二次創作小説(新・総合)

兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる(その1) ( No.327 )
日時: 2020/07/25 18:32
名前: ゆめひめ (ID: eVWzcu6j)

ようやくクラウス編の続きが書けたよ・・・;
と言う訳でシリアス長編クラウス編第3話です。
第七小隊から姿を消したルークが向かったのは・・・




お久しぶりのクラウス編の続きですが、この長編はいつもとは雰囲気が違うシリアスな話でありますので軽く前回のあらすじを紹介いたします。







ルーク「やっぱり!!兄貴じゃねーか!?」
ルーク以外の第七「Σ兄貴ぃ!?」




事の発端は、ルークの兄である「クラウス」がアリティアへやってきた事から始まりました。



セシル「はぁ、先ほどはすみませんでした・・・;まさか身内の方だったなんて・・・;」
クラウス「別に良いよ。僕も急に近づいてきて、こっちにも非はあったから;あ、これマルス様へのご挨拶に用意した手作りのガトーショコラなんだけど、良かったらお近づきの印にみんなでいただいてよ」



カタリナ「いえ、折角ですし私達もクラウスさんのお話を聞いてみたかったので・・・」
クリス「あ、あはは・・・まぁな・・・」
クラウス「まぁまぁ、良いじゃないか賑やかで」



クラウス「けどルークにも可愛いところあって、昔僕がプレゼントしたぬいぐるみをとても大切にしてたんだよ」
ルーク「Σブーーーーーーーーーーーッ!!?”;・´、゜・”:`。(°ε°;)」
他5人「Σルークが盛大に吹き出したァ!?」



クラウスはとても気さくで穏やかな性格であり、いつも優しい笑みを浮かべていて、とてもアホで大ボケなルークと同じ遺伝子を継いだ兄弟とは思えないくらい完璧な兄さんであった。

ところが・・・





クラウス「・・・君にはたくさん迷惑をかけてしまって、本当に悪いと思ってるよ・・・だからこそ・・・・・」

カタリナ(え・・・?)


その日の夜、カタリナはルークとクラウスが会話する部屋から、寂しそうな表情で意味深な言葉を呟いたクラウスを聞いてしまう。

そしてその次の日・・・






「すまねぇ。突然の事だけど、俺はアリティア騎士を辞める事にした。
 本当だったらお前らにも一言残してから行きたかったけど、
 俺はバカだからそれらしい言葉が思いつかねぇから黙って行くことにする。
                          ルーク」




ルークは突如、この置き手紙を残して第七小隊から姿を消してしまいました・・・




マルス「騎士受勲を受ける前、クラウスは重い病で動けなくなってしまい、弟であるルークが代わりに騎士に志願する事になったんだ・・・」



ロディ「ルークは自分の事をこう言っていた・・・『俺は、兄貴の代わりに家の名誉を守る為に志願させられた代用品だ』と・・・」



そしてその後、クラウスとルークはアリティア騎士の家系で病で倒れたクラウスに代わり、ルークが騎士に志願したのだが、ロディの口から出たのは、ルークが心に何か抱えていた事であった・・・



セシル「ルークには今もクラウス殿がいる・・・クラウス殿もルークを危ない目に遭わせたくなくて・・・」



ライアン「ぼくが騎士になりたいってのも、少しでも兄さんの力になりたい、というのも理由にありますし・・・」



カタリナ「ルークやクラウスさんにもきっと何か・・・2人に関係する事があるはずなんですよ!!」






クリス「クラウス殿にルークの真意を聞きにだ・・・!!」





そして第七小隊は、兄弟の奥底に抱える本心を真意を知る為、2人の元を探すのであった・・・!!




という訳でそんなクラウス編の続きを次のレスからどうぞ



感想・まだ

兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる(その2) ( No.328 )
日時: 2020/07/25 18:38
名前: ゆめひめ (ID: eVWzcu6j)




『坊ちゃま!あなたって人はまたこんな事を・・・!』
『一体何度我々やお父上様から言えば分かってもらえるのですか!?』
『お兄様に何かあられたら、この家を継ぐのは坊ちゃまなのですよ!!』
『少しは騎士の家系としての自覚をですね・・・!!』




『・・・』
『また父上やみんなに叱られたのかい?』



俺の家は代々アリティア騎士の家系であり、俺は物心つく前から「アリティア騎士の家系である事を誇りに思い、貴族の身分を尊重するべきだ」と口うるさく言われていた。兄貴は跡継ぎというのもあって素直に従っていたけど、俺はそんな言葉の言う様に従う気はなかった。貴族の子でも俺は普通の子と同じようにいたいと思ってたし、よく家を抜け出して外に遊びに行ってたし、その頃から俺は親父や従者との言い争いが絶えなかった。従者達だけでなく、おふくろも子供の俺より大人である親父の味方しかしてくれないものだから、どうあがいても周りの言葉に従うしかなかった。それが悔しくて言い争い終わりに部屋でふてくされてると、必ずと言っていいほど俺の唯一の味方である兄貴が声をかけてくる。



『・・・ホント訳分かんねぇよ。何で兄貴のやる事は誰からも褒められるっていうのに、おれのやる事はみんな悪い事になるんだよ!?』
『さぁ、どうしてだろう?強いて言うなら・・・僕はみんなに期待されてるからかな?』
『それが分かんねぇんだよ・・・アリティア騎士って、そんなにすごいことなのか?確かにマルス様は暗黒戦争を終わらせたっていうけれど・・・でも、すごいのは戦争を終わらせたマルス様で、アリティア騎士はそれに付き合っただけだろ!?それのどこがすごいんだよ!?』
『・・・確かにマルス様はとてもすごい方だよ。でもね、戦争を終わらせたのは、マルス様1人のお力だけじゃなくて、そのアリティア騎士団や、頼もしい仲間がいるからこそ成し遂げられたんだよ。たとえマルス様の付きそいだと思われても、マルス様にとってはかけがえのない存在なんだ。そういう人達がたくさんいてたら、この国も安心だと思わないかい?』
『そーかぁ・・・?おれは戦争を終わらせる程強いマルス様1人がいたら安泰だと思うけどなぁ』
『あはは、君の口から「安泰」なんて言葉が出ると思わなかったよ』
『何だよ、珍しく嫌味でも言ってんのかよ・・・』
『あはは、ゴメンゴメン。そういうつもりで言った訳ではなかったのだけど・・・』
『兎に角、おれはそういう家柄だっていう理由でとやかく言われたくねぇんだよ!おれだっておれという人間なんだぞ?そういう家柄の貴族だからって騎士になりたいなんて思わないし、普通の奴みたいに遊んでいたいんだよ!騎士だって兄貴が継いでくれるんだからおれはどう生きたってかまわないじゃねーか!!』
『うーん・・・じゃあ君は、僕がアリティア騎士になっても、どうでも良いっていうのかい?アリティア騎士の弟、そういうのってカッコイイと思わない?』
『そ、それは・・・』



俺にとって兄貴は俺の唯一信頼できる身内だ。何回か兄貴が訓練をしている光景を見た事あるけど、兄貴の剣術はすごく格好良かったし、馬の扱いも手慣れている様な感じで、その時の兄貴はまるでキラキラ光っている様に見えた。



『・・・でも、おれは兄貴がいるっていう事には、誇りを持てるぜ。だって、兄貴は強いしカッコイイし、あいつらより優しいし、いつもおれと遊んでくれるんだもの!!』
『・・・ふふっ、そう言ってくれたら僕も嬉しいよ』
『・・・おれは騎士とか家柄とかどうでも良いけどさ、兄貴がそういう家柄だからっていう理由じゃなくて、心の底から騎士になりたいって思っているのなら、おれはそんな兄貴を誇りに思うかもしれないな』
『そうか・・・』







『それじゃあ、僕はルークが誇りに思うようなアリティア騎士になる為、頑張ろうかな』







『兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる』






ルーク「・・・・・・」



城下町から遠く離れた町の屋敷・・・この屋敷こそルークの実家だった。クリス達に置き手紙を残して実家に戻り、とある部屋の前で佇んでいた。ルークの心境としてはその部屋に入りたくもないし、その中にいる人物に会いたくもなかった。しかし、ルークはその人物に会わなければならない。心の中で若干苛立ちつつも、その部屋に入るなり、部屋にいた人物に無愛想な声をかけた。




ルーク「いきなり代用品を呼び戻して、どういうつもりなんだよ?親父におふくろ・・」




ルークが親父とおふくろと呼ばれた男女は部屋の奥に佇んでいた。椅子に座っていた男の方はルークの声を聞くなり、椅子の向きを変え、無愛想な顔でルークを視界にとらえた。




イリーガル「・・・ようやくここに戻ってきたか・・・」
クイーナ「全く、あなたって子は相変わらずその反抗的な態度は直ってないようね・・・」
ルーク「直る訳がねぇだろ。家でもあんたらは兄貴にしか目にくれてなかったし、こっちも受勲したらしたで散々だったんだぞ・・・」




彼らこそこのルークとクラウスの両親であるイリーガルとクイーナであった。2人はルークの姿をとらえると、早速話を進め始めた。


クイーナ「ルーク、クラウスから話は聞いているでしょうね?」
ルーク「おうよ。その話をしたからここにこうして戻って来てるんだろ」






ルーク「兄貴が俺の代わりに騎士なって、俺はもう騎士を辞めるってのだろ」






~~~~~~~




マルス『来たね、ルーク・・・』
ルーク『言われた通り来ましたぜよ。けど、こんな夜中にどうしたんだよ・・・?』


その話はあの時、カタリナが少しだけ聞いていた話の場面まで遡る。


マルス『えっとだ・・・僕よりはクラウスから聞いた方が聞きやすくなるかな?という訳で、クラウス』
クラウス『あ、はい・・・』
ルーク『?』


部屋にはマルス、クラウス、そしてルークの3人しかいない。いや、むしろこの3人だけでいる方が、それもクラウスから話を始めなければルークも話に入ってこれないだろうと思ったマルスはクラウスにきっかけを勧めた。
そうして始まった話の内容は・・・・・








クラウス『あのね、僕、そろそろ君と交代したいと思っているんだ』








・・・ 感想・まだ

兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる(その3) ( No.329 )
日時: 2020/07/25 18:43
名前: ゆめひめ (ID: eVWzcu6j)



あの時、クラウスが話していた内容は、他の第七小隊が察した様に、やはりアリティア騎士の交代についてだった。その話を初めて聞く事になったルークはというと・・・


ルーク『交代・・・?』
クラウス『えっと、いきなり言われて驚くのも無理はないんだけど・・・つまり、君が騎士を辞めて、僕が代わりに騎士になるって事なんだ・・・』
マルス『うん。クラウスが今日来たのも、その事で僕と相談したいからって・・・』
ルーク『そ、そうなのか・・・それでマルス様はその交代についてはどの様に・・・?』
マルス『あぁ、君がクラウスの代わりに騎士受勲したって事はジェイガンから聞いていたし、君がその気だというのなら、交代はいつでも構わないさ』
ルーク『そうですか・・・けど、病気は治ってきたってのは聞いているけど、その・・・体調とかは大丈夫なのか・・・?』
クラウス『うん、身体も方もだいぶ回復してきたし、ビショップ達とも手合せもまた出来る様になってきたからね』
ルーク『そうか・・・』
クラウス『・・・・・・』


いきなりの報告にまだ実感が湧かないのか、ルークは黙って無表情で主君と兄を見つめる・・・その様子に、クラウスは少し寂しげな表情でルークにこう言った。





クラウス『ルーク・・・・・君にはたくさん迷惑をかけてしまって、本当に悪いと思ってるよ・・・だからこそ、これから僕が変わってあげて功績を立てて、今まで迷惑かけた分まで返して行けたらと思っているんだけど・・・』





ルーク『兄貴・・・』
クラウス『・・・その、ごめんね、急にこんな話を持ち出して来て・・・』
マルス『・・・まぁでも、すぐに応えてくれとは言わないよ。そりゃクラウスも僕も出来れば早いうちの方が嬉しいけど、君のこれからに関わる事だから・・・』
ルーク『・・・いや、マルス様。もう大丈夫です。俺、もう決めていますから・・・』
マルス『え?』
クラウス『決めているって・・・まさか・・・』
ルーク『・・・実を言うと英雄戦争が終わってから、ずっと考えてました・・・むしろ、こうして話してくれただけでも、きっかけが出来てありがたいと感謝したい程です・・』









ルーク『俺、アリティア騎士辞めますよ。それで兄貴に騎士になってくれたら、それで十分です・・・』








~~~~~~~



イリーガル「・・・それから先はクラウスから話を聞いている。お前は話を承諾し、ここへ戻ってくる、とな・・・」
クイーナ「クラウスも今頃アリティア城へ向かう荷作りをしているはずよ」
ルーク「・・・・・そうかよ・・・」


一通りこれまでの経緯いきさつは話終えるが、ルークが無愛想な態度と表情は変わる気配がない。3人の間にしばしの沈黙が流れると、ルークは重くしていた口を再び動かした・・・


ルーク「・・・にしても急にあの話をわざわざ兄貴から持ち出して、一体どういう風の吹き回しのつもりなんだ・・・?」
イリーガル「・・・どういうつもりも何も、お前もクラウスもそれが望みであると聞いていたから望み通りその機会を与えただけだが?」
クイーナ「それにしてもあなたの事だからすぐに話を受けて帰ってくると思っていたけれど、まさか想像以上にこんな早々に帰ってくるとはね・・・おかげでほとんど歓迎する準備も整ってないわ」
ルーク「勘違いするなよ?俺は兄貴に話を持ち掛けられたからそれに応えただけであんたらの期待通りに動いた訳じゃねぇからな?・・・それにどうせ代用品の俺が帰ってきても歓迎する気なんてハナからなかったんだろ・・・」
クイーナ「何言ってるのよ。みんな騎士となって帰って来たあなたを迎えてくれたじゃない」


ルークは不服だった。自分は他と違って望んで騎士になりたかった訳ではない。クラウスの代わりという理由だけで無理矢理騎士にならされた姿で歓迎されても嬉しくないし、むしろ嬉しいなんて思いたくもない。それに自分は騎士になった直後に英雄戦争に身を投じた・・・苛立ちが見え隠れしだす中、ルークは戦争に参加した自分について聞いてきた


ルーク「・・・親父、お袋、代用品とはいえ、実の息子が戦争に身を投じてるんだぞ?俺じゃなくて兄貴が受勲したとしても、兄貴が戦争に向かう羽目になってたかもしれないってのに・・・何とも思わねぇのか?」
イリーガル「・・・逆に何故何か思う事があるという?」
ルーク「は・・・?」
イリーガル「戦地に向かうという事は、それほど主君に自身の実力を認められているという事だ。お前もクラウスの代理とはいえその1人だ。マルス王子に我が家系の実力を認められている。それでこそ、騎士の誇りだ」
ルーク「・・・じゃあ親父は、俺が戦争でたおれても構わねぇってのか・・・?」
イリーガル「当然だろう。主君の為であり、国の為に身を投じて戦ってたおれるならば、それも騎士として、名誉になる。・・・まぁ、お前の様な奴であれば、むしろ生きてこれた方が不思議であるが・・・」






イリーガル「少なくとも、お前はクラウスと比べて弱い。弱い騎士の命など、戦争にとっては安いものだ」
ルーク「・・・ッ!」














『彼はすごく強い方ですし、足手まといだった私を見捨てず、共に戦ってくれましたから・・・!』



『ルークと私が1人ずつ戦っても、それは私達1人1人の力に過ぎない』



『ぼくの兄さんも言ってました・・・弱い人間でも仲間と協力すれば強くなれるんだって・・・』






ルーク「親父お前!俺達h・・・!」






ドゴォォォォォン!!




ルーク「!!」
イリーガル「何事だ!?何の騒ぎだ!!」
従者「旦那様!奥様!緊急事態です!!先ほど、場内にて謎の奇襲があった模様!」




一体何が・・・!? 感想・まだ

兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる(その4) ( No.330 )
日時: 2020/07/25 18:47
名前: ゆめひめ (ID: eVWzcu6j)

ルークが両親に何かを訴えかけようとしたその瞬間、突如屋敷内から謎の轟音が鳴り響いた。突然の轟音に一同は何事だとハッとなる中、従者が青い顔をして部屋に飛び込んでくる。その内容はこの屋敷に何者かの奇襲があったとの事だが・・・


クイーナ「奇襲!?だとしたらすぐにその侵入者たちを排除するのよ!!」
従者「い、いや、それが・・・現在場内で・・・;」












従者「謎のスライムの軍団が大量出没中なのです!!;」
ルーク「Σブッフ!?”;・´、゜・”:`。(°ε°;)」
イリーガル、クイーナ「は?」キョトン





(※注意:今回の長編の中で貴重なギャグシーンです)





従者の口から出たのは2人の反応通り「は?」という訳分からん状況だった。はたから見れば「どういう状況だよ!?」と思う報告だが、今の言葉にルークは(笑いをこらえながらも)その侵入者の正体に気づいた。だってスライムと聞いたら自身のまわりで感づく物といえば1つしかない。



ルーク(それ絶対カタリナちゃんだろ!?カタリナちゃんのスライム料理の事だろ!?あいつらがこんな所まで来た以前にあいつら何してんだよ!?)←笑いをこらえている






屋敷内・・・



スライムs「ピキー!ピキー!!」
従者2「スライムの何匹かがあっちに行ったぞー!?」
従者3「こいつら一体どこからわいてくるんだよ!?」
従者4「こいつ足にくっついてきやがった!って、また仲間がやられたァァァァ!!?」
従者5「」←スライムが口に入った





セシル「クリス、もっと良いおとり考えなかったの・・・?;」
クリス「仕方ないだろ。あれが1番混乱を招くには適してると思ったんだよ」
ライアン「その為にわざわざカタリナさんにスライム作らせるのもどうかと思いますよ・・・;」
カタリナ「ルークとクラウスさんの為ルークとクラウスさんの為ルークとクラウスさんの為・・・」←虚ろな目で自己暗示


屋敷の中でスライムの大量発生に排除に苦しむ従者の様子を、外からクリス達は遠目で見ていた。実はこのスライムは従者達の注意をひく囮なのだ。



~~~~~~~



クリス「そこでだカタリナ、1つ頼みたい事があってな・・・」
カタリナ「え?」


(この長編の)前の話でクリスはカタリナに何を頼んでたのかというと・・・


セシル「クリス、あいつがどこに行ったか分かるの!?」
クリス「今までの話を聞いて、だとしたらルークはきっと実家に戻っているはずだと思った。だけどアリティア騎士家系のお坊ちゃんの家でなら、そう簡単にルークに合わせてくれるはずがないだろう。だったら多少強引ではあるが、あいつの家に突撃してルークやクラウス殿の元に行くしかない。そこでだ・・・」









クリス「俺達がルークを連れ戻す間、カタリナのスライム達であいつの家の従者達を混乱させるんだ」
カタリナ、ロディ、ライアン、セシル「は?」








~~~~~~~



クリス「俺達はカタリナがスライムを錬成しても退治するだけでも、何も知らない普通の人でならいきなりスライムが大量に出てきたら混乱せざると得ないだろうからな、その心理を利用してあのスライム達を屋敷に潜入させた」
ライアン「理屈がよく分からないんですが」
セシル「でも言われてみれば確かにああいう一般人は突然のスライム慣れてないから分からなくもないかも;」


料理で生物を錬成するという日常系小説のよくある出来事を体験した事がないモブという立場を利用した(?)このスライム奇襲作戦。セシルの言う通り確かにこんな事が突如起こったらみんな混乱するだろうけど、こんなん体験した事あるない関係なしにみんな大体こうなるだろうよ・・・;さっき自己暗示していたカタリナもルークやクラウスの為とはいえよく実行に移せる勇気があったもんだな・・・;ちなみにあのスライム達、元々はすいとん(小麦粉で出来た生地を丸めて煮たもの)だったと記しておく。


クリス「ともかくこれでまずはクラウス殿探しに集中でk・・・」
従者6「ぶへぇ・・・な、なんだったんだあのスライム・・・;」
従者7「・・・って、Σあっ!?何者だお前ら!?」
カタリナ「って、もう見つかっちゃいましたけど!?」
クリス「運良く逃げられた人達がいたか・・・;」


ともあれスライムでの襲撃も完全に効く訳ではない。先ほどスライムの出没をイリーガル達に知らせに来た従者の様に、スライムの猛攻を受ける中で命からがら(?)脱出した者もいる。そんな従者の一部が脱出した矢先にクリス達を見つける。


従者8「運良く逃げられた・・・?あ!という事はあの訳の分からん大量のスライムはあなた達の仕業!?」
従者9「変な方法で屋敷を混乱させやがって!侵入者なら正々堂々侵入して来いや!!」
ライアン「モブキャラの割にギャグシーンに関してベテランなツッコミ入れますね」
クリス「そんな大勢で正々堂々と侵入出来ないからこの方法を選んだのだがな・・・こうも早くに見つかっては仕方ないな・・・」






クリス「なら正々堂々、クラウス殿の元へ向かわせてもらおうか・・・!」
従者s「!?」









(※貴重なギャグシーン終わりです) 感想・まだ

兄弟持ちは大体自分と同じ立場の兄弟を欲しがる(その5) ( No.331 )
日時: 2020/07/25 18:53
名前: ゆめひめ (ID: eVWzcu6j)

このレスがで最後





ルーク(おい、ちょっと待て・・・あいつらがここに来てるとしたら・・・!!)
従者1「坊ちゃま!?どこへ・・・!!」


一方同時刻イリーガル達の部屋、(こらえてた笑いが治まった)ルークはクリス達がここに来てるを察したルークはとっさに部屋を飛び出す。突然の事に従者も引き留めようとしたが・・・


イリーガル「ど、どういう事か知らんが・・・兎に角あいつの事は放っておけ。それよりも、その・・・まさかというが、その、すらいむ?というのが侵入者だと言うんじゃないだろうな?;」
従者1「い、いや、流石にそんな事はないとは思いますが・・・;そ、それよりもその侵入者の件について、先ほどクラウス様によると「例の3人」が侵入者の排除に向かわれたと申してましたが・・・」
クイーナ「・・・確認の為に聞いておくけれど、すらいむ?じゃなければの侵入者の事で合ってるよね?;」
従者1「むしろそうであってほしい所です;」



~~~~~~~



従者10「ぐわぁぁ!!」
従者11「きゃあっ!!」
従者12「何だこいつらの強さは・・・!?こいつらは化け物か!?」
従者13「何者なのか知らんが、邪魔するようなr・・・がはっ!?」
クリス「クッ・・・!少し怯ませてるだけだが、数が多いな・・・!」
セシル「この家がよっぽどの数の従者を雇ってる事は身をもって分かったけどね・・・!はぁぁぁぁ!!」
ライアン「そこ失礼します・・・!せいっ!!」
カタリナ「あんまり痛い目に遭わせたくないのですが・・・はぁぁっ!!」


あれからクリス達はクラウスを探す為、従者達を黙らせていた。といってもそこは彼らも良心がある為か、完全に気を失わせず動けない程度に怯ませてるだけだが、あくまで自分達が求める人物以外に無駄な暴力は控えるせめての優しさだろう。


クリス「しかしここの奴らも大したことないな」
セシル「この調子でいけばクラウス殿のところへも・・・!」


次々に襲い掛かる従者達をクリス達はあっさり蹴散らし、クラウスのいる場所を探す。しかし、クリス達の猛攻もいつまでも続かない。


カタリナ「―――!? 皆さん!伏せてください!!」
ライアン「え!?な、何が・・・」





ゴオォォォ!!





クリス、ライアン「うわぁぁぁっ!?」
セシル「きゃあっ!?」


何かを察したカタリナの言う通りに伏せた瞬間、突如クリス達の目の前に紅い炎が立ち上がった。もしカタリナがこの事に気づけなければ、4人まとめてこの紅炎に焼かれていただろう・・・明らかに今までとは違う何者かが近くにいる・・・


セシル「今のは一体何が・・・って、いつの間にか目の前に明らかに他とは違う奴がいるんだけど・・・;」
「お前達が侵入者共か。これ以上の蛮行は止めてもらおうか」


一同が気づいた先には3人の人物が立ちはだかっていた。
1人は赤みのかかった茶髪の男であり、深紅に染まったグレートナイトの鎧を身に纏い、比較的細いめの剣を構えている。
1人は深い緑色の髪色を持つ男で、同じ緑のホースメンの鎧を着用し、手には弓を装備している。
1人は瑠璃色の髪の女性で、紺色のヴァルキュリアの服装をしてる。彼女の手には魔法を放った後が残っており、恐らく先ほどの炎も彼女が放った魔法であろう。
恐らく彼らもこの屋敷の従者であるのだろうが、今までの従者達とは明らかにオーラが違う・・・その格の違いを表してるかの様に彼らが鎧を纏っている姿から本気である事が伝わってくる。
クリス達も3人の姿をとらえるなり、目の色が明らかに変わった。今まで簡単に従者を怯ませてきたが、3人はそう簡単に怯ませるどころが、本気の戦いを挑まないと先には進めないという事が3人の気迫から伝わる。戦いを覚悟したクリスは口を動かした。


クリス「今までの従者と違って、今の俺達には厄介そうだな・・・ここで剣を交える事も何かの縁だ。名ぐらい聞かせてくれないか」
「侵入者にしてはたいそう律儀な者だな・・・まぁ良い、世の情けで名乗らせてもらおうか・・・」













ビショップ「クラウス様に仕える執事、ビショップ。それ以外に申す事などない・・・」
スキュア「同じく教育係兼ホースメン、スキュアだ。ここに何の用があるのか知らんが、侵入者であるなら手加減するつもりはない」
アンケット「カザス家にお仕えしておりますメイドのアンケットです。今宵はヴァルキュリアの姿で失礼させてもらいます」








続く




クリス達の元に立ちはだかる3人の従者。果たして彼らも退ける事が出来るのだろうか・・・?
感想・OKです!