二次創作小説(新・総合)

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僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作]
日時: 2020/05/16 15:03
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

PCゲーム「LobotomyCorporation」の二次創作です。
本家のストーリーはガン無視しているので、
本家のストーリー要素はほぼ含まれません。
が、僅かにネタバレ要素がある可能性もあるので
ネタバレが苦手な方は気をつけてください。
グダグダ更新ですが暖かく見守って頂ければ幸いです。


【主要登場人物】

[アルト]
ロボトミー社の新入社員。
裸眼視力が異常に悪いが、コンタクトは苦手なので眼鏡をかけている。
とにかく人が良く、その優しさ故によく人に騙される。
同僚たちより自分が劣っていると考えており、
明るく振る舞うも影では落ち込んでいることも多い。

[ライ]
アルトの同僚かつルームメイト。
ロボトミー社の専属医師として赴任してきたが、
人手不足なので普通の業務も行っている。
頭は良いのだがどこか抜けているところがある。
同年代に比べてだいぶ小柄。
本人は小柄なことを少し気にしている模様。

[レオン]
アルトの同僚かつルームメイト。
高身長かつ細身のイケメン。
特に何が出来るという訳でもないが、
周りの社員を引きつける不思議な魅力を持つ。
冷酷な性格で、周りの人間にあまり興味がないらしい。

[エルマー]
アルト達のルームメイトだが、先輩。
ロボトミー社での勤務時間も長いため、
色々なことを知っており、他3人の助けとなる人物。
その一方で、何かを知りすぎているようだが…?
情に厚く、アルト達をかわいがっている。

Re: 僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作] ( No.1 )
日時: 2020/05/16 16:07
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

【Day0】

「アルト君、起きて。」
誰かが俺の体を揺すった。
あと少し…少しだけ…。
「何言ってるんだ、今日は会社の案内をすると言っただろう?ほら、起きろ。」
ばさっ。
俺の布団が剥ぎ取られる。
なんて乱暴な。
「うるさい、早く着替えろ。飯も食いに行かなきゃならんだろう。」
無慈悲にもそう言い放ち、ベッドの横で仁王立ちするのは俺の先輩であるエルマー。
新人社員としてロボトミー社に入社し寮生活を始めたはいいが、
まさかこんな厳しそうな先輩にあたるとは。
「おはよう、アルト。ずいぶん眠たそうだな?」
涼しい顔をするレオン。赤い瞳が悪戯っぽく光る。
こいつも俺と同じ新入社員だ。
「まぁまぁ、仕方ないだろ…。」
笑いながらレオンをたしなめたのは、ライ。
一応新入社員だが、ロボトミー社の専属医師として来たみたいだから、
高卒の僕よりは年上だ。
本人は「タメ口がいい」と言っているので、それに甘えている。
「ほら。飯食いに行くぞ。」
は、はぁい…。


◇◆◇◆◇

食堂にて。
一つ思ったのだが…。
「人…少なくないですか?」
異常なほどに人が少ない。
食堂には40席ほど席があるのだが、半分も埋まってない。
「なんだ?ここは常に人手不足だぞ?」
朝ごはんのトーストを頬張りながら、先輩は呟いた。
「なんせ『退社』が多いからな。ま、お前らも頑張れよ。」
退社…?
「退社…リストラ的な?」
「どうだがな。」
レオンの疑問に対して、先輩はお茶をにごすかのように言った。
先輩の瞳が青く光る。
「何、強くあれば良いんだ。この後でEGOを見に行くからな。」
「EGO…ですか?」
ライが問いかける。
「後で説明するよ。…あぁ、君たちは業務内容を知っているのか?」
業務内容?エネルギーを回収するだけ、と聞いている。
「まぁ大まかに言えばそうだ。」
「確か、アブノーマリティとかいう奴らから回収するんでしたよね?」
あぶ…のーまりてぃ?
レオンが言ったその言葉は、初めて聞くものだった。
「ふむ、そこまで知っているのか。その通りだ。」
どうして知ってるんだ?
「マニュアルに書いてあったよ。読んでないの?」
はは…、長文は苦手なもので。
「別に構わないよ。どうせ見ればわかると思う。」
見ればわかる?そんなにやばいのか。
「あぁ。さ、行くぞ。もう食べ終わったからな。」
え!?先輩!?
まだ僕食べ終わってないですけど!?
それどころかライもレオンも食べ終わってないよ!?
「なんだ。仕方ないな。早くしろよ。」
文句を言いつつ、先輩は最後まで待っててくれた。
何だかんだ言っていい人なのかもしれない。

Re: 僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作] ( No.2 )
日時: 2020/05/16 17:26
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

◇◆◇◆◇

朝食を食べ終わった俺たちは、EGOとやらを見に行くことになった。
先輩の話曰く、そのEGOというのは装備品のことらしい。
どうもアブノーマリティとやらは危険な奴らもわんさかいるらしく、
普段はしっかり収容されているらしい。
が、時折収容室から脱走するらしいのだ。
アブノーマリティはどうやら特殊能力を持っているようで、
上手く作業をできれば大量のエネルギーを収集できるが、
やらかすと脱走してくると先輩は言っていた。
で、脱走するとアブノーマリティはこちらに攻撃してくるため、
鎮圧するために武器を持っていろ、ということらしい。
「ほら、ここがEGO倉庫だ。」
目の前には重厚そうな鉄の扉。
「はぁ…頑丈ですね…。」
「そりゃそうだ、危険だからな。」
そう言いながら、カードキーのようなものを差し込む。
ゆっくりと扉が開く。
「……!」
レオンが息を飲んだ。
倉庫の中には大量の武器とスーツ…のような服。
「ような」ていうのは、なんか不思議な感じだから。
すごいカラフルだし、プロテクターみたいなのがついてる。
武器も色んなものがある。
普通の拳銃や、剣みたいなのもあれば、大砲みたいなのも。
「どうだ、色々あるだろう。」
「あ…これかっこいい。」
ライが何かを手に取った。
大きな鎌のような感じ。
真っ黒で、音符のようなものがついている。
八分音符のようなデザインだ。
「ふむ…『ダカーポ』に目を付けたか。」
ダカーポ?音楽記号?
「武器の名前だよ。『ダカーポ』は確かに高性能だが…」
先輩がわずかに下を向く。
ダカーポを持ったまま固まるライ。
「いや、扱いが難しいんだ。まだ止めておいた方がいいのではと思ってな。」
ライは少し残念そうな顔をした。
「君達でも使えそうなEGOか。このあたりに置いてあるぞ。」
先輩は奥に進んで行く。
「このあたりなら扱いやすいぞ。」
先輩が手に取ったのは銀色のハンマー。
見るからに重そうだが。
「これはな、『後悔』って言うんだ。名前こそあれだが使いやすいぞ。」
そう言って『後悔』を俺に渡す。
思っていたより軽い。何で出来ているんだろう。
「素材?わからないよ。」
わからない?
「あぁ。こいつらはぜーんぶアブノーマリティから抽出されているんだ。正確には、アブノーマリティが作り出す、『E-BOX』から作られているんだがな。」
よくわからないけれど、未知の物質で出来ているんだろう。
「他に良さそうなのは…あぁ、これはいいぞ。」
先輩がレオンに手渡したのは、大きい銀色の大砲。
「これは…?」
首をかしげるレオン。
「『四本目のマッチ』と言うんだ。高火力だぞ。それから…」
先輩が取り出してきたのは、とにかく不思議な色の槍。
紫色を主体として、色んな色が混ざっている。
「ライ、持ってみろ。うん。結構様になるじゃないか。」
先輩は満足そうに頷いた。ライもまんざらでもなさそう。
「それはな、『彼方の欠片』というんだ。さて、君たちのスーツも探してこなければな。」
また奥に引っ込んで行った先輩は、3着のスーツを持って戻ってきた。

Re: 僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作] ( No.3 )
日時: 2020/05/16 18:10
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

「それぞれ同じアブノーマリティから抽出されているんだ。えーと、レオンはこれだな。」
レオンに手渡されたのは、灰色と白色が混ざったロングコート。
まるで灰のような色だ。
「それで…ライはこれだ。」
紫と黒の2色で構成されたコートに、紫単体のベスト。
なかなかシックでかっこいい。
「アルトはこれだな。はい。」
色褪せたベージュ色のコートとベスト。
至る所に黒い革のようなベルトが巻かれている。
「うん、良さそうだな。じゃあ部屋のロッカーに置いてくるか。」
先輩は満足げだ。
「あの…先輩?」
「なんだ、ライ。」
「先輩のEGOはどんなものなんですか?」
確かに気になる。
レオンも気になるのか、うんうんと頷いていた。
「ふむ、部屋に戻ったら見せてやろう。」
もったいぶるなぁ。
「言っておくが、私のやつはちょっとばかり特別だからな。」
特別…?
その言葉が引っ掛かりつつ、長い廊下を歩いた。
「ほら、部屋に着いたから。とっととEGOをしまってきな。」
先輩に促され、ロッカーにEGOをしまう。
『後悔』は大きくて、ロッカーにギリギリ収めることが出来るぐらいだ。
「ほら、お楽しみだ。こっちにおいで。」
先輩が手招きする。
「ほら、これが私が使っているEGOだ。中々かっこいいだろう?」
先輩が取り出した大剣。
真鍮のようなもので作られた持ち手に、真っ黒の刃。
真っ黒の刃には、黄色い目玉の様な模様がついていた。
持ち手には赤と白の羽根の様なものもついている。
「これはな、『黄昏』って言うんだ。」
黄昏…。
「それと、これがスーツだ。」
黒地のコートに、『黄昏』についていたものと同じ黄色い目玉の様なものがついている。
中には赤いセーター。おなかの辺りに、口の様な不気味な模様がある。
「中々いいだろう。この施設でこれを持っているのは私だけだ。」
それが、『特別』…。

Re: 僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作] ( No.4 )
日時: 2020/05/16 19:25
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

先輩の『黄昏』を見たあと、僕たちはずっと部屋にいた。
今日は入りたてということで、お休みらしい。
ついでに先輩もお休みだそうで、僕たちは先輩からここの事について色々聞いていた。
とりあえずわかったのは1つ。
この会社、まともじゃねぇ。
先輩の話によると死人は出るしパニックも出る、
怪我なんて日常茶飯事らしい。
さらにアブノーマリティの見た目もとにかくえぐい。
マニュアルに載っている写真をいくつか見たがまともな奴らはいない。
本当に正気を失いそうなレベル。
「先輩。先輩の『黄昏』ってどんな武器なんですか?」
レオンが静かに、でも興奮を隠しきれないように聞く。
「ん?『黄昏』に興味があるのか。」
先輩は「物珍しい」と言った顔をした。
「君たち、武器の属性については知っているか?」
武器の属性?
レオンとライの様子を伺うが、知っているような素振りはない。
「知らないみたいだな。説明しようか。」
珈琲を一口飲み、先輩は話し始めた。
「EGOにはな、4つの属性があるんだよ。RED,WHITE,BLACK,そしてPALEだ。」
赤、白、黒、そして…青?
「その通りだ。んで、それぞれ特徴があってな。REDは物理攻撃。食らうと痛いぞ。WHITEは精神攻撃だな。」
いわゆるSAN値に響く系かな?
「精神攻撃を受けすぎるとパニックになっちまうぞ、気をつけろよ。」
レオンは早々に話に飽きているようで、
ボケーッとした顔をしている。
『黄昏』の事しか興味がないんだろうな。
「で、BLACKは物理と精神のWアタックだ。中々に厄介だぞ。」
2つに作用してくるんだ…面倒くさそう。
「最後はPALEだな。PALEは割合攻撃だ。まぁあまりないから気にする必要も無いと思うが。」
割合?全然分からない…。
「うーんとな…。」
ライがたどたどしくだが話し始めた。
「例えば、僕たちの体力が100だとするだろ?」
随分とメタいな。
「例えの話だよ。んで、割合ってことだから、例えばそのPALE武器が最大体力の20%を削れるとする。」
20%削るとするだから、残りは80?
当たり前のことだよな?
「そうだな。で、おそらくダメージは固定なんだろうな。どれだけ元気でも、傷ついていても、一定のダメージを受ける。そういうことですよね?」
急に問いかけられた先輩は、びっくりしつつも頷いた。
「その通りだ。中々理解力があるな。」
ライは褒められて照れくさいのか、少し顔を赤らめて微笑んだ。
「…で、肝心の『黄昏』はどうなんですか?」
やっとレオンが口を開いた。
「そう焦るなよ。『黄昏』はな、全属性なんだ。」
全…属性?
他のふたりも唖然としている。
「一発ぶん殴るだけで、全部の属性でダメージを与えられる。すごいだろ?」
凄いなんてもんじゃない。超高性能じゃないか。
「…ま、これは私専用だからな。君たちのうち誰かが本当に1人前になったら譲ってやってもいいが。」
先輩はそう言い、僅かに笑った。
「『黄昏』…。」
レオンが呟いた。間違いない、彼は『黄昏』を狙っている。
正直、俺だって『黄昏』には憧れているし、使ってみたい。
だけど…無理なんだろうな。
心のどこかに、そう諦めている自分がいた。

Re: 僕たち命懸けで働いてます[ロボトミ二次創作] ( No.5 )
日時: 2020/05/19 00:31
名前: めとろ (ID: MKBom4Aq)

【DAY1】

じりりりりり…。
枕元の目覚まし時計が鳴った。
いつもなら手癖で止めて二度寝するところだが、今日はちゃんと起きられた。
「おはよう、アルト。今日は自分で起きられたな。」
先輩は小さい子供を褒めるかのように僕をからかう。
そりゃあ、今日は初勤務ですから。
「ふむ、気合十分なようだな。あぁ、そうだ。今日は全員私と一緒に行動するからな。」
そう言ったものの、はぁ、とため息をつく先輩。
「どうかなさったんですか?」
「何、普通なら新人1人につき1人ベテランがつくんだ。」
「普通なら?」
ライが顔をしかめる。
普通なら、てことは、今は普通ではないということだろう。
「あぁ、君たちが来る一週間ほど前だな。ちょっととんでもないことになったんだ。」
とんでもない?
そして人手不足…。
「たくさん死んだんだろうな。」
レオンが静かに、でもはっきりと言った。
「ご名答。ん、不安なのか?」
俺の怯えを読み取ったのか、先輩が言葉を続ける。
「あれは未曽有の大災害だからな。普段は早々おこりゃしない。」
と、言われても不安なことには。
「安心しろ、初心者のうちは危ないのには当たらないさ。さ、飯でも食いにいこう。冷めちまうぞ。」
無理やり話を変えられた様な気がする。
でもそのあとに続けられる言葉は見つからない。
それに。
ぐぅぅぅぅぅ。
俺の腹はずいぶんと正直者なようだ。

◇◆◇◆◇

人気のない食堂。
ご飯は確かに美味しいけれど、さっきの話がどうも頭に残る。
「君たち、リスクレベルについては理解してる?」
昨日マニュアルで見た気がする。
アブノーマリティの危険度を表すものだったはず。
「下から順にZAYIN(ザイン)、TETH(テス)、HE(ヘー)、WAW(ワウ)、そしてALEPH(アレフ)。ですよね?」
「その通りだ、ライ。」
相変わらず物覚えは良いようだ。
物を全く覚えられない俺からしたら尊敬するばかり。
「脅すわけじゃないが、ZAYINでも油断は出来ないぞ。普通に危ないからな。」
……?
「ちょっとした例え話で説明しようか。そうだな、核爆弾があると想像できるかい?」
核爆弾。物騒な。
「ZAYINは、鍵のかかったケースに入っている核爆弾。安全だけど、誰かが取り出すかもしれない。」
誰かが取り出したら、そのときは…ってことか。
「TETHは鍵のないケースに入った、起爆装置のある核爆弾。まだ安全だけど、誰かが起爆装置を押すかもしれない。」
あくまでも核爆弾、一概に安心とは言えないわけか。


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