二次創作小説(新・総合)
- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.409 )
- 日時: 2019/08/24 20:56
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
お待たせしました!
前編と後編の二部に分けてお送りいたします。
前編は少しばかりのNL要素があり、後編はギャグ一色です(笑)。
それでは、前編の始まり、始まり!!
8月。
夏が最も暑い気温を見せ、本来ならヒグラシが鳴いてもおかしくないが、まだまだ夏は終わらない事を知らせているのかまだ鳴かない。
ここ、スマブラ館も当麻の不幸によって一時期エアコンや空気清浄機がゲッターロボやマジンガーZのようなスパロボ感溢れる姿となって全人類に反旗を翻す二次創作のような騒動に巻き込まれた。
ここで語るには大長編並の長さになってしまうので、輝赤之監獄長が一切通じない強敵だった事と人の良心を信じ、最後まで人の味方になったグレンラガン風の姿に変化した扇風機と共に戦い、最後は黒幕に自壊覚悟のギガドリルブレイクで倒して騒動に終わりを告げた二つを記しておこう。
リーフ「へぇ……外宇宙かぁ……星とか綺麗だったの?」
トクマ「綺麗とか、そんなの最初だけで旅していく内に思うことが少なくなった……生きていく事に必死だったからな……」
ルフレ「目が濁ってるぞ……どんな所を旅したんだよ」
現在、ロビーでトクマが旅してきた外宇宙について語っている。リーフやイカガールのような新参ファイター達やルフレやサンドリヨンのトクマと同期のファイター達は興味や好奇心から所々ヘタな話し方だが、精一杯話すトクマの声に耳を傾けていた。
話が終わり、リーフの質問にトクマは死んだ魚のような瞳で答えた。
トクマ「ところで、お前はここに入団すると聞いたけどさ……どういう場所か知ってて言っているのか?」
リーフ「当たり前でしょ。失礼ね」
不意に、トクマはリーフが初めてスマブラ館に訪れた自分と重なり、質問した。
リーフ「ちょっと憧れてたんだ。大人の世界っぽくて」
トクマ「ふむ」
ルフレ「そうか」
リーフの解答にルフレも何かを察した。
リーフ「多くの技や力で観客を魅了する戦いはポケモンコンテストに似てるから興味があるし」
トクマ「ほうほう」
ルフレ「それはそれは」
リーフ「何より多くの人と絆を結んで強敵と戦うなんて、まるでドラマみたいじゃない?」
トクマ「そうかそうか」
ルフレ「そこまで大乱闘に興味があるのか」
トクマ&ルフレ「なら、ここはやめておけ」
リーフ「……ここ、スマッシュブラザーズじゃないの?」
真顔で答える二人にリーフは困惑した。
トクマ「冗談だ冗談」
ルフレ「大乱闘をする事もないわけじゃない気がしなくもないぞ」
リーフ「なにそれ?」
マリオ「おーい新参ファイター」
リンク「一つ自己紹介してくれ」
リーフ「あ、はい」
トクマとルフレの言葉にリーフは首をかしげるも、リンクとマリオに呼ばれ、不在だったファイター達全員に自己紹介した。
リーフ「ポケモントレーナーのリーフです」
『おぉー』(全員私服着用)
リーフ「師匠に勧められてここに来ましたが、興味はあったけどやった事はないです」
『おおぉー』(全員私服着用)
リーフ「ですが、コンテストバトルのように魅せる戦いは経験ありますので、ここで色々勉強し--」
『おぉおぉー』(パンイチor全裸状態)
リーフ「ここ、おかしくない!? 瞬きの間に何があったの!?」
ファイター全員、リーフが瞬きした瞬間に服を脱いだ。
おそらくだが、飲み会が待ちきれなくなって服を脱いでしまったようだ。決して裸族だからではない……多分……
トクマ「うん?」(パンイチ状態)
ルフレ「何を言ってる?」(パンイチ状態)
リーフ「いつの間に脱いだの!?」
異変を訴えるもトクマとルフレの二人はすでに染まっており、いつの間にかパンツのみの姿で缶ビールのプルタブを開けていた。
トクマ「そう驚く事なのか?」
ルフレ「新参モノ歓迎会で飲んでいる時の騒動を知っているだろ?」
リーフ「……アレって祝い事でテンション振り切ってたからじゃないんだ……」
その後、リーフはスマブラのファイター達の実態を知り、理想と現実の落差に膝から崩れ落ち、その様子を見たトクマはデジャヴを感じて苦笑いした。
ルフル「大変でしょうけど、頑張りましょう。私も力になりますし……」
リーフ「うぅ、ありがとう……」
トクマ&ルフレ「俺も力になるが?」
リーフ「気持ちだけで充分」
トレ子「あ、ここにいましたか」
トクマ世界のスマブラファイターの中でも数少ない常識人のルフルがリーフを元気付ける。トクマとルフレも助力すると言うが、正直に言うとパンイチの男達に元気付けられるのは嫌である。
すると、トレ子がトクマ達を見つけて声をかけてきた。
ルフレ「ん?」
ルフル「何ですか?」
トレ子「来週あたりなんですが--」
トレ子「小学校に行きませんか?」
爆 弾 発 言 !!
コメントはまだです。
- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.410 )
- 日時: 2019/08/24 21:06
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
トレ子の衝撃発言に固まるトクマ達。しばらくして、動けるようになったトクマが代表してトレ子に聞き返した。
トクマ「小学校?」
トレ子「小学校」
トクマ「通うんじゃなくて?」
トレ子「通うんじゃなくて」
沈黙。迷いなく答えるトレ子の顔を見て、笑いをこぼすトクマとルフレ。その様子にトレ子もつられて笑う。
ルフレ「ハハハ、なんだそりゃ」
トクマ「そっかそっか、小学校ね……俺がヤツの注意を引くからそのうちに」
ルフレ「わかってる。通報だな」
トレ子「ウェイトウェイトウェイト」
瞬間、トクマはルフレと連携して警察を呼ぼうとしていた。ルフレもトクマの意思を察してスマホに『110』の番号を入力して通話ボタンを押そうとしており、その様子を見たトレ子が待ったをかける。
トレ子「この程度で警察の手を煩わせるなんて笑止!!」
ルフレ「この程度……?」
リーフ「充分に重大な案件だと思うんだけど……」
反論するトレ子だが、騒動をいくつか起こした前科を持っているのでルフレに首をかしげられ、リーフは素直に感想をこぼした。
トクマ「まぁ、色々言いたいことはあるが、俺はお前の変態行動に付き合う気はない」
ルフレ「俺も変態行為には反対だからな」
トレ子「お二人は私を何だと思っているのですか!?」
トクマ&ルフレ「まごう事なき変態だろ」
もはや反論の余地がない正論を言うトクマとルフレ。
トレ子「こんなものを見つけたんですよ」
その様子に待ったをかけたトレ子は自身のスマホを操作してとあるサイトを見せた。
そのサイトに書かれていたのは廃校になった小学校を宿泊施設として利用できる事が書かれており、オプションでキャンプファイアーができる等の細かいことが記載されている。
ルフル「あ、これおもしろそう」
ルフレ「廃校になった小学校に泊まれるのか」
ルキナ「場所は大自然に囲まれた大きな学校のようですね」
意外にまともだった事に驚きながらも興味を持ち始めるルフレ達。基本的に学校が無い世界なので珍しさに興味を示している。
トレ子「前に偶然ネットで見つけたんですよ。ある程度人数がいればかなり安く済みそうなんです……スマブラって大人数だからすぐに集まりますから」
ルフレ「お前の提案にしては上等すぎるな」
トレ子「いやー照れますよー」
珍しく褒めるトクマに照れた様子を見せるトレ子。知っている者がいれば、物珍しさに二度見するだろう。
トクマ「ところで、何を調べていたら小学校に行き当たったんだ?」
サッ(トレ子が顔を背ける)
リーフ「ねぇ、本当に大丈夫?」
ルフル「事案になりませんよね……?」
そんなこと、なかった。
トクマの言葉にトレ子は逃げるかのように顔を背け、リーフとルフルはその様子に一抹の不安を覚えた。
トクマ「だが、経緯はともかく企画は悪くない」
トレ子「えぇ、経緯は気にせず結果を見てください」
ルフレ「その件はちゃんと話すとして、マリオさん達に話すとするか」
とはいえ、無かった事にするには勿体無い企画なのでマリオ達に声をかけ、打算する。
マリオ「ほぉ、トレ子はおもしろい所を見つけたな」
リンク「あぁ、丁度いいな」
ルフレ「丁度良い?」
説明を聞いたマリオ達の言葉に引っ掛かりを覚えたルフレが疑問符をあげた。
マリオ「実は今年の夏もドルピック島に行こうと思ったが、灯火の星事件で被害があった地域に予算を削ったから厳しくてな」
リンク「安くて大所帯が泊まれる場所が欲しかった所なんだ」
ルキナ「あ、そうなんですか」
ルフレ「……?」
マリオとリンクの言葉にルキナは納得する。しかし、ルフレは喉に魚の小骨が刺さったような違和感に首をかしげる。
トクマ「車とか必要なら予約しますか?」
フォックス「それなんだが……今回は別行動にしようと思うんだが、どうだ?」
ルフレ「別行動?」
トクマ「そりゃまた、どうして?」
珍しい提案にトクマが質問する。
マリオ「トクマは新参ファイターとあまりコミュニティを築いてないだろ? たまにはグループで活動するのも必要なんじゃないか?」
リンク「それにせっかくだ……記憶に残る夏にしようじゃないか」
マリオとリンクの提案に何処か違和感を感じながらも、その提案に一理あると感じたトクマとルフレの二人は取り敢えず受け入れる事にした。
トクマ「つまり、俺とルフレ達だけで別行動して……」
ルフレ「予定の時間に現地集合しろと」
フォックス「あぁ、その途中は好きな場所に寄っても良い……そういや、ここの近くで祭りがやってたな」
その後、色々と話し合って『お祭り行った後に肝試しして、野外でキャンプファイアーしながら浴衣を着て、たこ焼き飲み会』をする事になった。
ルフレ「んじゃ、適当に計画を立てるか」
トクマ「そうだな」
リーフ「私たこ焼き食べるの始めてなんだ……オクタン焼きは食べたことあるけど」
トクマ「オクタン!? え、食べんの!?」
和気藹々と話すトクマ達の背をマリオとリンクは静かに見つめていた。
作者はお祭りのたこ焼きと唐揚げが大好き。コメント及び感想はまだです!
- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.411 )
- 日時: 2019/08/24 21:10
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
目的地である宿泊施設の小学校から数駅離れ、十数分歩けば少し大きな神社で夏祭りが開催されている。
田舎とも言うべき自然の多い地域でありながら観光客が多く、老若男女の賑わいを見せる。赤い鳥居の下でプラチナブランドの髪に映える白を基調とした浴衣の女性――サンドリヨンが誰かを待っていた。
「コンチワ~ひとり?」
声をかけられたサンドリヨンが振り向くと、見た目からでもわかるチャラそうな男が四人一組のグループでサンドリヨンにナンパしていた。
チャラ男「よかったら、お祭り一緒にまわらない?」
サンドリヨン「……えっと……待ち合わせしてるので、すみません」
チャラ男「待ち合わせ? 友達? なんなら友達も一緒でいーからさ!」
これから来るメンバー達と一緒に出店を楽しむサンドリヨンはチャラ男の誘いを断るも、チャラ男は食い下がらない。
サンドリヨン「えっと、その、それは、ちょっと……」
チャラ男「えーいいじゃーん!」
……皆さんと一緒に来れば良かったです……
訪れる前に屋台の焼きそばやたい焼きの話を聞き、あまりの楽しみに一足先に来た事を後悔するサンドリヨン。チャラ男の誘いを全面的に断るサンドリヨンにようやく助っ人が現れた。
ベヨネッタ「はーい、ごめんなさいねボウヤ達。お姉さん達は忙しいの。また今度ね?」
現れたのは高そうな洋服ではなく、夜に溶け込みそうな暗色でありながら大人の艶やかさが溢れるベヨネッタだった。横から割り込み!サンドリヨンの両肩を掴んでさりげなく後ろに後退した。
チャラ男「あ~友達って年上の人なんだねー。でも全然オッケーだから一緒にイッテ!!」
しつこくナンパを行うチャラ男だったが、後ろから来る影に気付かずにぶつかってしまう。文句を言おうとしたチャラ男だが、その人物を見て言葉を失った。
ガノンドロフ「む? すまない……道を開けてくれないか?」
無地の紺色で白の帯を巻いたガノンドロフだったが、チャラ男達の目線では巖のような大きな身体に厳つい顔の男性……簡潔に言えば59道の頂点に君臨する89ザの大親分にぶつかってしまったと錯覚している。
ガノンドロフ本人は気付かずにぶつかってしまったと思い、問いかけてるつもりだが、チャラ男達からはこう見えている。
イメージ『海か山、どっちに捨てられたい?』
まさしくゴッドファーザー。控えめに言っても、日本が好きなマフィアのボスの誕生である。
チャラ男「すっ、すみませぇん!!」
一斉に血の気が引いて顔を青くしたチャラ男達はガノンドロフから駆け足で離れていった。
ガノンドロフ「遅れてすまない。道が混んでて遅くなった」
シュネー「大丈夫でしたかお姉さま?」
サンドリヨン「大丈夫ですよシュネーヴィッツェン」
ガノンドロフの大きな身体の影に隠れていたシュネー、ルキナ、ルフル、リーフ、イカガール、トレ子が現れた。
なお、移動中はガノンドロフがまるで魔除けのごとくナンパしようとした一般人から守っていた事は本人には秘密である。
ベヨネッタ「さっき、たちの悪そうなボウヤ達にナンパされてたわよ」
シュネー「え!?」
サンドリヨン「いえ、何もされてないので大丈夫ですよ」
ルフル「何かされてからじゃ遅いですよ!」
ルキナ「ああいう時はちゃんと態度で否定しなきゃいけませんよ!?」
サンドリヨン「ご、ごめんなさい……」
ルフルとルキナの勢いに思わず謝罪するサンドリヨン。その側で何処からか取り出した釘バット片手にシュネーがチャラ男達が逃げた方向に向けて歩く。
シュネー「とりあえず、私はお姉さまに手を出そうとしたチャラ男どもの尻を六等分してきますね!」
トクマ「やらなくていいから落ち着け、サンドリヨン専用セコム」
遅れてきたトクマ達が殺気を滲み出すシュネーの額を叩き、止める。顔だけは整っているだけあって浴衣を着たイケメン集団だが、その中でも顔面偏差値が普通に位置するトクマだけ浴衣ではなく甚平だった。
理由を語るなら……諸事情でお祭りに行けなかったギャグカオス組がトクマの部屋に立て籠り、仕舞ってたトクマの浴衣を取り出してマリオ達に人質ならぬ物質としてトクマの浴衣を片手に抵抗した。交渉の結果として屋台の食べ物を買ってくる事で手を売ったが、トクマの浴衣は一時的に使えなくなった。
その時の会話の一部始終がこれである。
ネス『我々はお祭りに参加する事を所望する! 拒否するならば、トクマの浴衣がピザポテト臭くなるだけだ!!』
トクマ『何で俺にピンポイント爆撃!? もっと全体的にやれよ!』
マリオ『悪いが……俺達の考えは変わらない』
トクマ『そりゃそうだよ! 俺だけ被害来てるから実質ノーダメージだからな!』
ブラピ『仕方ねぇ、ネス曹長! ただいま別ルートからリトルアリスとピーターにニンニクと香水を持ってこさせるように指示しました!』
トクマ『なんていう指示を出しやがった!』
ネス『よくやったブラピ軍曹』
ブラピ『勿体無き言葉ですネス伍長』
ネス『気にするなブラピ兵長』
ブラピ『いえいえ、ネス上等兵』
トクマ『お互いの階級を下げあうな! お前ら仲良いのか悪いのか!』
ピーター『悪い二人とも! 目的の品を回収できなかった!』
ネス&ブラピ『ナニィッ!?』
トクマ『よし! これでしばらくは……』
リトルアリス『代わりにシュールストレミングを持ってきたよ!』
トクマ『アリスゥゥゥゥゥゥ!?』
ブラピ『ちょwwwナイスwww』
ネス『全員、厳戒体制用意!!』
トクマ『まさか俺の部屋で開ける気か!? やめろよ! 絶対にやめろよ! 絶対に開けるんじゃないぞ!!』
四人『クッサァ!?』
トクマ『開けやがったァァァァァァ!!』
以上、一部始終でした。
ガノンドロフ「おい、そろそろ行くぞ」
ベヨネッタ「はぐれないようにね」
トクマ「だってよサンドリヨン」
サンドリヨン「わかってます!」
シュネー「お姉さまは私と一緒なので余計な心配です!」
ルキナ「何処から巡りましょうか……?」
ルフレ「取り敢えず神社で御参りしてからだな」
ルフル「あ、私は別行動しますね。リーフさんもどうですか?」
リーフ「あ、じゃあよろしく」
トレ子「祭りが私を呼んですね……!!」
マック「問題を起こさないでくださいッスよ。トレ子さん」
ワイワイと話しながら、トクマ達は鳥居を潜り抜けた。
まだまだ続くよ。もうちょい待っててね!
- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.412 )
- 日時: 2019/08/24 21:14
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
そこから先は言うまでもなく、トクマ達は祭りを楽しんだ。
トクマとルフレは射的でお互いを撃ち合ってその様子をルキナとサンドリヨンは苦笑いし、リーフとルフルは金魚すくいを楽しみ、ベヨネッタはガノンドロフにひょっとこのお面を被らせて一人で笑いを耐えたり、パプアニューギニアの呪術師よろしくな気味悪いお面を着けたトレ子から必死に逃げる鬼ごっこを開始するマックと巻き込まれた当麻、屋台をまわって楽しむ様子はどこか童心に戻った気分になった。
トクマ「いやぁ、楽しんだ……うひょあ!?」
屋台から離れた場所で身体を伸ばすトクマ。その後ろから飲み物を持ったベヨネッタがトクマの首筋に冷たい飲み物を押し付けた。
ベヨネッタ「あら、アナタだけなの?」
トクマ「当麻はじゃんけんに負けて焼きそば買いに行った」
ベヨネッタ「丁度いいわね」
ベヨネッタから貰った飲み物を喉に流すトクマにベヨネッタは質問した。
ベヨネッタ「あなた、マスターハンドから聞いたけど外宇宙に旅したようね?」
トクマ「あぁ、そうだが……」
ベヨネッタ「昔なら、一人で倒せなかった相手を倒せたようだけど……どう感じた?」
ベヨネッタの質問にトクマは考え、しばらくしてポツリポツリと話し始めた。
トクマ「……どうもなにも、思わねぇよ」
ベヨネッタ「あら? それはなぜ?」
予想していた答えと少し違うことにベヨネッタは聞き返した。
トクマ「そりゃ、昔は力を望んでたし、仲間を守れたらと考える面が多かった……強くなれるなら、どこまでも強くなろうと考えた……自身の弱さに何度もへこんだ時だってあった…でもさ……その……旅の始まり部分でちょっとした出来事に巻き込まれて……そっから、単純に力を求める事について考えた」
ベヨネッタ「…………」
意外にも真面目な表情で話し始めるトクマにベヨネッタは黙って耳を傾ける。
トクマ「俺は仲間を守る力が欲しかった……でも、守るって何から守ればいいか細かく考えてなかった。防御系統を覚えても、防ぐだけで怪我を治せないし、回復を覚えても風邪や花粉症のような免疫力の場合は逆に悪化しちまう、だからと言って攻撃力を上げて守るのもなんか違う……違和感だらけですっげぇ迷ったし悩んだ……」
そう答えるトクマの目は、どこか遠くを見返すような瞳だった。ベヨネッタふトクマの様子から、救えなかったモノに出会ってしまったかのように見えた。
トクマ「旅しながら考えて、考えて、考えてた時に教えてくれたんだ……『誰だって足りないモノがあるんだ』って……不思議と当てはまって、気付いた」
そして、ベヨネッタに向き合って、自身が旅で得た答えを口にする。
トクマ「俺一人じゃ届かないから、他の人に頼るって事にする」
その様子と答えを聞き、ベヨネッタはどこか安心したような表情で笑い始めた。
ベヨネッタ「……フフ、そう。そういう答えに至ったわけね」
トクマ「む、何かおかしいかよ」
突然の笑みに戸惑うトクマ。その様子にベヨネッタは小さく口角をあげる。
ベヨネッタ「いいえ、特にないわ。ただ……そうね……バカみたいな答えだったらエサにする所だったわ」
トクマ「息するようにとんでもない事考えてた!? この鬼! 悪魔! ドS魔女!!」
ベヨネッタ「痛くも痒くもないわ」
平然と悪魔の餌にすると言い切ったベヨネッタに反論するもアンブラの魔女にはあまり効果がないようでしれっとした態度をとっている。
トクマ「……いきおくれ」(ボソッ
ダァンッ(トクマの足元の地面に銃弾が突き刺さる音)
ベヨネッタ「何か言ったかしら?」
トクマ「すいませんでした!! イケ女って言ったから頭に銃をゴリゴリと押し付けないで!!」
ガノンドロフ「貴様らここにいたか!」
爽やかな笑みでトクマの米神に銃を押し付けるベヨネッタ。地雷だった事にトクマは必死に謝っていると、ガノンドロフが現れた。
ベヨネッタ「あら、何かようかしらガノンドロフ」
ガノンドロフ「大変なことになったぞ」
トクマ「俺も現在進行形で大変な事になってますが、なんですか?」
ガノンドロフに自身の状況を伝えるもスルーされるトクマは少し泣きそうになるが、次の言葉で感傷ごと引っ込んだ。
ガノンドロフ「サンドリヨンが迷子になった」
トクマ「マジか……」
思わず呟いてしまったのは悪くないと、トクマは心の中で言いたかった。
サンドリヨン「人混みに流されてはぐれてしまいました……」
一方、みんなとはぐれてしまったサンドリヨンは焼き鳥屋の側にある空きスペースで合流する方法を模索していた。
……どうしましょう……元の場所まで戻れたら良いですが……そんなに離れてはないと思いますが、とりあえず皆さんに連絡を……
とりあえず無事である事と現在地を知らせようとメッセージアプリを開こうと手を伸ばし――
チャラ男「コンチワ~また会えたね」
――ガノンドロフに逃げたチャラ男達に見つかってしまい、声をかけられた。
サンドリヨンピンチ! コメントはまだまだ!
- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.413 )
- 日時: 2019/08/24 21:21
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
少しばかりのNL要素があります。
みんなは、正解がわかるかな?(白目)
チャラ男「コンチワ~また会えたね」
サンドリヨン「えっと、先程の……」
出会いたくないタイミングで遭遇してしまった事実にサンドリヨンは引きつった笑みを見せる。周りにガノンドロフはおろか一人だけ迷子になっている事に気付いたチャラ男達にとってサンドリヨンは飢えた狼の群れの前に現れた羊だろう。
チャラ男①「この人混みで再会できるとか神確率じゃね?」
チャラ男②「それな!」
チャラ男③「一人なの? 友達は?」
チャラ男④「迷子?」
チャラ男①「俺ら探すの手伝ってあげようか?」
サンドリヨン「いえ、大丈夫ですので、だから……」
チャラ男①「いやいや、この辺ちょっと治安悪いし一人じゃ危ないって~」
チャラ男②「それ、お前が言うかー?」
押しが弱いと見るや強引にサンドリヨンをナンパするチャラ男達。サンドリヨンはチャラ男達の誘いを拒否する。
サンドリヨン「本当に大丈夫なので、向こうも探してくれているので……」
メッセージアプリで位置情報の画像を送って離れようとした瞬間、チャラ男の一人がサンドリヨンの腕を掴んだ。
サンドリヨン「!」
チャラ男①「ねー! いいじゃん交換しようよ」
チャラ男③「やめたれやー」
腕を掴んだチャラ男を野次馬のように笑いながら言う連れ……だが、彼らは知らないようだが、飢えた狼が狙った羊は子羊ても気弱な羊でもなく、RPGゲームのラスボスの傍らで静かに佇むレベル99の羊である。サンドリヨンがその気になれば赤子の手を捻るどころか捩じ伏せる事ができる。
……ダメ……ここで騒動を起こせば周りに迷惑をかけてしまう……仮に相手が逆上してしまったら他の人に被害が広がってしまうかもしれない……どうすれば……
しかし、彼女美徳とも言うべき優しさがそれを邪魔してしまい判断が遅れ、せめての足掻きで足に力を入れて動かないようにしようとする。
覚悟を決めたその時、サンドリヨンの死角から手が伸び、チャラ男の手首を掴んで力強く握りしめた。
チャラ男①「イテテテテっ!? ……なっ、なんだよお前……!?」
トクマ「…………」
メキメキと骨が軋む程の力に握られた痛みからサンドリヨンから手を離すチャラ男。サンドリヨンはただ、来てくれた事に呆然としていた。
チャラ男①「や、やんのかコラァ」
威嚇するチャラ男だがトクマの目には怯えの色がなく、それはまるで『養豚場に一ヶ月間も放置されたままの汚れた雑巾を見るような目』だった。
不意にトクマの視線がチャラ男達の後ろに向けられ、手を大きく振る。突然の行動にチャラ男達は疑問符を浮かべる。
トクマ「こっちこっち! こっちですよガノンドロフのおやっさーん!!」
瞬間、チャラ男達の脳裏に過ったのは赤いドレッドヘアの魔王が自分達を車に轢かれた蛙のように潰される光景で恐怖から一斉に後ろに振り向いた。
チャラ男①「……な、なんもいねーじゃん……」
だが、振り向くと誰も居らず、祭りに来た人達が遠目で見てたぐらいだった。
チャラ男②「あ! こっちもいねーし!!」
気付けばトクマとサンドリヨンの姿が消えており、自分達を騙す嘘だとチャラ男達が遅れて気付いた。
チャラ男①「くっそ! なめたマネしやがって……!」
チャラ男②「なんなんだよあのメガネ……」
チャラ男④「大体、お前がビビって……――」
チャラ男①「はぁ!! お前らだってビビって――」
そのまま口喧嘩しながら去っていくチャラ男達の近くにある茂みでトクマとサンドリヨンは息を潜め、去っていくチャラ男達の気配を警戒しながら静かに待った。
トクマ「……行ったか?」
サンドリヨン「行きましたね」
完全に去っていった事を確認できたトクマとサンドリヨンはようやく肩の荷が降りて、力が抜けた。
トクマ「……はぐれるなって言われてただろ」
サンドリヨン「いや、その、私はただ……」
人混みに巻き込まれてはぐれてしまった事を説明しようとして、自身の手を握るトクマの手が微かに震えていた事に気付いた。
トクマ「……無事で良かった……」
サンドリヨン「……はい」
どこか泣きそうで朧気な印象を与える笑みをトクマが見せ、サンドリヨンは心の中で安心を覚えた。
……良かった……この人は、変わっていなかった……
サンドリヨンが立ち上がろうとした瞬間、トクマがサンドリヨンの腕を引っ張って自身の近くに引き寄せた。
サンドリヨン「ト、トクマサン!?」
まさかの行動に驚くサンドリヨン。さすがの彼女も異性の身体が至近距離に近づくと頬を赤く染める。
しかし、トクマがサンドリヨンを引き寄せたのはロマンチックな理由もなく、恋愛関係の理由でもない……その答えは、彼の視界に写る光景――
――女神転生シリーズまたはペルソナシリーズに登場するマーラ様の形をした神輿の上でエレキギターを巧みに演奏するトレ子の姿があった。
トレ子「ヤァマァノォォォォカァァァミィィィサァァマァァァァァァァァァァ!!」
マック「………」(デーモン閣下並のメイクで気絶している)
トクマ「…………………」
史上最高にハジケて厄ネタを披露するトレ子に頭痛を覚えるトクマ。サンドリヨンに聞こえないように身を寄せる。
余談だが、マーラ様は釈迦が悟りを開く禅定に入った時、その瞑想を妨げる為に現れた天魔のことで、正式名称マーラ・パーピーヤス。音訳して『魔羅』とも言われる。
何が言いたいかと言うと……マーラ様の姿はアバウトに言うと緑色のチ○○ンが戦車に乗ったような姿だ。
しかも、公式である。
サンドリヨン「ト、トクマさん?」
トクマ「……うん……少し休ませて……」
サンドリヨン「……は、はぃ……」
直視したくない現実から逃避するかのようにしばらくサンドリヨンを抱き締めるトクマ。
なお、本人は金髪の美人を抱き締めている図になっている事に気付いていない。
トクマ「そろそろ戻るか。全員心配してるし」
サンドリヨン「はい。皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました……」
トクマ「一緒に謝ってやるから、戻ろう」
サンドリヨン「……はい」
やっと立ち直ったトクマはサンドリヨンの手を引き、チャラ男達がいない事を確認してから茂み抜け出た。
シュネー「お姉さま!」
サンドリヨンを呼ぶシュネーがこちらに気付いて手を振りながらトクマ達に近付いて来る。
シュネー「おねーさまー!」(着物に返り血がベットリ付着している)
詳細を言うと殺人事件を起こしたばかりの姿でこっちに来ている。
サンドリヨン「…………」
トクマ「…………」
呆然とするサンドリヨンを余所にトクマは口喧嘩していたチャラ男達がうっかりシュネーの前でサンドリヨンの事を話してしまい、そのままチャラ男達の尻を宣言通り六等分したのだろうと予測し、同時に自分の身も危なくないか確認した。
・自身……少し汗があり、茂みから抜け出る際に服が少し乱れている。
・サンドリヨン……トクマに抱き締められていた影響なのか頬が赤く染まり、髪が汗で少し濡れている。浴衣も茂みから抜け出る際に少し乱れている。
・状況……同じ茂みから現れた。
結論:何処からどう見てもアウト!
……完全に事案だ……だ、だが、話せばわかってくれるハズだ……
流石に話せばわかってくれると考え、改めてシュネーを見る。その表情には安堵と歓喜が宿っており、返り血を浴びた浴衣を着ているとはいえ人懐こい笑顔を周囲に振り撒いており、トクマは安全だと確信する。
右手に握られている釘バットを見るまでは……
瞬間、トクマは回れ右で茂みに飛び込み、シュネーもトクマを追うように釘バット片手に茂みへ飛び込んだ。
トクマ『ギャー!? こっち来たァァァァァァ!? 釘バット振り回しながら来るんじゃねぇ!!』
シュネー『待ちなさい! お姉さまの純潔を奪った大罪をここでころ……潰します!』
トクマ『いま殺すって言いかけギャァァァ!? かすった! 釘バットがかすった!!』
林から響く悲鳴と破壊音が聞こえ、その悲鳴を辿ってマックとルフレが来てシュネーを止めに入り、遅れてガノンドロフとベヨネッタがサンドリヨンに駆け寄った。
ガノンドロフ「無事かサンドリヨン」
ベヨネッタ「怪我はないかしら?」
心配する二人にサンドリヨンは笑顔で答えた。
サンドリヨン「はい。トクマさんに助けてもらいました!」
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- ファイター達のスマブラ納涼祭 ( No.414 )
- 日時: 2019/08/24 21:27
- 名前: トクマ (ID: UIQja7kt)
・・・おや!? 納涼祭のようすが・・・!
シュネーとのリアル鬼ごっこから逃げ切ったトクマはガノンドロフに担がれながら、目的地の宿泊施設である小学校に向かっていた。
なお、ガノンドロフに担がれた理由はシュネーから無事に逃げ切った代償としてトクマの体力が尽きて動けなかったからだ。
シュネー「まったく、誤解なら早く言えば良かったのに」
トクマ「おい釘バット女騎士。鏡見てから言ってこい」
ガノンドロフ「そろそろ目的地だ。歩けるか?」
トクマ「はい。ありがとうございます」
目的地まで少しとなり、ある程度体力が回復したのでガノンドロフに降ろされ、自身の足で歩き始める。
マリオ「おう、来たな」
ガノンドロフ「遅れてすまん。少し騒動に巻き込まれて」
リンク「気にすんな。これも夏の思い出ってヤツだ」
トクマ「そうだ。少し良いですか」
出迎えのマリオとリンク、ガノンドロフに向けてトクマはカメラを取り出して一枚撮った。
マリオ「カメラを取り出して、どうした?」
トクマ「どうしたって、『記憶に残る』為ですよ」
マリオ&リンク「???」
理由を話すトクマ。しかし、マリオとリンクは理解してないのか疑問符を頭に浮かべていた。
トクマ「忘れたんですか、今日のコンセプト」
ルフレ「事前にやりたい事を聞いたじゃないですか」
マリオ「あぁ、あれか」
ガノンドロフ「なら、これは違うだろ」
リンク「だよなぁ」
ルフレも説明に加わってようやく合点がいった表情になるも、三人が否定する言葉を聞いたトクマとルフレに疑問符が浮かんだ。
トクマ「え? あぁ、確かにこれは記憶じゃなくて記録ですけどね」
Cファルコン「いやいや、そういう意味じゃないんぞ」
ルフレ「どういう意味ですか?」
トクマが言い方の違いだと判断するも違うと言われ、ますます困惑する。するとキャプテンファルコンが昼に話し合って決めた計画用紙を取り出してトクマ達に見せた。
ルフル「事前に決めた計画用紙に何か不備でも?」
マリオ「ライトを当ててみろ」
リーフ「ライトですか?」
マリオの言葉通りにライトを照らしてみると、計画書に何かの文字が現れた。
トクマ「お、なんか文字が浮き出て――」
少しずつハッキリする文字を読んだ瞬間、トクマ達はその文字を見たくないのか硬直し、瞬時にもう一度確認する。そこに書いてあったのは――
【※全てスマブラ式で【最重要!!】】
『ファイター一同より』
とんでもない事だった。
反射的に逃げようとするトクマとルフレとルフルの三人だが、マリオとリンクとガノンドロフとベヨネッタの四人に動きを止められた。
マリオ「やってくれるなんて、幸せだな」
リンク「俺達は優しい後輩を持ったなぁ」
トクマ「あの一文は何ですか!!」
ルフレ「悪質な契約書みたいな書き方を!!」
ルフル「……ッ!! ……ッ!!」
ベヨネッタ「ありがとうね。ルフル」
足掻こうにも拘束されて動けない三人は四人に反論を告げる。
ルフレ「こんな契約だと知ってたら約束しませんでしたよ!!」
トクマ「人を騙して、何とも思わないんですか!!」
マリオ&リンク「巧く騙せて良かったと思っている」
トクマ&ルフレ「なんて見事なクズ発言!!」
悪びれないマリオとリンクにトクマとルフレは大声で糾弾する……ブーメランになっている事については触れないでおこう。
マリオ「それでは、これより!!」
リンク「スマブラ式納涼祭を始める!!」
全員「ッシャアァァァァァァ!!」
トクマ&ルフレ「嫌ぁああああ!!」
マリオとリンクの開始宣告に他のスマブラファイターも高らかに声をあげ、トクマとルフレの悲鳴はかき消された。
地獄が、始まった。
前半終了! 次回はギャグ一色だぞ!
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