二次創作小説(新・総合)
- Re: スマブライブ!【stage7:荒廃した動物園(1)】 ( No.35 )
- 日時: 2019/08/27 08:15
- 名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: hV/zNhkL)
前回のスマブライブ!
凛
「ドンキーに吹っ飛ばされたあと、あてもなくさ迷っていた凛とディディー!そしたら・・・」
レックウザ
『グオォーーーーー!!』
ディディー・凛
『うわあああああ!!(泣)』
凛
「突然湖から現れたレックウザに襲われて・・・もうダメかと思ったその時!」
フォックス
『はあっ!』シュイン!
ドカッ!
凛
「たまたまそこに不時着していたフォックスに助けられたんだにゃ!」
凛
「それで、一緒に湖を探索することになったんだけど・・・」
凛
『えええええ~!?じゃあ凛達、タイムスリップしちゃったのかにゃ!?』
フォックス
『まあ、そんなところだ。どういう仕組みかわからんが、この扉があるのはこの辺りだけだ。レックウザの巨大なエネルギーが関与してるのかもしれないな。』
凛・ディディー・フォックス
『『あつううううい!!』』ボオォ
ブチュー!ドクシュ!ブチュー!ドクシュ!ブチュー!ドクシュ!
プチュルス
『』ピョンピョンピョンピョンビヨヨーン ←地面に潜る
凛
『』チーン
凛
「色んな敵やギミックに惑わされて、もう大変だったにゃ~・・・」
凛
「それで、奥まで進んだところで・・・」
クッパ?
『グオオオオオ!!』ドシンドシン!
凛
「いきなり紫色のオーラを纏ったクッパに襲われて・・・ピンチになっちゃったにゃ!でも・・・!」
最 後 の 切 り 札 ! !
『 大 猫 斬 ! ! 』
凛
『にゃあああああっ!!』ズバァッ!!
凛
「なんと凛!凄い技を繰り出す事が出来て、クッパを倒せたんだにゃ!」
凛
「結局凛が倒したクッパは偽物で、本物から逃れるために凛達は撤退したんだけど・・・」
凛
「今度あった時は、凛が絶対に倒してやるにゃ~!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・ここは、「荒廃した動物園」。
以前はそれなりに繁盛していたが、やがて廃園に。
檻などはそのまま放置され、やがて時間の経過と共に錆びていった・・・
そうして、この動物園は荒廃してしまったのだ・・・
・・・さて、こんな誰も近付かないような場所に、少年の影が1つ・・・
???
「・・・・・・」トコトコ
カラン…(転がっていた空き缶を蹴っ飛ばす)
この少年の名は・・・
ドンッ!
[リュカ]
リュカ
「はぁ・・・」トコトコ
リュカ。
この気弱そうなリュカ少年、実はこうみえてPSI(PK)という不思議な能力を使う事が出来る、特殊な少年である。
リュカ
「・・・・・・」ピタッ
彼もまた、「この世界」に生きるファイターの1人である。
しかし、リュカ少年は見た目通り気弱であり、あまり好き好んで戦うような人では無かった・・・
ヒュ~・・・
リュカ
「・・・・・・?」ヒョイ(上を見上げる)
しかし・・・
ドシーン!!
リュカ
「うわわわっ!?」ビクッ
???1
「うぅ・・・」ピクピク
???2
「あうぅ・・・」ピクピク
リュカ
「(そ、空から女の子が降ってきた~!?)」アセアセッ
このまさに「運命の出逢い」が、後に彼を変えていく事になる・・・
リュカ
「え・・・えっと・・・」ビクビクッ
今度は緊張で震えるリュカ少年。
リュカ
「この子達・・・生きてるのかな・・・?」マジマジ
リュカは空から降ってきた2人の少女を観察する。
1人は茶色のような、ベージュのような、表現の難しい色の、長い髪の毛の少女。
これまた形容するのが難しい、サイドテールのような髪型をしている。
もう1人は、これまた茶色がかった髪色で、肩にすらかからないほどの短めの髪の毛の少女。
1人目の少女とはどことなく似た雰囲気を醸し出している。
リュカ
「・・・・・・」マジマジ
リュカ少年は何故だか、後者の少女に自分に似たモノを感じていた。
この子は自分に似ている。何だかそう思えて仕方が無かった。
・・・と、そんなことを考えていると・・・
???1
「うぅ・・・・・・うぅん・・・?」パチッ
リュカ
「あっ・・・!」
前者の、長い髪の少女が目を覚ます。
???1
「あれ~?ここ、どこだろう~?」キョロキョロ
リュカ
「!」ドキッ
少女の想像を遥かに越える可愛らしい声に、リュカ少年は思わず心を踊らされる。
???1
「えーっと~・・・・・・あっ!」ピタッ
リュカ
「えっ!?」ドキッ
次の瞬間、少女と目が合う。
リュカ少年は、体が熱くなるのを感じる。
???1
「良かった~!人がいて・・・あの、ちょっと良いですか?」
リュカ
「は、はい!」ドキドキ
少女に話し掛けられるリュカ少年。
心臓の鼓動が早くなる。
???1→ことり
「えっと・・・私は南ことりっていうんですけど、あなたのお名前は何ですか?」
リュカ
「え、えっと・・・リ、リュカ、です・・・」
リュカ少年は緊張を隠しきれない震えた声で答える。
ことり
「リュカ君っていうんだね!よろしくね♪」ニコッ
リュカ
「!!」ドキッ
初めてあったリュカ少年に笑顔を向ける少女ーーー否、南ことり。
普通の男なら、これだけでも彼女の魅力に堕ちてしまうことだろう・・・
リュカ
「(か、かわいい・・・///)」ドキドキ
それは、リュカ少年も例外では無かった・・・
ことり
「えっと~・・・ここが何処なのかわかりますか?」
少女は少年に問う。
リュカ
「え、えっと・・・荒廃した、動物園、っていって、今は、もう、やってない、動物園、です・・・」
リュカ少年はしどろもどろになりながらも、何とか答える。
ことり
「荒廃した・・・動物園・・・?うーん・・・」
彼女はその名前に聞き覚えが無いらしく、首を傾げる。
ことり
「(ことりは確か、穂乃果ちゃん達と一緒に平地を旅してたハズ・・・)」
ことり
「(・・・!!そうだ!それであのウルフって人に襲われて、それで、かよちゃんと一緒に飛ばされたところを、離れないようにってかよちゃんの手を掴んで・・・!)」ハッ
リュカ
「・・・・・・?」マジマジ
考え事を始めた少女を見つめるリュカ少年。
ことり
「あの・・・ことり、ここに倒れてたんですよね?」
リュカ
「あ、えっと、その、空から、降ってきて・・・」
相変わらず受け答えがしどろもどろなリュカ少年。
ことり
「(やっぱり!ことりは平地から飛ばされてここに来ちゃったんだ!)」
ことり
「(それで、ことりはかよちゃんの手を離さなかった!それだけはハッキリ覚えてる!)」
ことり
「(つまり、かよちゃんもきっとこの辺りに・・・!)」
ことり
「あの、この辺りにもう1人女の子が倒れてませんでしたか?私より少しだけ背が低くて、髪の短い、黄緑の服を着た女の子なんですけど・・・」
リュカ
「・・・あの、うしろ・・・」
ことり
「えっ・・・?(クルッ)・・・!!!」
ふわっ・・・
リュカ
「っ!///」ドキドキ
少女がうしろを向くと同時に、彼女の長い髪の毛が彼女の身をくすぐる。
その様子をみて、よりいっそう心臓の鼓動が早くなるリュカ少年・・・
???2
「うぅ・・・」ピクピク
ことり
「かよちゃん!しっかりして!かよちゃん!」ユサユサ
1人目の少女・・・ことりは、かよちゃんと呼ばれる2人目の少女を必死に介抱する。
???2→かよちゃん
「うぅ・・・うーん・・・?」パチッ
ことり
「かよちゃん!良かった~!」ウルウル
「かよちゃん」と呼ばれた少女が目を覚ましたことにホッとしたのか、目に涙を浮かべることり。
リュカ
「・・・・・・///」
リュカはすっかり彼女の魅力に酔いしれていた。
こんな場所で、こんな人に巡り会えるなんて・・・
かよちゃん
「ことりちゃん・・・?ここは・・・?」
リュカ
「!!!」ドキッ
もうリュカ少年の頭は尊さで爆発しそうになっていた。
「かよちゃん」もまた、ことりに似た可愛らしい声を持っていた。
ことり
「「荒廃した動物園」っていうんだって。あそこの男の子・・・リュカ君が教えてくれたんだよ。」
リュカ
「!」ビクッ
不意に名前を呼ばれて、背筋がピーンとなるリュカ少年。
かよちゃん
「そうなんだ!ありがとうね!えーっと、リュカ君!」ニコッ
リュカ
「!!!///」ボンッ
かよちゃん
「?」クビカシゲ
リュカ
「ど、ドウイタシマシテ…///」ドキドキ
やっている動作はことりと同じようなものなのだが、リュカ少年は「かよちゃん」の動作の方により魅力を感じた。
やはり、自分に似たようなモノを感じる分、親近感があるのだろうか。
かよちゃん→花陽
「・・・あっ!申し遅れました!私、小泉花陽っていいます!よろしくね、リュカ君!」ニコッ
リュカ
「よ、ヨロシクオネガイシマス…///」ドキドキ
ことり同様、笑顔を向ける花陽。
リュカ少年は、もはや動揺を隠しきれない様子だ。
リュカ
「(ことりさんと、花陽さん・・・か・・・///)」ドキドキ
リュカ
「(こんな場所で、こんなキレイな人達に巡り会えるなんて・・・///)」ドキドキ
リュカ
「(神様、ありがとうございます!)///」ドキドキ
そして、心の中で思わぬ幸運に感謝するリュカ少年。
花陽
「それで・・・ことりちゃん・・・」
ことり
「うん・・・」
花陽
「ピット君や、穂乃果ちゃん達とははぐれちゃったみたいだね・・・」
ことり
「そうだね・・・こうなるとちょっと不安だな~・・・自分が何処にいるのかもよく分かってないし・・・」
花陽
「うん・・・花陽も不安だなぁ・・・」
うるっ・・・
ことり
「!」
花陽
「どうして・・・こんなことになっちゃったんだろう・・・」グスン
ことり
「・・・・・・」
花陽
「花陽達、元の世界に帰れるのかなぁ・・・」グスグス
ことり
「・・・・・・」
花陽
「凛ちゃんや真姫ちゃん、μ'sの皆は怪我とかしてないかなぁ・・・」グスグス
ことり
「かよちゃ・・・」
花陽
「凛ちゃん・・・」ポロッ…
ことり
「!!」
花陽
「凛ち”ゃんに会いた”いよぉ”・・・」ポロポロ
ことり
「・・・・・・」
ぎゅーっ。
花陽
「!!・・・ことり・・・ちゃん・・・?」ポロポロ
ことり
「泣かないで、かよちゃん。」ギューッ
ことり
「凛ちゃんは居ないけど、ことりは居るよ。」ギューッ
ことり
「だからもう、泣かないで。1人で悩んだりしないで。もっとことりを頼って良いんだよ。ね?」ギューッ
花陽
「ことりちゃん・・・」グスン
花陽
「・・・そうだよね。ごめんね。ことりちゃんが居たのに、花陽1人で悩んじゃって、心折れそうになっちゃった。」
花陽
「μ'sは先輩禁止って言っても、ことりちゃんが先輩なのは事実だもんね。頼りにしてるよ、ことりちゃん。」エヘッ
ことり
「うん!もっとことりの事を頼ってくれたら嬉しいな♪」エヘッ
リュカ
「(どうしよう・・・ことりさんも花陽さんもかわいすぎるよ・・・)///」ドキドキ
ことりと花陽の尊い会話に、1人興奮を隠せない様子のリュカ少年。
花陽
「・・・ねぇ、ことりちゃん。」
ことり
「なあに?」
花陽
「ことりちゃんは何処にも居なくならないよね?花陽の側に居てくれるよね?」
ことり
「えっ・・・?どうしたの、いきなり・・・」
花陽
「・・・何か、不安になっちゃって・・・ことりちゃんまで居なくなったら、今度こそ心が折れちゃいそうで・・・」
ことり
「うふふ・・・大丈夫だよ!ことりは何処にも行かないから♪」
花陽
「本当?花陽の側に居てくれる?」
ことり
「うん!ずっとかよちゃんの側に居る。約束するよ。」ニコッ
花陽
「それじゃあ・・・その・・・」スッ
ことり
「指切り?良いよ♪」スッ
花陽
「ありがとう・・・!」エヘッ
小指と小指を絡ませる2人。
ことり・花陽
「♪ゆーびきりげんまん うっそついたら針千本のーます♪」
ことり
「」ニコッ
花陽
「」ニコッ
ことり・花陽
「♪ゆーびきった♪」パッ!
リュカ
「(これ・・・何のご褒美・・・?)///」ドキドキ
リュカ少年を尻目に、「約束」を交わす2人。
2人の指切りが終わった、その時だった・・・
ガサガサ…
3人
「!!!」
花陽
「ことりちゃん!これ・・・!」
ことり
「うん・・・!」スッ ←身構える
2人は、その紫色の物体には見覚えがあった。
天空界でも見た紫色の何か・・・
・・・そう。影虫だ・・・
リュカ
「(な、何・・・!?)」ブルブル
この場にいる唯一の男、リュカ少年。
本来はもっともしっかりしなければならない立場だが、3人の誰よりも怯えてしまっていた・・・
ガサガサ…
プリム
「・・・」ゴゴゴ…
やがて、影虫はプリムとなり、3人を囲む・・・
ことり
「かよちゃん、これくらいなら倒せるよね?」
花陽
「う、うん!何とか・・・!」
天空界や平地での経験の賜物か、意外と落ち着いてる2人は臨戦態勢をとる。
・・・が・・・
ドシン・・・
花陽
「・・・?ふえっ?」
ドシン・・・ドシン・・・
ことり
「何か・・・揺れてるような・・・」
ドシン・・・ドシン・・・
リュカ
「・・・何か・・・居るの・・・?」クルッ
3人が恐る恐る振り向くと・・・
???
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
3人
「「!!?」」ビクッ
・・・そこには、巨大な石像のような何かがいた・・・
花陽
「ひいっ!で・・・ででででで・・・出たぁ~!」ヒシッ
ことり
「ふええっ!?かよちゃん~!?///」
思わずことりに抱き付く花陽・・・
リュカ
「き・・・キングのぞう・・・」ガタガタガタ
???→キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」
そう、これは石像そのものなのである。
それを見たリュカは、死を覚悟する。
それもそのハズ、このキングのぞう、原作の「MOTHER3」では裏ボスというポジションなのだが、その体力はまさかの「99,999,999」である。
その上攻撃力もかなり高く、普通に戦ったのでは勝ち目は無い。
実際は「おおみそか」というアイテムを使用するか、即死効果のある「PKフラッシュ」を使うことで楽に倒す事が出来るのだが、生憎「おおみそか」など持ち合わせていなければ、「この世界」のリュカは「PKフラッシュ」を使うことが出来ない。
まさに「詰み」だ。
花陽
「こ、ここここことりちゃん・・・どうしよう・・・!」
ことり
「えー・・・えっと~・・・」アセアセッ
周りには多数のプリム、そして目の前にはキングのぞう。
花陽もリュカも、勿論自分も怯えてしまっており、更には数的にも圧倒的不利。
これは・・・もう・・・
ことりは意を決して、叫んだ。
ことり
「とりあえず・・・・・・逃げろ~!」ダッ
花陽
「あー!ことりちゃん待って~!」ダッ
リュカ
「あ!ぼ、僕も!」ダッ
ダッダッダ・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
・・・こうして、ことり達とキングのぞうによるおいかけっこが始まった・・・
- Re: スマブライブ!【stage7:荒廃した動物園(2)】 ( No.36 )
- 日時: 2019/08/31 00:24
- 名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: hV/zNhkL)
ことり
「ど、どうして追ってくるの~!?」ダッダッダ・・・
花陽
「こ、来ないでください~!」ダッダッダ・・・
リュカ
「ひぃ、ひぃ・・・!」ダッダッダ・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
キングのぞうに追われ続ける3人・・・
プリム
「」トコトコ
花陽
「ぴゃあ!?前からプリムがデテキチャッタノオ!?」ダッダッダ・・・
ことり
「倒してる暇は無いよ!避けて進もう!」ダッダッダ・・・
リュカ
「う、うん・・・!」ダッダッダ・・・
道中、敵も現れるが構ってる暇などない。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
プリム
「」ドーン!
花陽
「ぴゃあ!?一撃でヤラレチャッタノオ!?」ダッダッダ・・・
ことり
「も、もし追い付かれちゃったら・・・!」ゾゾゾ… ダッダッダ・・・
リュカ
「こ、怖いこと言わないでよ!」ダッダッダ・・・
触れただけでやられてしまったプリム。
これだけでも「キングのぞう」の強さがとてつもない事がはかり知れる。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
花陽
「ふえっ!?何!?」
リュカ
「壁・・・!?」
3人の行く手には、丸太のようなもので出来た壁が。
ことり
「・・・・・・えいっ!」ピョンッ!
躊躇することなく、軽やかなジャンプで飛び乗ることり。
花陽
「ことりちゃん!」
ことり
「かよちゃん!」スッ
そして、直ぐ様下の花陽に手を伸ばす。
花陽
「よいしょっ・・・と。」スタッ
ことりに引っ張ってもらいつつ、花陽も登る。
リュカ
「ぼ、僕も・・・!」
花陽
「うん!」スッ
続いて花陽がリュカに手を伸ばし、同じようにリュカが登る。
リュカ
「ありがとう!」スタッ
ことり
「ふぅ・・・休んでる暇は無いよね。逃げるよ!」スタッ
花陽・リュカ
「うん!」スタッ
全員が丸太の壁のようなものに登ったのを確認すると、ことりは直ぐ様飛び降り、先に進む。
花陽・リュカ
「」スタッ
花陽とリュカもそれに従い、飛び降りる。
・・・と・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
バキバキバキッ!
3人
「!?」ビクッ
先程まで乗っていた丸太の壁のようなものが「キングのぞう」によりいとも容易く破壊される。
花陽
「す、少しでも降りるのが遅れてたら・・・!」ブルブル
ことり
「かよちゃん!口より足を動かし・・・・・・ひゃんっ!?熱い!」ビクッ
リュカ
「ことりさん!?」
不意に、先導していたことりが悲鳴をあげる。
ボトロン
「・・・」ボトボト
見ると、ことりの頭上からバケツのような何かに入っているもので攻撃するものが。
そう、ボトロンだ。
花陽
「何あれ!?飛んでるよ!?」
ことり
「むーっ!お返しだよ~!」トサカコウゲキ!
ドーン!
リュカ
「・・・・・・えっ?(困惑)」
ことりのトサカコウゲキに困惑を隠せないリュカ少年。
花陽
「あぁ・・・気にしないで。ことりちゃんの得意技(?)だから・・・」
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
花陽
「・・・ってピャアーーーーー!!言ってる場合じゃ無かったよぉ~!」ダッ
ことり
「あ~!追われてたんだった~!」ダッ
リュカ
「わわわわ!」ダッ
そんなことをしているうちに、「キングのぞう」に差を詰められていた。
幸いキングのぞう自体そこまで動きが早いわけではないので、本当に追い付かれることはまず無さそうだが。
花陽
「あわわわ~!また丸太みたいな高い足場があるよ~!」アタフタ
テンパる花陽。
ことり
「かよちゃん落ち着いて!(ヒョイッ)ほら、早く!(手を伸ばす)」
またも軽やかに登ったことりが花陽をアシスト。
リュカも同じようにして進む。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
メキメキメキ!
キングのぞうは「そんなの関係ねえ!」とでも言わんばかりに体で破壊して進んでいく。
花陽
「あーもう!またあるよ~!ことりちゃん~!何とかして~!」
ことり
「かよちゃん~!少しは自分で頑張って登ってよ~!(ヒョイッ)ほらっ!(手を伸ばす)」 ←でも手を差しのべちゃう優しいことりちゃん
花陽
「えへへ~・・・ことりちゃんの優しいところ、好きだよ♡」ヒョイッ
ことり
「か、かよちゃん!?こんなときに何言ってるの!?///」
花陽
「照れてる~!ことりちゃんかわいい♡」
ことり
「て、照れてないもんっ!///」
花陽突然の告白に満更でもない様子のことり。
リュカ
「あのっ!ことりさん!花陽さん!」
花陽
「あっ!ごめんね!はいっ!」スッ
天使2人に忘れられかけたリュカ少年・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
花陽
「ピャアーーーーー!!まだ来てるよ~!」ダッ
ことり
「もう~!しつこいよ~!」ダッ
リュカ
「ま、待って・・・!」ダッ
その間にも、キングのぞうは3人に迫る・・・
ダッダッダ・・・
しばらく走ると、何かの建物だったかのようなエリアに差し掛かる。
花陽
「ふええっ!?い、行き止まりだよ!?」
鉄格子
「」
が、しかし。その先は鉄格子で塞がれている。
花陽
「ど、どうしよう!」アタフタ
いつのまにか一番前を走っていた花陽、またもテンパる。
ことり
「かよちゃん!スイッチ押して!足元の!」ダッダッダ・・・
リュカ
「はぁ、はぁ・・・」ダッダッダ・・・
そこに、遅れてことりとリュカがやってくる。
花陽
「す、スイッチ!?これ!?」ポチッ
花陽は足元にあったピンクの半円状のモノを押す。
ゴゴゴゴ…
すると、鉄格子が開き、先に進めるようになる。
花陽
「やった!ありがとう、ことりちゃん!」
ことり
「えへへ~♪これくらいはお安いご用だよ!それより・・・」
ゴゴゴゴ…
時間経過で再び鉄格子が下がる。
リュカ
「あっ・・・!もしかして、もうキングのぞうは追いかけてこれない?」
花陽
「本当!?」
ポチッ
ゴゴゴゴ…
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ことり・花陽・リュカ
「」
キングのぞうの足によりスイッチが作動し、鉄格子が開いた・・・
原作では最強の「キングのぞう」、そう簡単には追いかけっこを終わらせてくれないようだ・・・
花陽
「ピャアーーーーー!!」ダッ
ことり
「いつまで追ってくるの~!?」ダッ
リュカ
「はぁ、はぁ・・・」 ←1人ヘトヘトなリュカ少年
再び走り出す3人・・・
花陽
「・・・あぁ!もーう!また鉄格子だよ~!」ポチッ
再び目の前に鉄格子。再び花陽は足元にあったスイッチを見つけ出し、押す。
ゴゴゴゴ…
鉄格子が開き、更に先へ進めるようになる。
花陽
「はぁ、はぁ・・・あぁ!またあるよ~!スイッチを・・・・・・あれ?」
またも鉄格子が現れるも、足元にスイッチは見当たらない。
花陽
「あれ!?何で!?何で~!?」アセアセッ
もう何度目かわからないテンパり状態になる花陽。
ことり
「かよちゃん!上!上~!」タッタ
花陽
「上?(ヒョイッ)・・・・・・あ~!!」
スイッチ
「」
後から来たことりの助言に従い上を見上げると、そこにスイッチがあった。
花陽
「こんな所にあったんだ!・・・・・・えいっ!(ピョンッ)」
スカッ・・・
花陽
「・・・あれっ?・・・えいっ!えいっ!」ピョンピョン
スイッチを押そうとする花陽だが、テンパっているせいか上手くジャンプすることが出来ず、スイッチを押せない。
ことり
「かよちゃん!どいて!・・・・・・えいっ!」ピョンッ
ポチッ・・・
ゴゴゴゴ…
花陽
「ことりちゃん!」
もたもたしている花陽に痺れを切らしたか、ことりが花陽を押し退け、天井のスイッチを押す。
ことりにしては少し荒々しい行動だが、それだけ彼女も焦っているということだろう。
ことり
「早く先に進むよ!リュカ君も!」
リュカ
「待って~・・・僕疲れたよ~・・・」ヘナヘナ
花陽
「リュカ君、大丈夫!?」
1人疲れきっているリュカ少年。
ことりと花陽は日頃の練習の成果か、はたまたスーツのお陰か、殆ど疲れは感じていない。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
なお、こうしている間にも「キングのぞう」は3人に迫っている。
ことり
「リュカ君!立って!追い付かれちゃうよ!」
珍しく声を荒げることり。
それはさながら、弟を叱責するお姉ちゃんのようだ。
リュカ
「だ、だって~・・・」
しかし、リュカ少年の体は限界に近かった。いくら特殊能力を持っていれどまだ小さな少年。そんなに走り続けられる体力も足も無い。
ことり
「だってじゃないよ!弱音吐かないの!男の子でしょ!?」
リュカ
「!」ハッ
しかし、リュカ少年はことりの言葉にハッとさせられる。
リュカ少年は3人の中で唯一の男だ。
そのリュカが一番足を引っ張るだなんてこと、あっていいハズが無い。
リュカ
「・・・わかった・・・僕、頑張る・・・」スクッ
花陽
「リュカ君!」
ことり
「リュカ君、偉いよ!その調子で頑張って逃げようね!」
花陽・リュカ
「「うん!」」
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ことり
「大分近付かれちゃったね・・・キツいだろうけど、頑張って走るよ!」ダッ
花陽・リュカ
「「うん!」」ダッ
3人は再びことりを先頭に走り出す。
プリム
「」トコトコ
ブーメランプリム
「」トコトコ
ボトロン
「」シャーッ
道中、やはり敵が出てくるも追いかけられている手前全スルー。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ことり
「はぁ・・・はぁ・・・・・・!?」
やがて、3人は湖面に差し掛かる。
恐らくは、海の生物でも飼育されていた跡地なのだろう。
そこにはやはり丸太のようなモノで出来た足場が幾つかあり、3人は濡れないようにそこを跳びうつって進んでいく。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
一方、「キングのぞう」はというと・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ザバァ!
ゴボゴボゴボ・・・
3人
「「・・・・・・えっ?」」
なんと、足場が繋がっていなかったせいか、頭から湖面に突っ込み、そのまま沈んでいった・・・
花陽
「あ・・・あれ?沈んじゃったよ?」
リュカ
「僕たち・・・助かったの・・・?」
ことり
「もう・・・走らなくていいの・・・?」
3人
「「・・・・・・」」カオミアワセ
3人
「「やった~!」」ダキッ
恐怖に打ち勝った。
その喜びから、思わず抱き合う3人。
リュカ
「わわわ・・・!ことりさんと花陽さんと抱き合ってるよ・・・!///」
そして、リュカ少年にとってはスーパーご褒美タイムである。そこ替われ。
花陽
「本音漏れてるよ、ナレーションさん。」ジトメ
ことり
「あはは・・・とりあえず、いつまでも湖面の足場にいたくないし、向こう岸に上がろうか。」
花陽
「うん!」
3人は湖面の足場から向こう岸へと跳びうつる。
リュカ
「はぁ~・・・本当に疲れたよ~・・・」
ことり
「お疲れ様!よく頑張ったね!」ニコッ
リュカ
「そんな…僕なんて足引っ張ってばっかりで…」
花陽
「そんなことないよ…とりあえず、ちょっと休もうか。ここって動物園だったんだから、どこかに休憩所みたいなのがあるハズだよ。」
ことり
「そうだね。とりあえずこっちに行ってみよう!」タッ
花陽・リュカ
「「うん!」」
3人が少し話し、そうして動き始めた、その時だった・・・
ドォーーーーーン!!
3人
「「!?」」ビクッ
3人の後ろから、何やら落ちてくる音が・・・
リュカ
「い、今のは・・・?」
花陽
「こ、ことりちゃん・・・」
ことり
「も、もしかしてだけど・・・」クルッ
恐る恐る、後ろを向くことり。
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
そこには、沈んだハズの「キングのぞう」が居た・・・
ことり
「あ、あはは・・・こんにちは~・・・」ブルブル
花陽・リュカ
「「・・・・・・」」ブルブル
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ことり
「に、逃げろ~~~~~!!」ダッ
花陽・リュカ
「「待って~!」」ダッ
再び走り出す3人・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
・・・が、その直後・・・
リュカ
「はぁ・・・はぁ・・・あうっ!」ドサッ
ことり・花陽
「「リュカ君!」」
突然、リュカが転倒してしまう。
リュカ
「うぅ・・・早く逃げ・・・あれ?」グググ…
起き上がろうとするも、何かに引っ掛かっているのか、右足が動かない。
リュカ
「!!!・・・・・・あぁ・・・!」
見ると、リュカの右足はツタのような何かと地面の間に見事にハマってしまっていた。
花陽
「あぁ!足が何かに引っ掛かって・・・ことりちゃん!」
ことり
「ダメ!あの石像があんなに近くにいたら近付けないよ!リュカ君!頑張って抜け出して!」
リュカ
「そ、そんなこと言っても・・・!」ジタバタ
リュカ少年は必死に足をバタバタさせるも、一向に足が抜ける気配はない。
そうこうしているうちに・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
「キングのぞう」とリュカとの距離は、ほぼ無くなっていた・・・
花陽
「リュカ君!」
リュカ
「ことりさん・・・花陽さん・・・逃げて・・・僕の事はいいから・・・」
再び死を覚悟したリュカは、せめて2人を逃がそうとそう言う。
ことり
「ダメ!リュカ君を置いていけないよ!・・・でも・・・私たちじゃリュカ君を助けられない・・・!」
花陽
「あああ・・・助けたいのにどうすれば良いのかわからないよ~!ダレカタスケテ~!」
しかし、ことりと花陽はその場から動かない。
リュカ
「ううっ・・・」
そして、遂に・・・
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」ドシン…ドシン…
ゴゴゴゴ…
キングのぞうの足は、リュカの上に・・・
リュカ
「うわあああああ~!」
ことり・花陽
「「リュカ君~~~~~!!」」
万事休すか。
3人が思った、その時だった・・・
「PKサンダー!」
バチバチバチッ! ドカッ!
キングのぞう
「グオッ・・・・・・」グラッ
リュカ
「えっ・・・・・・?」
ドサッ・・・
どこからか電撃が「キングのぞう」に直撃し、「キングのぞう」はスローモーションのように倒れる。
花陽
「い、今のは・・・?」キョロキョロ
ことり
「!!!・・・かよちゃん!あれ!」ビシッ
花陽
「えっ・・・?・・・!!」
ことりが指差した先には・・・
キラキラ・・・ストン・・・
赤い帽子に、青と黄のボーダーのシャツを来た、リュカと同じくらいの身長の少年がいた・・・
???
「危なかったね。大丈夫だった?」
リュカ
「君は・・・確か・・・」
???→ネス
「うん。ネスだよ。」
そう、この少年の名は・・・
ドンッ!
[ネス]
リュカと同じく、PSIを操る少年、ネスだった・・・
ことり
「あ、あのっ・・・!」タッタ
花陽
「リュカ君を助けてくれてありがとうございます!」タッタ
直ぐ様ネスに駆け寄る2人。
ネス
「えっと・・・お姉さん達は・・・?」
ことり
「私が南ことりで、こっちが小泉花陽ちゃん。気軽に名前で呼んでね!」
花陽
「よろしくね!」
ネスの質問に対し、名乗って答える2人。
ネス
「ことりさんと花陽さん・・・聞いたこと無い名前だなぁ・・・・・・下がって!」バッ
リュカ
「ネス君!?」
ことり・花陽
「!!」
キングのぞう
「ウオォーーーーー!!」
見ると、「キングのぞう」が起き上がり、浮かんでいる。
それを見たネスは「キングのぞう」と同じ高さまで跳ぶと・・・
ネス
「PKフラッーシュ!」
シュワワワワーン・・・
例の、即死効果のある「PKフラッシュ」を放つ。
もっとも、「この世界」では即死効果は無いのだが・・・
キングのぞう
「」ゴゴゴゴゴゴ…
ドオオオオォーーーーーン!!
リュカ
「うわっ!」
ことり・花陽
「「きゃっ・・・!」」ギュッ ←思わず抱き合う2人
当たり所が良かったのか、「キングのぞう」は空中で大爆発を起こす・・・
ネス
「ふぅ…」スタッ
地面に降り立つネス。
パラパラパラ・・・
シュー・・・
リュカ
「わわわ・・・」
ことり
「ひゃあっ・・・」
花陽
「すごーい・・・」
同時に、「キングのぞう」の残骸が空を舞い、砂ぼこりが起こる。
シュー・・・・・・
ことり・花陽・リュカ・ネス
「!!!」
・・・そして、砂ぼこりが晴れると・・・
???
「・・・」ガサ…ガサ…ガサ…
花陽
「ひゃあっ!な、何・・・?」ギュッ ←やっぱりことりちゃんに抱き付いちゃうかよちゃん
ことり
「く・・・蜘蛛・・・?」ギュー ←花陽を優しく抱き締めかえす天使ことりちゃん
そこには、無数の足を持つ蜘蛛のような生物・・・
いや・・・
リュカ
「ぽ、ポーキー・・・」ブルブル
ネス
「・・・・・・」
???→ポーキー
「・・・」ガサガサガサ…
「MOTHER3」においてのラスボス、ポーキーがいた・・・
ネス
「・・・倒さないと・・・ことりさん達も手伝って!」
ことり
「勿論だよ!」
花陽
「花陽も頑張ります!」
リュカ
「ぼ、僕も・・・!」
共闘することを決めた4人。
ネス
「それじゃあ・・・・・・いくよ!」ダッ
ことり・花陽・リュカ
「オォーーーーー!!」ダッ
一斉に走り出す4人。
4人のポーキー討伐が始まった・・・
- Re: スマブライブ!【stage7:荒廃した動物園(3)】 ( No.37 )
- 日時: 2019/09/03 23:25
- 名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: hV/zNhkL)
ことり・花陽・リュカ・ネス
「「えいっ!!」」ドカァッ!
ポーキー
「・・・」ドカァッ!
4人同時にポーキーに攻撃を加える。
だが、仮にも原作のラスボス。それだけではびくともしない。
ポーキー
「・・・」スッ
ネス
「!!!・・・何か来る!下がっ・・・」
ドドドドドドドドド!!
花陽
「ピャアアアアア~!!な、何~!?」
ポーキーは、蜘蛛の足のような部分からまるで銃を乱射するかのような攻撃を仕掛ける。
ことり
「スゴい早さ・・・!かよちゃん、大丈夫?」スタッ
花陽
「大丈夫・・・何とか避けられたから・・・」
花陽を気にかけることり。
4人の中で一番年長者であるのがことりなのは明らか。
なので自分が花陽達を守らなければ。そういう使命感がことりにはあるのだ。
リュカ
「PKサンダー!」バチバチ
ネス
「PKファイヤー!」ボボボ
ポーキー
「・・・」ダダダ!
一方のリュカとネス。2人はPKを使ってポーキーを攻撃する。
ことり
「えーいっ!」トサカコウゲキ!
ドカァッ!
花陽
「えいっ!」ドカァッ!
ことりはそれに負けまいと得意のトサカコウゲキ。
それを見た花陽も見よう見まねで頭突きを喰らわせる。
ことり
「かよちゃん?それ・・・ことりの真似?」クスッ
花陽
「えへへ・・・花陽にも出来ないかなぁ~・・・なんて。」エヘヘ
それにことりが気付き、また2人は「2人だけの世界」に入り込む。
ネス
「ことりさん!花陽さん!下がって!」
ことり・花陽
「!!!」ハッ
ネスの声で我にかえる2人。
ポーキー
「・・・」シュオー…バチバチバチ…
見ると、ポーキーは頭上で巨大なエネルギー砲のようなものを作り出している。
ことり
「かよちゃん!こっち!」ダッ
花陽
「うん!」ダッ
直ぐ様ポーキーから距離をとる2人。
ポーキー
「・・・」ビビビビビ!
ポーキーはレーザー砲のようなものからビームを出す。
リュカ
「わわっ!」スカッ
ネス
「っ・・・と。」ヒョイッ
花陽
「ぴゃあっ!」スカッ
ことり
「ひゃんっ!」スカッ
無差別に繰り出されるビームを、4人は何とか避ける。
ネス
「えいっ!」ドカッ!
ことり
「それっ!」ドカッ!
そして、ネスとことりが間髪入れずに攻撃を一発。
ポーキー
「・・・」ズズ…
ポーキーは少しずつダメージが積み重なっている様子だ。
ネス
「うーん・・・中々決定打が与えられないね・・・」
ことり
「そうだね・・・どうしよっか・・・」
しかし、中々決定打に欠ける。
ネスとことりは困り顔だ。
リュカ
「な・・・何話してるんだろう・・・」
花陽
「なんか、次元が違ってついていけないよ・・・(汗)」
一方の気弱コンビは、そんな2人についていけていない様子だ。
ことり
「うーん、スマートフォンがあったら上手い戦い方とか調べられたんだけどなぁ…」
生憎、スマホをはじめとすることり達が現実世界の真姫宅に持ち込んだものは全て真姫の部屋に置き去りである。
もっとも、この世界でスマホがあっても意味は無さそうだが・・・
ことり
「はぁ・・・」スッ
スマホが無いとわかっていながらも、いつもスマホを入れているポケットのある部分をクセで触ることり。
ことり
「・・・・・・?あれ?なんだろう・・・」
花陽
「ことりちゃん?」
そこを触って初めて気付いた。
スーツの腰の辺りに、何やらボタンが付いている。
ことり
「こんなの、ピット君は教えてくれなかったよね・・・?」
もしかして危険だからなのかな?
色々勘繰ることり。
ことり
「うーん・・・悩むより、押してみようっと。」ポチッ
結局、好奇心が勝ち、ことりはボタンを押す。
すると・・・
シャキン!
ことり
「わわわ!びっくりした~・・・」
花陽
「ピャア!?何それ!?」
ボタンを押すと、そこから出てきたのは剣のようなものだった。
スター○ォーズに出てきそうな、白い光を灯すビームソードである。
ことり
「こんなのあったんだ・・・この腰のボタンを押したら出てきたんだよ。」ポチッ
花陽
「あっ、ことりちゃ・・・」
シャキン!
花陽
「ピャア!?本当に出てきたよ!?」
花陽のスーツにも同じ位置にボタンが付いており、それを押すとやはりビームソードが出てきた。
こちらは緑色の光を灯している。どうやら、光の色はスーツの色に対応しているらしい。
ことり
「すごい~!キレイ~!そうだ!今度の衣装は、西洋の騎士さん風なんてどうかな?こんな感じの剣みたいなのも作っちゃうの!」
花陽
「あ、そ、そうだね~・・・(汗)」
お洋服が大好きなことりは、何でもかんでも衣装に結び付けて考える事がある。
でも、この状況でやるのは肝が据わっているというか、何というか・・・
ことり
「うーん、でも、剣があっても今の状況は変えられなさそうだな~・・・危ない!」バッ
花陽
「ぴゃあっ!」バッ
ポーキー
「・・・」スッ
ドドドドドドドドド!!
隙だらけの2人に、ポーキーは再び銃を乱射するかのような攻撃を仕掛けてくる。
ネス
「PKフラッシュ!」シュワワワワーン
リュカ
「PKフリーズ!」ピキピキピキ
ことり達に当たらせるまいと飛び込んだネスとリュカ。
それぞれポーキーの攻撃をPKフラッシュとフリーズで見事に相殺する。
ことり
「・・・・・・!!」ハッ
花陽
「危なかった~・・・ごめんね、ネス君。」
ネス
「大丈夫だよ。困った時はお互い様だもんね。」
ことり
「・・・・・・」ブツブツ
花陽
「えへへ。そうだね。ねっ、ことりちゃん!」
ことり
「・・・・・・」ブツブツ
花陽
「ことりちゃん?」
ことり
「!!・・・あ、ごめんね。考え事してたから・・・」
花陽
「考え事?ことりちゃんが人の話を聞かないで考え事って珍しいよね。何を考えてたの?」
ことり
「うん!見つけたんだ!」
リュカ
「見つけた?」
ことり
「一気にあのポーキーを倒せる方法だよ!」
ネス
「えっ!?何かあるの!?」
ことり
「あのね・・・ゴニョゴニョ…」
作戦を3人に耳打ちすることり。
花陽
「なるほど・・・流石ことりちゃん!きっと上手くいくと思うよ!」
リュカ
「ぼ、僕も頑張るよ!」
ネス
「よーし!それじゃあ僕が!」ダッ
ポーキー
「・・・・・・」ガサゴソ
まず、ポーキーの前に立つはネス。
ネス
「PKフラッシュ!」ピカァッ!
ポーキー
「グゥ…」
何度目かのPKフラッシュに苛立った様子のポーキー。
反撃を試みるが・・・
ピキピキ…
ポーキー
「グゥ…?」
体が動かない。見ると、数本ある足が徐々に凍っていっているではないか。
ポーキー
「グギギ…」
「何をした!」とでも言いたげなポーキー。
彼に何が起こったかというと・・・
リュカ
「PKフリーズ!!」ピキピキピキ
そう、ネスがPKフラッシュで引き付けてる間に背後に回ったリュカがPKフリーズで凍らせていたのである。
ポーキー
「グゥ…」ジタバタ
主に足から攻撃を出すポーキー。
反撃することを許されないまま、徐々に体全体を凍らされていき・・・
ポーキー
「」ピキーン
ついには、氷の塊と化した・・・
リュカ
「はぁ、はぁ・・・」
大量にPKフリーズを放ったリュカ。流石に相当な体力を消費したようだ。
花陽
「お疲れ様!えいっ!」パアッ
両手をリュカにかざす花陽。
すると光がリュカの体を包み、やがて彼の体は楽になった。
リュカ
「ありがとう・・・」
花陽
「えへへ。どういたしまして!」
実はこれもスーツの力である。
天空界にて大ダメージを負った後、ピットから花陽の緑のスーツを着てると回復能力が使えると聞いていた。
「今は必要ない」とやり方は教えて貰えなかったのだが、手をかざすという簡単なやり方だったためにピットの知らない場所で既に会得していたのであった。
ことり
「それじゃあ、リュカ君、ネス君、おねがいっ!」
ネス・リュカ
「」コクッ
ことりの号令に頷きあう2人。そして・・・
ネス・リュカ
「「PKサンダー!!」」バチバチ
氷の塊と化したポーキーにPKサンダーを浴びせる。
ポーキー
「グガアアアアア…」バリバリ
言うなればポーキーは水中にいる状態。これでもかという程に感電させられ、相当なダメージを浴びせられる。
ポーキー
「」プスプス
相当な量の電撃を浴びせられ、今度は黒焦げになるポーキー。
ことり
「よーし!かよちゃん、行くよ!」バッ
花陽
「うんっ!」バッ
そこに、天使のような2人の悪魔のような追撃が刺さる・・・
ことり・花陽
「「純粋少女の一撃!!」」ズバァッ!
2人のビームソードがポーキーを切り裂く。
ポーキー
「グガアアアアア!!」
ドオォーーーーーン!!
これでもかという酷い猛攻を受けたポーキーの体は遂に爆発を起こし、倒れた。
ポーキー、これにて撃破である。
ことり・花陽
「「やったね♪」」ハイタッチ
花陽
「・・・ってことりちゃん!えげつない!えげつなさ過ぎるよ!敵だけど流石に可哀想だよ!」ドーン
リュカ
「純粋の欠片も無かったよ・・・?(汗)」
ことり
「ほ、ほら!あの必殺技の名前は、Printempsの曲から取ったものだから・・・ね?まあ、勿論ことりはピュアな心を持ってるんだけどね♪」
花陽
「自分で言わないでよぉ・・・」アハハ
※「Pure girls project」から取りました。
ネス
「ピュアガールズ・ブロウ、だっけ?カッコよかったよ!」
ことり
「えへへ・・・ありがとう♡」ニコッ
勝利を喜びあう4人。
花陽
「えへへ・・・」
・・・の1人、花陽。
花陽
「(やっぱりことりちゃんは頼りになるなぁ…)」
花陽
「(かわいくて、優しくて、でもちょっと抜けてる所があって・・・)
花陽
「(それでいてやる時はしっかりやる・・・とっても素敵だよね。)」
花陽
「(とっても憧れるし、すっごく尊敬しちゃうな~!)」
ことり
「リュカ君もお疲れ様!」キラキラ ←花陽には輝いてみえる
リュカ
「ありがとう!」
花陽
「(花陽も、ことりちゃんみたいになりたいなぁ・・・)」キラキラ
親友の1人であり、密かに憧れている存在であることりを、羨望の眼差しで見つめていた・・・
その時だった・・・
「はっはっは!」ガチャン!
4人
「「!!!」」
石で出来た高台のような場所に、何者かの姿が・・・
ワリオ
「ポーキーを倒して調子に乗ってるんじゃねえか?俺様が現実をわからせてやるよ!ガハハ!」
それは、黄色いオーバーオールの男、ワリオだった・・・
花陽
「ことりちゃん!あの人・・・!」
ことり
「うん・・・!」
2人が思い出すのは、天空界にてモニター越しに見た光景・・・
・
・
・
ワリオ
『へっへへ!』
バキューン!バキューン!
真姫
『』ドサッ
ゼルダ
『』ドサッ
・
・
・
突如現れた男・・・ワリオにより、真姫とゼルダがフィギュアにされ、連れ去られる光景だった・・・
ワリオ
「がっはっは!さて、どいつから狙うか・・・」ジャキッ
そして、今もその時に持っていた機械・・・ダークキャノンを手に持っている。
つまり、今度はことり達が狙われているというワケだ。
花陽
「ことりちゃん・・・」ブルブル
ことり
「・・・・・・」
恐怖で体を震わせる花陽。
一方のことりも、フィギュアにされるかもしれないという、全く想像のつかない恐怖に硬直してしまっている。
リュカ
「ことりさん・・・花陽さん・・・」ブルブル
そして、それは臆病なリュカ少年も同じだった・・・
ネス
「3人とも、下がって。」ザッ
ことり・花陽・リュカ
「「!!」」
しかし、彼は違った。
ネスは突如現れたワリオに臆することなく、3人を庇うようにして立ちはだかる。
ワリオ
「ほう・・・中々男気があるようだな、帽子のガキ!」ガチャン!
再びダークキャノンを構えるワリオ。
ネス
「3人とも!散らばって!」
冷静に3人に指示を出すネス。
ワリオ
「安心しろよ!狙いは帽子のガキ!お前1人だ!」バキューン!
そう言って、1発ダークキャノンを放つワリオ。
ネス
「ふんっ!」ヒョイッ
しかし、ネスはそれを見事に回避。
ことり
「ネス君!」
花陽
「すごーい!!」
ネス
「へへっ…それほどでも…」
かわいい女の子2人に褒められ、ちょっと得意気なネス少年。彼は中身もキチンと男のようだ。
ワリオ
「ガキが・・・舐めやがって!何としても仕留めてやる!」バキューン!バキューン!バキューン!バキューン!
その様子が面白くなかったのか、ワリオはダークキャノン4発を乱射する。
ネス
「ふんっ!よっ!はっ!えいっ!」ヒョイッ!ヒョイッ!ヒョイッ!ヒョイッ!
リュカ
「「うわあ…!」」
ことり・花陽
「「すごーい・・・」」
しかし、ネスはその全てを華麗に避ける。
ワリオ
「ぐぬぬ・・・おのれぇ・・・!」
その様子をみて、ますます怒りが蓄積したワリオは・・・
ワリオ
「(帽子のガキはやめだ!先にこっちの金髪のガキからやってやる!)」ガチャン!
リュカ
「ネス君、すごい・・・」
ネスを狙うのをやめ、新たにリュカを標的とする。
しかし、リュカ・・・ついでにことりと花陽はネスに釘付けになっており、その事に気付かない。
ワリオ
「(フン!これで俺様の勝ちだ!)」バキューン!
ことり・花陽
「「!!!・・・リュカ君!!」」
ネス
「!!」
リュカ
「えっ?」
シュンッ!
リュカ
「あっ…!!」
気付いた時は、既に手遅れ。
リュカはダークキャノンをくらい、フィギュアに・・・
ネス
「リュカ君!!」
ドンッ!
リュカ
「!!!」
ことり・花陽
「「!!!」」
バキューン!!
リュカ
「っ…!」ズザァ
ネス
「」ドサッ
リュカ
「あっ…」
・・・ならなかった。
瞬間、ネスがリュカを押し退け、身代わりとなってダークキャノンを喰らったのだ。
つまり、フィギュアになったのは、リュカではなく・・・
リュカ
「ね、ネス君!!」
ネス
「」
そのリュカを庇った、ネスであった。
ことり
「・・・う・・・・・・そ・・・・・・」
花陽
「・・・ネス・・・・・・君・・・・・・」
あまりの衝撃に、ことりと花陽は言葉がでない。
ワリオ
「ワッハッハ!バカなガキだな!仲間を庇ってフィギュアになるなんてなぁ!こんな弱虫、放っておけば良かったのによぉ!!」
リュカ
「っ…!」ズキッ
ここぞとばかりにリュカ&ネスを罵るワリオ。
ことり
「」ムッ
その発言に、心優しいことりは黙っちゃいない。
ことり
「ちょっと、あなt」
花陽
「何てこと言うんですか!!」バッ
ワリオ
「あっ?」ハナホジホジ
ことり
「かよちゃん!?」
それは、花陽も同じだった。
花陽
「ネス君は、リュカ君がやられないようにって庇ったんですよ!?それをバカだなんて・・・!それに、リュカ君はさっき私達と協力してポーキーを倒すことが出来たんです!弱虫なんかじゃありません!!」
ことり
「かよちゃん・・・」
リュカ
「花陽さん・・・」
ワリオを叱責する花陽。
彼女がこうも激昂するのは、これまた珍しい光景だ。
ワリオ
「ふん。クドクドうるせぇメスガキだな!」ジャキッ!
花陽
「っ!」
それに対し、ワリオは「説教はゴメンだ!」とでも言わんばかりに、三たびダークキャノンを構える。」
ことり
「かよちゃん!」
ワリオ
「これで黙らせてやるよ!」バキューン!
女の花陽にも容赦なくダークキャノンを放つワリオ。
花陽
「うっ…!」スカッ
花陽は、それを間一髪避ける。
花陽
「・・・あっ!」グラッ
ことり
「!!」
リュカ
「花陽さん!」
しかし、上手く着地出来ずにバランスを崩してしまう。
ワリオ
「ワッハッハ!!隙ありィ!」バキューン!!
そこを容赦なく狙うワリオ。
花陽
「っ…!」ギュッ
ダメだ!避けられない!
ダークキャノンが当たってしまう事を悟った花陽は、恐怖でギュッと目を閉じる。
シュンッ!
・・・が、しかし。
それが花陽に当たる事は無かった・・・
「かよちゃん!!危ないっ!!」
ドンッ!!
花陽
「(えっ…?)」ドサッ!
「誰か」に突き飛ばされ、地面に倒れ込む花陽。
驚いて思わず目を見開く。
花陽
「!!!!!」ハッ!
・・・刹那、花陽の視界に入ったのは・・・
ことり
「っ…!!」
花陽を突き飛ばした「誰か」・・・否、ことりが・・・
バキューン!!
ことり
「」ドサッ
花陽
「あ・・・・・・あ・・・・・・」ガクガク
花陽の身代わりとなってダークキャノンを喰らい、その身をフィギュアへと変える姿だった・・・
花陽
「・・・ことり・・・・・・ちゃん・・・・・・」ガクガクブルブル
(回想)
花陽
『ことりちゃんは何処にも居なくならないよね?花陽の側に居てくれるよね?』
ことり
『えっ・・・?どうしたの、いきなり・・・』
花陽
『・・・何か、不安になっちゃって・・・ことりちゃんまで居なくなったら、今度こそ心が折れちゃいそうで・・・』
ことり
『うふふ・・・大丈夫だよ!ことりは何処にも行かないから♪』
花陽
『本当?花陽の側に居てくれる?』
ことり
『うん!ずっとかよちゃんの側に居る。約束するよ。』ニコッ
ヤ ク ソ ク ─────────
(回想終了)
花陽
「うわあああああん・・・!!ことりちゃあああああん・・・!!」ポロポロ
思わず号泣し、絶叫する花陽・・・
リュカ
「・・・・・・そ・・・んな・・・・・・」ガクガク
流石のリュカも、ショックを隠しきれない様子だ・・・
ワリオ
「ウワッハッハッハ!コイツは滑稽だ!帽子のガキと同じやられ方をするとはな!!」スタッ!
それを尻目に、1人大笑いで岩の高台から飛び降りるワリオ。
ワリオ
「二丁あがり、だな!!」ヒョイッ
そして、フィギュアとなったネスとことりを回収する。
花陽
「・・・どこにも・・・いかないって・・・側に・・・いてくれるって・・・約束・・・したのに・・・したのにぃ・・・」ポロポロ
リュカ
「ううっ…」ポロポロ
既に精神半壊状態の花陽は動けず、また、臆病なリュカも動けず、貰い泣き・・・
ワリオ
「どうした!?すぐに取り返しに来ると思ったが・・・もしかして、怖くて動けないのか?」ニヤニヤ
ここぞとばかりに2人を煽るワリオ。
ワリオ
「本当お前ら弱虫だな!仲間に守ってもらいながら、自分は何も出来ない弱虫だ!カスだ!ゴミ以下だ!!」
花陽
「ううっ…グスッ…」ポロポロ
リュカ
「うう…ううっ…」ポロポロ
・・・その、ひどい暴言のオンパレードは・・・
ボキィ…!!
双方、大事な仲間を失ってボロボロになっていた心に、とどめを刺すには充分過ぎた・・・
花陽・リュカ
「うわああああああああああ・・・」ダッ
気付けば、2人は走り出していた・・・
ピシャーン!ゴロゴロ…
ザアアアアァ…
同時に、雷が鳴り出し、涙雨なのだろうか、雨も降りだす。
ダッダッダ・・・
ワリオ
「じゃあなー!!弱虫ィー!!ウワーッハッハッハ!!ウワーッハッハッハ!!」
ピシャーン!!ゴロゴロ…
辺りにワリオの高笑いと雷が響くなか・・・
花陽とリュカは逃げた・・・
ワリオという恐怖の存在から・・・
弱い自分達から・・・
そして、ここまで自分達を助けてくれた大切な仲間達から・・・
花陽とリュカは、ことりとネスを見捨て、とにかく荒廃した動物園内を泣きながら駆けずり回った・・・
いつしかワリオの声は聴こえなくなり、2人の耳は雷雨の音、そして自分達の泣き声に支配されていた。
眼前に広がるは、自分達以外の何も無い「絶望」の世界だった・・・
続く
- Re: スマブライブ!【stage7:荒廃した動物園(4)】 ( No.38 )
- 日時: 2019/09/11 01:25
- 名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: hV/zNhkL)
花陽
「・・・・・・」トボトボ
リュカ
「花陽さん・・・」
・・・さて、一体どれ程の時間を走り続けたのだろうか。
走る体力も泣く気力も失った2人は、「荒廃した動物園」の中をただとぼとぼと歩いていた。
花陽
「・・・・・・っ」ブルブル
『かよちゃん!!危ないっ!!』
ドンッ!!
花陽
「・・・・・・ぐすっ…」ブルブル
ことり
『っ…!!』
バキューン!!
ことり
『』ドサッ
花陽
「ううっ・・・・・・!」クビフリフリ
リュカ
「・・・あの、花陽さん・・・大丈夫ですk」
花陽
「大丈夫じゃないよ!!どうしてこんな目に遭わなくちゃいけないの!?「この世界」に来てからろくなことが無いよ!!」ポロポロ
リュカ
「・・・・・・」オドオド
もう、花陽は身も心も疲れ果てていた。
確かに、花陽は「この世界」に来てからというもの、ろくな目に遭っていない。
天空界・・・
ブン
ピット
『!!後ろ!』
花陽
『へ?』
大・車・輪
ズガガガガ!
花陽
『きゃあああああ!』
ギラーンの不意打ちをモロにくらい、ズタボロにされてしまった。
平地・・・
ウルフ
『これで終わりだあああああ!!』ドォーン!
ドオオオオン!!
ことり・花陽
『きゃああああ~!』
突如ウルフに襲われ、ことり共々「荒廃した動物園」まで吹っ飛ばされてしまった。
そして、荒廃した動物園・・・
バキューン!!
ことり
『』ドサッ
花陽
『あ・・・・・・あ・・・・・・』ガクガク
花陽を庇ったことりが、目の前でフィギュアにされてしまった・・・
特に、これによる精神的ダメージは相当なモノであり、その時の映像が脳裏に焼き付いてしまい、頭から離れない状態にまでなってしまっていた。
花陽
「ことりちゃん・・・ごめんね・・・ことりちゃん・・・」グスグス
また、ことりを犠牲にしてしまった事に大きな罪悪感を抱いており、それもまた花陽の精神を蝕む要因となってしまっていた。
リュカ
「・・・・・・」
一方、リュカ少年はそんな花陽に掛ける言葉が見つからず、ただその場で立ち尽くしていた。
勿論、リュカ自身ネスに助けられたことでここにいるわけであり、その事に少なからずショックと罪悪感を持ってはいるのだが・・・
それ以上に花陽の受けたショックが大きすぎるのだ。
それはそうだろう。花陽はリュカ少年とは違い、親友がフィギュアになる様をハッキリと見てしまったのだから・・・
そんな大きなショックを受け、心に大きな傷を負ってしまった花陽に何と言えば良いのか。リュカ少年にはわからなかった・・・
リュカ
「・・・・・・」コクン
・・・だが、このまま黙っていても仕方がない。
リュカ少年は花陽に話し掛けてみることにした。
リュカ
「・・・あの、花陽さ・・・」
花陽
「ごめん、リュカ君・・・しばらくそっとしておいてくれる?」
リュカ
「・・・あ、うん・・・ごめんなさい・・・」
どうやら、花陽はリュカの思った以上に傷付いていたようだ。
リュカ少年は花陽に言われた通り、しばらく口を閉ざす事にした・・・
花陽
「・・・・・・」トコトコ
リュカ
「・・・・・・」トコトコ
いつの間にか雨も雷も止んでおり、辺りは静寂に包まれている。
荒廃した動物園内には、2人の足音のみが響く。
しばらく、そんな沈黙の時間が続いた・・・
花陽
「・・・・・・」
花陽
「(ことりちゃん・・・)」
花陽の頭の中では、ことりがフィギュアにされる悪夢のような映像が、何度もぐるぐると駆け巡っていた。
とてもショッキングだし、悲しい映像。
しかし、いつしか涙は出なくなっていた。
悲しくなくなったのではない。既に涙が出尽くしてしまったのだ。
花陽
「(私・・・これからどうすればいいの・・・?)」
・・・それが、また悲しかった。
花陽の心は、行き場の無い喪失感と、もう誰も守ってくれる人は、助けてくれる人はいないという絶望感で溢れていた・・・
花陽
「・・・・・・」トコトコ
ガッ!
花陽
「あっ・・・・・・!」ズベシャア!
リュカ
「花陽さん!?」
不意に、沈黙が破られる。
ぼーっと歩いていた事で石ころに引っ掛かってしまい、花陽は盛大に転んでしまった・・・
花陽
「・・・う、うぅ・・・」ポロッ
リュカ
「!」
『かよちゃん!大丈夫!?どこか擦りむいてない!?』
『あっ!ここ血が出てるよ!絆創膏持ってるから、張ってあげようか?』
もし、この場にことりが居たらこんな言葉が花陽にかけられていた事だろう。
しかし、無い。
聞こえるのは、リュカの心配する声のみ。
・・・ことりは、ここにはいない・・・
いなくなってしまったのだ・・・
改めて、頼りになる存在が・・・ことりがいなくなってしまったことを痛感させられた花陽は・・・
花陽
「うぅ・・・うわあああああん・・・」ポロポロ
リュカ
「・・・花陽・・・さん・・・」
気付くと、出なくなったハズの涙が溢れ出していた・・・
花陽
「ことりちゃあああああん・・・会いたいよおおおおぉ・・・」ポロポロ
リュカ
「泣かないで、花陽さん・・・」
そんな花陽を慰めようと試みるリュカ少年・・・
花陽
「だ、だっでぇ~・・・」ポロポロ
リュカ
「僕だって泣きたいよ・・・・・・でも、泣かない。」
花陽
「えっ・・・・・・?」ポロポロ
リュカ
「だって、男の子だもん。ことりさんにも言われたよ。「男の子なんだから、弱音は吐くな」って。」
花陽
「・・・花陽は・・・女の子だもん・・・」ポロポロ
リュカ
「・・・ことりさんは、こうも言ってたよ。覚えてる?」
花陽
「・・・・・・?」ポロポロ
リュカ
「・・・ほら、僕達が「キングのぞう」に追いかけ回される直前に・・・」
(回想)
ことり
『泣かないで、かよちゃん。』
ことり
『凛ちゃんは居ないけど、ことりは居るよ。』
ことり
『だからもう、泣かないで。1人で悩んだりしないで。もっとことりを頼って良いんだよ。ね?』
(回想終了)
花陽
「・・・・・・!!」ポロポロ
リュカ
「・・・今だって、同じだよ。」
リュカ
「ことりさんはいないけど、僕はいる。」
リュカ
「だから、泣かないで。」
リュカ
「花陽さんは・・・1人じゃないから・・・」
花陽
「・・・リュカ・・・君・・・」ポロポロ
リュカの言葉に、花陽は・・・
花陽
「ううっ・・・!!」グシュグシュ
リュカ
「!!」
手で溢れる涙を拭き取り・・・
花陽
「・・・リュカ君の言う通りだよね。」グスン
花陽
「花陽、また同じことやっちゃった・・・」
花陽
「1人じゃないのに、1人で塞ぎ混んで、1人で絶望しちゃってた・・・」
リュカ
「花陽さん・・・!」
花陽
「ごめんね、リュカ君。ありがとう。何とか花陽の事を励まそうとしてくれてたんだよね。」
リュカ
「・・・僕だって、ネス君やことりさんがあんなことになって、悲しいよ。」
リュカ
「・・・でも、弱音吐くなって言われたもん。泣くのだってダメだって思って、必死に堪えてたんだ。」
リュカ
「・・・だ、だから・・・僕・・・何とか・・・花陽さんも・・・泣き止ませて・・・あげよう・・・って・・・」グスッ
花陽
「ふふっ・・・リュカ君は強いね。」
ぎゅーっ。
リュカ
「!!」ポロポロ
花陽
「・・・でもね。泣きたい時は、思いっきり泣いて良いんだよ。」ナデナデ
花陽
「大切なのは、その後自分がどうしたいのか、よく考えること、だよ。」ナデナデ
花陽
「・・・って、花陽の尊敬する先輩が言ってた事だけどね。」ウフフ
リュカ
「うっ・・・ううっ・・・」
・・・実は、リュカ少年が泣かなかったのにはもう1つ理由があった。
過去、彼はさらに辛い出来事を経験していたのだ。
(※詳しくは彼について調べてみればわかります。あまりに残酷なので書くのはやめておきます。)
無意識の内にそれと比較してしまい、それよりは悲しくないから、と泣けなかったのである。
・・・でも、悲しいのは、ショックなのは事実だった・・・
リュカ
「うわあああああ・・・」ポロポロ
花陽
「うん、それで良いんだよ。さっきまで花陽が泣いてた分、思いっきり泣いて。」ナデナデ
リュカが必死に抑えていたモノが溢れ出した・・・
リュカ少年は、先程までの花陽の如く、思いっきり泣いた・・・
・・・しばらくして・・・
花陽
「落ち着いた?」サスリサスリ
リュカ
「・・・うん・・・ありがとう・・・」
リュカも何とか泣き止んでいた。
お互いまだまだ傷は癒えていないが、少しだけ楽になったような、そんな気がした・・・
花陽
「・・・とりあえず、ちょっと歩く?」
リュカ
「・・・そうだね。どっちにしても、ここが荒廃した動物園のどこら辺なのかわからないし・・・」
そう言って、2人が歩き出したその時・・・
ポロッ・・・
リュカ
「・・・?花陽さん、何か落ちたよ?」
花陽
「えっ・・・?・・・本当だ。」ヒョイッ
不意に、花陽の体から何かが落っこちる。
花陽
「これは・・・・・・リボン・・・?」
それは、リボンだった。
花陽のイメージカラーである、緑色のリボン・・・
わっかがついており、髪の毛を纏めるのに使えるリボンだ・・・
リュカ
「・・・それ、花陽さんの・・・?」
花陽
「・・・ううん、花陽のじゃないよ。・・・でも、どこかで見たような・・・」
リュカ
「そっか~・・・うーん・・・」
花陽は、そのリボンに見覚えがあったが、どこで見たのかは思い出せない。
花陽
「・・・まあいいや。誰かの落とし物かもしれないし、持っておこう。落とした人が近くにいるかもしれないしね。」
リュカ
「・・・あの、花陽さんから落ちたから、誰かの落とし物っていうのは違うと思う・・・」
花陽
「あ、あはは・・・それもそうだね・・・でも、見覚えはあるし、持っておくよ。」スッ
花陽はリボンを無くさないように、手首に通した。
リュカ
「いいの?勝手にはめて・・・」
花陽
「仕方無いじゃん。このスーツ、ポケットとか無いし。」
リュカ
「そ、そうだね・・・」
花陽
「ちょっとゴムの部分が伸びちゃうかもだけど・・・髪の毛につける分には問題ないよね?」
リュカ
「・・・僕はわからないけど・・・」
花陽
「・・・あ、そっか・・・あはは・・・」
段々、会話も笑みも増える2人。
2人は、ネスとことりを失った絶望から、少しずつ立ち直ろうとしていた・・・
・・・そうして、お互い気を紛らわすために色々と話ながら歩き続け、少し経った頃・・・
ドン!
リュカ
「わっ!」
花陽
「リュカ君!?」
不意に、リュカが何かにぶつかる。
「!!・・・君たち、そこから動かないで。」
花陽・リュカ
「「・・・・・・!!」」
・・・それは、人だった。
黄色のようなバッグに、青いズボン、赤いジャンパーに帽子の少年だ。
・・・一応言っておくがネスではない。
花陽・リュカ
「「(それはわかってるよ!!)」」
ガサガサガサ…
花陽
「!!」
リュカ
「あっ…!!」
次の瞬間、動くなと言われた理由がわかる。
影虫だ。
プリム
「」ガサガサ
プリム
「」ガサガサ
プリム
「」ガサガサ
影虫から、大量のプリムが産まれる。
花陽
「・・・・・・っ」ブルッ
リュカ
「・・・・・・」ビクッ
ことりと、ネスと。
短い時間といえど、共に戦った記憶が甦り、怯んでしまう2人。
「大丈夫。そこで見ていて。」スッ
そんな2人の前にいる少年はそういうと、何やら取り出した。
赤と白の2色に振り分けられた、球体状の何かだ。
ブンッ
その球体をおもむろに投げる少年。
すると・・・
ポン!ピシャリン!
球体から光が放たれ・・・
「ゼニ!」
そこから、見たことのない生物が現れた。
まるで、水色のカメのような生物が・・・
「ゼニガメっていうんだよ。」
少年が生物について説明する。
「・・・あ、僕が名乗ってなかったね。」
へへっ、と無邪気に笑う少年。
「・・・とはいえ、「この世界」で名乗る名前は無いんだよね。一応皆からは・・・」
ゼニガメ
「ゼニ!」
「このゼニガメをはじめとする、ポケットモンスター、縮めてポケモンっていうモンスターで戦うトレーナー。略して・・・」
ドン!
[ポケモントレーナー]
ポケトレ
「ポケモントレーナーって呼ばれてるよ。気軽にトレーナーさんって呼んでいいよ。」
花陽
「は、はいっ!わかりました!・・・あ!私は小泉花陽っていいます!こっちの男の子が・・・」
リュカ
「リュカです。よろしくお願いします。」
ポケトレ
「小泉さんとリュカ君だね。よろしく。・・・・・・っと、いってる場合じゃないみたい。」
無数のプリム
「「」」ウヨウヨ
花陽
「ひっ…」
リュカ
「たくさんいる…」
いつの間にか、プリムの数はとつてもなく増えていた。
遠くには、別の敵の影もみえる。
ポケトレ
「倒さないと・・・君たちも「この世界」にいるからにはファイターなんだよね?手伝って。」
リュカ
「・・・あ、あのっ・・・!」
花陽
「そのっ・・・!私たち、今は・・・!」
まだ傷が癒えていない2人は、あまり戦いたくないのだが・・・
ポケトレ
「それじゃあ、いくよ!ゼニガメ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」スタッ
花陽・リュカ
「「(ダメだこりゃ~!!)」」
先頭本能の疼く少年は、聞く耳を持たなかった・・・
花陽
「・・・嫌だけど、戦うしか無いね・・・」
リュカ
「・・・う、うん・・・」
・・・後から思えば・・・
これが2人の・・・「新たなるスタート」だった・・・
続く
- スマブライブ!【stage7:荒廃した動物園(5)】 ( No.39 )
- 日時: 2020/02/07 00:11
- 名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: i8MUn/7P)
♪戦闘!野生ポケモン(ポケモンdpスマブラXアレンジ)
ポケトレ
「ゼニガメ!いけっ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ダッ
ドカッ!ドカッ!
プリム
「」ドーン!
プリム
「」ドーン!
ゼニガメはトレーナーの合図にあわせ、小さな手足でプリムをやっつけていく。
花陽
「うぅ~・・・ぼーっとしててもやられちゃうだけだし、やるしかないよ!」
リュカ
「う、うん!」
一方、意を決した2人もいやいやながらプリムと対峙する。
花陽
「プリムさん!花陽が相手だよ!」ポチッ
シャキン!
早速ビームソードを取り出す花陽。
花陽
「・・・・・・あっ…」
ーーーーー
(回想)
シャキン!
ことり
『わわわ!びっくりした~・・・』
花陽
『ピャア!?何それ!?』
ーーーーー
花陽
「っ・・・!」ブルブル
ふと先程初めてビームソードを取り出した時の事を思い出す花陽・・・
脳裏にことりの影がちらつく・・・
リュカ
「花陽さん!!」
花陽
「!!(ハッ)ご、ごめん!やるよ!」ダッ
リュカ
「うん!」ダッ
リュカの声で我にかえり、ビームソードでプリムと戦う。
ポケトレ
「・・・・・・」
ゼニガメ
「ゼニ?」
ポケトレ
「・・・あ、ごめん。なんでもないよ。『アクアジェット』!」
ゼニガメ
「ゼニ!」プシュー!
プリム
「」ドーン
プリム
「」ドーン
花陽
「えーい!」ズバッ!
リュカ
「PKフリーズ!」ピキピキ
プリム
「」ドーン
プリム
「」ドーン
ブーメランプリム
「」トコトコ
アロアロス
「」パタパタ
リュカ
「あのプリム、ブーメラン持ってる・・・」
花陽
「あのプリムにも痛い目に遭わされたなぁ…」
ーーーーー
(回想)
ドカッ!
花陽
『うぁっ!?』ガクン
ことり
『かよちゃん!大丈夫!?』
ーーーーー
花陽
「・・・・・・」
シュルル…
リュカ
「花陽さん危ない!」ドンッ
花陽
「わわっ!(スカッ)ご、ごめんね!」
ブーメランプリム
「・・・」シュルル
アロアロス
「・・・」シュー ドカン!
ゼニガメ
「ゼニ!?」
ポケトレ
「何だあの鳥!?『ハイドロポンプ』!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ゴオォ
アロアロス
「・・・」ドーン!
ポケトレ
「よし!あの鳥も倒せた!いいぞゼニガメ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
花陽
「鳥・・・・・・ことりちゃん・・・・・・」
『かよちゃん!』
花陽
「っ・・・!」ブルブル
リュカ
「花陽さん!」
花陽
「!(ハッ)・・・リュカ君・・・」
またもやことりの影がちらつき、ついぼーっとしてしまった花陽・・・
リュカ
「・・・大丈夫?さっきからぼーっとしてること多いけど・・・」
花陽
「・・・ごめんね。無意識にことりちゃんの事ばっかり考えちゃって・・・」
リュカ
「・・・僕だって、ネス君の事・・・でも・・・」
花陽
「わかってる。大丈夫・・・大丈夫だから・・・」ブルブル
リュカ
「・・・・・・」
「大丈夫」と言いつつ震える花陽。
リュカ少年はそれを不安げに見つめるしかなかった・・・
トコトコ…
ポケトレ
「!?・・・何だ!?」
ゼニガメ
「ゼニ!?」
フロウス
「」フワフワ
少し進むと、そこには禍々しいオーラを放つ、半透明で人形のモンスターがいた。
花陽
「ピャア!?何あれ!?」
リュカ
「・・・わからない、僕も初めてみた・・・」
ポケトレ
「(確か名前はフロウス・・・特徴としては・・・)
一気にせめるよ!『ハイドロポンプ』!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ゴオォ!
フロウス
「・・・」ズズズ
花陽
「!?・・・何これ!?すぐに傷が直って・・・」
リュカ
「・・・?」
ポケトレ
「間髪入れずに攻撃しないとすぐに体力を回復しちゃう厄介なやつなんだよ。」
花陽
「そっか・・・ならこれで!」トンッ
花陽は近くにあった足場から高く飛び上がり・・・
花陽
「えいっ!」ズバッ!
フロウス
「」ドーン!
思いっきり上からビームソードで叩き斬る。
ポケトレ
「おぉ~・・・」
リュカ
「花陽さん、すごい!」
花陽
「えへへ・・・♪」
ことり・花陽
『『純粋少女の一撃!!』』ズバァッ!
花陽
「っ・・・!」ブルブル
ポケトレ
「!?・・・大丈夫かい!?」
またもやちらつくことりの影・・・
リュカ
「・・・ごめんなさい、僕達ちょっと色々あって、精神的に弱ってるというか・・・」
ポケトレ
「・・・そっか。なんか巻き込んでごめんね。無理はしないようにね。」
花陽
「・・・大丈夫です。」
リュカ
「花陽さん?」
花陽
「大丈夫・・・大丈夫・・・」
リュカ
「・・・・・・」
悲しい気持ちを抑え、大丈夫だと自分に言い聞かせる花陽。
それに気付いたリュカは、心を痛ませながらも何も出来なかった・・・
・
・
・
ドーン! ドーン!
出てくる敵を倒しつつ進む3人と一匹。
また少し進んだところで・・・
ドーン!!
プリム
「・・・」スタッ
プリム
「・・・」スタッ
ブーメランプリム
「・・・」スタッ
リュカ
「えっ?何!?」
ポケトレ
「ロックゾーン・・・出てくる敵を全て倒さないと進めないギミックだよ。」
花陽
「ロックゾーン・・・」
平地でもあったな、と思い出す花陽。
ポケトレ
「ゼニガメ!倒すよ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ダッ
花陽
「リュカ君!」ダッ
リュカ
「うん!」ダッ
ドーン! ドーン!
ロックゾーンの敵を倒していく一同。
ブーメランプリム
「・・・」スタッ
フロウス
「・・・」スタッ
リュカ
「うわぁ…いっぱい出てきた・・・」
花陽
「ふぅ…頑張らなきゃ…」
リュカ
「・・・」
ポケトレ
「ゼニガメ、大丈夫?」
ゼニガメ
「ゼニゼニ!」
ポケトレ
「よし!引き続き頼むよ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
ドーン! ドーン!
更に出てきた敵達も撃破する。
ザーン!
ポケトレ
「よし、進めるようになった!」
花陽
「いきましょう!」
ロックゾーンを攻略した一同はさらに進んでいく・・・
・
・
・
リュカ
「建物の中に入ったね。」
花陽
「動物園だから、水族館みたいなエリアだったのかな?水が張られてるし・・・」
少し進んで建物内に入った一同・・・
ドーン!
バイタン
「」スタッ
バイタン
「」スタッ
バイタン
「」スタッ
花陽
「またロックゾーン・・・って、何ですかこれ~!?」
続いてのロックゾーンで出てきたのは、どっかのポケモンのような球状のモンスター。
ポケトレ
「バイタンだ!倒さないとどんどん増幅していくから、手分けして一気にいくよ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
リュカ
「う、うん!」
花陽
「はい!」
バイタン
「」ポコッ
バイタン
「」スタッ
花陽
「ピャア…本当に増えてる~・・・」
ポケトレ
「早く倒すよ!」
ドーン! ドーン!
ポコッ! ポコッ!
ドーン! ドーン!
ポコッ!
花陽
「キリが無いよぉ~・・・」
ポケトレ
「仕方無いな・・・『ハイドロポンプ』!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ゴオォ!
ドーン!
ザーン!
リュカ
「す、すごい・・・!」
ポケトレ
「ゼニガメとは長い付き合いだからね。」
ゼニガメ
「ゼニゼニ!」
ポケトレ&ゼニガメの活躍でバイタンを撃破し、一同は更に進んでいく・・・
・
・
・
亜空ホール
「」ズモモモ…
リュカ
「!?・・・何!?」
ポケトレ
「亜空ホール。壊さないと敵が無限に出てくるやつだよ。ほら。」
ガルサンダー
「」コロコロ
花陽
「本当だ~・・・というかあの敵、前にビリビリさせられた敵だよね・・・」
ことり
『大丈夫?』
花陽
『うぅ・・・ビリビリしたけど、何とか・・・』
花陽
「っ・・・!」ブルブル
リュカ
「花陽さん!?」
花陽
「大丈夫・・・大丈夫だから・・・」
やはり、脳裏にはことりの影があるようだ・・・
ポケトレ
「ここは無視出来そうだし、先に進むよ。」
リュカ
「はい!花陽さん!」
花陽
「う、うん!」ダッ
一同は更に動物園を進んでいく・・・
・
・
・
リュカ
「疲れた~・・・敵が多いよ~・・・」
ポケトレ
「きっともう少しだから頑張って。」
再び外に出てきた一同・・・
♪戦闘!ギンガ団!(スマブラXアレンジ)
ブーメランプリム
「・・・」トコトコ
リュカ
「えいっ!」ドカッ
ドーン!
花陽
「えっと・・・どうやって進めば良いのかな?」
ポケトレ
「このバネを使えば、上にある足場にいけるよ。」
花陽
「そうなんだ!・・・えいっ!」
ピョーン!
花陽
「うふふ・・・おもしろーい!・・・・・・!!」ハッ!
ブーメランプリム
「・・・」トコトコ
テキン
「・・・」チュピピピ
テキン
「・・・」チュピピピ
花陽
「・・・テキン・・・・・・」
テキン
「チュピピピ!」トサカコウゲキ!
花陽
「・・・あっ・・・あぁ・・・・・・」ブルブル
ことり
『ちゅんちゅん!』トサカコウゲキ!
花陽
「うぅ・・・うあぁ・・・・・・!!」ポロポロ
ピョーン!
リュカ
「ふぅ・・・!?花陽さん!?どうしたの!?」ドーン!
テキン
「チュピピピ…チューピピピ!」
花陽
「うぅっ・・・うわああぁぁぁぁん・・・」ポロポロ
ピョーン!
ポケトレ
「えっ!?小泉さん、どうしたの!?」
リュカ
「わからないんです・・・僕が来たときはもう・・・・・・!!」
テキン
「チュピピピ!」トサカコウゲキ!
ポケトレ
「っ・・・ゼニガメ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」ドカッ!
テキン
「チュピピピ…チューピピピ!」
リュカ
「・・・そっか。今の攻撃、ことりさんも・・・」
ポケトレ
「えっ?」
花陽
「ことりちゃん・・・やっぱり花陽、ことりちゃんがいないと・・・!」ポロポロ
リュカ
「花陽さん、泣かないで・・・」
花陽
「ことりちゃん・・・会いたいよぉ・・・」ポロポロ
リュカ
「・・・花陽さん・・・・・・」
ポケトレ
「・・・」
ゼニガメ
「・・・ゼニ?」
ポケトレ
「しっ。」
花陽
「うぅっ・・・ことりちゃん~・・・・・・ことり・・・ちゃん・・・?」
リュカ
「・・・えっ?」
突然泣き止む花陽・・・
花陽
「・・・そっか。このリボン、ことりちゃんのだよ・・・!」
リュカ
「えっ?・・・あっ!」
その理由は、リボンだった。
先程拾った、緑色のリボン・・・
ようやく思い出した。
これはことりがよく髪の毛につけている、あのリボンだ・・・!
花陽
「・・・そっか。花陽を庇ってくれた時に、弾みで取れちゃったんだね・・・」ギュッ
リュカ
「花陽さん・・・」
リボンを大事そうに抱き締める花陽・・・
花陽
「・・・ことりちゃんは、ずっと近くに居たんだね・・・」
リュカ
「・・・」
花陽
「・・・リュカ君、ごめんね。」
リュカ
「花陽さん?」
花陽
「花陽、もう泣かないよ。だって、「ここ」にことりちゃんがいる・・・
このリボンを見るだけで、そう思えるから・・・」
リュカ
「・・・・・・」
花陽
「・・・それから、目標が出来たよ。」
リュカ
「目標?」
花陽
「ことりちゃんを助ける。それでこのリボンを返すんだ。」
花陽
「・・・そのために、強くなる。」
花陽
「もう、誰にも、何にも負けないように。身も、心も。」
花陽
「花陽は・・・強くなる!」
リュカ
「花陽さん!」
♪Oh,Love&Peace!
花陽
「そうと決まったら・・・いくよ、リュカ君!」
リュカ
「はい!」
タッタッタ・・・
ポケトレ
「・・・」
ゼニガメ
「ゼニ?」
ポケトレ
「・・・よくわからないけど、元気になったみたいで良かった。」
ゼニガメ
「ゼニ・・・」
ポケトレ
「僕達もいくよ、ゼニガメ!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
タッタッタ・・・
ブーメランプリム
「・・・」トコトコ
ファイアプリム
「・・・」トコトコ
フロウス
「・・・」フワフワ
花陽
「えいっ!」ズバッ!
リュカ
「PKサンダー!」ビリビリ
ドーン!
ゼニガメ
「ゼニ!」ドカッ!
ドーン!
花陽
「えへへ・・・♪」ニコニコ
リュカ
「(良かった・・・元気になってくれて・・・)」
リュカ
「(僕も頑張らないと・・・ネス君を助けるために!)」
ピョーン!
ドーン!
ブーメランプリム
「・・・」トコトコ
ファイアプリム×2
「・・・」トコトコ
テキン×2
「・・・」チュピピピ
花陽
「リュカ君!倒すよ!」
リュカ
「うん!」
ポケトレ
「ゼニガメも!」
ゼニガメ
「ゼニ!」
花陽
「えーいっ!」ズバッ!
リュカ
「それっ!」ドカッ!
ゼニガメ
「ゼニ!」プシュー!
ドーン!!
ポケトレ
「よし!ロックゾーンを突破した!」
花陽
「進もう!」
リュカ
「うん!」
ピョーン!
花陽
「よいしょっ・・・と。・・・あっ!」
キラキラ…
リュカ
「この光は・・・」
ポケトレ
「荒廃した動物園の一番奥まで来たみたいだね。
もう敵もいないみたいだし、大丈夫かな?」
花陽
「ですね!」
リュカ
「うん!」
ポケトレ
「手伝ってくれて、ありがとうね。」
花陽
「いえ、私達も・・・お陰で元気になれたし。ね?」
リュカ
「うん!」
ポケトレ
「それじゃ、僕はそろそろ行くね。」
花陽
「どこに行くんですか?」
ポケトレ
「遺跡だよ。僕の捕まえたいポケモンが住みかにしてるって情報をゲットしてね。」
花陽
「遺跡ですか・・・」
リュカ
「花陽さん?」
花陽
「・・・あのっ!花陽達も連れていってください!」
ポケトレ
「!」
リュカ
「えっ?花陽さん!?」
花陽
「花陽達、助けたい人がいて・・・でも、今何処にいるとかはわからないんです。
だから、とりあえずトレーナーさんと一緒に色んな所にいって、その助けたい人を探すついでに強くなれたらなって・・・」
ポケトレ
「・・・そっか・・・・・・」
リュカ
「花陽さん・・・」
花陽
「・・・ダメ、ですか?」
ポケトレ
「・・・いいよ。人数が多い方が楽しいしね。」
花陽
「トレーナーさん!」
ポケトレ
「小泉さん・・・いや、花陽ちゃん。それからリュカ君。
これからよろしくね。」
花陽
「はい!」
リュカ
「よろしくお願いします!」
ポケトレ
「じゃあ行こうか。遺跡はこっちだよ。」ザッ
花陽
「はい!」タッ
リュカ
「は、はい!」タッ
・・・こうして、大きな悲しみを乗り越えた花陽とリュカは・・・
更に強くなるべく、そしてことりとネスを助けるべく・・・
ポケモントレーナーと共に、新たなる旅路へと向かうのだった・・・
【stage clear】
【stage8:戦場の砦】に続く