二次創作小説(新・総合)
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- マジカルストーリーFINAL(2)
- 日時: 2019/10/10 20:35
- 名前: 3104&休日トリオ (ID: BL8fZ.Pl)
3104:ヤッホー!!
ユウザキルリ:マコト兄とカナタ兄が定期テストで休みであります。ここからは…。
3104:前回のあらすじ~!!!前回、サトシたちは瓦礫の塔に行き、ロックはモグに励まされましたのですね~。
ユウザキルリ:はいはい…。簡単すぎない?つまりは、「サトシたちは瓦礫の塔に行って、神となったケフカに会った。戦いが始まろうとしている時、ロックは『戦いたくない』と言う。モグはロックを励ましたけれど、逆にロックを傷つけることになってしまった」ってことだね
3104:そういうことーーーーーぉ!ちなみに最後は、ケフカは…
ユウザキルリ:やめなさいやめなさい!はい!本文Go!!
- Re: マジカルストーリーFINAL(2) ( No.1 )
- 日時: 2019/11/07 18:17
- 名前: 3104&休日トリオ (ID: BL8fZ.Pl)
妖しく星は乱れ舞う Act II ~悪の神と負の神~
「………ハァ…………ハァ………」
「…フゥ…やっと寝かせられたクポ…もう!あんなことしようとしちゃいけないクポ!自分で死のうなんて、ぜっっっっったいダメクポ!」
ロックをベッドに戻したモグは、厳しい口調で言った。さっきロックは、自分の剣で自分を傷つけようとしていたのだ。
もちろん、モグが止めなければ、今頃ロックは自分を刺している。
「……………」
「……クポ……平気クポよ。ボクはできるだけずっとここにいるクポ……だから…」
モグはロックの頭を撫でようと…したのだが…。
「……うっ…!」
「…!クポ!」
モグが手を触れた途端、ロックは頭を押さえて唸った。驚いたモグが手を引っ込めて見つめる。
「…大丈夫クポ?どうしたクポ?」
「……痛…い……」
「…あっ…さっき…倒れた時に打ったクポ!?」
モグは、さっきロックの剣を奪ったときのことを思い出した。
あの時ロックは、ベッドサイドにあったスタンドの角に頭をぶつけていたのだ。
「大丈夫クポ?休むクポ?」
「…………」
「……ロック?」
「…………イヤだ…みんなを……助けたい………。…ケフカも…。」
「…ダメクポ!心配なのは分かるけど…そんなんじゃあいつの相手にならないクポ!」
「………行く…………。………行きたい……。………っつ………」
「…クポ!?」
ベッドの上で、ロックは目を閉じた。
☆
「………!?……ロック?…ロック!?…」
戦いの中、サトシはロックの名を呼んだ。
聞こえるのだ。声が…。苦しそうな、悲しそうな声が…。
「…ピカピ…?」
「サトシ?どうしたの?」
ピカチュウとセレナが声をかけてくる。それでもサトシは応じない。
「…?」
「…ロック…必ず…行くから。だから…無事でいてくれ…頼むよ…」
「サトシ!くそっ…モグのヤツ、サッサと逃げやがって!」
セッツァーの声に顔を上げたサトシは、ピカチュウに指示を出す。セレナも、それに続いた。
「…私たちも!」
「ええ!」
「マッシュ、行くぜ!」
「よっしゃ!やってやろうじゃん!」
ティナ、セリスが『ファイガ』を放ち、エドガーとマッシュが物理攻撃を仕掛ける。そのそれぞれが、一段目の魔物に当たった。
「…その一段目の像は魔神…。悪を司る神です。あなたたちにどのようなバツを下すのか…フフフ」
「うるせえ!」
「お前なんか、このオレさまが宇宙まで連れてってやるぜ!」
ケフカの笑い声に怒ったマッシュとセッツァーが、『オーラキャノン』と『ダイビング・ボム』を魔神に向けて放った。
「私たちだって、あんたなんかに負けないからね!」
「やってやるわ!いくわよ、セリス!」
「私も!テールナー!『かえんほうしゃ』!」
「テニャー!」
ティナがセリスと頷き合い、魔法『フレア』と『ブリザガ』を放ち、テールナーの『かえんほうしゃ』が二つの魔法と合わさって魔神の段に直撃した。
「俺も、やってやる!」
さらにエドガーが『サンビーム』でたたみかけ、サトシとピカチュウが『エレキネット』でみんなを援護した。
☆
「…クポ…!…ロック…!起きてクポ!お願いクポ!」
「………」
「………もう…分からないクポ……ボクには……もう……。」
「………」
「……もう…戦うのはやめるクポ……!」
さんざんポツポツ言ったあと、モグは大声で叫んだ。どこまでも届きそうな、大きな声で。
「みんな、もうやめるクポーーーーーーーー!!!!」
「………!あだっ」
叫び声で目を覚ましたロックが、またベッドから転がり落ちる。
「………クポ?あ…ごめんクポ……?」
「……もう…!…ほんと、お前って…のんびり屋だなぁ……」
「…アハハ…」
「…ハハハ…」
たまには、みんなとこんな風に笑い合いたい…そう思ったロックだった。
その後、疲れたのだろうか。モグはことんと眠ってしまい、ロックはその姿を見守った。
「……ありがとう……本当に……。」
ー仲間が心配ですか?ー
「…!」
これは…いわゆる謎の声なのだろうか。ロックは驚きに飛び起きた。
「……ケフカ……!」
ー…フフフ…。仲間が心配なのなら、お前から私の所に来なさい。最も、来れるなら…。ー
「………でも……オレ…こんなので…。……歩けない……」
ー…来てみなさいよ…。独りきりで、ね…ー
無理な話に、ロックは、う…と言葉を詰まらせた。
☆
「…ロック…?来るな!きちゃいけない!」
「…ピ~カ…?」
「サトシ!セレナ、ピカチュウ!避けろ!」
呟くサトシに、見上げるピカチュウ、そして、マッシュの叫び声…。
次の瞬間、青白い光がその場に溢れる。離れた場所にいたマッシュが駆け寄った。
「サトシ!セレナ!ピカチュウ!無事か!?」
「…ああ…」
「…平気よ…」
「ピカピカ」
「…何をしている!さっさとこいつらを倒してしまいなさい!」
サトシたちの声と、ケフカの声。振り向いたティナとセリスが、魔神の像を見て叫んだ。
「!魔神の像が!」
「崩れてくよ!」
なんと、一段目の魔神の像だけが、どんどん崩れていく…。
「…チッ…魔神もここまでか…次!鬼神!」
ケフカの舌打ち混じりの声が、鬼神の目を光らせた。
☆
いつしか雨が降り始め、寂しい部屋がよけいに暗くなる。
そのベッドには、ぽつんとモグが寝かせられていた。
ロックの姿はない。
「……」
瓦礫の塔の近くに止められたファルコンには、ケフカの大きな声がそのまま響いてくるので、少しうっとうしい。
その時、モグの耳がピクリと動いた。
「……ク…ポ~……クポ…………ロック……?」
目を覚ましたモグが真っ先にロックを探しても、どこにも見当たらない。
「……ロック……!?」
…まさか…。
そう思い、モグが窓を覗くと、青く小さな背中が見えた。言うまでもなく、ロックである。すでに帯剣して、そのまま塔に登ってしまいそうだ。
「…ロック!?何考えてるクポ!戻ってくるクポ!」
無論、ロックには届くはずがない。すでにロックは、もう遠くなっていた。
「………バカ…分かってるハズなのに……」
一方こちらは、ひたすら走るロックである。
どうして走れるのか…どうして立ち上がれたのか…分からない。でも、行きたい。みんなの所に…行くべき場所に…。
「……うわぁ!」
何もない所で、ロックはつまづいた。これで何度目か…。腕や脚に至って、何度もすりむいた。
「……みんな……」
痛くて寒くて、悲しい。
みんな、どうしてるかな…。怪我とか、してないかな…?
地面に転がったまま、ロックは考えた。
(…オレが行って、どうなるかな…。みんな…怒るかな…悲しむかな…。)
頭が痛い。立ち上がれない。でも…。
「……オレ…行きたい……ケフカを…みんなを…助けたい…」
ー…ロック!聞こえるクポ!?ー
ずぶ濡れのまま倒れているロックに、モグがテレパシーで呼びかける。
「……モ…グ……」
ー…!良かった…!…大丈夫クポ!?怪我とかしてないクポね!?歩けるクポ!?今すぐ戻ってくるクポ!ー
「……大丈夫………でも……動けない…よ……」
ー…ロック!よく分かったクポ。怪我、したんだクポね。ちょっと待つクポ……って、ロック、カギ閉めたクポ!?ドア開かない!ー
……そういえば…モグは手が小さくて、ドアが開けられないんだっけ?それに、オレが休んでるモグを気遣ってカギを閉めたから…。
…自滅したぜ…。
「……助けて~……」
ー……バカァァァァ!もう知らないクポ!ボクにはどうにもできないクポ!ー
……ああ…そりゃあそうだよな……。
「……誰か……どうにかしてぇ………うっ…」
独りきりで転がったまま、ロックは(今更だが)痛みに呻いた。だんだん意識が薄れていく。
「……誰か………助け……て…」
☆
…サ…トシ……助けて……
「…!ロック!?…何があった!?」
……オレ…動けな…い……痛いよ………寒いよ……………
ロックの声が聞こえ、サトシは驚く。
何だ…?この声、みんなは聞こえてないのか!?
「…よそ見をするな、そこの帽子!!」
「!!」
ケフカの叱声が飛び、サトシとセレナ、セリスに向かって、鬼神が放った『サザンクロス』が光を伴ってやってくる。
セリスに引っ張られて逃れたセレナが、サトシの腕を掴もうとするが、あいにく、掴めなかった。
「サトシ!」
怯んだサトシが動かず突っ立っているところに、セリスとセッツァーが駆け付け、前に飛び出した。
そして、セリスとセッツァーに『サザンクロス』が直撃する。
「…!………!!」
「…サトシ…平気か?」
「…大丈夫?…」
「…二人は?平気なのか?」
「…ああ」
「…それより、行ってやりなよ」
セリスのこの一言に、サトシは唖然とした。
まるで、セリスにもロックの声が聞こえているみたいだ…。
「…え…」
「…ほら、行って助けてやりな!」
そう言うなり、セリスはいきなりサトシの背中を押した。出口に向かって。
「…そうはさせるか!鬼神!」
ケフカの叱声に、鬼神は『ファイガ』を放った。しかも、その場の全員に向けて。
鬼神の攻撃に巻き込まれ、みんなは次々吹っ飛んだ。
「…!」
ギリギリの場所にいたサトシは、炎の光に目を焼かれ、うつむいた。足下にはピカチュウもいる。
二人とも、無事である。
「……ピカチュウ、行くか…?」
「……ピカチュウ…」
ケフカと鬼神の方を確認すると、鬼神が崩れ落ちていく。おそらく、『ファイガ』を自分ごと巻き込む形で放ったのだろう。みんなはもう立ち上がっているようだ。
「…ピカピカ!」
「…ああ。急ごう!」
サトシとピカチュウは、出口に向けて走り始めた。
…ロック、待ってろ!今から行くからな!
続く
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