二次創作小説(新・総合)

ふすデザ・雨の日 ( No.3 )
日時: 2018/08/08 02:11
名前: 麻ふすさん (ID: PFFeSaYl)

「ウワー……こりゃ本降りダネェ」

青い船の中から、窓を覗き込む角付きフードの青年。

「あら、大丈夫なの?」

それを横から覗き込む、水色の長い髪の毛が特徴の女性。

「えぇー?ぼくちん、びしょ濡れになって帰るの嫌だからね?」

その後ろで、椅子に座り紅茶を啜っている、紫と黄色の三角帽子を被った青年。

「……魔法で雨弾けばいいんじゃない?」

その向かいに座り、分厚い本を読んでいる赤と青の道化師の帽子を被った青年。

「ワタシ、早急に帰らなければいけないのですが……」

辺りをうろうろしている、銀髪と黄色い角が特徴の男性。

「……キミ達サァ、人の船の中でチョット自由過ぎじゃないカイ?」
「だって、マホロアが呼んでくれたんじゃない」
「ドロシアー、紅茶おかわりー」
「グリル、もう5杯目なのサ」
「そう言うマルクさんも、その本6周目ですよね?」
「あーモウ!タランザからも何か言ってヨォ!唯一の常識人ナノニ!」

マホロアは心底不機嫌な顔をして言った。

「さっさと帰れヨォ」
「雨降ってるし」
「魔法で避けて帰れるンダロ!」
「でも、寒いじゃない」
「ドロシアが1番暖かそうな格好なんだケド」
「ワタシは今すぐにでも帰りたいんですけど」
「あぁあ……アノネェ、このまま居座られるとアレが……」

マホロアがそう言いかけた時、部屋の奥のドアが勢い良く開いた。

「あらぁ……呼びました?マスター……」
「ローアが……来ちゃったジャン!」
「来ますよ、此処は私が、全部管理してるんですから」

青く輪郭線の光った、ホログラムのローアが優しく語りかけてくる。

「安心してください、各家までは異空間ロードで送り届けます」
「あ、どうも」
「それとマスター」

ローアはくるっとマホロアに向き直った。顔が怖い。

「いつも言ってますよねぇ……船に誰かを呼ぶ時は一声かけてくださいって……」
「ご……ごめんっテバ……でも今日はさ、皆を誘ってからローアに一声かけようト思ったんだケド!そ、その前に皆ガ来たカラ……」

何故か行動だけは速い魔法使い組。

「……まぁいいでしょう。嘘は言ってないみたいですから」
「ウン……」
「でも、次にこういう事があったら……絶対許しませんからね」
「ウゥ……ハイ……」

ローアはにっこり笑うと、また皆の方を見た。

「さぁ、じゃあ家まで送らせてもらいますね」
「はーい」

皆が部屋から姿を消すと、マホロアは大きなため息をついた。

「ハァアアァ…………、ローアって、ボクの従者ダヨネェ……?」