二次創作小説(新・総合)

Re: 星のカービィ ギャラクティックファイターズ ( No.6 )
日時: 2019/11/01 14:37
名前: TK (ID: CMSJHimU)




第3話・だいおうとまじょ



トライアルシティ

ここは独特なデザインをした大きな街。首が痛くなりそうなほど高いビル群が建ち並ぶ。時空の歪みから飛び出したノヴァの戦士は自分の城並みに大きなビル群を見て驚いていた。

デデデ「ぬおー!?なんじゃここは、俺様の城並みに大きな建物がそびえ立っとるではないか」
バンワド「大王様、僕達は観光しに来たわけじゃないですよ」
デデデ「わかっとる!」

デデデ大王のそばをついて回っているのはバンダナワドルディ。ワドルディはたくさんいるが、その中でもバンダナワドルディ(以下バンワド)は大王にリーダーの証であるバンダナを貰えるほどその実力を買われている。中でも抱えている槍での槍術は右に出る者はいない。しっかり者のバンワドは大王や自分がちゃんと使命を全うできるかついていくことにしたのである。最初こそ「自分のためだ」と言っていた大王であったが、何だかんだ言ってちゃんと役目は果たすつもりなのだ。

デデデ「ナイトメアー!どこだー!出てこーい!俺様が直々に叩き潰してやるー!」
バンワド「……大声を出しても返事がないどころか声が響いて返ってきますね」
デデデ「ここは俺様とバンワド以外おらんということか?」
バンワド「そうみたいです」

大王達が街中を探してもナイトの戦士は見つからなかった。ここにはおらんようだと諦めてどこかへ行こうとした時、街の風景が一瞬にして歪んだ。2人は慌てて武器を構え警戒する。

『……サナイ……』
デデデ「ひっ!?な、なんじゃこの声は!どこじゃ出てこい!俺様をビビらそうったってそうはいかんぞ!」
『……ユルサナイ………』

声はあらゆる方向から響き声の主の居場所もわからない。とりあえず周囲を警戒していると掠れていた声はどんどん鮮明に聞こえてくる。恨みや憎悪にかられたような不気味で暗い声の主は2人の背後に現れた。それは忘れ去られた絵画に宿った憎悪、ドロシアだった。

ドロシア「絶対に許さない…………」
2人「「ぎゃああああああ!!!!!」」

幾重にも重ねたローブと長い髪により顔面は見えづらいが、そこから覗く瞳に光は灯っておらずその瞳の奥では何よりも深い闇の炎が灯っていた。その要望と不気味な笑い声に大王とバンワドは叫び、腰を抜かしてしまった。空中に現れたドロシアはアワアワと震えている2人を見下しながらゆったりと下りてくる。

ドロシア「許さない……あの大彗星め……私の絵筆を…絵筆をぉぉ………」

ドロシアの様子を見ながら、2人はひそひそと話をする

デデデ「なぁ、絵筆って、ノヴァの力でカワイコちゃんになったっていうあの子か?」
バンワド「たぶんそうかと……」
デデデ「しかしノヴァに呼ばれたってことはいい子なんだろ?そんな子をあいつの手に渡しちゃ何されるかわかったもんではないな」
バンワド「じゃあ………」
デデデ「そうだ、どっちにしろ世界を守るには戦わなきゃならん」
バンワド「ひえぇ……」

2人は武器を持ち直し、ドロシアに向き合う。

ドロシア「あなたも私の邪魔をするのね……許さない……許さない…ユルサナイユルサナイユルサナイ!アアアァァァァァァ!!!」

ドロシアはぶつぶつと呟いた後にキャンバスを召喚しトゲの絵を描き殴った。するとキャンバスが消え地面から鋭いトゲが生えてきた。

デデデ「おわ!?トゲだトゲだ!」
バンワド「ひえええ!」

2人は慌てて避けつつ攻撃のチャンスを伺う。

デデデ「うおおお!」

大王は固いトゲに足を踏みかけジャンプし空中のドロシアに向かってハンマーを振り回す。バンワドも槍を高速回転させ、ヘリコプターのように旋回しドロシアに向かって槍を投げた。対するドロシアもキャンバスに爆弾を書きなぐり、槍と大王を吹き飛ばす。それでも負けじとトゲを避け、ハンマーを振り回し槍を投げる。幾多の冒険を積み試練を潜り抜けてきた2人にとってドロシアの攻撃を避けることはさほど難しいことではなかった。ドロシアは怒りをあらわにし、今度はキャンバスを高速回転させ飛ばし始めた。キャンバスの回転はビルに傷をつけるほど鋭く2人の服にも傷がつく。

デデデ「うお!?俺様のガウンとハンマーに傷をつけおって……」
バンワド「大王様!戻ってきますよ!」
デデデ「なにぃ!?どわぁ!?」

デデデはブーメランのように戻ってきたキャンバスをお腹を引っ込めてなんとかよけた。キャンバスは回転をやめドロシアの周りを漂っている。そしてドロシアは何かを書きなぐりキャンバスが消えた。それは大きな鎌だった。

ドロシア「容赦しないわ……これで刈り取る!」
バンワド「鎌!?鎌が出てきましたよ!?」
デデデ「やかましいわかっとる!」





ドロシアの鎌は弧を描き2人のもとに迫り出した。