二次創作小説(新・総合)

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綴る日々
日時: 2019/08/20 02:06
名前: ろっと ◆IAbni.BnIA (ID: Ft4.l7ID)

好きなキャラがこんな風だったらな、と妄想したものを文字に書き起こして書いていく。
一部だけを誇張することはしない、キャラの特徴は捉えるつもり。

初めまして、よろしく、とだけ。



Re: 窓辺から見た景色 ( No.1 )
日時: 2019/08/20 02:05
名前: ろっと ◆IAbni.BnIA (ID: Ft4.l7ID)


 初更新のSS、シリーズになります。


【ダイヤちゃんは絵里キチさん】(作品:ラブライブ!サンシャイン!!)
※もし、あれ見てる人居たら……実はちゃんと許可は取りましたっての。
 うん、このダイヤちゃんシリーズは見やすいように
ベリーショートな長さになってます。
スクフェスとかそういう話も出てきます。はい。


第1話『キチってる』

 そもそも、海未キチという言葉は
Kis-My-Ft2の宮田俊哉さんなどが当てはまる言葉。
凄く推してるけど、他の人から見たらキチガイ。
海未ちゃんに狂ってたから、海未キチ。
 これは実際の話なのだが、海未キチによる儀式として
『315の海未ちゃんたいむ』というのがある。
検索すると分かるのだが、315な時間に海未ちゃんの画像を貼る儀式である。
 改めて言うが、これは空想物でもなく、本当に存在する儀式である。
うっみうっみうー!


 そして静岡県の内浦にある家屋には、海未キチではなく、絵里キチさんが居た。

シャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

ルビィ
「……うゆ、シャンシャンシャンシャンしてる、お、お姉ちゃん……?」

 眠け眼でぼうっとした意識のまま、
起きてみると朝7時からシャンシャンシャンシャンする音が聞こえてくる。

ルビィ
「きょう、イベントあるんじゃ……お、お姉ちゃん」ガララララ

ダイヤ
「何ですか、ルビィ?」
↑近未来ハッピーエンドMASTER叩いてる

ルビィ
「アケフェスでμ'sのイベント……」
↑10クレ溜めると取って付きのクリアファイル、それから
ゲーム内のすごろくをクリアするとランダムで一人のMRカードが貰える、というもの。
一応、他にもイベントはやってる。店舗や各自で確認してみよう。

ダイヤ
「あぁ、クリアファイルなら取って来ましたわ……ルビィの分もありますわよ」

 さっ、と花陽クリアファイルをルビィにあげちゃうお姉ちゃん。
うん、シスコンだね。

ルビィ
「え、もしかして昨日……20クレやってきたの?」

ダイヤ
「はい……早めに保護しなければ絵里さんが取られてしまわないかと
心配で堪らないので」

 このお姉ちゃんは……絵里キチさんだ。

ルビィ
「は、早いよね……アケフェスのポスターもあるみたいだし……
エールランクも上げてるんだよね?」

※アケフェス
 ACとも呼ばれ、正式名称は『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル~after school ACTIVITY~next stage』と、長い。
アーケードでプレイできる、ラブライブ!のゲームで1クレジットで2曲(スナップを撮るなり何なりすれば3曲)ライブをすることができる。
9つのボタンを使ってライブをするが、
紫以下は正直雑魚レベル、スクフェスEXより簡単。
紫になると凄く難しくなる、4つ押しとか平気で出てくる。
 尚、このゲームにはライブをする媒体とカードを入手する媒体の2つが存在する。
ライブする方は1クレジット入れれば、ライブができる。
その後は成績に応じておでかけ!スクールアイドル、という
サイコロを振って報酬を手に入れるイベントをやるだけ。
尚、メンバー誕生日の前後1週間には
メンバーの強力で美麗なスキルカードが手に入るマップを使うことができ、
ある程度進めば、そのスキルカード、一周ずつ達成するごとに
メンバーの誕生日称号がグレードアップ、3周目で称号が完全体となる。
 カードを入手する方では、四種類のモードがあってカードを引くか、
プロカ(プロフィールカード)を作るか、カードを印刷するか、
フォトを撮るかってのがある。
カードを引くのはそのまんま、メンバーカード、スキルカード、
メモリアルカードのミッツガ存在。
メンバーカードは衣装を手に入れられる、スキルカードはライブの補助、
メモリアルカードは記念です、使い道あるのか知りません。
ライブ後のすごろくでクラッカー(カードを引くガチャでこのカードはスキルカードだよ!ってのを教えてくれる)が手に入るから、
それを揃えてからガチャは引いた方が良い、当たり前の話だね。
プロカはエンカした時にあげたりすることもあるが、
本来はライブの補助をしてくれてスコアを伸ばしたりしてくれる。
自分で作成したプロカ2枚登録すれば、スコアもビジュアルスコアも上がって、
すごろく時のサイコロの数も増える。
他は説明不要、面倒。そんなゲーム。
 簡単に説明すると、
ライブしてカード手に入れて推し可愛いね、ひゃっほー!するゲーム。
 ちなみにいつになるかは分からないが、
Saint Snowもこれに参加が決定しているそう。

※エールランク
 ACにおいて、推しへの愛を端的に示しているのがこれ。最大は999。
好きなメンバーを選んだり、すごろくでそのメンバーと誰かと話したり、
カードを引くこと等でエールが貯まっていく。
ある程度溜まるとエールランクガチャもできる。えぐい。

ダイヤ
「えぇ、絵里さんが大好きですから……
まぁ、曲の難易度的にもBiViばかりやってしまいますが……」

※BiVi
 絵里、にこ、真姫のユニット。曲調は少し大人ぽいかも、
珠に見せる高校生らしい無邪気さもある歌詞とかノリが堪らん。
にこ真姫はμ'sの中でも多分、人気なメンバー。にこまき、なんて括りもある。

 だが、ダイヤちゃんは絵里推し。それだけは変わらない事実。

ルビィ
「お姉ちゃん凄いなぁ……ルビィ、花陽さんのカードしか集めてないから……」

 尚、ルビィちゃんは花陽ちゃん推し。

 姉妹だと良いよね、カードのやり取りができるから。
色々イベントでランダム商品だとしても交換できる可能性もあるから。

ダイヤ
「まだまだブレードキャンペーンも折り返し地点ですし、
栄養ドリンクと魔剤を用意して徹夜の準備には行く予定ですわ」

※ブレード
 今回、一ヶ月に渡って行われるのがライブして
箱開けするとブレードが手に入るというもの。
これを集めると報酬と交換できる、
それ以上にブレードを消費すればタダライブ!できる。
勿論、ユニットが強くないとブレードを全報酬分集めるのは大変なのだが、
作者のユニット(スキレベ4~5,パーラー海未のみ6)でも
一日100曲ペースでやればほぼ全報酬できた。
当然ながら、スコアを伸ばす為にノーツの多いMASTER楽曲、
特に日替わりMASTER等をやるのが基本だ。
だが、そんなにガチるつもりがなければ、まいにち手に入るシュガー、
石や最終日付近で登場するSR特技経験値、勧誘チケット、石、
補助チケットは入手するべきだろう。
ざっと100万ブレード集めておけば、それだけでも回収できる。

ルビィ
「お姉ちゃん、最近あんまり寝てないよね……隈、付いてるよ」

 そう、ダイヤの目元に注目してみると、黒い隈が出来ているのだ。寝なさい。

ダイヤ
「でも、ただでライブし放題でユニットも強化できる、
何より絵里さんの曲埋めできるんですよ!」

※曲埋め
 曲をやりまくること、例えば鳥Sにするとか。
ACだと1000回プレイでその楽曲の称号をもらえる。
スクフェスでそういう称号はないのだが、万回やるのが一種の楽曲愛とされている。
尚、私のフォローしてる方にも万回達成してる人が居ます。
スクフェスに慣れすぎると楽しみが無くなってしまいそうだが、
好きな曲をやり込むとか、精度を競うとか
新たな楽しみを自分で探すのもいいものです。

ダイヤ
「まぁ、睡眠不足はお肌に良くないのは分かってますが……
絵里さんが美しいのが悪いんですよ!」

ルビィ
「それ、完全に八つ当たりじゃない……かな」

 八つ当たりです、完全に。

ダイヤ
「では、聞きますが……この絵里さんが美しくないとでもルビィは言えるのですかっ!」

 と、ルビィに見せつけたのは絵里のUR、
それも冒険編(8/16更新現在最新のUR)、覚醒済み。

ルビィ
「ピギィィィッ!! 」
↑声にならない?叫びを出している。

ダイヤ
「はぁ……これで分かったでしょうに。
私が如何に絵里さんの美しさを優先して生きているのかを」

ルビィ
「ちょっと何言ってるか分かんない……よ」
↑サンドさんのネタか。

ダイヤ
「あぁ、もう……分かりましたわ! 
今日は徹夜しませんわよ……絵里さんの歌声を聴きながらぐっすり、寝ますわよ!」
↑絵里さんのアルバムを聴くそうです。あれ、μ'sの曲をソロで歌うアルバムのこと。名前は知りません、調べて。

ルビィ
「え……あ、うん。お姉ちゃん隈が酷いから気を付けてね……」ガラガラガラガラ

 ルビィちゃんが出ていった。さて、ダイヤちゃんはどうする。

ダイヤ
「……とはいえ、石の為にもブレードを集めなければ……
集中してさっさと集めなければ」

 部屋に籠ってシャンシャンしていたとさ。

 まぁ、ブレードキャンペーンは8月中に開催されてたものです。
その期間中に書きました。
もしこれが8月中に更新されてたら、まぁ頑張ってください。


3603

Re: 綴る日々 ( No.2 )
日時: 2019/08/23 23:21
名前: ろっと ◆IAbni.BnIA (ID: 9AGFDH0G)


【ダイヤちゃんは絵里キチさん】(作品:ラブライブ!サンシャイン!!)

第2話『T』

 8月某日、スクスタこと
『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS』の
公式Twitterが作成され、動き始めた。
何度もお知らせされ、延期されたあのスクスタがついに
今年の秋以降にリリースされるのだ!
着々と内容発表……とは行かないのだが、来ることは確実となった。待とう!

 さて、絵里キチである彼女も登場人物であるのだが、
この世界は特殊なのだ、そう特殊なのだ!
だから、気にしないで。

 静岡でも夏休みも終わろうとしている。
待ち受ける学校という日が嫌に嫌に感じるあの感覚、
きっと彼女はそんなの微塵も感じていないのだろうが。

ダイヤ
「ついに発表されたのですね……スクスタ!」

ルビィ
「ようやくだね。お姉ちゃん、嬉しい?」

ダイヤ
「そりゃあ、もちろん! リズムアクションゲームとはよく分かりませんが、
楽しいことは間違いありませんわ!」

 取り敢えず、出演するのはμ's,Aqoursと虹ヶ咲学園の9人、計27人とのこと。
あの方たちはどうやら……最初からの出演はないみたいです。
更にTwitterの方でプロローグが公開されたのですが、
時系列が違う二組なのに合同ライブを開催していて
それを虹ヶ咲学園の子が見ていたってもの。

 まぁ、ラブライブ!シリーズの登場人物がゲームしてるって
何なん、ってツッコミはお門違いだからね。
最初にそのことについて書いたし。

ルビィ
「あ、お姉ちゃん……ぷよテトやりたい」

ダイヤ
「ふふっ、こんな日が来るかと思ってテトリスを猛特訓しましたわ!」
↑Tスピンとか、連とかこなせるようになったみたいです。
テトリス99でも努力の末に何度か1位になったこともあるそう、という設定。
真面目な人だから、勝ちに拘ってやり込みそうというイメージから。

 さてさて、ようやくタイトル回収です。
TとはTスピンのことでした……って、テトリスは知ってますよね?

ルビィ
「……でも、ガチ勢同士じゃなきゃ、ぷよぷよの方が強いんだよね……えへへ」

ダイヤ
「なら、完膚なきまで叩き潰してやりますわ!」

ルビィ
「えっ……!?」

ルビィ:リデル(ぷよぷよのキャラ、角を髪で隠す恥ずかしがり屋)
ダイヤ:レムレス(同じくぷよぷよのキャラ、
若くして「彗星の魔導師」の異名を持つ天才)

ゲーム画面
『……』プヒッ!
↑ゲームスタート

タン タタタン タタ タン タン タン タタ タン タタタン タ タンタンタン ターン タタン タタ タンタンタンタタ タンタンタンタ タンタンタン……(テトリスのテーマ的なやつ)

ダイヤ
「……」シュッ,タタン
↑左3列残して積んでる、連用に溜めてる

ルビィ
「お姉ちゃん、速いよ……」カチャカチャ

ルビィ
「あ、3連鎖できたよ!」
↑かるーいジャブ

ダイヤ
「それでは、反撃させてもらいますわ!」カチャカチャカチャ!

ルビィ
「え、待って……やばい、岩ぷよ来てるよ!」

ダイヤ
「……連を繋げられて良かったですが、ALL CLEARもしたい ですわね……」カチャカチャカチャ!
↑ALL CLEAR(表示はあってるか不明だが、スペルはきっと合ってる筈)
ぷよぷよで言う、全消し。全て消すことで相手に攻撃を与えられる
(マスの上昇、相手がぷよならおじゃまぷよがしょぼい連鎖より降る)。

ルビィ
「あ、待って、おじゃまぷよ降らないで!」

 おじゃまぷよは降る為に居るんですけどね。

……

ダイヤWIN!

レムレス
『みんな、仲良くね』

タラララッララ!

 基本的には二戦先取で決着、まぁここのシーンはカットしますね。


……


ダイヤ
「……ほぉーら、私に勝とうなんて、甘すぎますわ!」
↑選択したキャラ、レムレスに掛けているのか?         
 ちなみにレムレスは甘いものが大好きです。

ルビィ
「うぅ、強いよぉ……善子ちゃんもゲームしてるから
もしかしてぷよテト強いのかな……?」

 え、そうなの? 
まぁ、趣味はゲームと魔法なんて言ってたし、頭は良いからそうなのかも……。

ダイヤ
「相手が誰であろうと……私が負けるなんてあり得ません、
いや意地で勝ってみせますわ!」

 え、スクスタの話はしないのか……? 
スクスタについて話すなんて誰も言ってないじゃないですか!



1767
 今月末にはμ's2年生にスポットライトを当てたお話を投稿できる予定です。
今回の回は凄く短かったですが、書いていると楽しいから気軽に投稿できそうです。


Re: 綴る日々 ( No.3 )
日時: 2019/08/27 21:47
名前: ろっと ◆IAbni.BnIA (ID: 9RGzBqtH)



【逆らえない、可愛さ】(作品:ラブライブ! 海未ちゃん視点)

 八月もいよいよ中旬に差し掛かり、梅雨が長いし、
冷夏なのだろうかと心配していたのを吹き飛ばすような暑さが世界を襲っている。
この日本も例外ではなく、外に出れば太陽のとめどない暑さが体に突き刺さる。
夏ほど日影をいとおしく思うことは無いだろうし、
寿命の短いけたましい蝉にさえ苛々してしまうのは全部、太陽のせい、なのだと。
駅前の木陰の下、植えられて数十年ほどに見られる青々とした木を中心に
丸く作られたベンチに一人の友人と共にもう一人の友人を待つ頃です。

 私の横には太陽みたいな、いや太陽より熱い思いを持っていて、
なのに夏の暑さにはてんで弱くて、
私たちを引っ張ってくれる、良い意味での太陽のような穂乃果は、
私の目の前で近所のパン屋で買ったというパンを食べています。
頼れるリーダーかと思ったら、普段はこんな風にパンをよく食べて、
今日もパンがうまい!だなんて。
スクールアイドルとして自覚があるのか、と思っていたら、
練習熱心で……きっと、それが穂乃果なのだと感じさせて。
英字が印字された白のTシャツに
青のグラデーションが夏らしいチュールスカートなんて……
若い子らしい服装ですが、少し破廉恥ではありませんか、穂乃果。
 今日は珍しい日、のようです。
穂乃果が待ち合わせに遅刻しないなんて、
そしてことりが待ち合わせに遅れてくるなんて、今日は本当に珍しい日です。

「ごめんねぇ……はぁ、はぁ。穂乃果ちゃん、海未ちゃん、待たせてごめんね!」

 息を切らしながら、手を合わせてごめんねのポーズを取って、謝ることり。
ことりの動きに合わせて白地の女の子らしいワンピースがふりふり、揺れています。
肩から伸びる袖の先はふんわりしていますね。
それにどうやらレース生地のようですね。ことりによく似合います。
日差しを気にして大人めな黒の女優帽を被って、シースルーの厚底サンダル……
ことり、オシャレ過ぎません?
それにしても、どうして遅刻したのでしょうか、気になります。
 それは穂乃果も同じだったようです。

「ことりちゃんが遅刻するなんて珍しいけど……なんか、あった?」

 首をこてん、と傾げてその顔は本当にことりを心配しているようですね。
トラブルでもあったら、大変ですが。

「う、ううん。
今日は二人と一緒にお出掛けできるんだって思ったら中々眠れなくて……」

 つまり、そういうことですか。

「寝坊、したんですね」

 私がそんな風に言うと、ことりは顔を赤くさせて俯いてしまいました。
私、何かおかしなことでも言ったのでしょうか。
 と、ここで穂乃果がパンを食べ終えたようです。
パン、と手を叩いて満面の笑みで立ち上がると、

「海未ちゃん、ことりちゃん、さっさと行こうよ! 
今日は服を見たり、パンを食べたり、ご飯も良いなぁ……」

「穂乃果ちゃん、そんなに食べるの……?」

 ふふっ、穂乃果もことりも面白いです。
こんな瞬間でさえ、私はこの二人と仲良くなれて、凄く嬉しく感じるんですよ。

「穂乃果、そんなに食べて……太ったら、どうなるか分かってるんですか?」

「ひぃっ! 海未ちゃん、怖いよ!」

「そうだよ! ことりの作った服が入らなくなったら、
ことり悲しいよ、穂乃果ちゃん」

「えぇ、ことりちゃんまで……! もう、ひどいよぉ!」

 こんなやり取りでさえ、楽しくて。
まだ今日は始まったばかりなのに、これからが楽しみです!



 がたんごとん、と冷房の効いた電車に揺られながら。
これから向かうのは少しだけ離れた所にある大型商業施設、
ことりは服を見たいようですし、
穂乃果は……まぁ、パンとかパンなのでしょう。
あぁいう施設にパン屋さんはあるものですし。
私としては、特に行きたい所はないのですが。

「夏物のセールがやってるし、
早いかもだけど秋物もチェックして今後の衣装の参考にもしたくて」

 確か、こんな風にことりは言ってましたね。
となると、色んなお店をチェックするのでしょう。
次はどんな衣装になるのか楽しみなのですが、
露出が多すぎない衣装にして欲しいですが……それは難しいのでしょうか。
でもスケールアイドルだからってあぁいう衣装はちょっと破廉恥じゃありません?
いつもはことりに弱くなってしまいますが、次こそは……露出控えめな衣装を。

「海未ちゃんにどんな服を着せようかなぁーっ」

「こ、ことり! 穂乃果に着せてください!」

 もう、そんな可愛い顔でにんまりと微笑まないでください! 
つい、お願いを聞かなきゃいけなくなるじゃないですか!
ことりは魔性の女です、あんな可愛い顔であの言葉を言われたら……私、つい。

「えぇー、海未ちゃん髪が綺麗で長いし大人っぽい顔だから
クールな服も見てみたいなって思ってたのに……」

 クールな服、ですか。それなら、露出も少なそうですね。
とはいえ、ことりですから油断なりません。
お願いって言われて、水着なんて渡される訳は無いでしょうけど、でも……でも。

 そう考えていると、電車が大きく揺れて、
ことりの髪も穂乃果の髪もふわっと揺れて。
どうやら、電車が停まったようです。目的地に近い駅はここですから、降りましょう。

 人混みに紛れて、人混みに流されて、
ホームを抜けていくと穂乃果、それにことりと合流しました。
どうやら、私だけ一人ですいすいと進んでいたようです。
二人はあっさりと人の波に呑まれたようです。

「ねぇ、ことりちゃん! 駅から近いんだよね、そのお店」

「そうなの! というか、駅に隣接してるんだけど、
他にも駅の近くに沢山建物はあるから見に行きたいよね」

「そ、そんなに巡るのですか……!」

 どうやら、今日は長くなりそうです。



 かくがくしかじか、
あれからことりと穂乃果に振り回されるように様々な店を巡りました。
ことりにはさながら着せ替え人形のように服を当てられては、
うーん、とことりが悩んでいたり、
笑顔で布の少ない水着を勧めてきたり、
ステージ衣装ではないのに丈の短いスカートを勧めてきたり。
ことりは……何が目的なのでしょうか。
 穂乃果は美味しそうな食べ物を見つける度にねぇ、海未ちゃん!と私を呼ぶのです。
そんな穂乃果の声に仕方なく向かえば、
そこにはやはり食べ物、食べ物、食べ物しかないのです。
穂乃果には……そんな煩悩を無くすような練習メニューでも組むべきなのでしょうか。
いや、煩悩のない穂乃果は……穂乃果じゃありませんね。

「海未ちゃん、お腹空いたね……ことりちゃん、そろそろお昼にしようよー」

「確かに穂乃果ちゃんと食べ物は見たけど、食べてはなかったもんね」

 そういえば、そうでしたね。
食べ物ばかり見て食べた気になっていましたが、食べてはいませんでしたね。
穂乃果に振り回された結果ですね。そろそろ、私の腹の虫も鳴きそうです。

「ただ、二人はどんな料理が食べたいのですか? 
色んな店があるとはいえ、それだけは決めた方が良いかと」

 間髪入れずに穂乃果がこう言うのです。

「折角だし、オシャレなものを食べたいよね! ことりちゃん」

 それ、ことりに対する洗脳ですか、威圧ですか?

「えっと……海未ちゃんはどういうのが食べたい?」

 いや、ここで私に振るのですか
。私も二人と食べられれば良いと思い、振ったというのに。

「いや、私は穂乃果、ことりと食べられるだけで充分なので」

 私がそう言うと、穂乃果もことりも目を丸くして私を見るじゃないですか……
な、何なんですか!

「海未ちゃん……」

「う、海未ちゃん……」

 二人して、私の名前を呼ぶなんて……今日は何なんですか!

「穂乃果もことりちゃんと海未ちゃんと食べるご飯は美味しいって思ってるよ!」

「海未ちゃん好き……!」

「……え、こ、ことり! 軽率にそんなこと言わないでください!」

 穂乃果もことりも……もう! 私のこと、振り回しすぎですよ?



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