二次創作小説(新・総合)

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鬼滅の刃とスター流 完結!
日時: 2020/10/28 08:06
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

最近鬼滅の刃の漫画に夢中になりまして、私も二次創作を書いてみようかと思いました。
鬼滅の世界でスター流(主に不動仁王)が活躍します!
いつまで続くかわかりませんが、応援よろしくお願いします!!

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.1 )
日時: 2020/10/27 13:47
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「ガキ、お前を往生させてやる」

お堂で人を食っていた鬼は、突如として声をかけてきた男の姿を見て面食らう。筋骨隆々の半裸に迷彩色のズボンを装着した茶の長髪の男だ。
般若の如き顔に殺気立った眼を蘭々と輝かせている。
鬼は一瞬、同族かと認知したが、どうやら違うらしい。
肉を食べる動きを停止し、男を見つめた。武器は携帯していない。
完全な丸腰である。

「俺を往生させるだと? 寝言は寝て言え!」

食事を中断された苛立ちをぶつけるべく、パッと跳躍した鬼は鋭い爪を剥き出し、男に斬りかかっていった。
通常なら男は全身を切り刻まれ、その生涯を終える――はずだった。

「何だと!?」

爪が男の肉体に着弾した途端にガラスのように砕けてしまったではないか。

「ガキ、お前の実力はこの程度なのか」
「人間が舐めんじゃねぇ!」

鬼は彼らが持つ再生能力で爪を生やし、再度、襲う。
だが両の腕は身体に触れる前に掴まれてしまった。
引き抜こうとするがビクともしない。恐ろしい力だ。
不動が前蹴りを見舞うと、鬼の両腕はもぎ取られてしまった。
それを乱雑に放り投げ、相手を見据える。
拳を振り上げ、下ろすと鉄槌は容赦なく鬼の胴に風穴を開けた。
肋骨を折られるや、内臓が破裂するというレベルではない。貫通してしまったのだ。三度、再生すると、今度は手刀が頸椎に撃ち込まれた。スパッと、まるで刃のように綺麗に切断された頭部は軽く宙を舞い、床に転げ落ちる。遺された胴体は塵となって消滅してしまった。頭部から両腕を生やし、向かわんとする鬼の頭を掌で捕まえ、動きで停止させると、男は呟く。

「約束通り、往生させてやるッ」

手から放された頭部を不動が蹴り上げると、お堂の屋根を突き破り、上へ上へと上昇していく。止まる気配はない。
鬼は思った。
俺、どこまで行くんだろう。
というかあいつは何者なんだ。
その問いに開けてきた空が答えるはずもなく。
眩いばかりの光が差したかと思うと、昇ってきた太陽に頭部を照らされた鬼は、最大の弱点である日光を浴びたことにより、消滅してしまった。
それを見届けた不動は口角を上げて言った。

「まずは一匹、ガキを往生できたか」

男の名は不動仁王。
出身地不明、年齢不明の謎の男である。

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.2 )
日時: 2020/10/27 16:50
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

藤襲山には鬼殺隊の最終試験が行われる場所である。
そこに、手鬼はいた。巨体に無数の手を生やした鬼は鱗滝への復讐を糧に生きてきた。これまでに五十もの人を食らい、その中の十三人は鱗滝の弟子達である。
並の鬼殺隊候補生では相手にもならぬ鬼と、男は対峙していた。
手鬼は男に問うた。

「今の年号は何だ」

すると男、不動仁王は口を開いた。

「そんなこと知るか。自分で調べろ! 往生させてやるッ」

目を血走らせて怒鳴る男に手鬼は一瞬戸惑いを覚えたが、すぐに無数の手を繰り出して攻撃を開始。けれど、男には当たらない。手の軌道を全て見切っているのだ。男は跳躍した。一見すると無意味な跳躍に見えたが、次の瞬間、地面から手が伸びてきたではないか。
手鬼は察した。この攻撃まで見切っていたというのか。
こいつは何者だ。外見からして鱗滝の弟子ではないことは確かだ。
武器を持たず、素手だけで挑むなど無謀の極みではないか。
不動は無数の手をかいくぐり手鬼の懐に潜り込むと、両手で軽々と荷物のように抱え上げてしまったではないか。

「ガキ、往生させてやる!」

巨大な球を投げるかのように上空に放り投げる。
真っすぐに打ち上げられた手鬼は、日光の光に照らされ消滅してしまった。


「これで往生させたガキは二匹目か」

苛立たし気に呟くと、無数の鬼たちが姿を現した。
いずれも最終予選で鬼殺隊の候補生の相手をすべく開放された鬼たちである。

「人間だ・・・・・・なんでこんな時間に?」
「なんでもいいや。喰っちまおうぜ!」

不動は瞼を閉じ、カッと見開き言った。

「ガキ共は俺が全員往生させてやるッ」

その日の明け方。藤襲山では無数の鬼が天高く打ち上げられた。
誰にも知られぬまま下山した不動は嘆息し、山を振り返った。

「これで鬼殺隊の候補生のガキ共の犠牲が減る。ならば俺の仕事は無駄ではなかったのかもしれん。全く、先回りするというのも骨が折れる」


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