二次創作小説(新・総合)

かかデザ・終着点D-1 ( No.7 )
日時: 2020/11/10 02:20
名前: 麻ふすさん (ID: PLnfHFFW)

※シリアス注意



ポップスターから遠く離れた、名前もない、小さな星。
どれだけ暴れても、気にする事はない。
ノヴァを壊して、ここまでやって来た。
あとは、けじめをつけるだけ。

「マルク」

星に降り立って、その名前を呼ぶ。

「……」

マルクは背を向けたまま、何も言わない。

「ノヴァは壊した。君の願いは叶わないよ」
「……願いなんて、もういい」

ぼそりと呟いた言葉に、思わず驚いた。
もういい?
じゃあどうして……僕に星を繋げさせて、あの時に願いを……?

「カービィならきっと、ここまで来てくれるって信じてた……」

マルクはまだ、こちらを向かない。
こちらに向けられている背中からは、歪な形の羽が生えている。
黄色く縁取られた羽は、一度見たら酔いしれてしまうほど、綺麗にきれいに輝いていた。

「カービィ、知ってる?偽りの幸せを手に入れて、幸せを知った気になってた道化師のお話」

道化師……マルクが言ってるのは、恐らくマルク自身のこと。
でも、偽りの幸せって?

「カービィ達が知ってる僕は、本当の僕じゃない。本当の僕は、根暗で、卑屈で、幸せを知らない」

マルクの声から、いつものおどけた調子が抜けていた。
代わりに伝わってくるのは、底知れない孤独感。

「そんな僕が造り上げた偽りの僕が、幸せを知れるわけがない……」

分からない。

「さぁ、カービィ。ここなら、誰もいない。好きに暴れても、大丈夫。もしも、命を落としたって、誰にも気付かれない」

マルクが何をしたかったのか。

「ほら、コピー能力を使いなよ。思いきり暴れられる能力を」

僕に何をさせたいのか。

「さぁ、始めよう」


分かっていないつもりだった。
分かっていても、そんなことしたくなかった。
マルクの、本当の願い。
きっと、僕を信じてくれてた。
僕にしか出来ないって……。

もしも、じゃない。
もういいんだ。
幸せを知る事がないのなら、
知らないままでいい。
それでも、偽りでも、幸せを教えてくれた、君となら。

「友達になれたかもしれない」

僕は、手にした剣を彼に突き立てた。





(あぁ!シリアス息苦しいぁ!!)