二次創作小説(新・総合)
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.497 )
- 日時: 2022/05/19 20:18
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: MGNiK3vE)
※場面展開がすごい多いです
※シリアスです
レオ・ベイカー奪還戦・1
シューリニアショッピングモール。周りを木々に囲まれたそこは今、スプリングショッピングセールという春恒例のセールを行なっている。開店前、ここのオーナーであるグリーズ・アルドは不機嫌そうにモール内を歩き回っていた。それにビクビクとしながら着いていく秘書の男には誰もが同情的な目を向けている。
グリーズが不機嫌なのは数回あった訳の分からない、脅しのようなもの。ここで大量殺戮が行われる、せめて指定する日だけは休業という形を取ってほしいというものだ。もう少し現実味のある嘘を吐いたらどうだと返してやったが。
ふと、床に汚れを見つける。黒の小さな点。それだけだが、そのことが蘇って異常に苛立ち、近くにいた清掃員を怒鳴りつけて消させた。同じようなものがあったら消しておけと行ってその場を去っていく。
この苛立ちをどうやって発散しようか、と思っていたグリーズの前に気に入りの女性店員が目に入る。自然と口角が上がり、女性店員と目が合ってびくりと震えられたがどうでもいい。グリーズはそのまま女性店員にズカズカと歩み寄っていった。
ところで、汚れなのだが。清掃員たち曰く、『二十二ヶ所』もあったそうだ。
十一時を少し過ぎた頃、シューリニアショッピングモールは穏やかながらも賑わいを見せている。その出入り口の一つに、トレイシー、ウィリアム、フィオナ、パトリシアがいた。
「なんか、こうしてるとさ。何も起こらない気がするよね」
「だよなぁ」
「けれどあの手紙に書かれていたことは合っていたわ。何もない、とはいかないでしょうね」
「外側は他のメンバーが固めてくれているから万が一、外から敵が来ても問題はないけれど……」
そう話しながら待っていると、突然中から悲鳴が上がり、少しして顔を青くした人々が我先にと逃げ出してくる。四人がどうしたのかと中を見ても逃げてくる人々だけで見えない。
すると通信機から少しのノイズと、焦ったウィラの声が聞こえてきた。
『レオ・ベイカーが、中に!!』
「ええ!?」
「ど、どういうことだよ!?」
『突然、黒いモヤが集まったと思ったらその中からレオ・ベイカーが現れて……!! 外に待機していた方たちはすぐに入ってきてちょうだい!』
「分かったわ、全員、ワープを作るからそこから……」
「な、なんだあれ!?」
逃げていた人々の声にそちらを見れば……明らかな異形が、こちらに来ている。鳥のようなモノ、半魚人のようなモノ、ヘビやライオンを模しているモノ……いずれにせよ、これでは客たちは逃げられない。
客たちも気が付いたのか半狂乱になりながら、それでもとにかく逃げようとしてその場は大きな混乱が招かれていた。
そこに、一際大きな声で落ち着いて!! と叫んだ一人に注目が集まる。
十手と、ジョージであった。
「全員、落ち着いて指示に従ってくれ! 大丈夫、誰一人として危害は加えさせやしない!」
「このショッピングモールの大きな広場に集まってくれ!!」
「何を言って……」
「お、おい、来たぞ!!」
鳥のようなモノが一体、こちらへ突撃してくるのが見える。それに悲鳴が上がり、我先に逃げようとする。そんな中、一人の子どもが転んでしまう。
「りょうくん!」
「ひっ、う、ママァ〜!!」
鳥のようなモノはその子どもに狙いを定めたらしい。一直線に向かっていく。子どもとその母親の悲鳴が響く。
十手が子どもの前に立ち塞がり、本体の銃を構える。十手は奇銃であるためか射程距離が非常に短い。しかし、ここで子どもを見捨てるほど十手という貴銃士は非情ではない。真っ直ぐに鳥のようなモノを見据える。せめて、この子の盾になれれば。きっとそう思っているに違いない。
一つの銃声。銃弾は鳥のようなモノを貫き、それはふらふらと地面に落ちればしゅわりとモヤとなって消えた。
銃声がした方に視線が向く。そこにいたのは、銃を構えたライク・ツーとマークス、そしてオリヴァーであった。
「ライク・ツー君、ありがとう!」
「礼言ってる暇あるなら、さっさと避難させるぞ! そのガキ、抱えてけ!」
「皆さん、どうか僕たちの指示に従ってください!! お願いします!!」
今ので少し落ち着いたのか、客は不安を滲ませながらも彼らの後について避難を始めた。客は広場にいてもらい、柊サイドの何人かで纏めて守るために。
少し離れたところでは加州らも誘導をしている。近づいてくる敵はマークスやジョージが撃ち、別の離れたところではおそらくペンシルヴァニアやケンタッキー(R)が狙撃をしているのだろう。遠目からでも次から次へと倒されているのが分かる。
それでも近づいてくる者たちは刀剣男士を始め、サーヴァント、英傑、花騎士、真剣少女らが対応していた。
「これなら大丈夫そうだね、ボクたちも早く行こう!」
「ええ」
トレイシーを筆頭に中へ入っていく。予定は少し狂ったが、その際にはルカ(第五)かライリーが指示を出す。それがなかったから特に大きな変更はないはずだ。
そういえば、とウィリアムが一つ思い出した。
今日、ルカが妙に調子が悪そうだったな、と。
──────────────
時は少し遡る。最初にレオを引きつける役目を担っているナワーブは不自然にならない程度に、それでも周りを警戒しながら歩いていた。
どの出入り口から来るか分からない。警戒は欠かせなかった。切長(ナワーブ本丸の山姥切長義)と切国(ナワーブ本丸の山姥切国広)は外に回した。彼らの練度はそこそこに高い。足手まといにはならないだろう。
中央広場付近。オーナーが買い取ったとされる、ガラスケースに入った美しい天使の人形が人気を呼び、人が多かった。誰もがその天使の人形とツーショットやらを撮り、賑やかだ。ふと、近くにいたカップルの会話が耳に入った。
「ねえ、なんかここ暗くない?」
「あー、確かに……」
暗い? そう言われて再度周りを見渡す。確かに、他の通路などに比べると妙に暗い気がする。
それを認識したとほぼ同時に、ぐにゃりと視界が歪む。……いいや、視界ではない。歪んだのは、『黒いモヤ』だった。黒いモヤは瞬く間に人形の前へ集まっていく。
その中から、レオが現れた。
「何?」
「なんかの撮影?」
周りがざわつく。そのうちの一人の男が何かの撮影だと勘違いしたのか……無防備に近づいて行った。ナワーブが駆け出す。それとほぼ同時に振り上げられるあの鈍器。え、とだけ声を出して固まっている男を突き飛ばす。
鈍い痛みと共に軽く吹っ飛ばされる。事態を把握した人々は悲鳴を上げて逃げ出した。ぐらりぐらりと首が不安定に動くレオは目の前のナワーブに狙いを付けた。なんとか起き上がり、肘当てを使って逃げようとするも、間に合わなかった。
距離は多少取れたが、寸前で殴られてしまったのだ。このままでは、作戦が破綻してしまう。
「おい、レオ」
「!?」
声のした方をナワーブは見た。そこにいたのは、地図を手にしていたライリーだった。なんで、そう言う前にライリーが叫ぶ。
「ナワーブ・サベダー、作戦変更だ! 俺がレオを引きつける! お前は近くにいる連中から治療をもらえ!!」
「なっ……!?」
「倒れない間に早く、なるべく近くにいる奴の側へ!!」
叫んでいるライリーをレオが見る。ライリーは地図をしまうと来いよ、とレオを挑発した。
「お前が憎いのは、俺だろうが」
「ラ、いリー、ライ、リィイイイイイイイイイ!!」
「ライリーさ……」
「行け!!」
ライリーの声に、そして自分の状態を省みてそこから離れて行く。近くにいるのは確か、デミのはずだ。
初手から挫かれた。しかし、ここからすぐに立て直さなくてはならない。まずは走りながらルカに連絡を入れようとするも、繋がらない。なんで、と呟くとほぼ同時に膝から崩れ落ちる。
あの騒ぎを聞いて中央に向かってきていたデミの足音と声が、聞こえた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.498 )
- 日時: 2022/05/25 19:20
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: P747iv5N)
空中宴会場。DG36──ジーグブルートは不機嫌ながらも大きな荷物を持ってそこを歩いていた。その側にはスプリングフィールド(R)がいる。
何故彼らがここにいるのか。それは二つほど理由があった。まず一つ目。ジーグブルートはこの作戦の前に絶対非道の使いすぎで現在のマスターであるオリヴァーの命を使い果たしてしまうところだった。その罰として、本来ならば寮、あるいはドイツ軍に送り返されて謹慎となるはずだったのだが、オリヴァーの懸命な説得により今回の作戦の前線の不参加で済んだ。(不服ではあるが)そのため、万が一を考えて学生組など戦えないメンバーを守るため、また、劣勢になった場合の援軍として別の場所で控えているのである。スプリングフィールド(R)は経歴のせいか身体が貴銃士としても弱く、ジーグブルートと同じ理由で控えている。
そしてもう一つの理由、それは……。
「おい、持ってきてやったぞ」
「お、お待たせしました!」
「あ、ありがとうございます、ジーグブルートさん、スプリングフィールド(R)さん!」
「じゃあ、みんなで料理作っちゃおー!」
「「「おー!」」」
この作戦の成功を信じて疑わないメンバーが企画した、『祝勝会&今までのパーティーをやる会』というものの手伝いであった。能天気か!! と思わずつっこんだジーグブルートは悪くない。
しかも何も考えずいろんな料理を作るつもりらしい。どっさりと山積みの食材を見てまだ料理が一品もできてないのに量が想像できて、人数がいるからと作りすぎだろ、と呟けばそうでもないですよ、と近くにいた海未が少し遠い目をしていた。
「こちらにいらっしゃる人たち、みんなよく食べますから……」
「……そういやこっちにもよく食うやつらいたな……」
「ですが、こんなに作ったら保存場所が……」
「それに関しては安心してくれ」
「エミヤさん」
「マスターハンドが各料理の最適な温度で超長期保管できる冷蔵庫、冷凍庫、保温庫を作ってくれたのでね。いくら作っても問題はない」
「いやなんだその明らかに人智超えちまってる訳分かんねえ機械……」
「とにかく! これでたっくさん作っても問題ないんだよ!」
えむが言えば嬉しそうに咲希もそうなんだよ! と言った。
……やはり能天気としか言いようがない。ジーグブルートは大きくため息を吐いて、もはや興味がないと言わんばかりに隅に行き、椅子に腰掛けて寝ようとする。
「あれ、ジーグブルートさん?」
「俺は手伝わねえからな」
「ええっ!?」
「そもそも、よく勝てるなんて確信が持てるな。失敗する可能性は充分あり得る。その場合、料理はどうするんだよ。パーティーなんざ開けるような空気じゃなかったら?」
そう言えば、やはりどこかでそれは考えていたらしい。全員が黙り込んでしまう。スプリングフィールド(R)だけがジーグブルートさん、と呼んだが彼も分かっているだろうに。
「ううん、失敗なんてしないですよ!」
「うん!」
「……は?」
見れば、みのりと穂乃果は明るい笑顔でそう言い切っていた。
「……楽観視もここまで来りゃいっそめでたいな」
「だって、オリヴァーさんが言ってくれたんです! 必ず、みんなでレオさんを取り戻してくれるって! だから、わたしたち信じてるんです!」
「!! マスターが……?」
「はい! オリヴァーさんも、皆さんのことも信じてます!」
ああ。やはりあのマスターはお人好しや楽観が過ぎる。世界帝軍に両親を殺されたと言うのに元世界帝軍の銃である八九やベルガー、ミカエル、ファルに別個体だとは言えライク・ツーまで仲間だと言う。まだ記憶を無くしたミカエルやファルなら分からなくもない。だが八九とベルガーは世界帝軍にいた89とベルガーだ。それでも彼は笑って仲間だと言うのだから。
何と言えばいいのか、分からなくなる。目を瞑っても、無意味なのにそうしてしまう。
「ジグさん……」
スプリングフィールド(R)が心配そうな声を掛けてくる。何も返さない。返せない。
と、その時。
「「わーっ!?」」
みのりと穂乃果の声がして思わず顔を上げる。二人は空とは言えボウルを持ったまま転んでいた。
「あいたたた……」
「か、空で良かったねみのりちゃん……!」
「だ、だね、穂乃果ちゃん……!」
「二人とも大丈夫?」
「うん!」
二人が立ち上がり、そこから各々が料理を作っていく、のは良かったのだが。
「あれ、全然泡立たない……?」
「穂乃果、ボウルを氷水につけてませんよ!」
「きゃー!!」
「みのり、大丈夫!?」
思わず大きなため息を吐く。立ち上がって穂乃果の方に歩み寄り、貸せ、と半ば奪うようにボウルと泡立て器を持ち、ボウルの中のクリームを泡立て始める。
他に作る物を聞いて的確な指示を出すジーグブルートに周りはぽかんとしてしまうが、スプリングフィールド(R)だけは微笑んで手伝いを始めた。彼はぶっきらぼうで、見た目も口調も怖いが、決して優しくないわけではない。
慣れているメンバーはテキパキと、慣れていないメンバーは少しもたつきながらもジーグブルートや他のメンバーの指示で動いていく。
「ワンッ」
「? あ、ガーディちゃん」
入り口に、一匹のガーディがしっぽを振って座っていた。このガーディは柊の手持ち、ウインディのソヒの子どもの一匹であり、生まれたばかりで通常のガーディよりも小さい。
いつもならば本丸から少し離れた場所にソヒたちと共にいるのだが、今日はソヒたちとこちらに来ていたのだ。
子どものガーディはそのまま入って来ようとするが、さすがに料理をしている途中だ。穂波が抱きかかえてダメだよ〜、と言えば分かってはいないのか首を傾げている。しかしすぐに穂波の腕の中で暴れ始めた。
「わわっ、遊びたいのかな……? この子、外で遊ばせてくるね」
「うん!」
穂波が一人で外へ向かう。この会場には、見回りのために何人か共に来ているし、特に問題はないだろう。
そう考えて、穂波以外は各々の作業へと戻っていった。
──────────────
外へ出た穂波は、ガーディを地面に下ろす。そうすればガーディは嬉しそうに駆け回って、穂波もつい笑った。
ガーディが遊び疲れるか、飽きるかしたらソヒのいる場所へと戻そう。そう考えてガーディを眺める。時々、何か棒を持ってきたりするのでそれを投げてやったり撫でたり。
「すみません、そこのお嬢さん」
「?」
聞き覚えのない声に振り向く。そこには浅黒い肌に長い黒髪のあまりに美しい女が立っていた。
彼女はふわりと微笑んで、穂波に頭を下げた。
「私、こちらの設備のメンテナンスをさせていただきます鳴宮照子と申します。責任者の方はどちらにおられますでしょうか?」
「あ、えっと……ここの責任者さんは……」
パッと思いついたのは柊であった。しかし、今ここにはいない。申し訳なく思いながらそれを告げればそうでしたか、と返された。
「では、機会を改めさせていただきます。ところで……あの子犬はお嬢さんの飼い犬ですか?」
「あ、ガーディちゃんのことですか? いいえ、ここの責任者さんの子ですよ」
「そうでしたか……では、急がなくては、あの子、蝶々を追いかけてあそこの扉に入ってしまいましたよ?」
え、と思わず声を溢してそちらを見る。そこにあったのは、援軍に向かうため、そしてショッピングモールで待機をしているメンバーが帰ってくるために繋いでおいた扉。
あの先は、今戦いの場になっているはず。ただ、どのような状況かは分からない。それでも、生まれたばかりのガーディには危険な場所であった。駆け出そうとして一度止まる。まず、誰かに声をかけた方がいいかもしれない。そう考えて鳴宮の方を見たが、そこにはもう誰もいなかった。
どうして、いつの間に、そう思うが早く追いかけないとあのガーディが危ない。穂波は扉まで駆け、意を決して扉を開け、その中へと入っていった。
「あれ、今の……望月さん!?」
「どうしたの、シャルル兄ちゃん?」
少し離れた二階の廊下。そこで柊が召銃したシャルルヴィルは穂波が誰かと軽く話した後、目を離していた隙に扉をくぐってしまったガーディを追いかけて扉をくぐったのを目撃していた。
話していた誰かはよく見えず、分からないが何にせよ危険だ。
「今、望月さんがあの扉をくぐった! スフィーは何人かに声かけて来て! 俺が先に行って追いかける!」
「ええ!? わ、分かったよ! 気を付けてね、シャルル兄ちゃん!」
「分かってるって」
心配してくれる弟分、古銃のスプリングフィールドにウィンクして答えながら彼とは反対に階段のある方へ駆けていく。運が良ければあちらにいるブラウンや柊が召銃したケンタッキーに保護してもらえるはずだ。しかし、運が悪ければ……。
いや、今は悪い事態を考えている場合ではない。彼女をすぐに連れ戻さなくては。
シャルルヴィルは扉の前に来ると、その扉を開けて中へ入っていく。扉が閉まるとほぼ同時に。鳴宮照子が、シャルルヴィルの後ろに立っていた。
だがシャルルヴィルはそれに気付くことはなく。
「ああ! 楽しいなぁ愉しいなぁ!! やっぱり人間で遊ぶのは愉しい!! あのキジューシ、だっけ。あれもどうなっちゃうんだろ、空間少し開けちゃったからぐにゃぐにゃな異空間を頑張って進めるかな!? あははは!!」
ゲラゲラと笑う鳴宮照子。いいや……ニャルラトホテプは恍惚とした笑みを浮かべている。
「うんうん、順調そうでも何でも、事態を引っ掻き回すのってほんと楽しい!! さあて、ここからどうなっちゃうんだろ、楽しみだなぁ!!」
鳴宮としての顔が半分崩れる。そこから名称し難い何かが出てきた。
おっと、と軽く抑えればそれはあっさりと戻り、鳴宮の顔が元に戻る。
「いけないいけない、油断するとすぐこれなんだから。人間ってボクを見ただけで壊れちゃうからそこは気を付けないと。何も無闇に壊したいわけじゃないしねぇ。
ふふ、もう少ししたら見に行こうっと!」
まるで遠足でも楽しみにする子どものような声色で言いながら、ニャルラトホテプは消えた。
※2022/05/25 一部修正
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.499 )
- 日時: 2022/05/19 20:15
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: MGNiK3vE)
さて、一方シューリニアショッピングモールでは中央広場に現れたレオ、外に出現した異形を始めとして計画外のことが次々と起こっていた。
「なんでルカと繋がらないんだ……!」
焦った声で通信機をガチャガチャと弄るアンドルー。その側には同じく焦った顔をしたビクターがいる。
彼と確認し合いながら通信機を使っているので間違っていることはない。いや、ルカとライリー以外には繋がったから絶対に間違ってなんかいない。なのに、繋がらない。
ルカが意図的に繋げないのか? だとしたら一体なぜ。
「くそっ!! 僕が、僕が化け物だからか? くそっ、くそ!!」
「ん、んー!」
落ち着いて、とビクターが紙を見せてくるがそれすら目に入らない。指揮はルカ、ライリーがメインで行う。が、ライリーは作戦変更によってレオの注意を引いている。ルカしかいないのに。
苛立ち、焦りで涙が浮かぶ。早く繋がれ、そう叫びながらアンドルーは通信機を弄り続けた。
─────────────
「ど、どうして……? どこ探しても、印なんてないよ!?」
トレイシーも焦っていた。地図を見て現在地を確認。何度確認してもここは確かに魔力の塊がある場所のはずなのに。
印がない。特殊なライトを当てると淡く黄緑色に光るという黒い点がまったく無いのだ。ほぼ同時にポイントに着いたらしいフィオナやパトリシアに聞いてもなかったと言う。
「ど、どうしよう、どうしよう……!!」
元々トレイシーは少し臆病な性格だった。いつも明るいからかあまり気付かれないが。今の状況は、トレイシーに混乱を与えるには充分過ぎた。
どうすれば、どうすれば。それだけが彼女の脳内を巡る。
ルカからの連絡はない。ライリーは作戦変更でレオの注意を引いているという。印に関して連絡がなければ多分、大きな変更はないはずなのに。
「ど、しよ……!!」
涙が、ぼろりと溢れた。
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「く、そ、どう、やれば、いい。どうすれば、繋がる」
そして。もはやメインの指示役となるはずだったルカも窮地に立たされていた。
朝から頭痛がしていたから嫌な予感はあったのだ。それが今、最も嫌な形で的中した!!
昨日まで普通に使えていた通信機の使い方が、分からない。先程から何度もアンドルーたちから通信が来ているのにそれを取ることができない。くそ、とまた毒付き、辺りを見渡す。
自分は、ここで印の上に陣を描かなくてはいけない。
だが、その『陣』はどんな形だった? 大きさは? 丸? 四角? 中には何が描いてあった? 何か模様はあったか?
通信機が使えず、陣の形や模様も覚えていない。よりにもよってその二つの記憶がなくなるなんて!!
「そうだ、紙。紙を……」
念のためにと陣を書き写した紙を持ってきていたはず。ポケットを探る。
「……な、い?」
置いてきた? 落とした? どちらにせよ、最悪だ。
ここは他のポイントからは遠い。その間にライリーがやられたら? いや、それ以外のメンバーがやられる可能性もある。
「どう、すれば」
つぅ、と頬に一筋の汗が伝った。
その時だった。
「ルカさん!!」
「!?」
ここにいるはずのない人の声がする。勢いよく顔を上げれば、そこにいたのは宍戸佐吉、壁山塀吾郎、栗松鉄平、少林寺歩がいた。
「な、」
「魔力の塊はここでやんす!」
「あの柱から三十二センチの、この場所で間違いないです!」
栗松と少林寺が指した場所へ向かう。何故、彼らが。
描けますか、と聞かれ、思わず首を横に振る。すると壁山と宍戸が大きな紙の両端を持ってそれを広げた。
そこに描かれていたのは、まさしく今から描かねばならない陣だった。
「これは」
「これで描けますよね!?」
「は、早く描いちゃってくださいッス〜!!」
なんでここにいるんだ、早く帰れ、など叱りたいことはたくさんあった。
けれど、辺りを忙しなく見渡しながら、震えながらも紙を広げていてくれる壁山、宍戸。同じく震えながらも、通信機を使えないことに気が付いてくれたのか代わりに通信機を使って自分が不調であると伝えてくれる栗松、少林寺。四人を見て、ただ叱るだけなのは違う、そう考えたルカはふ、と微笑んだ。
「感謝する。とっとと描くから、私が描き終えたらすぐに逃げろ! いいな!」
「「はい!」」
「はいッス!」
「はいでやんす!」
渡されたペンで紙を見ながら陣を描いていく。いつもの過集中が来てしまうだろうが、彼らがいれば大丈夫。
ただ、自分も頭痛でもうほとんど役に立てそうにない。ここを描いたら自分も離脱するなりしなくては、と考えながらペンを走らせた。
─────────────
「そ、そういうことか」
やっと繋がった通信。それはルカではなかったし、何だったら来るはずのない学生組の声でまた愕然としたが。
ルカの不調、消された印。今の状況を把握できた。
だからと言って全てが良い方へ向かったわけではなく、見て分かる通り問題だらけだ。まず指揮役がいなくなったのは痛い。各々が独断で動いてもいいがその場合、絶対にすでに描き終わったところへ行ってしまう、あるいはその逆で描き終わっていないところが把握できず、余計な時間を喰ってしまう、などまた問題が起きる。
もちろん、それらは全て連絡さえ怠らなければ良い。だが、それでも完璧にはできないだろう。
『ぜ、全員、き、聞こえるか。どっちも今指揮ができないから、お、俺とダイアー先生で指示を出す』
「え?」
「ん!?」
『さ、作戦はこのまま、決行。各自の、た、担当ポイントの陣を描くように。ただし、ウィリアム・エリス、ノートン・キャンベル、パトリシア・ドーヴァル、ガンジ・グプタは一つのみ。かき、描き終わり次第、弁護士先生の補助に回れ』
『それ以外は近くのポイントにいる人が描いてあげて。描き終わったら私かピアソンさんへ連絡、適宜指示します。フィオナさんは確か一階だったわね。
ライリーさんもそこでレオさんを引きつけているはずだから長距離のワープを貼ってあげて。三階がいいわ。私も描き終わり次第、そこへ向かいます』
『弁護士先生を、れ、レオ・ベイカーから長距離ワープで引き離した後は俺が引きつける。
る、ルカ・バルサーは、描き終わり次第、ひ、避難しろ。と、とりあえずは以上。何か質問、あるか』
ハッとして大丈夫だと答える。他にも大丈夫だという返事が来ているらしく、よし、とだけ言ったピアソンは通信を切った。
まさかピアソンとエミリーが指揮役を買って出るとは。だが、少し冷静になった頭で考えればそれは妥当なのかもしれない。あの二人はゲームでの経験が豊富だ。基本的に誰かが指示をしてそれを聞くことが多い二人だが、指示していたサバイバーがダウンを取られたりした際に指示に回ることが少なくなかった。エマやラックもそうだが、エマは精神的に安定したとは言えやはりまだ不安が残り、ラックはあまり指示をしなかった。
ぐ、と小さく拳を握ってポイントまで急ぐ。ビクターとはこの作戦の終わりまで行動を共にするように言われている。他にも心理学者のエダ・メスマーと患者であるエミール、ホセとカートが二人で行動していた。
ポイントに着く。と、ほぼ同時だった。
「こちらです!」
「えっ!?」
「んー!?」
そこにいたのは、作戦に参加しないはずの類だった。どうして、と口を開く前に彼は小さく微笑んだ。
「万が一、印が消されることを考えて学生組全員で事前に確認しておいたんですよ。ここは僕が確認しました。
陣の形などは覚えていますか?」
「あ、ああ」
ビクターがそっと『後で叱られちゃいますよ!!』と紙を見せている。それにもふふ、と笑うだけだ。
「叱られる前に、ここから逃げないといけませんね」
「あ、後で僕たちが言いつけといてやるよ」
「おや、見逃してもらえませんか?」
「んー!!」『ダメです!』
「これは手厳しい」
わざとらしく肩をすくめて戯ける彼に、思わずため息を吐いた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.500 )
- 日時: 2022/05/19 20:14
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: MGNiK3vE)
息を切らせて走り続ける。後ろのレオを他に行かせないように距離は開けすぎず、かと言って近づきすぎずに。
足はとっくのとうに限界を迎えていた。それでも、足を止めるわけにはいかなかった。足を止めてしまえば、もう走れない。そうなれば何もかもが終わってしまうだろうから。
商品やら小さい棚やらを板代わりにいくつも使った。弁償だとか、もう考えてもなかったし考えたくもない。
ウィリアムやパトリシアの粘着もあってそれなりに描き終わっているのではないだろうか。
『聞こえる!? ライリーさん!! 陣はもう十三個は描けたよ、そろそろライリーさんから他のメンバーにターゲット移させるから!!』
そんなことを考えている時に、トレイシーからの連絡が入る。残り九個。そのうち一つは必ず自分が描かねばならない。
おそらく近くにフィオナがいるのだろう。後は他のメンバーに任せておくとしよう。
何とかして後ろのレオを見る。が、何か音がしてその距離は一気に縮まった。
「なっ!?」
まさか『神出鬼没』か。ハンターが使える特質の一つ。板、壁を通り抜けたり距離を縮めることに使われる。サメの形をした武器が振り上げられる。今、周りには誰もいないし何もない。避けられない。
鈍い痛みがする。だが、それでも足は止めない。フィオナからメッセージで『ついてきて!』と送られる。その方向を確認しつつ、そちらへ走った。
レオを少し視界に入れた。……。
「ライリーさん」
フィオナの声がする方を向く。そこには長距離ワープが既に貼られており、彼女は先にそこへ入って行った。ライリーも迷わずそこへ入れば、その先は三階でフィオナの他にもラックとエミリーがいる。
状況は、と口を開くよりも前にガツン、という鈍い衝撃。おそらく、残った影が殴られたのだろう。前に吹っ飛ばされるように倒れるが、すぐにエミリーとフィオナが治療し始めた。
「良かった、ライリーさん。外も凄い事になっているんですよ」
「外……?」
「ええ。多分、ダーズの力だと思うんだけど……黒い何かがたくさんここに集まってきてるのよ」
「そう、か……」
「窓から見ただけですけど、本当に凄かったんですよ! なんか、レオさんっぽい物までいて……」
「……待て。レオっぽい物……?」
ぞくり、と何かが背を駆け抜ける。ヒュ、とどこからか音がして。
「っ!! 全員、ここから離れろっ!! 来るぞ!!」
瞬間。全員の心臓がドクリと強く脈打つ。『赤い服を着た』パペットを視界の端に捉えたとほぼ同時に。レオが現れて。
その武器を、逃げきれなかったライリーに容赦なく振り下ろした。
─────────────
付近、森にて。
「あっちが騒がしいな」
三人の男と共に行動をしている少女は、その美しい青い瞳を昨夜見かけた大きな建物の方へ向けた。少女の言葉に、全員がそちらを見る。
顔に大きな傷がある男。坊主頭で半纏を着ている男。そして一等背が高く、体が大きくどこかムッチリとした、どこかドスケベな男。
「あれって確か、昨日の夜見た大きい建物だよね?」
「そうだな。何かあったんだろうか」
「行ってみよう!」
「ええ〜!? 行くのぉ!?」
坊主頭の男の声はスルーされ、三人がそちらへ足を向ける。男はクーン、と言いながらも三人の後を追いかけた。
彼らは一体何者なのか。それを知る者は、今はここに互いしかいなかった。
─────────────
「む、月島。あの建物が何か騒がしくないか」
一方。ものの見事に四人とは正反対の場所にいた鯉登と月島もあの建物の方へ目を向けていた。
「そうですね。……悲鳴?」
聞こえた悲鳴に、どちらも眉間に皺を寄せる。見上げれば鳥のような何かがあちらへ向かっていた。
「何か黒い物が次から次へとあの建物に向かっている。……様子を見に行くか」
「はい」
鯉登は軍刀を、月島は銃──三八式歩兵銃
を確認したのち、そちらへ歩みを進めた。
近付くにつれ、鮮明に聞こえる悲鳴や泣き声。銃声と、金属音。
再びあの建物が見えてくる。どうやらこちらには誰もいないようだった。しかしあちこちから声や音が聞こえる。一番近い場所へ、とそちらを見ようとした時だった。
「きゃあぁぁっ!!」
「!!」
そちらに目を向けると、一人の少女がへたり込み、少女の前に羆のような何かがいた。少女の腕の中には、見たことがない子犬が必死に羆もどきに吠えている。羆もどきが腕を振り上げる。少女はその子犬を守るように抱きしめた。
状況を確認したとほぼ同時に、鯉登が駆け出す。が、いくら鯉登が速くともあれでは間に合わない。すぐに月島は銃を構え、羆もどきの腕を撃った。銃弾は腕に命中し、羆もどきがこちらを見る。それとほぼ同時に鯉登が軍刀を真っ直ぐに構え、振り上げる。
「────!!」
軍刀が羆もどきを斬る。たった一太刀ではあるが、『自顕流』はその一太刀に全身全霊を込める。羆もどきは一太刀で倒れた。
が、普通に死ぬのではなく、その羆もどきは黒い灰のようになって消えてしまった。それに二人は言葉を無くした。一体これは何だったのだろうか。
「あ、あの」
「!!」
声をかけられてハッとする。鯉登は軍刀を納刀し、少女に手を差し伸べた。
「申し訳ない。お嬢さん、お怪我は?」
「あ、大丈夫です!」
そう言って彼女は手を取った。彼女を起こすと足が痛んだのか、少し顔を顰めていたがすぐに少女は鯉登にふわりと微笑む。……それに鯉登は思わず見入った。
「あの、ありがとうございます、助けていただいて……」
「……ハッ。い、いえ。お嬢さんも、お嬢さんの犬もご無事で何より」
何とか取り繕い、鯉登も微笑む。そこに月島が来て、少女は月島にも頭を下げてお礼を言った。月島はいつもの真顔で礼を言われるほどのことではないです、と返していた。
「ところで、ここは何処か知りませんか。我々は昨日気付いた時にはこの近くで倒れていまして」
「え? 気付いた時には、って……もしかして、わたしたちと同じ……」
「! 何か心当たりが?」
「は、はい。あなたたちを、元の場所に帰せるとは思うんですけど……今は、ここから離れましょう。
その……ここは今、危険なので」
「まあ確かに……」
未だ聞こえる声や音はここが安全な場所ではないと知らせている。
「安全な場所に繋がっているところを知っていますから、そちらへ」
「ありがとうございます、お嬢さん。……あっ」
「どうしましたか?」
「し、失礼。名を名乗っていませんでした」
「あ」
「あっ! ご、ごめんなさい、わたしも忘れてました……!
わたし、望月穂波と言います」
「私は、鯉登音之進と申します。こちらは私の部下である月島基軍曹です。月島」
「……月島です」
「おい、なんだその無愛想な態度は」
「元からでしょう」
「せめてこういう時くらいはだな!」
「ワウッ!」
子犬が吠える。そちらを見れば、今度は黒い犬が多数こちらへ来ているのが見えた。
「た、大変、すぐに……いたっ」
「! お嬢さん、どうか無理をせずに! ……失礼っ!」
鯉登が咄嗟に穂波を横抱きに抱える。所謂お姫様抱っこというものだが、鯉登は分からない。対して穂波は思わずとは言え、顔を赤くしていた。
そのまま鯉登が駆け出す。その後ろを月島が走り出した。
「月島、後ろは頼むぞ! あの犬みたいなのを何とかしろ!」
「無茶言わんでください! あんな数、手持ちの銃弾で何とかできるわけないでしょう!」
と、言いながら距離が詰まると振り向いて撃っている辺りかなり手慣れている。しかし確かに月島の銃一挺で何とかできるような数ではなかった。
とにかく穂波が言う通りの道順を走っていく。が、どうしても徐々にこちらが不利になっていく。
あっ、と穂波が声を上げた。どうしたと声をかける前に、前から銃声がして、犬もどきが弱い鳴き声を上げて消えていった。
「ジーグブルートさん! シャルルヴィルさん! スプリングフィールド(R)さん!」
前には三人が立っている。ジーグブルート、シャルルヴィル、スプリングフィールドと呼ばれた三人はこっちへ駆け寄り、月島と共に犬もどきを倒し始める。
「何やってんだお前は!!」
「ご、ごめんなさい、ガーディちゃんが扉に入ってしまって……!!」
「貴様、か弱い婦女子にいきなり怒鳴るとは不躾な!!」
「ああ?」
「お、落ち着いてください!」
「そうだって、今は撤退しないと!! 喧嘩してる場合じゃないだろ!!」
「鯉登少尉、その通りです。撤退しますよ!」
六人と、穂波に抱えられたままのガーディはそのまま犬もどきから距離を取り、その『扉』を目指し始めたのだった。
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屋上。そこに描かれた非常に大きな陣は淡い光を放っていて、少しずつその光は強くなっていく。陣の中心には柊が立っており、金色の杖を陣に突き刺しながら何かを唱え続けている。
それを、蛍丸は不安げに見つめていた。この手段しかなかったのは分かる。だが、それでも蛍丸は反対したかった。この手段は……。
ぐ、と目を瞑って飛んでくる何かを斬り伏せる。他には御神刀とされる面々や貴銃士がいて、何かを斬ったり、撃ったり、柊の邪魔をさせないようにしているのだ。
表立って反対できないなら、せめて邪魔はさせない。させるものか。
そう思いながらまた一体を斬り伏せた。それとほぼ同時、だった。
「ぐ、ごほっ!!」
「!! 主さん?」
思わず振り向く。そこには……口から血を吐いた柊がいて。
「あ、あ……主、さ」
「蛍丸!!」
「次郎、太刀」
「行ったらダメだ」
「っ、わかってる、分かってる、よ」
見れば、柊は血に塗れた口でまだ唱え続けている。時折咳き込んで血を吐いて、それでもまだ唱えて。
突然、左腕から血が噴き出す。痛みに顔を歪めても杖から手は離さない。
ああ、だから、嫌だったのだ。
この陣は、柊を『使って』マスターハンド、クレイジーハンドの力を魔力の塊の上に描かれた陣に流し込んで魔力の塊を壊しつつ、レオからダーズの力を追い出すための物。だから、柊の体には容赦なく二神の力が流れ込む。
力を借りてスキルを使うレンタルスキルですら体に、一時的と言えど支障をきたすのに。
ただの人間の体が、神の力に耐えられるはずもないのに。
右腕からも流れ始めた血から目を逸らすように、蛍丸は飛んでくる何かを睨みつけた。どうか、彼女が死なないように祈るしかできない自分への苛立ちを乗せて。
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