二次創作小説(新・総合)

かかデザ・髪の毛 ( No.45 )
日時: 2020/11/10 02:07
名前: 麻ふすさん (ID: PLnfHFFW)

※かかマホくんをデザ変したのでそれにまつわるお話をもそもそと。
かかカビくんはわりと男らしかったりします。
そういえば終着点のお話を結構考えてたりするけどなかなか形に出来てません……





これは今からすこし前のお話。
まだ滑稽な魔術師が、悪魔の星の戦士を騙している最中のお話。


魔術師―マホロアは、浅めに被ったフードを邪魔そうにとっぱらって、不機嫌そうな顔でスクリーンを睨んでいた。
暑いのか、手袋を外した白い両手で忙しなくキーボードを叩く。
今カービィ達は冒険に行っており、天駆ける船ローアの中には彼のみ。
ローアの自我プログラムも居るにはいるが、彼の主人がこうも不機嫌な時は外に出てこないだろう。

「ハー……スフィア54%……ランディアを目前にシテ、スフィアの集まりが悪いナァ……」

マホロアは何回かため息をつくと、怒っても仕方が無い、とスクリーンの電源を落とす。

「マァ、カービィ達はボクのタメに頑張ってくれてるシ……ハルカンドラに近づくにツレテ、敵も強くなってたシ……スフィアはアクマでもオマケだもんネェ。
あればイイナァ、くらいのモノだシ」

近くにあった椅子を引き、どかっと乱暴に座る。
その際、恐らく切るのが面倒だから放置しているのであろう長い金髪がはらりと垂れて、そのままマホロアは夢現の状態……にはなれなかった。
先ほど彼が椅子に座ったよりも乱暴にローアのドアが開いた。というのも、あれは自動ドアで衝突の危険性を回避するためにローアが素早く開いたのだが。
入ってきたのはカービィだった。

「マホロアー!」
「アーモウ……なんダヨォ……」
「はい、パーツ」
「ドウモ……」
「……どうした?なんか疲れてる?」
「マァ……大丈夫ダヨォ。……アレ?他の皆ハ?」

カービィの周りを見ても、いつもいる他の3人がいない。

「死ンダ?」
「縁起の悪いこと言うな……って、違う。皆は別の場所で探検してるんだ。僕だけひとりで探索してた」
「ヘェ……」

とりあえずパーツを受け取って、その辺の机に置いておく。船にパーツを組み込むのもかなりの重労働なので後回しにしたようだ。
その間にカービィは、珍しくフードを外したマホロアを見つめていた。

「マホロア、意外と髪長いんだね。僕と同じくらいだ」
「ン?あぁ……切るのがメンドーだから伸ばしてるダケ」
「結構、きみってガサツだよね……」
「切るのもメンドー、長いのもメンドー……どうしたもんか」
「じゃあ、僕みたいに結んじゃえばいいよ」
「結ぶ?それだとフード被った時ジャマなんだよネェ」
「違うって。僕みたいに、って言ったでしょ?」

カービィはそう言うと、ポケットから髪ゴムを取り出した。
「戦闘中に髪ゴムが切れちゃうことがあるからねー」と言いつつ、髪ゴムを手首に付けマホロアの髪の毛を触る。

「ぼさぼさ」
「手入れなんてしてないヨォ」
「ふーん。じゃあ、櫛ある?」
「クシ?ンー……あった……カナ、チョット待っててネェ」

数分後、若干埃を被った櫛を持ってマホロアは戻ってきた。

「ハイ。コレでいいカイ?」
「うん、充分。よーし。じゃあとかすよ」

カービィは櫛を受け取ると、髪をとかすためにマホロアの背面へ。
櫛を髪の毛に入れると、絡みに絡まった髪に引っかかりマホロアの頭ごと下に引っ張られた。

「イッタイ!!痛いんだケド!?チョット!」
「ぼさぼさだから絡まってるんだよ!」
「イーターイー」
「我慢がまん。あんまり動かないでね。ほら、さらさらになった」
「ンー?んー、ウン……」

マホロアは自分の髪の毛を手櫛で確認する。なるほど、確かにさらさらだ。
カービィはその次に、マホロアの正面に回る。そしてとかした髪の毛を前に流すと、何やらマホロアの髪の毛をいじり始めた。

「あれー?うーん、えっと……こうかな、いや」
「なにシテンノ」
「三つ編み」
「三つ編みィ?メンドーだから普通でいいヨォ」
「そう?いやー、正面からだったら三つ編み出来るかなって思ったけどやっぱ駄目だった」
「キミ、毎日ワドルディに結んで貰ってるヨネェ。アレってジブンじゃ出来ないカラだったんダ」

言いつつ、マホロアはまだ試行錯誤しているカービィから髪ゴムを取る。

「あ」
「ボクはジブンでやれるヨォ。ただ結ぶダケなんだカラ」
「えー、三つ編みがいいよ」
「余計ジャマ」

不満そうなカービィを横目にマホロアはシンプルに髪の毛を結ぶ。

「ヨシ。あー、確かに楽だネェ」

外していたフードを再び被り立ち上がると、船の中を少し歩く。

「でしょ?」
「ウン。アリガトネェ」
「どういたしまして……あ、僕はもうそろそろ行くよ。皆と合流しなきゃ」
「ソウカイ。気を付けテ」
「じゃあね」

カービィは手を振ると、船の中から出ていく。
手を振り返していたマホロアだが、カービィの姿が見えなくなると手を降ろした。

「…………ハァ。疲れタ……まぁ、髪の毛は本当に楽ダネ」

さっきまで座っていた椅子にまた腰掛けると、もう一度ため息をつく。

「ンー……カービィ達は……あと、もうちょっとでランディアの所カナァ?」

足を組み、右肘を机に置き、左手で目をこする。

「まだかかるカ……次帰ってくるまで、少し寝てヨウ……フフ、まぁ、疲れてたら良くないシ」





(片方おさげの髪の毛のお話。マホロアくんこれが結構気に入ったみたいでwii事件後もそのヘアスタイルです。
あと個人的に金髪マホロアは絶滅危惧種だと思ってます)