二次創作小説(新・総合)
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- ポケモン不思議のダンジョン 黄昏の探険隊
- 日時: 2020/02/22 16:11
- 名前: 夕凪 ◆GU/3ByX.m. (ID: 66mBmKu6)
初めまして、夕凪と申します!
来月発売のポケモン不思議のダンジョンに触れ、書きたくなったためスレを立てました。
タイトルは探険隊ですが原作の世界観を借りた、パラレルワールドな世界です。ストーリーは、時闇空と全く異なります。
初めてなので至らない点も多いかと思いますが、楽しんで頂けると幸いです。
STORY
Chapter1 黄昏の探険隊
- Re: ポケモン不思議のダンジョン 黄昏の探険隊 ( No.1 )
- 日時: 2020/02/23 20:57
- 名前: 夕凪 ◆GU/3ByX.m. (ID: 66mBmKu6)
森の中を駆ける影があった。長い耳に首を覆うふわふわとした毛皮、尾。イーブイだ。
イーブイは痛む足を無理に動かし、走る。耳を動かすと、背後から迫る足音との距離がどんどん狭くなるのが分かりぞっとした。
こちらは疲れてスピードが落ちていると言うのに、相手は一向に落ちる気配がない。
「きゃっ……」
運悪く足元にあった小石に引っかかったイーブイは、転んで倒れてしまった。できる限りすぐに立ち上がったが、相手が追いつくには十分な時間だったようだ。
背後から、勝利を確信したような笑い声が上がった。
「ようやく追い詰めたぞ、お嬢さん」
びくり、と耳を下げイーブイは振り向き絶望した。そこには、彼女にとって最も会いたくない相手がいた。
白と黒のジグザグに尖った毛が特徴的なポケモン、ジグザグマである。
「こ、来ないで下さい……」
イーブイは震えながら何とか声を出すが、弱々しく威嚇にもなっていない。ジグザグマは鼻で笑った。
「可愛いでちゅねー、イーブイちゃん」
悔しくて、イーブイは瞳から涙を流した。だが、このジグザグマに勝てる程の力はない。相手に馬鹿にされて当然なのを、イーブイは理解していた。
「お前はもう袋のコラッタだ。へへ、色違いのイーブイは珍しいからどうすっかな」
値踏みするようにジロジロと視線を向けてくるジグザグマを前に、イーブイは抵抗する気力を失っていた。
先程ジグザグマと戦ったが、歯が立たず逃げるしかなかったのだ。勝てるわけがないと、イーブイはもはや諦めの境地にいた。
自分は結局、一匹だ。誰にも必要とされない存在。それなら、この身体がどうなってもいいと瞳を閉じる。
が、それを許さないように鋭い声が邪魔をする。
「何してるの!」
「くそ、探険隊か!」
舌打ちをするジグザグマ。
びっくりしたイーブイが瞳を開けると、いつの間にかポケモンがいた。ヘビのような長い身体に羽に似た耳。ミニリュウだ。
首には赤いスカーフを巻いていて、身体には鞄を提げている変わったミニリュウだった。
「そのイーブイから離れなさい。嫌がってるじゃないの」
ミニリュウは、キッとジグザグマを睨みつけた。
眼光の鋭さに一瞬怯むジグザグマだったが、負けじと睨み返す。
「誰が離れるかよ!」
これ幸いとイーブイはその場を離れて、近くの木陰に隠れて様子を見る。ミニリュウとジグザグマの間には緊張感が漂い、今すぐにでも、戦いが始まりそうな気配を醸し出していた。
「よくも邪魔してくれたな!」
ジグザグマは、勢いよくミニリュウに突っ込んでいく。しかし、動じることなくミニリュウは口から赤い光線、りゅうのいぶきを放つ。勢いのある光に飲まれたジグザグマは、唸りながら地面に倒れ込んだ。
「す、すごい……」
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