二次創作小説(新・総合)

ふすデザ・家計 ( No.19 )
日時: 2018/08/18 16:54
名前: 麻ふすさん (ID: 2cRnojto)

※日常回
いとデザの影響で暗黒物質の日常書くの凄い新鮮
あっゼロマタの過去編書かないと……((



「……今日は、卵が安いな」
「はい?」

突然ゼロが呟いた言葉に、思わず聞き返すダークマター。
ここはとある星の辺境にある、暗黒物質達の集落。
ゼロは上の空でまだ呟いている。

「ここ最近は……お惣菜の値引きを渋ってるな……あの店長……」
「あの、ゼロ様」
「粘っても20%引きだからな……前までは30%いったのに」
「あの」
「でも最近は魚がお買い得だ……カツオ2匹……」
「ゼロ様」

ダークマターがドスの聞かせた声をあげると、ゼロはようやくその存在に気付く。

「……ダークマター、どうかしたか?」
「どうかしたか、じゃないです。今はセールの話をする時ではありません」
「いや、すまん……最近どうも食費がな……」
「……」

一応ゼロは、暗黒物質を統べる親玉。
そんな立場の者が、食費の事を気にするなど……。

「はぁ……」
「今呆れたな、私に」
「主がこんなんだったらさすがに呆れます」
「なぜだ。私は一族の長として家計を大切にしてるんだぞ?」
「その点については別にいいのですが。会議中には考えないように」
「あ……そうか、今は会議中か」

ゼロは本当にその事を忘れていたらしく、手のひらをぽんっと叩いた。

「チッ……」
「今舌打ちしたよな」
「なんで本当に……この一族はこんな奴らばっかなんですか」
「お前が言いたいのは私とミラクルマターの事だろう」
「よく分かりましたね」

ダークマターは皮肉を込めてそう言う。

「私はともかく」
「はぁ」
「ミラクルマターは……あいつには、そろそろお灸をすえねば」
「何度も何度もすえてアレなんじゃないですか。あの女たらし」
「……はぁ、今日もどうせどこかでナンパ中だろうな」

その時、会議室の扉が開いた。

「ダークマター様!女たらしを捕まえてきました!」
「あぁ、ご苦労だったな、ダークゼロ」

声の正体は、片手で白い誰かを掴んでいる、黒いジャージの青年。

「皆さん会議お疲れ様です」
「今はゼロ様のおかげでストップしている」
「あー……なるほど」

状況を理解したのか、それ以上ダークゼロは詮索しなかった。
それから、片手に持っていた白いものを投げ捨てる。

「今日は気持ちが変わったんでしょうかね、川で石積んでました」
「川で石積んでた……?」
「フラれでもしたんじゃないか?」

ダークマターが白いものの前に立つと、白いものはむくりと起き上がった。

「ミラクルマター」
「……?アッはい!なんでしょうか!」

ミラクルマターは目の前に立っている人が誰かを認識すると、姿勢を正し正座をした。
心なしか少し肩が震えている。

「今日は……仕事を言い渡したはずだが」
「はい!」
「終わらせてきたんだろうな?」
「それはもちろん!終わりました!」

精一杯の大きな声で伝える。

「ふぅん……またどうせサボってナンパしてたのかと思ったぞ」
「滅相もございません!きちんと終わらせてきました!」
「じゃあひとつ聞くが」
「なんでしょうか!」
「なぜ川で石を積んでいたんだ」

ダークマターがそう聞くと、ミラクルマターは飛び上がった。

「正直に言ってみろ。俺は怒らないからな」
「……あの、実はですね、石を高く積んで女子ウケを狙ってました」
「………………」
「お、怒らないって言いましたよね!?」
「……お前の思考回路には呆れたもんだ」

すると、いきなりガタッと椅子を鳴らす音が聞こえた。

「……ゼロ様?」
「ダークマター!大変だ!」
「何が起きたと言うのですか」
「タイムセールだ!」
「は?」
「今日は鶏肉と卵のタイムセールがあるんだ!おひとり様1点限り!!」

必死の形相で訴えるゼロに対し、終始真顔なダークマター。

「はぁ」
「さぁ行くぞ!お前も来てくれれば2個買える!50%offだ!!」
「…………………………」

ただひたすら沈黙していたダークマターの腕を掴み、ゼロは部屋を出ていった。
後に残された面子は、ただただお互いの顔を見合うしかなかった。




(なぜか知りませんがふすゼロ様は家計を大切にする親玉です。
ダークマターはとある事情からゼロ様に忠誠をあんまり誓ってません。
ダークゼロは弱いけど仕事が出来て、
ミラクルマターは強いのに女たらしで仕事しない奴です)