二次創作小説(新・総合)
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.97 )
- 日時: 2020/03/30 12:14
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 3nikXZtz)
バグにも種類がありまして!?
ペチペチと頬を叩かれる。目を開けばジウが尻尾を振りながらこちらを見ていた。
「んー……おはよう、ジウ……ふぁ〜」
あくびをして伸びをして。布団を片付け、着替える。軽く髪を整えていつも通りジウを抱っこして廊下を歩く。
向かいから歩いてきたのは陸奥守だ。夜更かしでもしていたのか少し眠そうにしていた。
「おっすむっちゃーん」
「おー、おはようさんあるj」
パァンッ! そんな音がして、弾けたのは陸奥守の服だった。最後の砦という名の褌は弾けていないが。
お互いに何が起こったのかよく理解できぬまま十秒。
「ファーーーーーーーーーーーーwwwwww」
「なwwwんwwwじゃwwwこwwwれwww」
お互い、爆笑し始めた。ひーひー言いながら爆笑を続けているとそんな騒動を聞きつけたらしい光忠と加州がやって来た。
「どうしたの……って陸奥守くん!?」
「なんであんた裸にっ」
と、次の瞬間。またもパァンッ! と音がして今度は光忠と加州の服が弾け飛んだ。
「ぎゃあああああああ!?」
「な、なんだいこれ、かっこ良くないよ!!!!」
「ひーwwwwww」
「どういうことじゃあwww」
「こんなの、可愛いとかそういう問題以前なんだけどぉおおおおおお!!」
「主は女の子なんだから笑ってないで見ないで!?」
「だってwwwだってwww朝っぱらからwwwひぃwww」
「げほっwwwえほっwww」
「陸奥守に至ってはむせてんじゃん!!」
「はーっ、はーっ……と、りあえず、異常事態だから、政府に、連絡、をっふwwwwww」
「主、そろそろ落ち着いてよ!」
しばらく笑い続ける柊と陸奥守。しかしどうにか落ち着いて政府に連絡を入れようとした時。あちこちからパァンッ! という音と悲鳴が上がった。
そして、柊と陸奥守は(腹筋的な意味で)死んだ。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.98 )
- 日時: 2020/03/30 12:19
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 3nikXZtz)
「バグぅ!?」
『ええ。五割ほどの本丸で刀剣男士の服が弾け飛ぶバグが発生しております。幸い、審神者様には影響致しません。
ただし、現在バスタオル等を掛けてもそれすら弾け飛んでしまいます。春先とは言えまだ冷えますので、なるべく彼らの体が冷えないように一か所に集め、暖かい部屋で過ごさせる方がよろしいかと。このバグが確認された本丸に関しましては、バグが修正されるまでの間、日課任務を免除、また日課任務達成分の報酬を受け取り箱に送信させていただきます。
柊様の本丸でバグが確認された刀剣男士の一覧を送信していただけますか』
淡々と説明していく担当役人の東雲に眉間を抑える。いつもそうだこの役人。
とにかく柊が確認した服が弾け飛んだ刀剣男士のリストを送信し、東雲が液晶越しに確認していく。
『……柊様の本丸では現在、太刀、打刀を中心にバグが発生しているようですね。また、短刀、剣の被害は零と』
「他はどうなってんです?」
『特定の刀種のみ、刀種関係なく、あるいは刀剣男士全員、という感じですね』
「はー、バラバラってことかぁ」
『それと、本日は絶対に演練、遠征、出陣はしないでください。バグが発生するのはもはやランダムと言っていいほどなんです。
発生しなかったから大丈夫、と遠征に送ったアホ……失礼、審神者様から遠征先で服が弾け飛んだという報告がいくつか上がっています』
「ブッフォwwwwww」
『笑ってる場合ではないです。というか審神者様たち案外焦ってるようで焦ってませんよね、さにちゃんでロマ●ティック止めてならぬ全裸バグ止めてとかありましたよ』
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
『除草剤、貴女にぶっかけましょうか?』
「というわけで、全裸バグもとい脱衣バグが修正されるまでの間は出陣、遠征、演練一切禁止。内番は現在脱衣バグが発生していない子を中心に組んでいく。
脱衣バグが発生した面々はしばらく大広間にて待機、体を温めることを優先してくれ」
その柊からの報告に何振りかは不満そうな声を上げた。しかし「別に出陣したかったり演練したいやつはどうぞ、その先で脱衣バグ発生してもいいなら」という言葉に全員が口を噤んだ。良かった、羞恥心が勝ってくれて。
大広間に、脱衣バグが発生した面々が入っていく。ほとんどが太刀、打刀だから絵面がややむさい。
「困りましたねぇ、主」
「そうだなー、私は今、真後ろで全裸にも関わらずポージングしている千子村正に困ってるわー。というかお前、最後の砦(褌)はどうした」
「脱ぎました!!」
「本当にお前のそれ性癖だな」
と、話していると少し離れた所から主君、柊を呼ぶ声がした。声からして前田なのは間違いない。
「どうしたの前田くんー?」
「騎士団の方から、マツバボタンさんがいらっしゃいまし……あっ」
「? 前田、くん。どうかしました?」
「あ、あの、えと」
「団長さん……?」
「ウワァアアアアアアアアアだめだマツバボタンんんんんんんんん!!」
廊下の曲がり角からひょこり、と顔を覗かせる花騎士のマツバボタン。しかし、彼女は男性が苦手だ。今は短刀男士とは多少仲がいいものの、それ以外の刀剣男士とはまだ距離を置いている。
さて、そんな彼女が見たものは。
咄嗟に近くの盆で村正の村正(意味深)を隠す前田と、ポージングを続ける村正と、マツバボタンに向かって走っていたが間に合わずその上転んだ柊だった。
「ぴぇ」
──バタァン!
マツバボタンが倒れるのも、無理はないという話だ。
「マツバボタぁああああああン!!」
「huhuhuhu、マツバボタンさんには刺激が強すぎでしたね、huhuhu……」
「村正さん、僕の不手際ではありますが後で一緒に謝りましょうね」
「ハイ!!」
「素直め!!!!」
その後、村正は大広間に入れられ、大至急大神さくらを呼んでマツバボタンを離れまで運んでもらった。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.99 )
- 日時: 2020/03/30 12:24
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 3nikXZtz)
「しかし、どうするかね」
「だな、先生」
南海太郎朝尊の呟きに肥前忠広が返す。このバグが直らない限り、出陣等もそうだが万屋などでの買い物もままならない。今はまだバグの発生していない面々で行えばいいが、このバグが他の刀剣男士に発生しないとも限らない。もし直らない内に全刀剣男士に発生してしまえば厄介なことになる。
「このバグ、利用できると思うのだが」
「……は?」
「例えば、このバグを自由に、それも対象を選ぶことができれば敵に使い、呆然としているところを一撃、なんてできそうじゃないか」
「先生」
「思いついてはいてもたってもいられない、早速実験といこう!」
「先生、止まれ」
本気でやりそうだから怖い。だから止める。むしろそれが実用レベルに至るまでどれほどの布が犠牲になるのか、考えたくもない。
がっしりと朝尊の首根っこを掴み、離さない。離したら最後、布がいくらあっても足りないだろう。
「今日はやたら静かじゃのう」
ふと、聞きたくない声がした。振り向けばそこには、別世界の、英霊として降り立った元主である岡田以蔵がいた。小さく舌打ちすれば以蔵はふん、と鼻を鳴らす。
「何の用だ」
「元とは言え、持ち主に大層な口聞くのぉおんしは。言うて、暇つぶしじゃ、暇つぶ」
──パァン!!
服が弾ける。布が舞う。……以蔵の服の。
「なんじゃああああああああああ!!!?」
そりゃ叫ぶわ。
褌一枚になった元主に、肥前は『こんな時、どんな顔すればいいか分からないの』状態であった。笑えば……いいと思うよ……。
その上、柊が来てまた大爆笑していた。
「ひーっwwwひーっwww」
「おまん笑っちょる場合かぁ!!!」
「おーい柊の嬢ちゃん、届けもんだぜ」
「柊、燭台切はいるか。レシピを書いてきたのだが」
やって来たのはランサークラスの英霊、クーフーリンとアーチャークラスのエミヤである。クーフーリンは小さめの小包を、エミヤは複数枚の紙を持っていた。
──パァン! パァン!!
破裂音。これ今日何回聞くはめになるのだろうかと肥前は半ば現実逃避を始めた。
エミヤはボクサーパンツ一枚に、クーフーリンは、何故か第二再臨時の姿になっている。全員が言葉をなくす。
「…………なんでさ!!!!」
「ファーーーーーwwwwwwwwwwwwwww wwwwww」
その一言は、柊の腹筋を再び崩壊させるのには充分すぎた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.100 )
- 日時: 2020/03/30 12:31
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 3nikXZtz)
一方その頃、大広間。隅っこで体育座りをしている国広と山切はそれぞれ黙って体育座りを続けていた。
「困ったことになったな」
「……ああ」
「この状態では、二振り目に【簡単☆日本語学ぼ☆】を読ませてやれない」
「いらな、い」
「そうか? それなら以前、花村輝々に渡された本でも読むか。何やら斬新なトレーニング法らしい。らぞーにんぐ、だったか?」
「とれー、にんぐ」
「それはやめておきなよ偽物くん」
国広と山切が顔を上げると呆れた顔の長義が立っていた。彼は幸いにもバグが発生していなかった。そしてそんな長義が持っているのは何冊かの本だった。
「ほんか」
「山姥切、それはなんだ?」
「写しくんの部屋から持ってきた。こんな状態だからね、暇で仕方ないだろう? 俺は幸いにもこんな訳の分からないバグ、発生していないからね。
自由に動ける、だからこそ与えなくては。そうだろう?」
「二振り目、お前はなかなか難しそうな本を読んでいるんだな」
「ひとふり、めも、よむか?」
「……一番読みやすいのはどれだ」
「聞けよ」
スルーされたことにツッコミを入れるものの、二振りは本に夢中になっている。くそ、と小さく毒づいて今度はため息を吐いた。
ちなみに、長義は二振り目である山切には甘い傾向がある。無理もないのかもしれないが、山切に対しては写しくんと呼び、国広に対しては偽物くんと呼んでいる。
そんな時、大広間の障子が勢いよく小気味いい音を立てて開かれた。
「まんばちゃん聞いてー! なんかすごいことになってるー!! まあいいやまんばちゃんー!」
何の動揺もしてないレベルで真っ直ぐにリンが山切たちの方へ歩いてきた。あまりの堂々っぷりに全員言葉もなくしている。
そしてリンはすとんと山切たちの前で腰を下ろした。
「りん」
「やっほまんばちゃん。やまちょぎさんとやまひろさんもやっほ。聞いて聞いてまんばちゃん」
「まて、りん」
「ん?」
「いま、おれたちは、だついばぐと、いうものが、はっせい、して、いる」
「うんうん」
「さむく、ならないように、ここに、あつまっている」
「うんうん」
「なので、ちゃは、だせない」
「そこなのかな!?」
「無問題無問題。そんなことよりね、ミク姉に恋人できたの!」
「……みくねえさん、にか」
「待て二振り目、ミクのことを何故姉さんと呼んだ、それなら俺のことも兄呼びしてもいいんだぞ」
「お前もそういうことじゃないんだよ偽物くん!!!!」
「写しと偽物は違う」
「それでさー、ミク姉、いっつもその恋人のことばっか話すんだよー。いい加減惚気はご馳走様ってねー」
「ずっと思っていたけどこの状況の中、堂々としすぎじゃないかな!?」
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.101 )
- 日時: 2020/03/30 12:37
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 3nikXZtz)
しばらくして、東雲から『脱衣バグは翌日には収まる』という旨の連絡を受け、ほっと胸を撫で下ろす。なんだかんだ、あんな状態が続いてはたまったものではない。
それを連絡しに大広間へ向かう途中、長曽祢、そね、北谷菜切、千代金丸と鉢合わせた。四振りともバグが発生していない刀剣男士であり、何やら少し揉めているようだった。
「どうしたのちゃたくん」
「あ、主。じちぇー、そねがまた無茶してるんだよー」
「それで、長曽祢とケンカになってな」
「そろそろ休め。人の体は休まねばならないと何度言っていると思ってるんだお前は」
「……仕方ないだろう。おれは一振り目とは違って努力せねば、虎徹の贋作としてすら存在できない」
「お前はその努力をしすぎなんだ。体を壊しては元も子もないだろう」
「そうだよ、そね。無理しないで、ね?」
そねとしては働かないと落ち着かないというのもあるのだろう。とは言え、それでは体を壊すのは目に見えているし、ここにいる以上はゆっくりすることも覚えて欲しい。
彼は少しバツが悪いような顔をして分かった、と口にする。それに全員がホッと息を吐いた時だ。
破裂音。弾けたのは、長曽祢と、そねの服だった。
硬直。沈黙。そして。
「●※☆%!◎&$△!?」
ボンッと顔を一気に赤くした柊が咄嗟に顔を手で覆いながら背けた。
「あいえー」
「あいえー、バグが起きちゃったなぁ」
「た、タイミングが悪すぎるだろう……!!」
「だ、大丈夫か主……?」
「だだだだ、大丈夫ですむしろありがとうございまじゃなかったああああえっとそのすみませんんんんんん!!」
「何故主が謝る!?」
「主ー、長曽祢は怒ってないよー。そねも怒ってないよー。だから大丈夫さー」
「えええとそのそういうわけじゃなくてあのそのならぬものはならぬのですぅううううう」
「困惑してるなぁ」
大混乱するのも無理はない。柊は長曽祢に片想いを拗らせているのだ。それが突然、目の前で服が弾け飛んで、その肉体美が余すところなく現れれば無理もないのである。全くもって無理もない話。
北谷菜切が柊を落ち着かせている間に千代金丸が二振りを大広間へ移動させる。
「主ー、落ち着いたかい?」
「うん……ううう……あああ……長曽祢さんの、長曽祢さんの肉体美ぃいい……」
「うーん、落ち着いてないなー」
のんびりと言いながら柊の頭を撫でている。そんな時だった。
♪バラライカ(BGM)
「? なんで音楽が流れてきたんだー?」
北谷菜切は首を傾げたが、柊はぴくりと反応を示し、ゆらりと立ち上がった。
「確かこれは、あいどるの女の子の話の歌だねー。乱たちが聞いてたさー。なんて題名だったかな?」
「……ら……いか……」
「あー、そうそう。ばらら……」
「「「やらないか☆」」」
「えっ」
「…………」
彼にとっては想定外。現れたのは色とりどりの褌を身に纏う……いや、ぶっちゃけそれしか身に付けてない裸族たちだった。太子のみ、ポピー柄である。
「脱衣バグなるものが発生してると聞いて!!」
「ここの本丸を裸族色に染めようじゃないか!!」
「全員出すんだ!! さあ柊さん!!」
「むしろ生きとし生けるものは全て等しく裸であるべき……これが、本来の姿だぞ!!」
「男には興味ないが、まあ裸友となればそれなりに仲良くするぜ!!」
「イケメンだから許さねえけどな!!」
「イケメンは爆発するべし慈悲はないよ!! 裸友ならおkってやつだね!!」
花村、芭蕉、裸族太郎、太子、誠、澤永、クマ吉が口々に言う。
きょとんとしていた北谷菜切はハッとしてから慌て出した。
「も、もしかしてばぐがあの人たちにも発生しちゃったかなー!? 大変さー、風邪引く前に……」
「ちゃたくん」
「? どうしたんだい主?」
「……脱衣バグは、明日には収まるってみんなに伝えてくれる? 彼らは私が『対処』するから」
「本当かい!? 良かったー、じゃあおれはみんなに伝えてくるよー」
慌てた表情から一変、ぱぁと顔を明るくした北谷菜切は大広間へと駆けていく。その後ろ姿の何とも愛らしいこと。
「あー、北谷菜切とか乱藤四郎とか、男じゃなければなぁ」
「それよりも裸族増やすぞ誠! この裸族太郎としては、狙い目は岩融さんとか、刀派虎徹だな! 特に長曽祢虎徹さんの脱ぎっぷりは」
ヒュッ。トンッと軽い音がして、裸族太郎の頬からつぅ、と血が一筋流れた。
「ゑ?」
「……おい、お前ら」
低い声がしてそちらを見る。にっこりと笑いながらも、血管が浮かび、どこか黒さを感じる柊がいた。……いつの間にか出てきた弓矢をこちらに構えながら。
「「「「ゑっ???」」」」
「お前らが裸族増やそうとまあ迷惑かけなきゃいいさ。ただな。長曽祢さんに手ぇ出したら……」
言葉を切り、真顔になる。
「さすがに○す」
「」
「大体蜂須賀や浦島くんにもやらす気か???
蜂須賀は美しくて天女、浦島くんは可愛くて天使。岩融は豪快ながらも上品な振る舞い。
ハハッ、前言撤回。
今○す」
「さすがにそれは冤罪ではぁあああああぎゃぁああああああああ!!!!!!」
「先に謝っとくわすまねえなぁあああああ!!!!!」
その日、庭には大量の矢が刺さっていたという……。
なおバグは翌日には直り、裸族たちはこっそりと裸族を増やすための会議を開いたという……。
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