二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ブラック企業じゃないどころのブラック企業 [ロボトミ二次]
日時: 2021/06/27 10:15
名前: CiTRUS (ID: MKBom4Aq)

*こちらはLobotomy Corporationの二次創作小説です。
稚拙な文章、誤字脱字等々含まれますので暖かく見守って頂けると幸いです。

[Lobotomy Corporationって何?]
簡単に言うと有象無象を管理してエネルギーを手に入れるゲームです。
有象無象ってどんなのだ、と言うとまぁSCPを想像してもらうと分かりやすいんじゃないかなと思います。
ちなみに死にゲーです。初見殺し要素がめちゃくちゃあります。

のんびり更新なので、よろしくお願いします。
めちゃくちゃネタバレ要素もあります。

Re: ブラック企業じゃないどころのブラック企業 [ロボトミ二次] ( No.1 )
日時: 2021/06/27 10:48
名前: CiTRUS (ID: MKBom4Aq)

Prolog:入社

「…では、マノン。貴女は安全チームに配属となります。」
そう言うと、目の前の水色の髪をサイドテールにした白衣の女性…アンジェラは私に腕章を手渡した。
腕章は緑色で「N」の文字が大きく描かれている。
「それから、これを。」
アンジェラが手渡したのは片耳の無線イヤホンのような物。
「これは…?」
「それを通じて管理人の指示が聞こえます。貴女はそれに従えばいいのです。」
その時、ジリリリリリ、とベルがなった。
「業務開始です。持ち場に着いてください。」
アンジェラが淡々と告げる。


持ち場に着いた私だが、実の所する仕事が無かった。
管理人からの指示はまだ無い。
私たちは管理人の指示を受けて初めてやる仕事が出来る。
つまるところまぁ何も言われなければ何もない。
と、思っていた時だった。
『マノン、聴こえるか。たった一つの罪と何百もの善…O-03-03に洞察作業をしてくれ。』
イヤホンから声がした。多分管理人の声だろう。
「O-03-03…あ、ここか。」
O-03-03の収容室は、廊下を少し行った先にあった。

Re: ブラック企業じゃないどころのブラック企業 [ロボトミ二次] ( No.2 )
日時: 2021/06/27 16:31
名前: CiTRUS (ID: MKBom4Aq)

収容室の扉を開ける。
ここに収容されてる有象無象…アブノーマリティは色んな特殊な能力を持ってるらしい。
それでも扉をこじ開ける、という考えは無いのか扉には南京錠すらなかった。
それとも脱走したら鎮圧すればいいと思っているのか…。
どっちにせよ、作業をしなきゃ。
中に入ると、大きなドクロが浮いていた。
ドクロには大きな黒い十字架が刺さっていて、茶色の茨が巻かれている。
…どうやって浮いているのだろう。
ちょっとよく分からないけれど、それもまた特殊能力なのだろうか。
指示された「洞察」作業を行う。
大気環境の分析…室内機能点検…音響システム点検…オールグリーン。
私が作業をしている間、アブノーマリティは何も言わず、動きもしなかった。
「…動かないアブノーマリティなのかな。」
作業をしていると、部屋の片隅のランプが緑色に点灯した。
E-box…エネルギーが溜まりきった証だ。
1度の作業で溜められるE-boxには限りがあるらしい…ってマニュアルに書いてあった。あんまり真剣には読んでないけど。
作業が終わったらメインルームに戻るだけ。

…戻るだけ。

…戻るだけ…だったんだけど…。


「…ここは、どこ…??」
お察しの通り、迷った。
私は幼い頃から方向音痴で、簡単な道すら間違えるのだ…。
そして初勤務の会社の道なんか覚えてる訳もなく…案の定というか、何と言うか。
「…ほんとどこなんだろう…安全チームに戻らなきゃいけないのに。」
ここは安全チームとは違って、なんだか赤っぽい色で構成されてる。
さっきからすれ違う職員の人もなんだか違う。
赤いスーツを着ている人もいれば、物騒な武器を持ち歩いている人もいる。
…鎮圧の為?
そして職員は皆「G」と描かれた腕章を付けていた。
「G…?どこのチームなんだろ…。」
不思議に思った時。
ビー、ビー、という警告音が廊下に鳴り響いた。
明らかにまずい気がする…。
どこかに逃げようか、でもどこに?
迷っているうちに、目の前が白い蝶で覆い尽くされた。
「何!?」
なんでこんな所に蝶が…?
どうして…?
混乱しているうちに目の前の蝶が消えていく。
そして次の瞬間。
「……!!!」
目の前には「異形のナニカ」が居た。

Re: ブラック企業じゃないどころのブラック企業 [ロボトミ二次] ( No.3 )
日時: 2021/06/27 17:02
名前: CiTRUS (ID: MKBom4Aq)

目の前の「ナニカ」は…今まで見た事のないものだった。
頭は白い蝶、腕は5本…。
両肩から2本ずつ、そして喉元から1本…。
黒いタキシードを着た男のような身体をしている。
そして、背後には黒い棺桶を背負っていた。
「アブ…ノーマリティ…?」
脱走した…?
そのアブノーマリティは私の方につかつかと近寄ってくる。
革靴の硬い音が廊下に響く。
逃げなきゃ、それは分かっている。
けど実際、あまりの恐怖に立ち向かうと頭が真っ白になって動けなくなる。
まさに私は蛇に睨まれた蛙だった。
「あ、あぁ…」
1日目で殉職か…。なんだか、呆気ないな。
人間は死を目前にすると1周回って諦めがつくらしい。
自分でも驚くほど、冷静だった。
諦めて、目を閉じた途端。

「何ボサっとしてんだ、死ぬぞ。」

低い声が耳元で聞こえた。
思わず目を開ける。
目の前には、黒い鎌のようなものを手にし、白い燕尾服のようなスーツを着た職員が飛び出していた。
「…早く下がれ!!」
また低い声が聞こえた。威圧感におされて下がる。
アブノーマリティは白い蝶を出すも、その職員はものともしない。
黒い髪を揺らし、鎌でアブノーマリティを切りつけていく。
呆然としていると、黒いコートが横を掠めた。
「何だ、遅いな。」
「ごめんごめん。」
軽い口を叩きながら、黒いコートの職員は剣を取りだした。
黒く四角い刀身に、白い包帯が巻かれた、不思議な剣。
その剣を振り降ろした途端、アブノーマリティは攻撃をやめて、背後に背負った棺桶の中に沈んだ。
「ひと仕事終わりか。全く、こんな面倒なやつ収容しなければいいのに。」
白い燕尾服の職員が吐き捨てる。
「まぁまぁ、そんなこと言わずに。で、この職員さんは…。」
黒いコートの職員は、私の方を見た。
「…君、さては新人でしょ。」
「新人がなんでこんな所にいるんだよ。ここは中層だぞ。」
白い人が首を傾げる。
「あの…安全チーム所属なんですが…迷ってしまって…」
これは事実だ。何も間違っていない。
そういった途端、2人は顔を見合せた。
「「安全チーム???」」
「おいおい…上層じゃないか…」
「迷ったってレベルじゃないでしょ…」
呆れ顔をされてしまった。
「…ま、いいか。送ってってやるから。」
白い人が踵を返す。ついてこい、ということらしい。
「…おい、新人。」
白い人が私の方を振り返る。
黒縁メガネの奥の青色の瞳がまっすぐに私を見つめていた。
「次からは地図でも持ってこいよ、今回は助けられたけど次はわからん。」
「全く、無愛想なんだから…。」
私の横の黒い人が笑いながら言う。
丸いメタルフレームの奥で橙色の目が細まる。
「俺は普通だよ。ルトガーが愛嬌ありすぎるんだよ。」
黒い人はルトガー、と言うらしい。
「サンドラが無愛想すぎるんだって。」
白い人はサンドラ…というそうだ。
「とにかく。」
サンドラさんが私の頭に手を置く。
「これからは気をつけろよ、新人。」
頭をぽんぽん、とすると手をひらひら振りながら去っていった。
「安全チーム着いたから、僕たちは帰るね。」
ルトガーさんもにこにこしながらサンドラさんを追いかけて行った。
「は、はい…。」
サンドラさんの手の感触が残ったまま、私は立ち尽くしていた。
『業務終了です。お疲れ様でした。』
そのまま、私の一日目は終わった。

Re: ブラック企業じゃないどころのブラック企業 [ロボトミ二次] ( No.4 )
日時: 2021/07/03 20:57
名前: CiTRUS (ID: MKBom4Aq)

1. 配属

私がここ、ロボトミー社に入社してから1ヶ月が経った。
毎日アブノーマリティの作業をして、エネルギーを集めるだけの仕事。
たまーに下の階から悲鳴のようなものが聴こえた気がするけど、
私たちに害は無いからいいや、と思っていた。
…今、この辞令を受け取るまでは。

「懲戒チームへの…異動…?」
突如アンジェラから呼び出しを受けたと思ったら、異動を命じられた。
曰く、『退社』が起きて人員が不足したから…との事だが。
「懲戒チームは、中層に属します。それなりに危険な現場となりますが、貴女なら耐えうると確信しています。」
中層…。
1ヶ月もやってると、色々覚えてくる。
夜は自分の部屋でマニュアルを読んだりしたし、何となく分かってきた。
この施設は上層、中層、下層に分かれているらしい。
下に行く程危険なアブノーマリティが収容されているようだ。
中層はど真ん中。もちろん上層よりは危険だろう。
「貴女は明日から懲戒チームの配属です。腕章を交換しますので。」
安全チームの腕章と引き換えに渡された懲戒チームの腕章。
赤色に『G』と描かれた腕章だ。
それを受け取って、私は自分の部屋に帰った。

部屋で腕章をよく見ていると、少し思い出すことがあった。
「…そういえば入社した日、懲戒チームの人に助けてもらったっけ。」
…白い人と、黒い人。名前は忘れたけど、白と黒だったことは覚えてる。
ま、明日になれば分かるでしょ、多分。
物思いにふけりながら珈琲を入れようとした途端。
コンコン…。
ノックが聴こえた。誰だろ。
ドアを開けると、アンジェラが立っていた。
「すみません、E.G.O.の変更を忘れていました。」
E.G.O.。所謂装備品。
「貴女には明日からこれを装備してもらいます。」
アンジェラは私に黒いスーツを押し付けた。
「あぁ、あとこれも。」
黒い拳銃と、白い拳銃。
「では。」
目の前で乱暴にバタンと閉められるドア。
いくらAIで感情が無いと言え、せめておやすみなさいくらいは言ってくれと思うけれど。
もらった黒いスーツをクローゼットにしまう。
どこをどうみたって真っ黒いスーツだ。入社当時とあんま変わらない。
強いて言うなら裾の長い上着が追加されただけで。
…いや、これも真っ黒なんだけど。
ちょっと革っぽい素材…ってだけ。
「…なんかこんな感じの服、どこかで見たような。」
どのアブノーマリティのE.G.O.なのか調べようと、マニュアルを手に取る。
E.G.O.はアブノーマリティから抽出される。
だからその元のアブノーマリティの能力とかがE.G.O.にもあったりもするんだけど…。
「まじか。」
マニュアルに載っていた解説を見て絶句した。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。