二次創作小説(新・総合)
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- ライガーのでんぱとう
- 日時: 2020/01/11 01:05
- 名前: 生ブスカジ (ID: DYDcOtQz)
ジャパリパークには、誰にも知られていない小さな小島が有りました。
そこには電波塔と小屋があって、たった一人だけ、ライガーというフレンズが住んでいました。
ライガーはいつもいつも、なにかを待っています。
外は変わっていきます。
本筋がちょっと詰まってきたので、口直し。
どうぞどうぞ宜しくお願いします。
- Re: ライガーのでんぱとう ( No.1 )
- 日時: 2020/01/11 01:24
- 名前: 生ブスカジ (ID: DYDcOtQz)
ジャパリパークの内海の孤島。他のどのフレンズもセルリアンもやってこない小さな島に、それは有った。
コンクリートの小屋と、その側に立っている電波塔。
地熱発電機で動く電波塔は、壊れない限り永遠に色んな電波を拾ったり、吐出したりしている。
その電波のメッセージを読み取る機械を安置しているコンクリートの小屋、そこにライガーは住んでいた。
たった一人で。
フレンズなのに、他のフレンズは居ないし、LBやセルリアンもやっては来ない。
別段寂しいと感じた事は無かった。
食べ物は、小屋の地下室の機械で作れたし、話し相手…というか語り部はあの電波塔の電波を音に変えるように機械に口出ししてやればいい。
ただ、ライガーはどうして自分がここに居るのかは分からなかった。
気がついたらここにいたのだ。
まああまり考えても仕方が無いので、今日も電波塔のメッセージを音にしていた
昔の曲が流れてきた。ラブソングらしい。
どういう訳か、ライガーは聞いた事がある様な気がしていた。
ふとして窓の外を見ると、一隻の船が見えた。 不格好な船だったが、ライガーは思わず、一緒に乗って行けたらなあと思ったのだった。
とは言っても、どう伝えればいいかわからなかったし、仮に伝わっても、島に篭りっきりで重たい自分が乗ったりしたらきっと沈んじゃうな、なんて考えたライガー。
取り敢えずいつもの通り、それをメッセージとして読み上げて、電波塔の機械で電波として送信してみた。
もしあの船が電波を捕まえられる物を持っていたら、もし見かけに依らず丈夫だったら、迎えに来てくれるかな?
ライガーはそれをちょっと期待して、ゴロリと横になって、寝てしまった。
- Re: ライガーのでんぱとう ( No.2 )
- 日時: 2020/01/13 00:46
- 名前: 生ブスカジ (ID: DYDcOtQz)
朝の光を感じて目が覚めた。
やっぱりあの船はどこかに立ち去ってしまったらしい。
次にあの船が見えるのはいつになるのかと期待していたライガーだったが、それからいつまでたってもその船は現れない。
ぼんやりしている時、後ろから声が聞こえた。
「少しその機械を貸して欲しいのです。」
ライガーはそのまま二つ返事で答えて、船を見ようとそのまま外に出て…気づく。
今の声は一体何?
そして外、島の地面が平たくなっている部分に見慣れない何か、ライガーの知ることでは無いが一人乗りのモーターグライダーが止まっていた。
慌てて小屋に戻るライガーだったが、少し遅かったようで、出入り口から影が出てきて走り去り、そのまま止めてあったモーターグライダーで何処かに飛んで行ってしまった。
ライガーは追いかけようとして、直ぐに思い直して小屋の機械を確かめる。
塩水を真水にする機械。
日光からじゃぱりまんを作る機械
メッセージの電波を送る機械。
どれも壊れてはいなかったが、メッセージを送る機械だけは少し使われた形跡が残っていた。
確認すると、どうやら昔のアニメソングの一節らしい。
とても悲しい歌詞で、まるで死んだフレンズを弔っているかのようなそんな感じだ。
一体どうゆう意図でこれを流したのだろうか、誰に届けたかったのか。そもそもさっきここに来ていたのは誰なのか。
ライガーには何一つ分からなかった。
ただ、考え過ぎて腹が減っただけだった。
- Re: ライガーのでんぱとう ( No.3 )
- 日時: 2020/01/23 00:25
- 名前: 生ブスカジ (ID: kJLdBB9S)
そんなこんなで機械を弄っていたある日、謎のメッセージが届いた。
開封して見るとこんな感じ。
「ちきゅう の みなさん おげんきですか わたしたち やっと しんてんちに たどりついたよ」
ライガーは最初何の事かはさっぱりだったが、ちょっと考えて思い出す。
昔々、この星に飽き飽きして遠い宇宙に旅立った人とフレンズが居たと。
自分の鈍い頭でもうっすら覚えている位だから、きっと有名な事だったんだろう。
そう思っていた時、何か一瞬モヤッとした気配がしたと思ったその時、地震が起きた。
かなり強い揺れだった。幸いライガーに怪我は無く、あちこちの機械も無事ではあった。
ほっと胸を撫で下ろしたライガーは、壁際の塗装が剥がれて、隠し扉らしい物が露出しているのを見つける。
かなり立て付けも悪く、幅も狭かった。
胸やらお腹やらあちこちつっかえつっかえで、髪の毛に蜘蛛の巣が絡まり、それでもなんとか隠し部屋に入った。
そんなに広くは無い部屋。
壁は全て本棚で、どの本も何やら難しい漢字と見たこともないアルファベット擬の字が表紙も中身もびっしり書かれている。
ふと隅に置いてある物に目が止まる。
ラッキービースト。
あちこち錆と埃に覆われて、機能していないのが一目で分かる。
カラーリングは普通の物では決して無い物ーブラッドレッドと濃紫のツートン。
シチュエーションと相まって物凄く不気味な雰囲気を醸し出していた。
何だか怖くなって、ライガーはさっさと隠し部屋を抜け出した。
扉を固く閉めて、扉口にテープやら板やらを貼り付け、終いには扉口の目の前に金属製の戸棚を置いて二度と開かない様にした。
ライガーは思った。
もしあのラッキービーストが動いたら。
自分をどうするかどうかわからない。
何とかには、蓋に限る、と。
- Re: ライガーのでんぱとう ( No.4 )
- 日時: 2020/02/01 02:24
- 名前: 生ブスカジ (ID: viAVUXrt)
次の日、何故かライガーは朝早くに目が覚めていた。
別に変わったメッセージが届いた訳でも無い。
嫌な夢を見た訳では無い。
なんとなく早く起きて、手持ち無沙汰だったので、何となく水平線の向こうを見ていた。
動くものがあった。
いつか見たあの船だった。
ライガーは思い切り呼び掛けようとして、気が付いた。あの時のそれと比べて、明かにあの船は何処も彼処も傷だらけ。
所々が凹み、ひび割れ、赤い染まで付いている。
まるで悪代官の秘密基地から命辛々脱出してきた様な雰囲気だった。
そんな船に乗せてなんて頼むのは、あんまりだろう。そう考えたライガーは、結局何もせず、何処かに行く船を見送った。
その日から、風の強い日が続いた。
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