二次創作小説(新・総合)

ギャグキャラはそれ相応のシリアスな過去を抱えている(その1) ( No.289 )
日時: 2019/07/01 18:25
名前: ゆめひめ (ID: Lay1j2X4)

前回、突如姿を消したルーク。彼は一体どこに・・・?
ところで、前回のラストで薄々感づいた人もいるかもしれませんが、今回からこの話は徐々にシリアスな展開になって行きます。
(※過去捏造ネタあり)




ロディ『ルーク、何故あの時私に嘘をついた?』
ルーク『ん?何の事だ?』


ルークはある時、ロディに何故騎士になった理由を聞いた。ロディの家柄は貧しく、家族を養う為に騎士として志願した。素直に理由を言ったロディはそのままルークにも同じ質問を聞き返した。その時のルークの答えは「女の子にモテたいから」。その時のロディはルークらしい理由と納得していたが・・・



ロディ『騎士になった動機だ。何故モテたいからなどと嘘をついた?』



後日、ジェイガンからルークの騎士受勲の理由を聞いた。だが、その理由はルークの口から言った内容とは異なっていた。


ルーク『・・・誰から話を聞いた・・・?』
ロディ『ジェイガン様だ。立派で誇れる理由で志願したというのに何故モテたいからなどと嘘の理由を・・・?』
ルーク『・・・立派でも、誇れる理由でもねぇよ・・・』
ロディ『何・・・?』






ルーク『俺は・・・』






~~~~~~~





「すまねぇ。突然の事だけど、俺はアリティア騎士を辞める事にした。
 本当だったらお前らにも一言残してから行きたかったけど、
 俺はバカだからそれらしい言葉が思いつかねぇから黙って行くことにする。
                          ルーク」





クリス「おい、これって・・・!?」
ライアン「け、今朝目覚めましたら、机の上にこんな手紙が置いてあって・・・!」


前回、第七小隊が見つけた紙きれ。それはルークの置き手紙だった。その内容は、アリティア騎士を辞めるという事がつづられていて・・・


クリス「ど、どうしていきなり・・・!?」
カタリナ「まさか・・・昨日のことが・・・!」
セシル「カタリナ・・・?」
ライアン「カタリナさん、昨日のことって、何があったんですか!?」
カタリナ「・・・その、昨晩の事なのですが・・・」


昨日、ルーク達3人の会話を聞いていたカタリナ。ルークが突然いなくなった事に関係する事と言ったらこの事ぐらいしかない。カタリナは昨晩の会話の事を話した。


ライアン「そんな事があったのですか・・・」
クリス「今思えば、あの会話はあいつが騎士を辞める事についての相談だったのかもしれない・・・」
セシル「・・・まぁ、良いんじゃないの?ちょうどうるさいのが減って静かになるだろうし」
カタリナ「セシル!そんなこと・・・!」
セシル「じょ、冗談よ;そりゃあたしも急にいなくなって、辞めようとするのならあたしらにも一言ぐらい言えばいいのにっては思うけど・・・」
ライアン「でも、辞めるとしてもどうして理由も言わないで突然に・・・」


騎士を辞める事と昨晩の話が騎士を辞める事への相談なら、この2つが繋がってもおかしくない。ただ、そうだとしてもどうしても腑に落ちない事が。ルークが騎士を辞める理由だ。もし騎士を辞めるとしたら必ず理由があるはず。なのに置き手紙にも辞める理由について書かれていない。昨日まであんなに笑いあったのに何故突然・・・?すると、ルークと最も関わりの深いロディは、ここまで一言も発しておらず、何かに引っ掛かる様な表情で沈黙している。


ロディ「・・・・・」
クリス「ロディ?どうかしたか・・・?」
ロディ「・・・まさか、あの話が・・・」
ライアン「「あの話」・・・?ロディさんは何か知っているんですか!?」
「やっぱりロディは感づいたみたいだね・・・」
5人「!?」


ロディの口から「あの話」という言葉。もしやルークに何か関わりがあるのか?言葉の意味を聞き出そうとした時、第七小隊の部屋に聞き馴染みのある部屋が聞こえた。






マルス「驚いたよ。まさかあの話を聞いていた人がいてたなんてね・・・」
5人「マルス様!?」





感想・まだ

ギャグキャラはそれ相応のシリアスな過去を抱えている(その2) ( No.290 )
日時: 2019/07/01 18:07
名前: ゆめひめ (ID: Lay1j2X4)

振り返るとそこに自分達の主君がいた。そういえばマルスはあの時の話の当事者だ。彼なら昨晩話していた真相を知れるかもしれない・・・!


カタリナ「す、すみません・・・盗み聞ぎするつもりはなかったのですが・・・」
クリス「それよりマルス様、何か知ってるのか!?ルークとクラウス殿について・・・」
マルス「聞かれていたなら仕方ないね。僕から話すよ。ルークのことについてね・・・」
5人「・・・!」ゴクッ


丁度マルス自身も話そうとしていたらしい。一同は身構えるとマルスも昨日の真意を語りだした・・・






マルス「ルークとクラウスの家は、代々アリティア騎士の家系であって、騎士への受勲も本来はクラウスが継ぐはずだったんだ」
クリス「代々アリティア騎士の家系・・・あいつが・・・」
マルス「ところが騎士受勲を受ける前、クラウスは重い病で動けなくなってしまい、弟であるルークが代わりに騎士に志願する事になったんだ・・・」
カタリナ「そうでしたの・・・あの時クラウスさんが言ってた「しばらく街中に出れない時期」って、クラウスさんが病気だったからだったのですね・・・」


話によると2人のは代々アリティア騎士の家柄であり、本当はクラウスが騎士となるはずだったのだ。しかしクラウスはアリティア騎士試験が始まる前に病気で倒れてしまい動けなくなってしまったのだ。ルークはそんなクラウスの代わりにアリティア騎士に志願する事になったという。けど今のクラウスは病気から回復している。ならルークは、もう自分は騎士でいなくても良いと思い、アリティア騎士を辞める事にした・・・?そう考えるならそれが理由になってもおかしくない。だが・・・


ライアン「じ、じゃあルークさんは、クラウス殿の病気が治ったから、騎士を辞めて実家に戻る事にして・・・!?」
ロディ「・・・いや、だとしたら・・・」
カタリナ「え?」
マルス「ロディ?なんか変に感じる事でもあるのかい?」
ロディ「いや、もしそうだとして、ルークは家に戻って良いのだろうかって・・・」
セシル「え?」
クリス「どういう事だ・・・?」


今までの会話を聞いたロディは何やら浮かない顔をしている。マルスの話を聞けばルークが騎士を辞める理由も話がつながる。それなのに家に戻っては良くないのか・・・?するとしばしの沈黙の後、ロディはこう言う・・・


ロディ「私、ルークから聞いたんだ・・・マルス様が申してた通りの騎士への成り立ちの話を聞いてる時に、ルークは自分の事をこう言っていた・・・」





ロディ「『俺は、兄貴の代わりに家の名誉を守る為に志願させられた代用品だ』と・・・」





全員「代用品・・・?」
ロディ「あの頃は深くは触れておかない事にしたが、今思えば、あいつは幼い頃から時々寂しそうな顔をする事があった・・・思えばルークは昔から実家の事で何か悩みを抱えていたのかもしれない・・・そう考えると、騎士を辞めたところで実家に戻っても良かったのだろうか・・・」


過去に聞いた相棒の言葉・・・あの時は深入りしないでおいた言葉、まだ確信が得てはいないが、もしやそれがルークが騎士を辞める事のカギになっているのか・・・?


セシル「・・・あんたはその悩みについて触れようとしなかったの・・・?」
ロディ「セシル?・・・いや、その事についてはあいつにも悪いだろうし、あまり触れないでおこうとしていたから・・・」
セシル「あんたあいつの相棒だったんでしょ?だったら相棒が悩んでいるのに気づいたなら、どうして何も声をかけないでいたのよ!?」
クリス「せ、セシル・・・?」
セシル「確かにあたしもみんなも昔のルークの事は全く分からないわ・・・でも、あんたはガキの頃からルークを知っているでしょ?だからルークがどんな奴なのかも詳しいはず・・・!だったらあいつがそこまで悩んでいるそんな時こそ、相棒として手を差し伸べるべきなんじゃないの!?」
ロディ「・・・・・・」


なにかに引っ掛かる様な顔で考え込むロディにセシルが一喝する様な声をかける。普段からルークともめたりしている彼女から発する言葉に、セシルとよく一緒にいるカタリナもいつもとは違う感情が溢れているのを察した。




セシル・・・? 感想・まだ

ギャグキャラはそれ相応のシリアスな過去を抱えている(その3) ( No.291 )
日時: 2019/07/31 17:06
名前: ゆめひめ (ID: Lay1j2X4)

カタリナ「セシル、どうかしたのですか・・・?急にそんな事言い出して・・・」
セシル「い、いや、ゴメン・・・けどあたし、クラウス殿が本当にルークに戻って来てほしいと思っていたら、何というか・・・あたしにも少しそのクラウス殿の気持ちが分かる気がするの・・・」
ライアン「クラウスさんの・・・?」
セシル「・・・あたしにはね、アリティア騎士になりたがってた弟がいたのよ」
5人( □)             ゜゜
セシル「何よその反応」


「自分にもクラウスの気持ちが分かる」。その言葉と共にセシルは自分の弟の話を切り出した。



セシル「マルス様の活躍は昔からよく聞いていて、弟はマルス様のお話を聞く度、目を輝かせていた・・・「オレ、将来マルス様に仕える強い騎士になる!!」って、幾度も言ってて、あたしも身内も反対しなかったし、むしろその夢を応援していたわ・・・」
マルス「・・・・・」
セシル「でも、その夢は叶わなかった・・・その日、あたしの街は賊の襲撃を受けた。あの時あたしは逃げている途中に足を挫いてしまった・・・そうして逃げ遅れたあたしを賊の斧が襲い掛かったその瞬間、弟があたしの目の前に現れた。その後、賊共は倒されたけど、弟はもう目を覚ます事はなかった・・・「姉ちゃんを守る事が出来てよかった」。それが弟の最期の言葉だった・・・それからを期に、あたしは決めたの。弟が騎士になりたかった分まで、誰にも負けない強い騎士になるって・・・」
5人「・・・・・・」
セシル「でも・・・あたし達は、受勲式の直後に英雄戦争に身を投じる事になった。あいつ・・・ルークには今もクラウス殿がいる。あたしの弟だって、もし生きていてあたしが戦争に向かうって知ったら、そりゃ心配するだろうし、弟が騎士になって戦争に加勢するって聞いたら、あたしだって弟の事が不安になるわよ・・・だから、クラウス殿もルークを危ない目に遭わせたくなくて、ルークを連れ戻そうとしたんじゃないかって思っているんじゃないかって・・・」
ライアン「セシルさん・・・」


騎士になりたいと願っていたが、願い叶わず命を落としてしまった弟・・・しかし、もし、生きて騎士になれたとしても、騎士になれた自分達みたいに戦争に身を投じる事になったら・・・クラウスはその「もしも」の側になっていたかもしれないセシルと同じ心境であれば・・・


ライアン「そうですよね・・・暗黒戦争の時のゴードン兄さんだって、もう兄さんと会えなくなるのかと思っていましたもの・・・ぼくが騎士になりたいってのも、兄さんの様な人になりたいというのもありますけど、少しでも兄さんの力になりたい、というのも理由にありますし・・・」
カタリナ「そうですよ!きっとルークやクラウスさんにもきっと何か・・・2人に関係する事があるはずなんですよ!!」
クリス「・・・・・・(立ち上がる」
ロディ「クリス・・・?どこに向かう気だ・・・?」
クリス「そんなのお前が1番知ってるだろ?」






クリス「クラウス殿とルークに、ことの真意を聞きにだ・・・!!」






ロディ、カタリナ「クリス・・・!」
クリス「そこでだカタリナ、1つ頼みたい事があってな・・・」
カタリナ「え?」



~~~~~~~





アリティアの広大な城下町、そこから大きく離れた地方にある町があった。その町も広大な大きさであり、もしかしたらアリティアの城下町をも超えるであろう広さである。そこから少し遠のいた片隅に、成人男性で肩車しても越えれるかどうかの高さの壁に囲まれ、流石に城下町や港町ほどではないが広大な大きさ屋敷がある。その屋敷に・・・「彼」は戻っていた・・・現に屋敷の使用人らしき者達が「彼」の姿を見るなり、「彼」を迎える様なふるまいを見せている。








召使いA「よくお戻りになられました。ルーク坊ちゃま」
召使いB「ささ、あちらの部屋で旦那様と奥様がお待ちです」
ルーク「・・・・・・」



ルークはその使用人達に何も反応せずに素通りする。むしろこの屋敷に戻ってくるなり、ある部屋に向かった。いや、ルークの心境としては向かいたくもないし、その中にいる人物に会いたくもなかった。しかし、ルークはその人物に会わなければならない。心の中で若干苛立ちつつも、その部屋に入るなり、部屋にいた人物に無愛想な声をかけた。









ルーク「いきなり代用品を呼び戻して、どういうつもりなんだよ?親父におふくろ・・・」







短いですが、今回はここまで。



引き続き、『子世代男子の退屈』をお楽しみ下さい。