二次創作小説(新・総合)

かかデザ・身長 ( No.43 )
日時: 2020/11/10 02:09
名前: 麻ふすさん (ID: PLnfHFFW)

※かかデザのあんこ達書くの楽しすぎないか?





「………………」

今朝からゼロは真っ赤な単眼をぎらつかせたまま一言も喋らない。椅子に座ったままなにも喋らない。
その横でダークマターは一言も発さずゼロを見つめている。

「……なぁ、あれ」
「?」
「ミラクルマター、あれ、何があったんだ?」

部屋の外から首だけを覗かせたダークマインドが聞くと、ミラクルマターはフォルムチェンジをした。
白い髪が燃えるような赤に変わり、瞳の色もピンクに近かった赤から鮮血の赤に。
ファイアのコピーをベースにしたものだ。以前までは変身は戦闘の意思がなければ出来なかったが、近頃成長したのか好きな時に変身出来るようになった。
今はゼロツーが訳あって不在なので、戦闘時ではないが言葉を使う為に変身する。

「ゼロ様は……今落ち込んでおられるのです」

普段は聞けない凛とした声でミラクルマターが言う。

「落ち込む……?」
「あれは早朝の出来事でした……」


「あー!」

ゼロツーが、ゼロの横に並んでそう叫んだ。

「なんだ……耳元で叫ぶな」
「うふふ、私、いつの間にかゼロの身長抜かしてる!!」


「まじで言ってんのか?」
「私は嘘をつきません」
「いや、知ってるけど……ゼロ様、あれ仮にも俺達のリーダーだよな?ゼロツー様に身長抜かされたぐらいで落ち込むのか……?」
「ダークマインドさん」
「おう」
「貴方は身長が高いので分からないでしょうが……ゼロ様は男性、ゼロツー様は女性でおられます。ましてや立場的にはゼロ様の方が上であります。……身長が低いというのは、ゼロ様の長としてのプライドが傷つくのです。
リーダーだからこそなのです」
「そうなのか……」

ダークマインドは戸惑いながらもゼロに目線を戻す。
まとまらない会議の時もあれぐらいの威圧感を出してくれたらな、と思いつつミラクルマターに再び問う。

「ミラクルマター、お前すんなり変身したけどゼロツー様はどうしたんだ?」
「身長を縮める方法を探しに宇宙の果てまで」
「なんでそんな必死になってるんだよ……」

ゼロツー様は優しいですから、とミラクルマターは言う。

「ゼロ様は男性にしては身長低めだし、ゼロツー様は女性にしては身長高めだもんな……」
「身長が低いと格好がつかないと、泣きわめく寸前でした」
「それは嘘だろ」
「本気です。泣きそうでした」
「意外なところでプライドって崩れるんだな……」
「…………何してるんだ二人とも、家政婦ごっこか?」

廊下を通りかかったネクロディアスが後ろから話しかけてきた。

「ゼロ様を見ている」
「殺人現場か」
「違います」

ミラクルマターが再び同じ説明をネクロディアスにする。
それを聞いたネクロディアスは申し訳なさそうに一言、

「阿呆みたいだ」
「俺も思った」
「実を言うと私も少し」

するとネクロディアスは腕を組んで唸った。

「まぁ、でも……分かるっちゃ分かるよ。俺も……ダークマインドに、途中からどんどん抜かされてさ」
「昔は同じぐらいだったのにな」
「個体差は残酷です」
「もうこれは俺達が全員屈みながら生きるしかないか」
「気使われすぎて逆に病みそうだ」
「難しいなぁ」

そんな会話をしているうちに声が大きくなっていたのか、後半は内容がだだ漏れになっていた。
その為、いつの間にか3人の背後にゼロがいた。

「お前ら」
「うはぁ!?」
「なにさっきからこそこそしてるんだ」
「え!?いやいやもうなんか全然なんもないです」
「なーにが何もない、だ。別に私は………………別に私は、ゼロツーに身長を抜かされてあんなになってた訳じゃあないからな」
「ほんとにですか?」

ミラクラマターは、じゃあ今の沈黙はなんだ、と言いたい顔でそう聞く。

「ほんとだ」

ゼロはわざとらしく咳払いをすると、「この話はもう終わりだ」と言ってしっしっと手をはらった。

「そういえばゼロツーはどこに行ったんだ?」
「今頃宇宙の果てで頭でも打ちながら身長を縮めているのではないでしょうか」
「ゼロツーーー!!!」


「なに皆で深刻そうな顔してるの?」
「いや、お前が身長縮めようと頭を打ち付けてるんじゃないかって……」
「そんなことしないよ……私、ちょっと散歩行ってただけだもん」

そうゼロツーが言ったので、ダークマインドはちらりとミラクルマターを見やる。

「……」
「……」

目をそらされた。
昔はこんなジョークを言う奴じゃなかった。こいつも変わったな、と思いつつ、後で絞めてやろうかとも思う。

「…………あれ?もしかしてゼロ、私に身長抜かされて落ち込んでたの?」
「そ……そんな訳ないだろうが。ちょっと考え事してただけだ。いや、ほんとだぞ」
「そうなんだー」
「……そうだ」





(やばいね。楽しいんだ書くのが。まぁ、次は別の書こうかなって思うけど、
最近シリアス書いてないですね。シリアス書く体力ないです)