二次創作小説(新・総合)
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- ポケモン剣盾
- 日時: 2022/02/13 01:32
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
初めまして!作者のShi.と申します。
この度はスレッドの開示ありがとうございます。本小説はポケモン剣盾の二次創作小説です。詳しい注意書きは下記に記します。注意書きを読んだうえでブラウザバックするか判断してください。
本小説はキャラクター視点でお話が進みます。
基本的に主人公・ユウリの視点です。
お話によっては他のキャラクター視点だったり第三者の語りになります。
本文の誤字脱字あると思います。
小説投稿途中の感想は大歓迎です!
励みになります!
誹謗中傷は他の読者様の迷惑になりかねます。
お控えください。
作者のTwitter【 @S_s_teni 】
他ジャンル垢。ポケモンの話もしています。
小説の進行・連絡などこちらで上げていきます。
※注意書き
①メインストーリー、ダウンロードコンテンツのストーリーに沿ってお話が進みます。そのためネタバレ等があります。セリフは一言一句同じではありません。
②ストーリー、キャラクター設定等の解釈はあくまで作者の個人解釈です。「ストーリーではこんな展開なかった!」「このキャラはこんな発言しない!」等の批判は受け付けません。ご自身で判断しブラウザバックを推奨します。
③《重要!》多少の恋愛表現あり。苦手な方はご自身で自衛お願いします。
④《重要!》本小説はストーリー性、キャラクター同士の人間関係に重点を置いてお話が進みます。
⑤《重要!》バトルシーンの描写はあります。しかし作者がバトル対戦苦手であるため、知識が乏しいです。バトルに関する知識が間違っている場合がありますが、目を瞑って頂ければ幸いです。
- Re: ポケモン剣盾 英雄の話 ( No.2 )
- 日時: 2021/08/30 14:35
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
第2話 幼馴染
ごくりと音を立てて生唾を飲み込む。持っていたスマホロトムから目を離して、ふぅ、と一息ついた。凄かったなぁ、ダンデさんとリザードン。何が凄いって、上手く言えないけど、なんだか胸が熱くなるような、そんな感じ。ダンデさんのエキシビションマッチの余韻に浸っていると、それは家のインターホンと同時に聞こえた大きな声によって現実に戻された。
「お邪魔しまーす!!」
バタバタと音を立ててホップが駆け込んできた。ホップは私の幼馴染だ。幼い頃、私の家族は他の地方からガラル地方へ引っ越してきた。友達が一人もいなかった私にとってお隣のホップの存在は嬉しいものだった。泣き虫だった私の手を引いて笑顔で名前を呼んでくれた。その頃から今も変わらず、ホップは元気いっぱいだ。
「おっ!それ、おニューのスマホか?というかアニキのエキシビションマッチ見てたか!?アニキの応援はリザードンポーズで決めるんだぞ!こう、ビシッと!」
「ちょ、ホップ、落ち着いて。」
息を切らさず言い切ったホップは、バーンと音が聞こえそうなくらい、ビシッとリザードンポーズを決めた。さすがダンデさんの弟であり、ファン第1号である。ホップと喋っていると、ママがやってきた。
「ホップくん。今日は大事な日じゃないの?」
「あ!そうだ!だからユウリを呼びに来たんです!アニキのエキシビションマッチは録画してるし、テレビは後でもいいか!」
ホップは思い出した!という表情をした。
「ユウリも早く来いよ!きっとプレゼント貰えるからバッグを忘れないようにな!」
「わかった、すぐ行くよ!」
ホップはうんうんと頷くと、お邪魔しました!と言って外に出て行った。
「相変わらず元気いっぱいね、ホップくんは。さ、ホップくんを待たせちゃ悪いし、バッグと帽子を持って行ってらっしゃい。」
ママのおさがりの大きめなバッグと緑色の帽子を掴むと、簡単に身支度を済ませて玄関を開けた。
「行ってきます!」
そういえば、ホップが言っていたプレゼントってなんだろう。まぁ、いいか。目の前にいる幼馴染の笑顔を見れば、今日も1日楽しくなるんだろうなぁ、って思うんだよね…!
- Re: ポケモン剣盾 英雄の話 ( No.3 )
- 日時: 2021/08/31 08:17
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
第3話 "アニキ"を迎えに
「なんだよ、ユウリ。バッグデカすぎじゃないか?」
「いいの、これママのおさがりなの!」
「まぁ、それならアニキがどんなポケモンくれても平気だと思うけどさ!」
え、ポケモン…?ポケモン貰えるの…?それがプレゼント?ダンデさんから?あのチャンピオンから?前日からホップに何を貰えるのかと尋ねてもはぐらかされてばかりだった。突然の情報に私は宇宙ネコ…もとい宇宙ニャビーと言ったところである。だって聞いてなかったし…。
「ウールー?どうしたんだ?」
ホップの声に気付き、ウールーを見た。森へ続く道と街の境界を担う柵に体当たりしていた。ちなみにホップはウールーといつもに一緒にいるが、この体当たりしているウールーは別個体のようだ。ホップのウールーは主の後ろにいる。
「おいおい、ウールーったらどうしたんだ。体当たりして柵を超えたらダメだぞ。まどろみの森には怖いポケモンがいるからな…!」
「ウールー、どうしたのかな…」
「うーん、柵が壊れて万が一まどろみの森に行ってしまったら危ないしなぁ」
ホップは唸った。ホップが言うには、まどろみの森には怖いポケモンがいるらしい。ママからも森には入らないように、と出かけるたびに言われている。
「まぁ、このままウールーを見ているわけにも行かないし。ユウリ!俺の家まで競走だぞ!」
「あ!待ってよ、ホップ!」
先に駆け出したホップに続いて私も走り出した。
******
ホップの家に行き、ホップのママに話を聞いたところ、ダンデさんはこちらに向かっているがまだ到着していないらしい。それどころか方向音痴なのだとか。それって高確率で迷子になってるよね、ダンデさん。迎えに行くぞ!と意気込んでいるホップの後ろをついて行くと、隣街のブラッシータウンの駅前に多くの人が集まっていた。あ!あの人混みの中心にいるのは…。
「ダンデさん…!」
「え!?どこ!?どこだ!?」
「人混みの中心にいる!」
「んー?あ、本当だ!早く行こうぜ!」
「え、あ、ちょっと!」
ホップは私の手を掴み走り出した。ちょっと待って、転ぶ!転んじゃう!ここ結構下り坂だからね!?そうこうしてるうちに、私たちは人混みのところまでやって来た。
「皆さん!チャンピオンのダンデです!これからも皆さんのために、最高のバトルをします!」
ダンデさんは集まっている人たちにファンサービスなるものを行っていた。そろり、と横目でホップを見ると目を輝かせて目の前に立つ
─────"アニキ"を見ていた。
「みんなもポケモンを育ててどんどん勝負してください!そして、いずれチャンピオンであるオレとリザードンに挑戦してくれ!
リザードンも強い!他のポケモンたちも強い!だからこそ最強のチャレンジャーと戦いたいんだ!
オレの願いは、ガラル地方のポケモントレーナーがみんなで強くなることだ!」
ダンデさんはニカッと効果音がつくような笑顔を見せた。ダンデさんの言葉は、聞いていてなんだか胸が熱くなる。
「アニキー!!」
「 ホップ!世界一のチャンピオンファンがわざわざ迎えに来てくれたんだな!」
ホップは耐えきれなくなったのか、とうとうダンデさんに声をかけた。ダンデさんもそれに気付き、こっちにやって来た。2人が再会を喜びあっているのを見ていると、微笑ましいものだった。素敵な兄弟だなぁ。私は一人っ子だから、兄弟がいるってちょっぴり羨ましかったりする。不意にダンデさんがこちらを見た。
「ん?その瞳の色…
わかった、キミがユウリくんだね!」
瞳の色…!?瞳の色で人を判断できるんですか!?これはチャンピオンの能力なのかな…。
「弟からあれこれ聞いてるぜ!」
また、ダンデさんはニカッと笑った。ホ、ホップ〜〜!私のことなんて言ったの!!
「オレはガラル地方で最強でリザードン大好きな、チャンピオンのダンデだ!」
「は、初めまして…!」
私がおずおずと手を差し出すと、ダンデさんはがっしりと握手してくれた。何を隠そう、私はダンデさんに会うのは初めてである。
いつもテレビやスマホでエキシビションマッチを見たり、ホップからたくさん話を聞くだけで実際に会うのは初めてだった。確かに家はお隣だけど、チャンピオンであるダンデさんは家にいることはほとんどないため、会うことはなかった。家族であるホップすらなかなか会えないらしい。だからホップは、今日会えることをずっと待っていたのだ。もちろん、私も。
「なぁ、アニキ、ユウリ。家まで競走だぞ!」
ホップは言い終わった途端今まで来た道を全力疾走で戻って行った。
「相変わらず勝負好きだなぁ…。競い合ういい勝負相手がいればアイツはもっと強くなるだろうな」
……そう言いながら私を見るのはなんでしょう。いや、勝負が嫌いとかそういうことではなくて、ホップの勝負相手が私に務まるわけないのだ。だって、ホップは私より先を走ってしまうから。
そんなことをぼんやりと考えながら、豆粒くらいの大きさになったホップと走り出したダンデさんを見つめた。兄弟って似るんだなぁ。2人とも楽しそうに走っているんだから。
- Re: ポケモン剣盾 英雄の話 ( No.4 )
- 日時: 2021/09/02 01:58
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
第4話 プレゼント
「アニキ!約束のプレゼントは!?」
私たちはホップの家の庭まで戻ってきた。着いた途端、ホップの開口一番がこれである。もはや待ちきれないという気持ちが全身から溢れていて、ホップは少し興奮気味だった。でも、その気持ちはわからなくはない。私もドキドキしている。プレゼントがポケモンだって知ったときはびっくりしたけど、でも、私、自分のポケモンは初めてだから。
「オレとユウリにポケモンくれるんだよな?」
「ど、どんなポケモンくれるんですか…?」
「まぁ、待て、2人とも。」
ダンデさんはしたり顔だ。じ、焦らす〜!マントを軽く翻して、いつの間にか手には3つのモンスターボールを持っていた。
「チャンピオンからの最高の贈り物だぜ!ご機嫌なポケモンたちのアピールタイムだ!さぁ、出てこい!」
「わぁ…!」
「こいつらが…!」
ダンデさんが空中に3つのモンスターボールを投げると、それぞれポケモンたちが出てきた。さるみたいなポケモンと、うさぎみたいなポケモンと、あとは…とかげかな?どのポケモンたちもとても可愛いらしい。
「まず、
『くさのポケモン サルノリ』!
『ほのおのポケモン ヒバニー』!
『みずのポケモン メッソン』!
みんながどんなポケモンなのか、よくみておけよ!」
さるみたいなポケモンはサルノリ、うさぎみたいなポケモンはヒバニー、とかげみたいなポケモンはメッソン、という名前なんだとか。実はダンデさんの話はあまり聞けていなかった。ダンデさんには申し訳ないが、目の前のポケモンたちにくぎ付けになってしまったのだ。
サルノリは木に登っていたり、メッソンはため池を泳いでいた。ヒバニーは元気に走り回っていた。なんだかちょっと、ホップみたいだな。そう思うとクスッと笑ってしまった。
メッソンの吹いた水がヒバニーに当たってしまった。驚いたヒバニーはサルノリが登っていた木に突進。その木から落ちた木の実がメッソンの傍に落下し、メッソンは逃げるかのように陸に上がると泣いてしまった。それをサルノリとヒバニーが慰めていて、その光景がなんだか微笑ましかった。
「あの泣き虫なメッソンってやつ、昔のユウリみたいだな!」
「え?あ、そうかなぁ…言われてみれば…?」
泣き虫なのは否定しないが。今でも泣いてしまうことは度々あるし…。
「オーケー!みんな集まってくれ!」
ダンデさんが呼びかけるとポケモンたちは一列に並んだ。目の前のそれを見るだけで、可愛さで胸がいっぱいだ。どのポケモンを貰っても親バカになる未来が見える。
「ホップ、ユウリくん、誰を選ぶんだ?」
「オレはウールーがいるから、ユウリから先に選んでいいぞ!ユウリは自分のポケモンいないからな」
「え!?私からでいいの?」
ぐるん!と勢いよく2人の方を見ると、うんうんと頷いていた。あ、今ので首痛めた気がする。ホップの言葉はありがたいけれど、この中から1体を選ぶのは悩ましい。どのポケモンも、とにかく可愛らしいのだ。
「も、もうちょっと悩んでいいかな…?」
「あぁ!時間はまだあるから、大丈夫だぜ」
「ま、初めてのポケモンだから悩むよなぁ。オレのことは気にしなくていいから。ユウリがどのポケモンを選ぶのか楽しみだな!」
聖人みたいな兄弟である。家がお隣さんであったことを感謝したい。2人にお礼を言うと、改めてポケモンたちに向き合った。
私が選ぶのは─────
- Re: ポケモン剣盾 英雄の話 ( No.5 )
- 日時: 2021/09/03 00:38
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
第5話 私のパートナー
サルノリ、ヒバニー、メッソンの前にしゃがみ込んでポケモンたちを見つめた。私にとって初めてのポケモンということは、つまり、パートナーになるということである。そう、ホップとウールーのように。どのポケモンも魅力があって素敵だ。けれど、私は気になるポケモンがいた。笑顔が素敵だけれど、少し泣き虫なところ。まるで幼いときの自分を見ているみたいで、ほっとけない。だから、私はあなたを選ぶよ。
「メッソン」
「めそ?」
名前を呼ぶと、メッソンは首を傾げた。
「私と一緒に、来てくれる…?」
すごくドキドキした。いや、今も、心臓がバクバクと音を立てている。私がメッソンを選んでも、メッソンは私のことを選んでくれるのだろうか。認めてくれるのだろうか。両手をぎゅっと握りしめる。
「めそ」
ハッとした。見ると、自分の両手にメッソンの前脚が触れた。
「めそ!」
「ユウリ、メッソンにするのか!」
「メッソンはユウリくんの気持ちに応えているようだぜ!良かったな!」
「メッソン…ありがとう!」
メッソンが応えてくれたことが嬉しくて、手を差し出すとメッソンとハイタッチした。私の初めてのポケモンで、これからパートナーになるメッソン。これから一緒に、たくさんの思い出を作っていきたいな。
「じゃあ、オレのパートナーはヒバニー!」
ホップはヒバニーを抱き上げた。もしかして、ホップはヒバニーを選ぶって決めていたのかな。なんだか、お互いに自分に似たポケモンを選んだみたいだ。
「2人とも、互いに競い合ってオレのことを目指し、挑戦しに来てくれよな!」
「おう!」
「はい!あの、サルノリは…」
「あぁ、サルノリはオレと行こうぜ!」
ダンデさんはサルノリに笑いかけた。というか、今の言葉カッコよすぎる。ホップも「かっけぇ…」って呟いてた。これは惚れるだろう。
「みんな!ご飯ができたわよ。ポケモンたちも一緒に食べれるからね!」
そう声をかけたのはホップのママだった。横にはママもいた。食事の手伝いをしていたのだろう。今日は、チャンピオンで普段は忙しいダンデさんが久しぶりに家に帰ってくることを機にウチとホップ家合同のBBQ計画を立てていた。
「メッソン、いっぱいご飯食べようね!」
「めそ!」
私とメッソンは笑いあった。私のこれからの人生にポケモンという存在が彩られるのだろう。
- Re: ポケモン剣盾 英雄の話 ( No.6 )
- 日時: 2021/09/09 00:56
- 名前: Shi. (ID: fFbaoH4S)
第6話 朝
「朝だな!おはよう!2人とも!」
本日の朝は晴天。太陽の陽の光はさんさんと降り注ぐ。ダンデさんの大きな声が空に響いた。隣にいるホップもダンデさんと同じくらい朝から元気なのだが、肝心の私はというと。
「ユウリ、まだ眠いのかー?」
「…ちょっと」
「ユウリくん、眠れなかったのか?」
そういうわけじゃないけれど…。否定的な言葉は発することなく、首を振ったことによって私の中に仕舞われた。昨日の夜はなかなか眠れなかった。パートナーとなるポケモンと共に夜を過ごしたのは初めてでドキドキした。メッソンと一緒に寝ようと思って布団に潜ったら寝れなくなってしまったのだ。メッソンはすやすやと寝ていたけれど。ただ、私が、嬉しくて寝れなかっただけ。
「ユウリ、寝坊助だもんな」
「いつもはそうかもしれないけど、昨日は違うもん…」
「そうか、寝坊助なのか。意外だな!」
うぅ、ダンデさんに恥ずかしいことを知られた。そうです、私は寝坊助です。
「何はともあれ。昨夜一晩でパートナーとの愛と理解は深まったんじゃないのか?」
「もちろん!オレとヒバニーは仲良しだぞ!」
「私とメッソンだって仲良しだよ!」
良いことだ!とダンデさんは頷いた。
「いいか、ポケモントレーナー!自分とポケモンを信じるんだ。お互いを信じ合い、戦い続けていつかは…」
「無敵のチャンピオンであるアニキ/ダンデさんのライバルになる!」
「…そうだ!」
ちらり、と横を見ればホップと目が合った。ホップは幼馴染だけど、これからはライバルになるんだ。正直、こうは言うものの自信はない。私はホップと違ってポケモンと一緒にいた時間が短ければ、知識もほとんどない。バトルの戦法とか有利な状況だとか…。不安なことがいっぱいだけど、とにかく、頑張ってみようかなって思う。だって私にはメッソンがいるから。
「アニキと戦うのはオレとヒバニーだ!ユウリ、今からバトルしようぜ!ライバルとして初めてのバトルだぞ!」
「バトル……うん!」
「なら、2人のバトルはオレが見届けるぜ!」
私とホップは距離を取った。ホップの表情は生き生きとしている。目は輝いてる。やってやるぞ!という声が聞こえてくるくらい、ホップはやる気に満ち溢れていた。
初めてのポケモンバトル。うまくできるかわからないけど、私は自分とメッソンを信じてる。
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