二次創作小説(新・総合)
- ????・もしもの話 ( No.22 )
- 日時: 2018/08/25 02:50
- 名前: 麻ふすさん (ID: PFFeSaYl)
※4つの世界観のどれでもない、失われし世界のお話。
「ねぇ、もしもさ、僕達以外にも「僕達」がいたら、面白くない?」
「ハァ?なに言ってんノ」
淡い紫色の髪の毛を、左側に寄せてリボンで結んだ少女が、
黒く長い髪の毛をふたつに分けて、歯車のようなゴムで結んだ少女に問いかける。
「だから、僕達以外の僕達」
「それが訳分かんないんダヨォ。頭でも打ッタ?」
「物分りの悪い奴なのサ」
「ハァ!?キミよりかは!物分りイイと思うんだケド!」
黒髪の少女がむきになると、紫髪の少女はにっこり笑う。
「ふふ、まぁ説明してあげるけどサ、
僕達以外の僕達っていうのは、まぁ簡単に言うと……パラレルワールドみたいな」
「パラレルワールド?そんなモノホントにあるのカイ?」
「だーかーら、これはあったら面白いなって話なのサ」
「ふーん……キミにしてはつまらない話するネェ」
黒髪の少女は適当にあしらうと、その場を立ち去ろうとした。
「待ってまって。話はこれからなのサ」
「まだ続くのカイ?」
「うん。パラレルワールドの僕達は、全く違う僕達なのサ」
「なにソレ」
「ある世界の僕達はとても仲がいい。
ある世界の僕達はとても信頼しあってる。
ある世界の僕達はとても仲が悪い。
またある世界の僕達は……って」
紫髪の少女がそう言うと、黒髪の少女は明らかに嫌そうな顔をした。
「ウワッ、なにそれ、やっぱり頭打ったヨネェ」
「違うのサ。実際にありえる事」
「あったらイイなーって、幻想の事じゃナイノ?」
「そうそう、これはほんとにある」
「変に言い切っちゃッテ。キミらしくないネェ。確証でもあるのカイ」
半分からかいのつもりで黒髪の少女が言うと、紫髪の少女はうなずく。
「あるよ」
「ヘェ……」
「興味わかない?」
「残念ながらネェ」
黒髪の少女は今度こそその場を立ち去ろうとする。
「じゃあ最後にひとつ」
「まだ何かあるのカイ?」
「これで最後」
紫髪の少女も立ち上がり、黒髪の少女を見て言った。
「僕達が僕達であるとは限らないのサ……僕達は別の誰かになる」
「ハァ?ちょっと、どういう事ダヨォ」
「ふふ、これが最後だって」
紫髪の少女は黄色く縁取られた煌めきの羽を展開すると、
空へと飛び立っていく。
「……結局、なんの話だったノ?」
黒髪の少女は理解出来ず、とりあえず歩き始めた。
「別の誰かッテ……ボクは、ボクじゃいられないってコト?」
急になんだか不安になってきた。
まるで、自分が自分ではいられなくなってしまうような、底知れない恐怖感。
「……別の誰か……カァ。じゃあ、ボクは誰になるのカナァ」
恐怖を紛らわす為に、小さく笑ってみた。
(旧デザはかかデザの世界観や人物に大きく関わってくる世界です。
失われし世界、という言い回しについてですが、
旧デザの世界が、その世界軸のカービィがバットエンドのまま「諦め」
そもそもなかったものにされてしまったからです。
ちなみに旧マルはかかカビに、旧マホはかかメタになっています。)