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二次創作小説(新・総合)
- 未知なるニューステージ! ( No.385 )
- 日時: 2018/12/17 20:36
- 名前: トクマ (ID: 0rBrxZqP)
お待たせシマシタ! それでは語りましょう……彼に何があったのかを……
話をしよう。
一人の男の物語を語るとしよう。
一般人として来た彼は何もない男だった。
――マリオのようなカリスマもなく、
――リンクのような剣もなく、
――フォックスのような頭脳もなく、
――サムスのような射撃もなく、
――カービィのような特殊能力もなく、
――ピカチュウのような可憐さもなく、
――ヨッシーのような生態もなく、
――ドンキーコングのような力もなく、
――ネスのような超常もなく、
――ルイージのような技術もなく、
――プリンのような歌唱力もなく、
――キャプテンファルコンのような速さもなく、
何一つ、英雄や悪役にもなれないくらい何もなかったが、一つだけ彼には誰にも持っていないモノを持っていた。
――引き寄せる“運”を持っていた。
ゆえに、那由多もある世界から彼が住む世界と彼自身がスマッシュブラザーズの一般枠を獲得できたのは偶然ではない。彼自身が持つ“運”に可能性が引き寄せられたのだ。
復讐者として落ちる機会を、
スマブラの一般枠に選ばれる可能性を、
宝とも言える人達に恵まれる縁を、
マリオ達に出会う可能性を、
悪友に出会う可能性を、
サンドリヨンに出会う可能性を、
ドレディアさんに出会う可能性を、
星の牢獄に囚われた邪神と契約する可能性を、
数々の事件やトラブルを引き寄せる可能性を、
そして、“灯火の星”事件でも彼とカービィは無事だった……それは自分達しか助かってない“絶望”、まだ他の人を助けれる“希望”を……
全て、総て、彼自身に宿る“運”が引き寄せた結果である。
そして、件の事件で彼は格上の戦闘で人の身においてありえざる可能性を引き寄せた……引き寄せてしまった。
“黄衣王讃美歌”
完全なるハスターの降臨……邪神との融合を行い、人が神の領域へと踏み込む禁断の力。天をも動かす程の魔力制圧による支配は格上が“死”を頭に過る程の衝撃を与え、邪神は英雄達と共に戦った。
その激突は三日三晩続き、心身ボロボロだったが、見事に格上を倒すことに成功した。
彼に融合した邪神はその輝きを賞賛し、自身に自由を与えた人を讃え、多くの魂と共に宙に輝く星の海へと還っていった。
それから、数日後……
トクマ『元の世界に帰国?』
クレイジー『あぁ、そうだ』
“灯火の星”事件の被害を受けた地域の復興作業から夜遅く帰ってきたトクマにクレイジーハンドとマスターハンドが自分達の自室に呼び出し、もとの世界へ帰ることを勧めた。
マスター『とはいえ、一時的な帰国だよ。あの格上との激突はどの世界にも被害を与えた。君の世界にも影響があるハズだから、家族が心配じゃないかな?』
クレイジー『それに、お前はあの時だけとはいえ神格化した……人から神に至るのは幻想郷の東風谷早苗のような例外を除けばなってはいけない事だ』
マスターハンドとクレイジーハンドの言葉には納得するトクマだが、一日だけ考えさせて欲しいと猶予をお願いした。
本当なら元の世界に帰って家族の安否を確認したかったが、不安の種とも言える存在がいた。
ドレディア『ディア?』
自室に戻るとその不安の種はベッドに寝転がって暇を潰していた。
ドレディアをここに預けるとは言え、マスターハンドは『一時的な帰国』と言ってたが、いつ頃にスマブラの世界に行けるのかはわからない。数年か数十年後か……はたまた今生の別れかもしれない。
ドレディアはトクマの表情に曇りがあることを見抜き、言うように促す。
ドレディア『……ディ……』
説明後、ドレディアが不安そうな表情を見せる。自身の予想通りの展開にトクマはマスターとクレイジーに無理を言って滞在しようと決める。
トクマ『……ドレディアさん……やっぱオレ……』
ドレディア『ディア!』
しかし、トクマの言葉をドレディアが遮った。
ドレディア『ディディ、ドッド、ドドドレディッア!』
言葉はわからない。しかし、『自分に任せて家族に会いに行ってこい!』という意思表示は伝わった。
トクマ『……そっか……』
……いらない心配だったな。
自分が思ってた以上に成長しているドレディアに内心微笑み、トクマはドレディアの厚意を受け取った。
トクマ『んじゃ、約束だ。必ず帰ってくる……だから、待っててね』
ドレディア『ディッアー!!』
必ず帰ってくる事を【狂い咲く草姫】ことドレディアと約束し、トクマはマスターとクレイジーにもとの世界への一時帰国を申請した。
そして、数日後。荷物をまとめたトクマがマスターハンドと数人のファイター、ドレディアに駅前で見送られていた。
マスター『それじゃ、落ち着き次第また手紙を送るからね』
トクマ『はい』
マスターハンドの言葉に返事をして、トクマはここに来た時と同じように電車に乗り込む。汽笛が鳴り出し、出発し始める。
アリス『クマちゃん! また会おうねー!』
ドレディア『ディッアー!』
アリスとドレディアがトクマが乗った電車に手を振る。再会を望む二人の姿にマスターは微笑んだ。
アリス『……え……』
マスター『……な!?』
瞬間、トクマが乗っていた電車が爆発した。
いきなりの出来事に戸惑うアリスとマスター……しかし、ドレディアはその爆発を見てから線路に降り、トクマの乗ってた電車へと走り出した。
電車は線路からハズれて悲惨な形へと変貌し、ドレディアはあるモノを見つける。
見つけて、しまった。
ドレディア『……アァ……』
……嘘だ。嘘に決まっている。
ドレディア『……ァ……ァァ……』
……あいつは会うと約束した。絶対に、絶対に違う……だから……だから……
ドレディア『――――!!』
……このボロボロになった赤ジャージを俺のじゃないと言ってくれ。誰でもいいから、言ってくれよ。
草姫は泣いた。唯一の理解者がいなくなった事を否定するかのように……
その事故は現在でも原因不明、事故に巻き込まれた人数及び身元不明者も一人だけだった。
コメントはまだ。
- 未知なるニューステージ! ( No.386 )
- 日時: 2018/12/17 20:39
- 名前: トクマ (ID: 0rBrxZqP)
ルフレ「……それが、ドレディアとトクマの真実だ……」
ルフレの口から聞いたクロムの表情は痛々しいモノを見てしまったような表情だった。ここに来る前に学んだピカチュウ達が住むポケモンの世界では、ポケモンを置いて永遠の別れをしまったポケモンも少なくない……ドレディアはそんな体験をしてしまった故に必ず帰ってくると信じ続けている……
クロム「…………」
ルフル「あの日以来、ドレディアさんは変わりました……たくさん食べてたご飯もあまり食べず、毎日最後に別れた駅の前に行って……彼が帰ってくるのを待っているんです……」
ルフルの言葉に件の彼とドレディアがどれ程の絆で結ばれているのかがわかる。それだけに何も出来ない自身にやるせない何かを覚えてしまっている。
クロム「……そうか……すまなかったな」
ルフル「いえ、気にしないでくださいクロムさん。少しずつですが前を向き始めてるファイター達もいるんですから……」
クロム「少なくとも、お前達はまだなんだろ」
ルフル「……はい……」
ルフレ「……あのバカは簡単に野垂れ死にはしない……俺が一番知ってる」
自身の半身とも言える軍師とルキナと同じ娘のように慕っている軍師の妹の反応からどんな人物なのか純粋に興味を覚えたクロムは小さく微笑んだ。
クロム「……フッ……どうやら俺もその人物が気になったらしい。明日になったら全員で探しに行くとしよう」
ルフル「……全員?」
気付いていない様子のルフレにクロムは部屋の外を指差す、ゆっくりと扉を開きながら隙間を空ける。
デイジー「……ズズ……ちょっと待って本当に……いま耐えてる所だから……」
ドロシィ「ウチ、こういうの弱いねん……飴ちゃんいるか?」
デイジー「……どうも……」
サラサランドの姫と露出の多いカウガールのような服装の女性――ドロシィ・ゲイルは共に泣いていた。飴を貰って泣いている事を誤魔化しているつもりだが、誤魔化しきれていない。
イカガール「まさか、あんな凶暴な緑のちびっ子が一途な想いを持ってるなんて……」
裸族相手に瞬殺できる暴力を振るった【狂い咲く草姫】が、見た目通りの乙女で一途な想いを抱いていたことに戸惑いを見せる。
それと、インクリングの事を種族名ではなく名前と勘違いしてごめんなさい。本編では女性という設定で語ります。
リーフ「……ぅうぅ……あんな、あんなドレディアちゃんに……グス……」
しずえさん「ティッシュいります?」
リーフ「……あ"り"がど……」
ポケモントレーナーであるリーフはしずえさんからティッシュを貰って涙を拭いている。新しくティッシュを貰い、鼻をかんだ。
ガオガエン「……ヴゥゥ……」
リドリー「グルル……」
ガオガエンとリドリーは見た目が怖いのにも関わらず、ドレディアの想いと同時にルフレとルフルの心情を心配していた。
キングクルール「俺様はこういうのに弱いんだよ……」
ドレディアに力強く殴られたにも関わらず、理由ありだった事実に目からでる液体を手で乱暴に拭き取って、泣いていないことをクルールはアピールし……おい待て。なんで全裸なんだよ。いい加減服を着ろ。
首領ブラ=コッコ「まったく、泣かせてくれるじゃねぇか」
ルフレ「誰だ!?」
桃色のモヒカンヘアに水色の独特な眉毛にその眉毛の上に小さなハートのフェイスペイント、ハート型のイヤリングを耳に着けているが、何よりも特徴的なのは背中に緑の蝶々がマークの袖が派手に破れて上半身がタンクトップみたいになっており、両乳首と尻の部分だけハート型に穴が開いた服と赤いふんどしを身に付けた見た目コワモテの変態がそこにはいた。
首領ブラ=コッコ「おれか? おれは首領ブラ=コッコ、吉備津彦達の世界で【大きな桃】と呼ばれた盗賊だが……まさか、こんな話を聞くことになるとはな……予想外だぜ」
ルフレ「お前みたいな変態にも聞かれてた自分自身にも予想外だけど!?」
なお、首領ブラ=コッコは今年最後の第6回ワンダーランドウォーズイラストコンテストにて最優秀賞を獲得し、作者は『これがソウルカードとして実装されるのか……』と遠い目をしながらSEGAの迷走とイラコンで描いた製作者の腕を賞賛しています。
なお、製作者はpixivでも投稿しており、その作品に対して自分は毎回楽しみにして笑っています。
首領ブラ=コッコ「……元気だせよ!」
ルフレ「……だからなんだよ! 桃を渡されても困るんだが!? ちょ、おい!!」
首領ブラ=コッコはルフレに何処からか桃を取り出し、押し付けてそのまま走り、窓を突き破って外に――って、ここ3階!! 普通に出ていけよ!!
ルフレ「……なんだったんだあの変態……」
ルフル「ま、まぁ、とりあえず、明日から皆さんでもう一度トクマさんを探しにい――ッ!?」
呆然とするルフレを尻目にルフルは盗み聞きしていた新参ファイター達に明日からトクマの捜索をお願いしようとした瞬間、爆発に遮られた。
ルフル「い、今のは一体!?」
キングクルール「おい、あそこ燃えてないか!?」
いきなりの爆発に戸惑うルフルにクルールは外から炎が燃え上がっている事に気付き、場所を指差す。
ルフル「あそこはドレディアさんがいる駅前……兄様!!」
クルールの場所を聞いたルフレが瞬時に窓から外に出て、地面と着地する瞬間に風の魔法で落下の勢いを殺し、無事に着地してショートカットの要領で走り出した。
クロム「ルフル、道案内を頼む。俺達も行くぞ!」
リーフ「はい!」
クロム達も遅れる訳にはいかず、急いでドレディアがいるであろう駅前へと走り出した。
事件発生! コメントはまだ。
- 未知なるニューステージ! ( No.387 )
- 日時: 2018/12/17 21:04
- 名前: トクマ (ID: 0rBrxZqP)
クロム「この先か、ルフル」
ルフル「もうすぐ駅前にたどり着きます!」
誰よりも一足速く先に行ったルフレを追って、クロム達は走る。足が遅いリーフやしずえさんはリザードンを呼び出して乗っている。
そして、目的地である駅前に着くとルフレの後ろ姿を見つけた。
クロム「ルフレ!」
ルフレ「クロム!」
ドロシィ「怪我してるヤツは誰か……なんやこれ?」
辺りは小さな炎が燃え上がっているが火事にはなっておらず、怪我人がいない事を確認しようとしたドロシィとクロム達の前に黄色の結晶体のような障壁が張られていた。
クルール「誰かいるぞ!」
クルールの声に目を凝らしてよく見ると、黒髪と上着にジャージを着た男性がドレディアに斧による攻撃を振るい、ドレディアは紙一重に避けている。
しずえさん「ドレディアさんと……あれは?」
ルフル「なんで……トクマさん!?」
ルフルの言葉に新参ファイターは驚いた。盗み聞きしていた件の男性が自身の相棒であるドレディアに襲いかかっていたのだ。
クルール「貴様! 何をやっているのだ!」
リーフ「そうだよ! ドレディアさんは貴方の事を待ってたんだよ!」
ガオガエン「ガウ! ガガウ!」
あまりの怒りに異議を申し立てるクルール達。トクマはそんなクルール達の方へ振り向いた。
ルフレ「お前達違うぞ! そいつは――」
ルフレが何かを言おうとした瞬間――
???『対象ヲ確認シマシタ』
ルフレ「――トクマじゃない!」
――トクマの顔中に目と口が複数現れた。まるで獲物を品定めするかのような無機質なモノに見られた恐怖にリーフは身をすくめた。
さらに背中から二対の腕を生やし始めるが、その腕の手は全て左右逆の手だった。
リーフ「な、なにあれ……」
ポケモンとは全く違う恐怖に震えるリーフ。
「あれが、話に聞いていた“ボディ”というヤツか」
すると、ルフレ達の頭上から声が聞こえ、赤を基調としたジーンと同じようなアラビアンな服装を着た男と中華服を改造したような露出が激しい服装で狐の耳と九つもある尻尾が特徴な女性が空飛ぶ絨毯に乗って現れた。
ルフレ「……お前は……」
マリク「余の名はマリク。隣にいるのは女狐だ」
妲己「ちょっと酷いしー。ワタシは女狐じゃなくてダッキさんだって言ってるじゃないのぉ」
マリク「興味ない」
アラビアンな男――マリクは狐耳の女性――妲己に言われても興味ない反応を見せる。
しずえさん「あの、質問いいですか?」
マリクの雰囲気に圧されずにしずえさんが質問した。少し驚いたのか目を一瞬だけ開いて戻し、質問を促した。
しずえさん「ボディってなんですか?」
マリク「……ボディとは、件の事件で格上の存在が使役する魂だけの存在――スピリットを入れる為の器である……キグルミの中に人が入って動かすのと同じ原理だ」
妲己「名付けるとオルタボディって感じ? ハイハーイ! じゃあさ、なんでそんなのがここにあるの? 事件とかは終わったじゃん」
妲己の質問にマリクは嫌そうな雰囲気を出すも妲己は気にせずにマリクを見つめる。
マリク「……スピリットの中には暴れたいと考えるヤツもいたハズだ……ボディはヤツラが隠してあったのか、それとも……」
妲己「例の彼の身体を利用したってことぉ?」
瞬間、マリクの目が鋭くなって威圧するかのように苛立つ雰囲気を出す。ルフレとルフルも妲己に関して武器を取り出して構え、クルールとガオガエンも威嚇のように声を唸らせる。
マリク「…………」
妲己「睨まないでくれるぅ? 本当の事を言って何が悪いって感じなの……迷うぐらいなら、迷わなきゃいいのにさぁ……」
マリク「そういう所が、余は好まん」
ヘラヘラと平然と笑う妲己にルフレ達は警戒しながらも武器を納める。
リーフ「だったら、私達が助けぶぅるぅ!?」
自らドレディアを助けに行こうとするリーフだったが、壁があることを忘れてたのか激突する。
しずえさん「大丈夫ですか?」
リーフ「いてて……ありがとう。出てきてリザードン! かえんほうしゃ!」
しずえさんに軽い治療をしてもらった後にリザードンを呼び出して攻撃するが、壁には一切のキズがなかった。
ガオガエン「ゴォ!?」
リドリー「グゥー!」
クルール「硬すぎだろ!? 攻撃が通らない!」
力自慢であるガオガエンやリドリー、キングクルールの攻撃にびくともしない障壁にクロムとルフレに焦りの色が出始める。
クロム「……このままでは……」
ルフレ「トロン! ……貫通しないか……」
ルフレ達の様子に笑う様子を見せるトクマに似たナニカ――オルタボディはドレディアに少しずつダメージを与えていく。
オルタボディ『任務を続行。目標ハ対象デアリ、相棒ノドレディアノ駆除』
ドレディア「でぃ! ディ、ディア"!?」
オルタボディの目や首を狙った攻撃にドレディアは紙一重で避けるも重い蹴りがドレディアに深く突き刺さった。
オルタボディ『対象ノダメージ率158%……トドメヲ推奨』
ボロボロの様子にオルタボディは怪しく嗤い、両腕と背中に生えた二対の腕から風や火の魔法を発動させながら溜め始める。
ドレディアを消し飛ばすかのようなエネルギーを作るために一撃を準備しているのだ。
クロム「風や火の魔法を……ルフレ、トクマは魔法が使えたか!」
ルフレ「使えないが……まさか、一つのボディに複数のスピリットが入っているのか!!」
……だとしたら、この頑丈さも納得がいく……同時にヤバイ……ッ!!
トクマには使えない術式と同時に魔力を練り込んだ障壁の破壊に手間取り、万事休すな状況に素手で叩き始めるルフルとリーフ。
ルフル「ドレディアさん!」
リーフ「開いて! お願いだから開いてよ!!」
血が出てもお構いなしに叩き続けるルフル、ドレディアと一緒にいなくなった主を探そうと声をかけるリーフ。しかし、無慈悲にも障壁は崩れない。
妲己「王様いいのぉ? 助けてあげなくてぇ……?」
マリク「……必要ないであろう」
妲己の言葉にマリクは冷たく答えた。まるで、もう無理だと諦めているのような姿にもみえる。
偶然か、とある場所ではトクマに対する話し合いが行われていた。
『ちょっとヴィルヘルム! 少し言い過ぎよ! 彼だって』
『気にしなくていいよ。シェハラザード』
ヴィルヘルムに怒りすぎだとシェハラザードが注意するも、マスターハンドはその怒りは正しいと肯定する。
『僕達が招いてしまった結果なんだ……そこをかばう必要も、ましてや弁護する理由もないよ』
その言葉にクレイジーハンドとマメールはやるせない表情を見せる。
『でも……こんなことは』
『君は――』
シェハラザードの言葉を遮ってマスターハンドが話始める。
『僕らの事を勘違いしているんだよ……』
……ここには、邪も正もない
オルタボディにエネルギーが溜まり、圧倒的な熱量を含んだ魔法にルフルに絶望の表情が浮かんだ。
……この世界は漫画やゲーム、アニメのようなご都合主義など存在しない現実と世界……
逃げてと声をあげるリーフ、
障壁を殴り続けるガオガエンのような数人のパワーファイター、
諦めずに足掻くルフレとクロム、
その様子を傍観するマリクと妲己、
……ただあるのは――
そして、その様子に愉悦のような黒く甘美なモノを感じたオルタボディはボロボロになって動けないドレディアに狙いを定めて放った。
『残酷なまでに純粋な――』
圧倒的な熱量。ドレディアのような小さな生き物を容易くルフレ達の目の前で強く輝き――
『現実だけだ』
――爆発した。
『君はこの世界を……この現実を……僕の力を……誤解しているんだよ』
人々の、仲間達の願いを障壁ごと砕いた熱量はドレディアを飲み込んだ事実をルフレ達に叩き込み、オルタボディは砂煙が舞うドレディアがいた場所に向けて、絶望を告げた。
オルタボディ『対象ノ生体反応ロスト……死亡ヲ確認シマシタ』
ルフル「…………そんな…………」
ルフレ「ドレディアァァァァァァ!!」
リーフ「……いや……いやぁぁあぁあぁああぁぁぁぁぁぁ!!」
ここに、【狂い咲く草姫】が散ってしまった。
~完~
- : ( No.388 )
- 日時: 2018/12/17 20:43
- 名前: トクマ (ID: 0rBrxZqP)
~完~
右手 ~完~
/ヒョコ\
右手 =弾 ~完~
/ダーン\
右手 ~ ~
/パリーン!\
右手 ~ ~
マスターハンド『そして、なにより――』
終わりだと思ったヤツは手を挙げろ。コメントはまだ。
- 未知なるニューステージ! ( No.389 )
- 日時: 2018/12/17 20:46
- 名前: トクマ (ID: 0rBrxZqP)
ドレディア「ディッアー!」
サンドリヨン「これは、何事ですか!!」
全員『『『!?』』』
自分達の後ろから聞き覚えのある声が響いた。あまりの驚きに振り向くと、魔法瓶を持ったアリスとサンドリヨン、そして――
ルフル「……ド……ドレディアさん!? な、なんでここにドレディアさんがいるんですか!?」
――オルタボディによって、散ったハズのドレディアがクッキー片手に平然としていた。
アリス「な、なんでって、私とサンドちゃんはここに向かおうとしたドレちゃんに声をかけて、温かい紅茶を作って一緒に向かってたら、爆発音が聞こえて急いで来たんだけど……」
ルフルの必死な形相に戸惑いながらも答えるアリス。ドレディアが無事だった事に安堵するルフレ達だが、同時に新たな謎が浮上した。
リーフ「……じゃ、じゃあ……あそこで戦ってたドレディアは……なに?」
肉弾戦ができるドレディアはここにしかいない。しかし肝心のドレディアはサンドリヨンとアリスの二人と行動していた……その疑問は早くに解決した。
オルタボディ『……訂正、生体反応ア』
瞬間、オルタボディは砂煙から飛び出した何かに殴り飛ばされた。反応できないスピードで反撃されたオルタボディに浅くないダメージがはいった。
オルタボディ『ダメージ率24%損傷……標的ノ再認識ガ必要』
オルタボディが敵の再認識を行うために前を見た。
ルフレも見ていた、
ルフルも見ていた、
クロムも見ていた、
リーフも見ていた、
サンドリヨンも見ていた、
リトル・アリスも見ていた、
デイジーも、ドロシィも、イカガールも、しずえさんも、ガオガエンも、リドリーも、キングクルールも、マリクと妲己も見ていた。
だからこそ、理解できなかった。
砂煙が晴れ、ドレディアがいた場所には、毛が生えた一本の触手が蠢いていた。
全員『『『…………』』』
あまりのモノに呆然とするルフレ達。しかし、触手の側に砂煙で隠れていた人影が現れた。
その人影は背中に白で『覇星』の文字が書かれた黒のTシャツ、ゆったりとして締め付けない余裕があるジーパン、くせ毛と眼鏡、ラフな格好をした一般人だった。
ルフル「……はは……」
アリス「……ふわぁ……!!」
ドレディア「……ァ……ディア……!!」
ガオガエン「ウ?」
デイジー「どうしたの?」
イカガール「なに? なに?」
しかし、その人影に思わず笑みをこぼすメンバーが現れ、新参ファイターは頭に疑問符を浮かべた。
クロム「ルフレ、あれは誰だ?」
ルフレ「あれは……――」
クロムの言葉にルフレは苦笑しながら答える。まるで、自身の父親に遊びに来た友人を紹介するような感じで話始める。
『トクマの引き寄せる運のよさをね』
何処からかマスターハンドの声が聞こえる。まるでイタズラが成功したようなお茶目な調子の声にくせ毛の男性は軽く微笑み、目の前のオルタボディに喧嘩を売るような声色で語り始める。
???「まったく、ドッキリなみのサプライズを用意してたってのに台無しにしやがって――」
【“狂い咲く草姫”ドレディア】
――改め!!
トクマ「ま、これはこれでアリか」
【“???な一般人”トクマ】
トクマ「さーて、ひとっ走り……付き合ってもらうぞ!」
異世界の一般人が、無事を知らせると同時にオルタボディへと対峙した。
次は、みんな大好き! 変隊のオマケだよ!!
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