二次創作小説(新・総合)
- いとデザ・異端の暗黒物質 その1 ( No.8 )
- 日時: 2018/08/08 11:48
- 名前: 麻ふすさん (ID: PFFeSaYl)
※シリアス、捏造設定多め
ゼロとダークマターの過去編になります。
昔むかし、とあるところに、ある1人の暗黒物質がいました。
暗黒物質は本来、光や人間を嫌い、闇に潜む者。
でも、その暗黒物質は、人間の事がとても大好きで、
仲良くしたいと思っていました。
その暗黒物質の名前は、ゼロ。
でも、人間達は、ゼロの事を「暗黒物質だから」という理由で避け続けました。
それでもゼロは諦めず、人間達と仲良くしようとしました。
ある日訪れた、小さな星の小さな街。
そこでゼロは、1人の人間の青年に出会います。
ですが、遠い遠い昔の事。
ゼロは、その青年の名前を覚えている事は出来ませんでした。
青年は、ゼロにとても優しく接してくれました。
彼は、ゼロを「暗黒物質として」ではなく、
「ゼロ」という1人の人として見てくれました。
ゼロはとても嬉しく、いつしか彼といつも一緒にいるようになりました。
「なぁ、1つ聞いてもいいか?」
「なんです?」
「お前は私の事……怖いとか、思った事はないのか?」
「そうですね……ないですよ。貴女はとても心優しい方です。
恐れる事なんて、何もありません」
青年がそう言うと、ゼロは照れくさそうに笑いました。
ある時、ゼロは考えました。
この青年と、ずっと一緒にいたい。
側にいることは出来るけど、彼は人間。
永いながい寿命を持つ暗黒物質にとっては、
彼の寿命はとてもとても短いもの。
「ずっと」一緒にいることは、出来ません。
「お前は……私がついて来いと言ったら、
一緒に来てくれるか?」
「もちろんです。貴女の事を一生懸命支えますよ」
「そうか……ありがとう」
どうすれば、彼と一緒にいられるのか、
ゼロは毎日考えました。
とある日、ゼロはある事実に気が付きます。
この街を、いずれ大災害が襲う。
ゼロは焦り、落ち着きを取り戻した時、こう思いました。
「そうだ、
大災害にかこつけて、
彼を……彼を、
暗黒物質にしてしまえばいい」