二次創作小説(新・総合)

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.121 )
日時: 2020/04/13 19:29
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

※※※※!!注意!!※※※※
この話は、『ブラック本丸』『ブラック審神者』『女体化』が多く含まれます。正直その単語の並びで嫌な予感しかしない方、その予感は当たってます。ぶっちゃけるとブラックでピンクです。
ブラック本丸などの単語が分からない方へ。ブラック本丸は刀剣男士がありとあらゆる方向、未成年に見せてはいけない方向に(主に性的な意味で)虐げられたりするという設定の本丸になります。まず辛いです。
ギャグも入りますが基本的にくっそ胸糞悪いです。
苦手な方はご注意ください。

悪魔の城は崩れない

 ここのことを例えるならば、悪魔の城だ。耳を塞ごうとも聞こえる苦痛の声。目を瞑ろうとも見えてしまう悪夢。何故、何故、何故。
 格子の外を見れば、顔色が悪いというのに出陣していく刀剣男士たちの姿。ああ、自分たちが『こんな姿』で顕現されていなければ!! 己のあまりの無力さにその短刀はぎゅうと拳を作った。
 平野藤四郎。粟田口吉光の手によって打たれた短刀の一振りである。彼……否、『彼女』は顕現時に来ている戦装束でも内番服でもない、可愛らしくもどこか艶めいた着物を着せられていた。この本丸は、地獄だ。
 顕現した時、名乗りを上げるより前に体に違和感を感じた。しかしそれよりも、と慌てて名乗りを上げれば想像していたよりもずっと高い、まるで少女のような声が出たのだ。審神者に見せられた鏡には、体格こそあまり変わらないものの、髪が長くなった、明らかに『女』として顕現された自分がいた。
 審神者は告げた。この本丸における、己の忌まわしい『役目』を。そしてそれは自分だけでなく、他に『オンナ』として顕現された者たちも同様だと。
 平野が押し込まれたのは、本殿とは別にある『館』の粟田口派の刀剣が集められた部屋だった。平野を見た時の全員の絶望した顔が、今でも忘れられない。
 初めて『役目』を与えられた時、同じく『オンナ』である一期も共に部屋に向かった。一期はよく粟田口派の短刀と共に『役目』を果たすように命じられる。
 怖くて痛くて苦しくて辛くて悔しくて。その『客』の趣味なのか、一期はただ見ているだけ。終わった後、一期も『役目』を果たすことになり、『客』が帰った後に一期はすまない、すまないと平野を抱きしめながら泣いていた。
 この本丸の、言うなれば『刀剣女士』は皆この『役目』を与えられる。誰も何故か審神者の言うことには逆らえない。時には審神者を相手に『役目』を果たす時もあった。
 こんな地獄から抜け出したい。誰もがそう考えていた。






 ある日のこと。平野は審神者の目を盗み、ふらふらと散歩をしていた。とは言え、空気は淀み、曇りばかりのこの本丸では散歩をしようが気分など晴れない。それでも、部屋に閉じこもっているよりはマシだと一期を始めとした粟田口派が、何日かに一回、一振りだけ散歩に出るのだ。今まで審神者に見つかったことはない。
「あ……」
 視界に出陣しようとしている刀剣男士たちが入る。そっと隠れ、様子を伺う。と言うのも、女士たちの中には彼らを『審神者の味方』と見る者もいるのだ。そう言っているのは、残念ながら客の相手が多かったり、審神者のお気に入りで外にすら出してもらえない者なのだが……。
 出陣しようとする六振りの中に、一期一振の姿を見た。目の下に深いクマが刻まれ、ずいぶんやつれている。
「早く……早くせねば。でなければ館の者たちが」
「焦るな、一期一振。今日のノルマはもうすぐ達成できる。……久しぶりに、穏やかに眠らせてやれるはずだ」
「!!」
 ……そういうことだったのか。
 館は言うなれば審神者やお偉方専用の『夜の遊び場』だ。代金として審神者からは資材や小判を、お偉方からはそのまま金を、あるいは何かしらの『優遇』を頂戴している。(そしてそれは全て審神者の物、女士たちには客が持参した土産以外何も与えられない)だから資材や小判には困らないはずなのに、やたら出陣や遠征をしていたのは、おそらく『のるま』と言うものをこなせば自分たちを客の相手をさせず眠らせてやるという約束をしていたのだろう。
 けれど。
「二週間……ずいぶんと辛い思いをさせてしまった。会いに行くことも、話すこともできないが、せめてこれくらいしてやらねば」
「え……?」
 二週間? ……いや、そもそも「久しぶりに」という言葉もおかしい。だって。

 自分たちは一日も休ませてもらえてない。

「まさか」
 あの審神者は男士たちとの約束すら反故にしているのか。ならば彼らは無駄なノルマをこなしていることになる!
 平野が思わず飛び出してそれを伝えようとすると、ゲートがバチン、という音を立て、急に光り始めた。
「な、なんだ!?」
「まさかゲートが暴走したのか!?」
「全員、退避!!」
 見たこともない現象に、平野は震えた。怖い。怖い。怖い。
「早く離れっ……ひら、の……?」
「!? なんでっ」
「おい、早く離れるんだ!!」
「平野っ!!」
 一期の声が聞こえた瞬間、平野の意識も視界も、光に飲まれていった……。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.122 )
日時: 2020/04/13 19:34
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

「……う……」
 平野が目を覚ますと、そこは山の中のようだった。起き上がり、辺りを見回すが木ばかり。彼女は知る由もなかったが、ここは『阿津賀志山』という場所だった。
「……ここ、は……」
 不安になりながら平野はゆっくりと歩を進める。本体となる短刀は顕現時に取り上げられた。彼女の身を守るものは何一つとしてない。
 不意に後ろから気配を感じる。振り向けば、そこには時間遡行軍。すでに抜かれた刀身がギラリと光り、平野を威嚇する。
「ひっ……」
 本来であるならば。ここで怯えてはいけない。立ち向かうべきなのだ。なのに体は勝手に震える。無理もない。本体はなく、今まで戦に出されたことなどないのだから。
 平野はすぐに逃げ出した。動きづらくて仕方ない。着物が乱れることなど全く気にせず、彼女は一心不乱に駆けた。
 けれど、練度が低く連結もされていない刀剣に阿津賀志山に出陣している時間遡行軍が追いつくのは容易だった。力強く握られた手首。平野が思い切り手を振り回しても手が離れることはない。
 刀の切っ先が平野に向けられる。
「(もう……ダメだ……!)」
 ようやく本丸の外に出られたというのに、自分は何もできずに折れてしまうのか。けれど、あの地獄から解放されるなら。
「(折れるのも、悪くないのかな……)」
 が、いつまでも切っ先が体を貫くことはなかった。恐る恐る見上げると、平野の手首を握っていた遡行軍は消滅し始めていた。
「……うん? もしや平野か?」
「鶯丸……様……?」
「どうしたんだその格好。いや、そもそも……ん?」
 ハッとして平野は着物の襟を集めて胸元を隠す。控えめとは言え、あれだけはだけていれば膨らみが見えるのも無理はない。
「ふむ、何故お前が女になっているのかは、後でもいいか」
 そう言って鶯丸は平野の頭をポンポンと撫でてから追いついてきたであろう遡行軍に向き合う。
「後で、ゆっくり聞かせてくれ。……鶯丸、参る!」
 鶯丸の背中。それを見て安心した平野は意識を飛ばしてしまった。










「第一部隊、帰城ー!!」
 そんな声を聞いて柊は近侍であった陸奥守と共に出陣ゲートへ向かう。何だか騒がしい。
「おかえりー、どうだっ……」
 鶯丸の小脇に抱えられている、少女。気配からして、平野藤四郎だ。刀剣男士のはずだが。それに何だろうかあの着物。
 混乱している柊に、鶯丸は笑いかけた。
「おお、主。帰ったぞ。そうそう、出陣途中で見つけたので女になっていた他本丸の平野を拾ってきた」
「犬猫じゃねーーーーーーんですけどぉおおおおおおお!???」
 とりあえず、この大声にすら起きなかった平野は相当疲れてしまっているらしいということだけは分かった。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.123 )
日時: 2020/04/13 19:39
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

「…………うん……?」
「あ、起きましたね」
「!?」
 勢いよく起き上がる。周りを見ればどこかの和室のようで、ここには自分と一人の女性しかいない。
 女性は長く美しい髪を一つに纏めた、優しい笑みを浮かべた女性だった。
「あの、ここは……」
「鳳翔殿、平野は起きましたか?」
「一期さん、ええ、起きましたよ」
 鳳翔、と呼ばれた女性が障子越しに声をかけると失礼する、と一期が入ってくる。その後ろには鬼丸と鳴狐がいた。
「いち、兄? それに、鬼丸さんに、鳴狐さん」
「平野……いろいろと、聞きたいことはある」
「…………」
 聞きたいこと。それはまずこの体についてだろう。それに、もしかすると『役目』によって付けられた赤い点も見られたかもしれない。正直、思い出すのも嫌だけれど、話すしかない。そう思って口を開こうとした時、一期の手が平野の頭を撫でた。
 一期たちを見上げれば、みんな微笑んでくれている。
「今は、体や心を休めなさい」
「話は後でも聞ける。英気を養うことを優先するといい」
「……平野。よく耐えたね。えらい、えらい」
 三振りの言葉にじわりと涙が滲む。あそこで休むことは、客が入っていない時にしか許されなかった。その上、ずっと部屋に閉じ込められていた。
 頭を撫でてくれる温かさ。優しい言葉、優しい笑み……温かな空気。
「っあ、いち、にい、いち兄っ、いち兄っ……!!」
「よしよし……今は、ゆっくりお休み」
 そっと布団に寝かされ、ぽん、ぽん、と腹部を叩かれる。まるで幼子に対する扱いだが、それでも襲い来る眠気に平野は勝てない。
 ゆっくり閉じる視界の中、誰かに頭を撫でられた気がした。











「ところで、一期さん。提督はなんと?」
「しばらく、この平野はこの本丸で預かると。無理もありません。主殿ですら、『この縁の色は危険だ』と分かるほどですから」
「念のため、相手の審神者から詰め寄られた場合には『特定するのに時間がかかってしまった』と東雲が証言してくれると言っていた」
「……帰したくはないけど」
「そうですなぁ、しかし……もしかすると、他の刀剣男士方も同じような目に遭っているやもしれませぬ。そう考えると早急に事態を解決せねばなりません」
「……そうですね」
 鳳翔は平野の頭を撫で続ける。ポロポロと溢れ続ける涙は、いつか止まるだろうか。
「一期たちいる?」
「加州殿? 如何なさいましたか」
「うん、主が緊急招集かけたから呼びに来た。あ、そこの平野と鳳翔さんは大丈夫。むしろ鳳翔さんはそばにいてあげて」
「分かりました」
 四振りが部屋を出て行く。柊を通して聞かされた『予想』は当たっていそうだ、なんて思いながら胸を痛める。
 武器であり、戦うために降ろされたはずのこの子はどれほど苦しんだのだろう。どうか、もう苦しまないようにと願わずにはいられなかった。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.124 )
日時: 2020/04/13 19:45
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

 大広間。上座には眉間にシワを寄せ、険しい表情で資料を睨んでいる柊がおり、その隣には同じく険しい表情の陸奥守が座っている。八十振り以上もいる刀剣男士たちが集まったのを確認すると柊は顔を上げた。
「鶯丸が保護した平野藤四郎、およびその本丸についての報告が来ている。とは言え、現段階で分かることでも相当胸糞悪いから注意してほしい」
 その言葉に全員が気を引き締める。それを見てから柊は口を開いた。
「あの平野藤四郎は、女の体で降ろされた個体だ。他にも女の体で降ろされた刀剣が複数存在している様子。今はこの刀剣の付喪神たちを仮称『刀剣女士』と呼ぶ。
で、死ぬほど胸糞悪いのが……そこの審神者は、刀剣女士に他の審神者やお偉方の『お相手』をさせているらしい。まず間違いなくあの平野藤四郎もさせられている」
 一気に殺気立つ。無理もない。同派や同個体がそのような目に遭わされていると考えれば殺気立つのも当然と言えよう。
 す、と手が挙がる。蜂須賀虎徹だ。
「蜂須賀、どうした?」
「刀剣男士はいるのか?」
「いる。演練が問題なくできている……が、全員いつでも顔色が悪いという証言がある」
「……ならば、そこの審神者は別に体質や霊力が原因で女人として降ろしている訳ではないんだね。また、刀剣女士が何振りもいるという報告があるならバグなどの類でもない。意図的だという訳だ。
……そんなことが可能なのか?」
「現段階で言うなら答えは否。無理だ。
が、何かしらのバックがあって、それが秘匿にされているなら可能性はある」
 それに蜂須賀は口を噤む。が、すぐにまた口を開いた。
「では次。先ほど『証言』と言ったね? まさかとは思うけど」
「そのまさか。言っただろ、お偉方もそこで『遊んで』るんだよ。だからいくらでも隠蔽できる」
「腐っちょるよな」
 陸奥守が珍しく嫌悪感を隠さず、吐き出すように言った。が、誰も特に驚きはしない。全員同じ気持ちだからだ。
「もしこの本丸にあの平野藤四郎を返せばどうなるか、考えなくても分かる。が、最悪なことにあの平野藤四郎にご執心なお偉いさんがいるみたいなんだよねぇ。
間違いなくここを嗅ぎ付けられるし何かしらの圧力は掛けてくる」
 まあ厳密に言えば粟田口派にだけど、という呟きはもはや聞こえていない。
「もちろん、私としてはあの子が帰ると言わなきゃ帰さないつもりではいる。ただし、平野藤四郎を脅迫するかもしれない。
そんなの許せるわけがない。今だって許せないのに。というわけで。










そんなクソ審神者たちとお偉方ぶちのめしたいヤツ手ェ挙げてーーー!!!!」
 全員、寸分のたがいも無く手を挙げた。良きかな。
「よし、じゃあ私は東雲さんにこのこと伝えてくる捕物帳じゃオラァアアアアアアアアアア!!」
「予算は気にせんでえい! 全員自分が思いつく罠とかいろいろ考えとおせ!!」
 すぐに立ち上がり、大広間を出て行く。その場で刀剣男士たちの話し合いが始まった。
 どんな罠がいい、落とし穴? それともトラバサミ? なんて話し合いの中、すっと鶴丸が手を挙げた。
「キミたち、確かにそれもいい案だ。だが、どうせならそこで酷い扱いを受けていた刀剣たちを笑わせる、そんなことをしようじゃないか!!
刀剣たちには良い驚きを、そこの審神者や腐ったお偉方にはお仕置きな驚きを提供してやろう!!」
 それに賛成する者たち多数。次にし始めたのはそれに必要な道具探しであった。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.125 )
日時: 2020/04/13 19:50
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

 その頃、あの平野の本丸では、女になった一期がくったりと倒れていた。その体は酷く痛々しく汚され、彼女は涙を流しながら気絶していた。それを審神者は感情を一切読み取れない目と顔で見下ろしている。
「これはお前たちへの試練だと言うのに。全く、『あの御方』の元へ連れて行ってやるには、堕ちてもらわねばならない……なのに、何故こいつらはこんなにも抗うんだ?
この世界は闇によって滅ぼされるべきだ。そして我々は、この世界から救われるべき存在になる。その存在に、お前たちも選んでやろうと思っているのに」
 一期に背を向け、審神者は壁一面に貼られた『無数の触手の中心に目玉がある』不気味な生き物が描かれた絵が貼られている。審神者はその絵に向かい、膝を付き、祈るように手を組んだ。
「おお、我らが救世の化身よ。闇と混沌の化身よ。世界は闇に滅ぼされるべきである。世界は闇によって滅ぼされるべきである。
世界は闇によって滅ぼされるべきである……」
 気を失ったままの一期を一切見ずに、審神者はただそれだけを繰り返していた……。














「第二回柊本丸作戦会議ー!! さらに胸糞な情報が来たから全員に共有して同じく胸糞になって!!」
「そんなことより陸奥守は?」
「先に情報教えたらブチ切れて道場で素振りしてる」
「どんだけヤバい情報なの???」
「刀剣女士には性的なお役目を強制してるけど刀剣男士には『彼女らを休ませたいなら与えるノルマをこなせ』つって無理なノルマを課してるけどぶっちゃけ嘘だよ。こなそうがこなすまいが彼女らはそれをするしかないそうだよ。
ころすけ」
「ころすけ〜(^ω^###)」
 ちなみにこのころすけ、けを取れば本当の意味になる。殺意の波動に目覚めた。
 柊はもう一つの情報を読み上げる。
「そんなクソクソのクソなことする理由は刀剣男士がイケメンだから嫌がらせらしいんだってーころすけ〜」
「何それ逆恨みにも程があるよね」
 安定の言葉に全員が頷いた。相手がイケメンだからではまったく済むはずもない。むしろなんで下らない理由で許されると思うのか甚だ謎である。
 そんな中、大倶利伽羅が手を挙げる。
「どうしたの伽羅ちゃん」
「どうした伽羅坊?」
「どうしたよ伽羅?」
「……何かしてやった方がいいんじゃないか?」
「何かっていうと?」
「……どうにか手を回して、ノルマを手伝ってやるとか。いっそ客を装い、調査ついでに寝かせてやるとか」
「!! それは……いいかもね。主、何か手を回せないかな?」
「とは言え、相手がなぁ……一応掛け合ってみるよ」
 手元にある端末を操作し、東雲に連絡をする。少し待とうとして置くとすぐに連絡が入った。
『許可します』
「早くね?????」
「もしかするとこっちも上層部のサポートが付いたのかな?」
「うーん……まあホワイト派はいるし、そうかもね。早速指示を出すよ。
まずは、ノルマサポートは脇差、槍、一部太刀、打刀を中心にしていく。阿津賀志山ばかりみたいだからね。
他の太刀や打刀は客として潜入を。短刀は太刀、打刀と潜入、そのまま隠密し、情報や証拠を集めて欲しい。薙刀、大太刀は万が一襲撃された場合に備えて待機を」
 全員が言葉は違えど承知、と返す。
 ここまで通知が行けばさて、と腰を上げる。陸奥守に少し出てくると声をかけて向かったのは各世界などに繋がるゲート前だ。
 その中の一つに触れて、入っていった。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.126 )
日時: 2020/04/13 19:55
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

 鎮守府。
「ええ、分かったわ。長門と武蔵を中心にしておけばいいかしら?」
「うん、それで頼むよ陸奥姉」
「大丈夫よ。……むしろ、提督や彼らが頼ってくれて嬉しいのよ? 私たち、頑張っちゃうから」
「よろしくね」


 八尋殿。
「では当日、主君の選んだ英傑たちと共に向かおう。先に向かわせる者にはすぐに声をかけておく」
「よろしく、タケミカヅチ」
「構わない。俺は、主君の盾であり剣だ。どうか共に戦わせて欲しい」
「ありがとう」


 屋敷町。
「全く、急な話ではなくて? ……ですが、構いませんわ。さよさんとりゅうこさんたちに声をかけておけばいいのね?」
「はいむつみ様ぁあああもっと踏んでくださぁあああああああい」
「あら、いつからそんなに強請れる立場になったのかしら?」
「はぁあああん」


 他の鎮守府。
「承知した、アドミラル殿。……ところで、一つ良いだろうか?」
「うん? どうしたのライオン」
「アドミラル殿の頬に付いている靴跡は一体?」
「ご褒美?」
「……そうか」


 図書館。
「これやったらええんちゃいます? 館長に許可取りました?」
「一部を派遣するだけなら構わないって。ただ緊急で有碍書ゆうがいしょが出た場合はそっちを優先することが絶対条件」
「はいはい、ワシらはええで? じゃあおっしょはんの言う通りのメンバーに声かけときますわ」
「よろしくね」


 また別の鎮守府。
「承知した。お主たちが頼ってくれたこと、嬉しく思うぞ」
「ありがとう、三笠。当日はよろしく」
「ああ。しかし……なんと惨いことをするのか。許してはおけぬ」
「……当日、ね」


 騎士団。
「分かったわ。いつものメンバーでいいかしら」
「うん。さすが長年副団長務めてくれているだけあって話が早いね、アブラナ」
「そりゃね。……複数人指名できるようになる前からずっと、なんだから」
「いつもありがとう。……今回もよろしく」


 レストラン。
「承知しました、御侍様。……しかし、御侍様の世界にも愚かな者はおるのですね」
「まあ、ね。厳密に言えば違う世界ではあるんだけど」
「……そうですね。御侍様、どうか無理をなさらないでください。子らも、心配しております」
「ありがとうね、北京ダック。ヒナちゃんたちもありがとう」


 様々な世界の、様々な人々に声をかけていく。確実に、彼女たちを救い、守るために。

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