ってのは行動1つで大きく歪むって言うらしいしな」
リザードマン
「誰の言葉だ」
コウモリさん
「俺の友人さ」
リザードマン
「...運命、か。」
コウモリさん
「そーいや、魔王様が魔界の歴史を語るんだってよ」
リザードマン
「そうなのか!?見ないといけないな...」
コウモリさん
「お前の持っていた歴史の資料が役に立ったよ、へへ」
リザードマン
「あ、あれは趣味で集めてただけで...」
- Re: マモノチューバーズ!魔王様、動画投稿始めました ( No.25 )
- 日時: 2018/06/01 17:25
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
そして数日後...
ジャガーが事務所に顔を出さなくて暇な魔王は、雪女達とテレビ鑑賞をしていた
【魔界も近代化が進み、今や70%の地域が人間と同じように...】
魔王
「て、てれびとやらはげーむをするだけではないのか」
イエティ
「ゲームは追加機能みたいなものです」
魔王
「追加機能」
雪女
「新作ゲームやりたかったなぁー」
魔王
「何故やらないのだ?ジャガーがお前達のために...」
イエティ
「私たちのためにはならないからだよ」
雪女
「ええ?」
魔王
「む...まあいい、今日はジャガーの奴も忙しいそうだからゆっくりと遊ぼうではないか」
雪女
「そうそう!」
魔王
「ふふふ...こうやって誰かと遊ぶなんて、何年ぶりだろうか」
イエティ
「魔王様って遊ぶ暇がないんですか?」
魔王
「そうでもないのだが...どうもそこら辺の記憶が曖昧でな、よく分からん」
雪女
「そんなことよりさ!イクサーパーティにも飽きたし新しいゲーム買おうぜ!」
イエティ
「ちょっと、勝手には...」
雪女
「ジャガーに動画って言われたら撮ればいいんだろ?分かってる分かってる!!」
雪女はイエティの話を聞き流しakumazonに繋げる
イエティ
「ストーリー性のある作品は避けるんだよ、ゲーム実況者がネタバレはあまり勧めないから!」
魔王
「何故だ?」
イエティ
「ストーリーを知っちゃったら買おうって気にならないんだよ、それに見るだけならタダだし最新のはなるべく避けたいなーって」
魔王
「そういうものなのか...」
イエティ
「そうだよ、ゲームってそんな感じだよ」
ロストメイドウィン
「本当にな、年を取るとゲームやアニメが面倒でたまらない」
魔王
「うむ...娯楽としてそれでいいのか」
雪女
「誰だ今の...ん?おい、これ見てくれ」
魔王
「どうした?」
イエティはテレビの電源を切り、akumazonの付いたパソコンを見る
ゲームの販売画面、新発売の【仮面ライダーエデン】等が写るランキング画面
魔王
「これがどうかしたのか?」
雪女
「な、な!このランキング見ろよ!」
雪女がカーソルを動し、【発売前・予約ランキング】という所を指摘する
イエティ
「これって発売前のソフトのランキング...」
魔王
「何故売られてないものが並ぶのだ?」
雪女
「予約っていって、事前に注文して発売日に受けとることが可能なんですよ」
魔王
「そんなものまであるのか...」
雪女
「そんなことはいいから見ろよこれ!一位のやつ!」
イエティ
「...これって!」
黄金のロゴで一位と書かれたソフトは...【ブレイブローラーZ】
魔王
「これは、ジャガーの持ってきた...」
イエティ
「見たことないからもしかしてと思ったけど...なんで?発売は五ヶ月も後なのに」
イエティ
「なんで、あの人がこれを...?」
...
一方ジャガーは、誰にも気づかれないところでビジョン化された世界の情報を触っていた
ジャガー
「よし、後はここをこうして...」
ジャガー
「これで、後は...!!」
その時、ジャガーのスマホから電話が
ジャガー
「もしもし?」
【壁を壊す行為は楽しいか?】
【運命を作るのは楽しいか?】
【後悔しても、自分は知りませんから】
【ね...?ジャガーさん】
プツッ
ジャガー
「...ちっ、匿名通知ですか、なんなんですか一体」
第四話 END