二次創作小説(新・総合)

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夢と現と異世界渡り
日時: 2020/12/26 11:28
名前: 餅兎ユーニアス (ID: iPZjAWe2)


世界線の1つに迷い込んだ魔術師と、
人ではない何かと、
人ならざる者達。


異界を、渡る。
魔術師の記した冒険奇譚。




「自己紹介めんどくさい」
『殴るぞ』




過去に何度も現れては失踪を繰り返し、応募をしては打ち切りにしてきた、作品を完結させる意欲ZEROの人間もどき、餅兎ユーニアスです。
恐らくmirura@という名前だったはず。多分。

いやぁ、その……ごめんね?()

とりあえずmiruraとの面識しかない人は全く違う新しい人と思ってもらえると幸いです。
Twitterで知り合っているお方達。我がサボってたら殴ってください。

キャラ達はFate主軸、舞台はブレワイを元に、色んな作品とクロスオーバーしていきたいです。出来たらの話だが。


【更新する気の出ない目次】


作品更新次第更新したい。

Re: 夢と現と異世界渡り ( No.1 )
日時: 2020/12/26 12:54
名前: 餅兎ユーニアス (ID: iPZjAWe2)

《彷徨の章》
『第1話:異界の古書』


魔術師は皆、根源を追い求める。魔術の根源への到達こそが、魔術師としてのゴールであると。確か、そんな事を言っていたはず。
口を揃えて同じことばかり、面白みも捻りもない回答を何度も聞いてきた。

つまらない。
皆のその回答を聞いて真っ先に思い浮かんだ一言は、あまりにもあっけないものだった。
せっかく恵まれた環境にいるというのに、皆が皆魔術の根源を追い求めている。もっと他の事に活かそうと思えないのだろうか?どうせそんな事を言った所で、聞く耳を持つ気すら見せないのは目に見えているのだが。




重低のある金属音を立てて、分厚い鉄の扉が開かれる。光源をその場で作り出し硝子の小瓶に入れれば、暖かい光が暗闇を照らしてくれる。闇に隠れていた景色は、すぐにその姿を明らかにした。
螺旋階段を覆うようにそびえ立つ本棚、その本棚には丁寧に揃えられた書物が並んでいる。
……ここに来るのも何回目だろうか。もう数え切れないくらいここを訪れている。俺にとっての、唯一安心出来る場所。




魔術師の家系に生まれた俺、『リコルド・ディエラ・リルミラニエ』は、皆から『秀才』と呼ばれ、同時に『化け物』とも呼ばれた。
何故後者の呼び名がついたかは分からない。周りの者達は魔力の大きさがどうとか技術がどうとか言っているが、所詮は偏見に塗り潰された戯言に過ぎない。気にする事は1度もなかった。
だが、肩書きというのは非常に厄介だ。社会で生きていく上で重要な立場を勝手に固定してしまう。このせいで俺に近付こうとする奴もいなければ、俺が気に食わないのか危害を加えようとしてくる奴が出てきたりする。故に俺には友達もおらず、常に孤独だ。寂しくは、無い。




螺旋階段を登る。段を踏む度に鳴る鉄の音が、広い空間に響いては消えていく。この音を1人で聞いている時間もまた、俺にとっての安らぎだ。この空間には俺1人しかいないという事を証明してくれるから。
最後の一段を踏み、広い空間に出た。空間の中央には魔法陣と、見上げる程の巨大な扉が佇んでいる。


脈のように入り組んだ赤い紋様に張り巡らされた、黒い扉。目のような模様の中心には大きな鍵穴、その周囲には7つの小さな鍵穴。

俺が魔術の根源を「くだらない」と言い捨てれる、唯一の理由。





俺には別の目標がある。

噂だけの存在とされていた、異世界への扉を開く事。

Re: 夢と現と異世界渡り ( No.2 )
日時: 2021/02/13 14:10
名前: 餅兎ユーニアス (ID: iPZjAWe2)

遠回りするように端を歩き、空間の隅に置く椅子と机に近付く。わざわざ扉の後ろ側になるように置いたのは、仮に扉が開いてしまった時に起きうる事態の幾つかを回避する為だ。
机の上には大量に積み重ねられた本と紙束。扉を細かくパーツごとに模写したスケッチブックの上には、半透明な箱が置かれている。

椅子に腰掛け、箱を手に取る。この箱の中にある物は、扉を開く鍵になるかもしれないと予想して持ち帰った旅の収穫だ。


異世界。又の名を平行世界パラレルワールド

今此処で自分が生きている世界の他に、鏡写しのような世界が幾つも存在している。その世界は何処かが異なり、掴み取る可能性も歩む道も異なる。
普通、生物は1つの世界から出る事が無い。1つの世界で生まれたのなら、その世界で一生を過ごす。どれだけ努力をしようとも、世界に敷かれた『境界線』を生物個々の力で超えることは不可能だ。そんな事目に見えて分かる。
別世界の体験なんていう夢想事を叶えようと、人間はその挑戦を捨てて工夫を凝らす。最近の奴らが言うバーチャルとかが良い例だ。

映像なんかで完結、満足して何がいいのやら。経験豊富な大人でもない未成年が言う事では無いのかもしれないが、最近の若者の思想は理解出来ない。




何だ、随分とつまらない人間だな。




うるさい、つまらなくて何が悪い。

簡単にそう返す事が出来たら、どれほど良かっただろうか。何気なく自然に返し、事なきを得る。
だが今回は出来なかった。今のは脳裏によぎった一言であり、今この空間にいるのは俺一人だけなのだから。


…とにかく、魔術、聖杯戦争、英霊といった概念が存在するこの世界とは別に、全く違う概念、違う形を持つ別の世界線を行き来する為の扉を開く事で異世界を移動するという偉業を成し得ることが出来る。その為にもこの扉を開く『鍵』を探さないといけないが……生憎、まだ鍵と確定していない、旅で見つけた物以外は何も見つけれていない。

いや、見つける事が出来ない。
…もしかしたらこの世界には鍵が1つ、または1つも存在していないのかもしれないと思ってしまう程に。




世界が幾つも存在してるのに、
1つの世界に鍵が全部あったら困るよ。



…まぁ、確かにそうなのかもしれない。

「………え?」

咄嗟に椅子から立ち上がり、辺りを見渡す。この塔は廃墟で老朽化が激しいから立ち入り禁止だ……と、思わせる為に結界を張っている。通って来れる方法はあり誰にも教えていない。

じゃあ、今の声は何だ。脳裏によぎった言葉も、思い返してみれば自らが思った事も無いような事だ。



気付いた君はどう動く?
逃げるか、探るか、諦めるか。全ては君次第だ。



やっと気付いてもらえたと言うような呆れた声色で、姿の見えない者は話す。その声はもう自分の声ではなく、全く違う声となっていた。


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