二次創作小説(新・総合)

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【Lunatic Play EPISODEⅤ】【完結】
日時: 2022/03/30 15:19
名前: ウィオ (ID: ryagdTnR)

【Lunatic Play(ルナティック・プレイ)】とは?

それは決められた時間内を3匹の狼から逃げ惑い、賞金を獲得する遊戯である。
因みに、敵は狼だけでない……。
今回は久々にフラウドが登場。そして逃亡者同士での潰し合いも存在する。

深夜0時にアメリカにある廃病院になった集められた29人の逃亡者。
果たして、賞金を手に入れられる者は現れるのか。



※注意事項
・設定の少ないキャラはオリジナルの設定を含ませております。
作者わたしは海外の作品は英語版しか見ない主義なので、海外製のキャラの口調・一人称などは自分のイメージで決めております。なので公式邦訳とは一人称・口調が違います。
・このシリーズの作風はホラーゲームを意識してるのでダーク・シリアスな要素が多々含まれております。
 苦手な方は閲覧をお控えください。

それでもよろしい方はどうぞ。




~逃亡者~ ※【】内は作品名

レッド・マッカーサー(Red McArthur)【Southpark】{5}
カレン・マコーミック(Karen McCormick)【Southpark】{5}
ジェニー・サイモンズ(Jenny Simons)【Southpark】{5}
パウダー・ターナー(Powder Turner)【Southpark】{4}
サニードロップ(Sunnydrop)【Five Nights at Freddy's: Security Breach】{1}
ムーンドロップ(Moondrop)【Five Nights at Freddy's: Security Breach】{1}
ステッチラース(Stitchwraith)【Fazbear Frights #1: Into the Pit】{1}
ミニリーナ(Minireena)【Sister_Location】{5}
ビディバブ(Bidybab)【Sister_Location】{2}
ジェフ・ザ・キラー(Jeff_the_killer)【Creepypasta】{5}
アイレス・ジャック(Eyeless_Jack)【Creepypasta】{2}
キャンディ・ポップ(Candy_Pop)【Creepypasta】{2}
ザルゴ(Zalgo)【Creepypasta】{1}
アリー・ザ・スレンダー・ドール(Ally_The_Slender_Doll)【Creepypasta】{1}
ルル(Lulu)【Creepypasta】{1}
ラザリ(Lazari)【Creepypasta】{1}
エリザベス・ヴァスケス(Elizabeth Vazquez)【Creepypasta】{1}
アイア(Aia)【Creepypasta】{1}
ザ・オブザーバー(The_Observer)【Creepypasta】{1}
Dr.スマイリー(Dr.Smiley)【Creepypasta】{1}
ナース・アン(Nurse_Ann)【Creepypasta】{1}
ザ・レイク(The_Rake)【Creepypasta】{1}
スーサイド・サディ(Suicide_Sadie)【Creepypasta】{1}
アンジェリカ・ピクルス(Angelica Pickels)【Rugrats】{3}
ソヌ・ミン(선우 민)【플라워링 하트(Flowering Heart)】{3}
シュエル(슈엘)【플라워링 하트(Flowering Heart)】{2}
イリザベス・ファウスト(Elisabeth_Faust)【Fausts Alptraum】{3}
ヒルダ(Hilda)【Hilda】{2}
アリサル(Arizal)【Recorded by Arizal】{2}




GOOD LUCK, FUGITIVES.



△今回の舞台は廃病院!
△今回もCreepypastaのキャラが多め!
△ヤバイ医者のアンとスマイリー!
△イリザベス、久々に寝まくる!
△今回もイロモノっぷりを発揮するアリサル!
△果たして、最後に生き残るのは誰だ――?

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅤ】 ( No.3 )
日時: 2021/12/13 16:51
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Battle】



エリザベス「ああ……誰かいないの……?」


常に涙を目に浮かべている9歳の幽霊の少女・エリザベス・ヴァスケス。彼女は人がいないか、病院内を徘徊していた――。


エリザベス「寂しいよ……怖いよ……誰かに会いたいよ……」


怖がりな女の子は、徘徊を続ける。






サディ「廃墟になった病院って初めて見たけど、こんなに不気味なんだね~……」


今回初参戦である幽霊の女の子のスーサイド・サディは病院の中を見て回っていた。


サディ「まあ、私の見た目も不気味なんだけどねー」


彼女の全身は傷だらけである――。







キャンディ「誰かいないかしらぁぁぁ~~~? アタシのハンマーが誰かを潰したくてたまらないのよねぇ~~~。誰でもいいから潰してあげたいわ~……」


不満そうな表情をしながら、病院内を徘徊するキャンディ。そんな彼の背後に――


アイレス「……」


青い仮面を被った殺人鬼・アイレス・ジャックが足音を殺して、更に無言でナイフを構えながら走って来た。アイレスはナイフをキャンディの背中に深く突き立てた。


アイレス「腎臓を寄越せ」

キャンディ「ぐぶっ……!?」


アイレスはそのまま背中を抉って殺そうとしたが、キャンディに蹴り飛ばされて阻止されてしまった。キャンディは傷を負ってしまったが、笑顔を保っていた。


キャンディ「あらぁ。アイレス・ジャックじゃない。いきなりやってきて殺そうとするとはいい度胸じゃなぁい……。あたしはね、殺すのは好きだけど、殺されるのは大嫌いなのよねぇ……」

アイレス「……」


その時、キャンディの表情が鬼の形相になった。


キャンディ「この糞野郎があ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!! この俺を殺そうとして生きて帰れると思うじゃ゛ね゛え゛ぞ!!! 俺の武器は今からミートハンマー!! お前はこれから調理用の肉!! お前は何度も叩かれる運命なんだよぉおお゛お゛お゛!!!!!」


キャンディの怒号が病院中に響いた。彼は怒ると非常に恐ろしくなり、口調が変わる。鬼の形相のままのキャンディがハンマーを構えながらハイスピードでアイレスに飛び掛かる。


キャンディ「ミンチにした後ユッケにして食ってやるよ!!!」


キャンディは猛スピードでアイレスをハンマーで殴りつけた。アイレスは血を吐きながら吹っ飛ばされるが、すぐさま体勢を立て直して、キャンディの腹にナイフに突き立てる。


アイレス「腎臓をくれ」


アイレスは慌てず、冷静に戦う。キャンディに致命傷を負わせたが、殺し切れなかった――。


キャンディ「何すんじゃあ゛!! このミンチ野郎がぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!」


更に怒り狂ったキャンディがハンマーでアイレスに渾身の一撃をかました。一撃をかまされたアイレスは大きく吹っ飛び、気を失った――。




【アイレス・ジャック     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  27人       {190:15}



キャンディ「ハハハ……ざまあみろ……だが……こんな状態じゃ、もう立てねえな……」


致命傷を負っているキャンディは、気を失って倒れた――。



【キャンディ・ポップ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  26人       {190:02}







ピコン!


ジェフ「『アイレス・ジャックとキャンディ・ポップが失格となり、残り26人となった』」


パウダー「二人同時に失格? 一体何があったんだろ?」








その頃、ミニリーナは単独で病院内を歩いていた。


ミニリーナ「今回、ビディバブがいるらしいな……出来るだけあいつに会わないようにしよう……だってアイツ、面倒くさいもん……」


ヤンデレ人形のビディバブに遭う事は避けたいと考えているミニリーナ。そんな彼女の近くに、頭が月の形をしたアニマトロニクスがやってきた。


ムーンドロップ「よぅ、ミニリーナぁ。こーんな暗いところを一人で歩いてんのかいぃ? 誰かに殺されても知らないよぉ~ん?」


ムーンドロップだ。挑発するような口調でミニリーナに話しかけた。


ミニリーナ「一人で歩いてんのはお前もだろ。私だって他の逃亡者に警戒してるんだぜ?」

ムーンドロップ「そーかそーか。それがいいぜ。だけどな――」


突然、ムーンドロップがミニリーナに飛び掛かってパンチを繰り出した。しかしミニリーナはそれを間一髪で回避した。


ミニリーナ「あぶねーな」

ムーンドロップ「警戒してても狙われることってあるんだぜぇ? オレサマと勝負しよ~~ん!!?☆」

ミニリーナ「へっ、上等だ! 受けて立とうじゃねーか!」

ムーンドロップ「あ、言っておくけどぉ~、オレサマに勝つな~んて、無理無理無理無理ムリダンガァ!!!」


ムーンドロップは素早く天井へジャンプし、張り付いた。張り付いたまま、天井をカサカサと素早く四足走行する――。


ムーンドロップ「へへへっ!! お月様を捕まえられるかな~!?」

ミニリーナ「ちくしょー!! 降りてきやがれ! ゴキブリか、てめえは!」

ムーンドロップ「ああ? 人をゴキブリ呼ばわりすんなよ、お前」


ムーンドロップは天井から離れ、立っているミニリーナに跳び付き、彼女の頭を両脚で挟み込み、下半身の力や自身の体が旋回する勢いで両脚を使って相手を投げ飛ばした。


ミニリーナ「ぐぼああっ!!」


強烈な勢いで投げ飛ばされたため、ミニリーナは気を失ってしまった――。



【ミニリーナ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  25人      {185:12}



ムーンドロップ「言ったろぉ? 無理だって! お金を手に入れるのは、オレサマだよ~ん!!☆」







ピコン!


ステッチラース「『ミニリーナがムーンドロップに撃破され、残り25人となった』」


ラザリ「撃破された人が出て来ちゃった……」


ビディバブ「……」










その頃、レッドとカレンは他の逃亡者や狼に警戒しながら、病院内を歩いていた――。


カレン「お姉ちゃん……この病院、怖いよぉ……」

レッド「大丈夫、私がついているわ……」


カレンの恐怖を和らげようと気を使ったレッド。逃亡者や狼にやられてしまえば、賞金を手に入れられる権利が失われる――。そんな二人に忍び寄る、一人の人物――。


レッド「……誰?」


レッドがそれに気づき、振り向く。そこには――。











パウダー「ありゃー、見つかったー! どもー、パウダー・ターナーちゃんでーっす!」

カレン「パ、パウダーお姉ちゃん!?」


パウダー・ターナーがいた。忍び寄っていた人物の正体は、パウダーなのであった。


パウダー「驚かそうとしたんだけど、気づかれちゃった! パウダーちゃん、失態を犯しちゃいました!」

レッド「ああ、うざったいわ……パウダー、さっさと消えて?」

パウダー「ええーっ!? 酷いよー! 前回で一緒に行動した仲じゃーん!」

レッド「そんなの知らないわよ。消えて」

パウダー「むむーっ、あたしご立腹だよー!」

カレン「レッドお姉ちゃん! 人に「消えて」なんて酷いこと言っちゃダメっ! ねえパウダーお姉ちゃん、私と一緒に行動しないかなぁ? 一人は危険だよ……?」

パウダー「えっ、いいの? じゃあお言葉に甘えて一緒にいさせてもらうよーっ! カレンって優しいんだね!」

カレン「そ、そんなぁ、別に優しくなんて……」


パウダーを同伴させたカレンを恨めしく思ったレッドだが、不満の言葉をカレンにぶつけることは出来なかった。何故ならレッドはカレンに甘いからだ――。









ラザリ「誰かいないかなー?」


今回初参戦である8歳の少女・ラザリは病院の不気味な雰囲気に怯えることなく、その病院の中を歩き続けていた。


ラザリ「誰か私と一緒に遊ぼうよ~……? 一緒にお絵かきやお茶会とかしよう?」


誰かと遊ぶことが好きな女の子の近くに、一人の男性医師がやってきた――。


スマイリー「お嬢さん、失礼します。私はスマイリー。突然ですが、少々お話に付き合って頂けないでしょうか?」


今回初参戦である男性医師のDr.スマイリー。医者らしく知的な見た目をしており、落ち着いた性格をしている。


ラザリ「? 何かな?」

スマイリー「貴方がた、今しがた「誰か私と一緒に遊ぼう」と言っておりましたね」

ラザリ「うん」

スマイリー「私が貴方の遊び相手となってあげましょう」

ラザリ「ほんと!? やったー、ありがとー!」

スマイリー「いえいえ……一つ遊びを提案したいのですが、お医者さんごっこはどうでしょうか?」

ラザリ「お医者さんごっこ? 面白そう! やるやるー!」

スマイリー「では、貴方は患者役で、私が診察する医師役としましょう。本職である私が医師役なら、本物の診察らしくなりますからね……それに」


スマイリーは服のポケットからメスを取り出し、不気味な笑顔でラザリを見つめる。見つめられた彼女は戦慄を覚えた。


スマイリー「患者の身体を切り裂いて殺し、そして内臓を取り出して標本として飾りたいので」


そしてスマイリーはメスを持ったまま、ラザリに飛び掛かった。彼女の腹をメスで切り裂こうと、メスを振った。


ラザリ「いぎっ゛!!」


メスがラザリの腹に当たった。彼女の腹は軽く裂けてしまった。


スマイリー「貴方の内臓がどんな状態なのか楽しみだ! まあ、子供なのだからさぞかし綺麗な状態なのだろう!」


スマイリーが今度はメスを彼女の胸に突き立てようとする――。
















ザルゴ「我の娘に何をしている?」













その時、ザルゴが突然出現し、素手でスマイリーを薙ぎ払った。


ラザリ「パパ!」


ザルゴの実の娘であるラザリは、親に助けられたのであった。


ザルゴ「ラザリ! 逃げなさい。でないと本当に内臓を抜かれてしまうぞ……!」

ラザリ「でもパパを置いては……」

ザルゴ「我は捕食者で強大な悪魔だ。こんな細身の男なんぞに敗北するわけが無いだろう。さあ、あの男は我に任せて、逃げるのだ」

ラザリ「……うん!」


ザルゴはラザリを逃がした。そしてスマイリーを睨み付けた、ザルゴ――。


ザルゴ「我の大事な娘の内臓を取り出そうとするとはいい度胸しているではないか。罰として亡き者にしてやろう」


娘を大事に思っているザルゴは、娘を傷つけられたことに対して大変激怒している――。スマイリーは起き上がり、ザルゴを睨み付けた――。


スマイリー「ああ……貴方は悪魔のザルゴ。私は悪魔の汚い内臓なんぞ興味ありませんよ。邪魔です。人間の内臓じゃないと私の心は満たされないのです」


スマイリーはメスを持ってザルゴに襲い掛かる。そんな彼を捕食しようとするザルゴ。その時――。


スマイリー「目の手術を行ってあげましょう」


スマイリーは素早くザルゴの右目にメスを突き立てた。ザルゴは苦しむも、素手でスマイリーの胸を切り裂いた。彼は胸を切り裂かれたが、冷静であった。スマイリーは自分の胸を触る。すると、切り口が一瞬で塞がった――。


ザルゴ「――!? 一瞬で治した――?」

スマイリー「何を驚いているのです? 医者なのですから身体を治せて当然でしょう? ――さあ、貴方はこれでもう終わりです」


そしてスマイリーは注射器を取り出し、ザルゴの肩に毒を注射した。即効性の毒であった為、ザルゴはすぐに苦しむ。


ザルゴ「ぐうっ……我がこんな細身の男性なんぞにっ……ふ、不覚……」


そして数分間その苦痛を味わった後、意識を失った――。




【ザルゴ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  24人     {179:25}




スマイリー「ふぅ……やはり医者の仕事は大変ですね。まあ、楽しいからいいのですがね……」


不気味に笑いながら、ザルゴを見つめるスマイリーであった――






ピコン!


エリザベス「『ザルゴがDr.スマイリーに撃破され、残り24人となった』」


ラザリ「えっ、やられちゃったの……!? そんなぁ、パパぁ……!!」






その頃、屋上にて――


オブザーバー「……」


今回初参戦である全身真っ黒の男性のザ・オブザーバーが煙草を吸いながら、外の景色を眺めていた――


オブザーバー「月が綺麗だな……」


そこに、今回初参戦である少女型の人形・アリー・ザ・スレンダー・ドールがやってきた――。


オブザーバー「おう、何だよ嬢ちゃん」

アリー「ここで何をしているのかしら?」

オブザーバー「月を眺めてただけだ。ここには狼や、俺以外の逃亡者がいないから、ゆっくりと眺めていられるんだ。――お前が来たせいで呑気に眺められなくなったがな。俺は一人で呑気に月を眺めていたいんだ。失せな」

アリー「あらそう。失礼したわ。まあ、心底から謝ってはいないんだけどね。私は――」


アリーはナイフを取り出し、ナイフを構えながらオブザーバーを睨み付ける。


アリー「私のポイントとなりなさい」

オブザーバー「おお、やろうってのかい? 嬢ちゃん、命は大事にしたほうがいいぜ? 俺って容赦ない奴だからさ……手足や首を捥いだりした後に肉塊にするかもしれないよ?」


その言葉を聞いたアリーはナイフをしまった。オブザーバーから異様なオーラを感じ、恐怖を覚えた為であった。


アリー「……私、ここから消えるわ」


彼女はそう言うと、病院の中へ入って行った――。


オブザーバー「ちと脅しすぎたかねぇ、俺」












一方、今回初参戦である女性医師のナース・アンは、自前の武器であるチェーンソーを持ったまま、単独で病院の廊下を彷徨っていた――。


アン「……」


アンは無言で、しかも怖い目つきをしたまま、ずっと病院内を彷徨っている。そんな彼女に、一人の少女が近づいてきた。


ルル「こんにちはー! ねえねえ! ちょっといいかなー!」


今回初参戦である、無邪気な殺人鬼のルルだ――。


アン「あら、何かしら? もしかして迷子になったの?」

ルル「ううん!」

アン「? じゃあ何? 大人の私にどんなことでも言ってごらんなさい」


他人に友好的な女性医師は笑顔でアンと接し続ける。しかし友好的なのは表向きだけ。本性は残酷であり、人間嫌い。好意的に接しているのは、相手の警戒心を薄めて殺しやすくするためだ――。ルルはアンにこんな質問をぶつけた。


ルル「今から貴方を殺していーかな?」


そう質問した時のルルの雰囲気は非常に恐ろしい物であった。その雰囲気を感じ取ったアンはすぐさまチェーンソーを作動させた。

ルルの脇腹に素早くチェーンソーを押し当てたアン。そのチェーンソーがルルの脇腹を抉っていく――。ルルは血を吐きながらも、笑顔を保ち続けている。


ルル「ガアアアアア!! そんなんで殺せると思った!? 思ってんの!? さあ、倒れてね!!」


アンのチェーンソーを弾き飛ばしたルルは、アンの両目を潰そうと飛び掛かって来た。


アン「倒れるのは貴方よ」


アンは目にも止まらぬ速さでルルの脇腹に強烈な蹴りを入れて、意識を失わせた――。



【ルル     失格   ≪残りゲーム時間≫】
  残り  23人     {174:22}













その頃、レッドとカレンとパウダーの3人は廊下を歩いていた――。


パウダー「ねえねえレッド! カレン! この病院すっごく不気味だねっ! めっちゃお化けとか出て来そうな雰囲気だよねっ!?」

カレン「うん……ほんとにお化けさんが出て来そうな感じがするよ」

レッド「パウダー、ちょっと黙って」

パウダー「ひどーい!」


その3人に、誰かが四足走行で猛スピードで近づいてきた――。


レイク「アアイアイイイヤアアアアア!! 人間だ!! 人間が三人もいやがらあああああああ!!」


レイクはレッドを殺そうとして飛び掛かる。彼女は冷静に振り向いた後、蹴りをレイクに食らわして吹っ飛ばした。


レイク「いでええっ!! テメエ!! 何蹴り入れてんだよ!! 大人しく殺されろよぉお!!」

レッド「何よコイツ……」


理不尽な怒りをレッドにぶつけるレイク。レイクは歯を食いしばって彼女を睨みつける。彼は更に憎悪の念を抱き、必ず殺そうと誓ったのであった。


レイク「死体にしてやるぞおおおおおおイイイイイッヒャアア゛ア゛ア゛ッヒイイア゛ア゛ア゛イアイアア゛アアヒア゛ア゛ア゛!!!」


レイクの異様過ぎる奇声に恐怖するパウダーとカレン。こんな狂気的にも程がある生物を放っておく訳にはいかないと思ったレッドは、彼を痛い目に遭わせようと誓ったのであった。


レッド「その聞くに堪えない声を発せられなくしてあげるわ」


レッドは素早く銃を取り出し、レイクの口に銃弾を撃ち込んだ。口の中を撃たれたレイクは苦痛で味わい、逃げて行った。


レッド「あら、あっさり逃げたわね。結構臆病なのね、アイツ……」

パウダー「レッド様! 凄いです! 流石です!」

カレン「レ、レッドお姉ちゃん、怪我はない……?」

レッド「してるわけ無いでしょ。……でも、心配してくれて有難うね」





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残り逃亡者……レッド、カレン、ジェニー、パウダー、サニードロップ、ムーンドロップ、
       ステッチラース、ビディバブ、ジェフ、アリー、ラザリ、エリザベス、アイア、
       オブザーバー、スマイリー、アン、レイク、サディ、アンジェリカ、ミン、
       シュエル、イリザベス、アリサルの23人。




続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅤ】 ( No.4 )
日時: 2023/02/04 08:22
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Crazy】


ミン「隠れられる場所って無いのかな……?」キョロキョロ


一方、小学5年生の韓国人の少女・ソヌ・ミンはゲーム開始時からずっと身を潜められそうな場所を探している。


アリサル「ミン! ちょっといいかしら?」

ミン「!? な、何ですか貴方は!」


カメラを持ったフィリピン人の少女・アリサルがミンに話しかけて来た。


アリサル「ああごめん。私は動画撮影に励んでいるアリサルって言うの! 私の人生の記録を動画に残しておきたくてね……」

ミン「人生の記録?」

アリサル「私、撮った動画を動画サイトにあげるのを趣味にしてるの。そこで何だけど、ミンを撮影していいかしら? 異国の人と出会えた記念に、ミンと接している動画を撮りたいんだ」

ミン「え、えーと……ごめん、ちょっと困るかな」

アリサル「そうなんだ……! 分かった、ごめんなさいね!」


アリサルは申し訳なさそうな表情をしながら、ミンから離れて行った。


ミン「何なのあの人……めっちゃ変わってる人だった……」









ビディバブ「……」


その頃、ミニリーナの事が大好きなヤンデレ人形のビディバブは、静かに怒りながらムーンドロップを捜していた。


ビディバブ「ムーンドロップは何処なの……? 殺してあげるからこっち来てよ……」


彼女は真顔でそう呟く。そんな彼女の背後に――


ムーンドロップ「呼びましたかぁ~?」


突然、ムーンドロップが現れた。ビディバブは後ろを振り返って彼を見た。その瞬間、彼女の中に激情が沸き起こった――。


ビディバブ「よくもミニリーナを殺したなぁ!! 殺してやる!!!」


ビディバブは鬼の形相でムーンドロップに襲い掛かった。しかしムーンドロップは咄嗟に強烈な蹴りを繰り出し、意識を失わせた――。



【ビディバブ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  22人      {169:00}



ムーンドロップ「オレサマを倒そうなーんて、むーだむーだだよ~ん!!☆」







ピコン!


アイア「『ビディバブがムーンドロップに撃破され、残り22人となった』」


パウダー「またムーンドロップって人が撃破してるよー! ムーンドロップって強いの?」










シュエル「この病院、本当にあちこちボロボロですわね……まあ廃墟だから当然か」


その頃、韓国人の少女であるシュエルは不気味な病院の中に恐怖を覚えながらも、他の逃亡者や狼に警戒していた。


シュエル「今回は逃亡者同士が争ってもOKというルールがありますが……わたくしは痛いの嫌なのでやりませんわっ!」


そんな彼女の近くに――


レイク「ギイイイッヒッヒイイイヒャアアアアアアア!!」


奇声を上げているレイクが四足歩行で、しかも高速でやってきた。彼の奇声に恐怖したシュエルは咄嗟に逃げだす。


レイク「オイオイオイオイ、このガキィィ!! 逃げてんじゃねえよ!! 殺されろよおオオアアア!!!」


レイクは怒り、シュエルを追跡する。


シュエル「ふん、逃げさせて頂きますわ!」


シュエルは廊下に転がっている椅子をレイクに投げつけて怯ませる。その間に彼女は逃走した――。


レイク「いでええええ!! ――ってあのガキ何処行ったぁ!? ぜってええ、ぜってええ屍にしてやっからなぁ!!! オイ!!!!!」









一方、ステッチラースは今も病院の外にあるゴミ箱の中を漁っていた。


ステッチラース「……」


ゴミが大好きな彼の近くに、一人の少女が現れた。


アンジェリカ「あんた何でそんなにゴミを漁りまくってるの? ホームレスかなんかなの?」

ステッチラース「……」

アンジェリカ「みっともないから止めなさいな。……まあ、アタシみたいな性悪が言えたセリフじゃないけどねー」

ステッチラース「邪魔をするな……」


ステッチラースは彼女に殺意を向け、襲い掛かる。それに驚いた彼女はすぐさま逃げ出した。


アンジェリカ「あ、ちょっとヤベエわ……」


彼女は足が速い。彼女にとっては距離を離すのは容易いことであった。彼女を見失ったステッチラースは追いかけるのを諦めた。しかし彼女に殺意を抱き続けている。彼は邪魔されることが嫌いな殺人者である為、根に持っているのである――。










ジェニー「狼には遭いたくないなぁ……てか、誰とも遭いたくないよ……」


一方、ジェニー・サイモンズは狼や自分以外の逃亡者に警戒しながら、病院の中を慎重に歩いていた。そんな彼女に忍び寄る――


オブザーバー「……」


ザ・オブザーバー。彼は不気味な笑顔を浮かべながら、彼女の後頭部を殴って不意打ちした。


ジェニー「な、何だよ!? ――き、君か!? 殴ったのは!」

オブザーバー「他に誰がいるんだよ……ククク」

ジェニー「君の名は何だ!」

オブザーバー「これから死に行く者に名乗る必要は無い。さあ、俺のポイントとなってくれ」


オブザーバーはジェニーを殴り飛ばす。殴られた彼女は頬を押さえつつ、怖い目つきで彼を睨み付ける。そして偶然近くにあった鉄パイプを拾い上げ――


ジェニー「ふざけんなあああ!!」


そして力を込めて、何度も、何度も、何度も、鉄パイプでオブザーバーを殴りつけた。彼女は優しい性格だが、怒ると怖い子だ――。


オブザーバー「ははは……嬢ちゃんも……容赦無い奴なんだな……俺、ビックリだわ……ククク」


そして彼は意識を失った――。



【ザ・オブザーバー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
      残り  21人       {163:15}



ジェニー「はあ、はあ……自分でも相手にこんな容赦なく殴れたことにビックリだよ……」


そんな彼女の背後に――










サディ「ねえ……何の音?」

ジェニー「!?」


スーサイド・サディがゆっくりと近づいてきた。オブザーバーが殴られている音が気になって、近づいて来たのだ――。


ジェニー「ああ……僕を不意打ちしてきた罰当たりな奴に制裁を与えただけさ……」

サディ「凄いでかい音だったよ? 一体どんな制裁を加えたの……」

ジェニー「そんなことは気にしなくていいよ。それより……用が無いならどっか行ってくれるかな。僕以外の逃亡者が怖いんだ」

サディ「怖がらなくてもいいよ。私は貴方の敵じゃない。仲良くしたいんだ」

ジェニー「仲良く――?」

サディ「私、分かるんだ。君は以前自殺を試みたことあったでしょ?」

ジェニー「……何で分かるの?」

サディ「私は人の自殺を止める役目を持った幽霊。私には、誰が自殺を試みたのかが分かるっていう特別な能力を持ってるの」

ジェニー「……」

サディ「自殺って怖いよ? 自ら命を絶つ時には、目の前に「死」がある。死という恐怖を味わわなきゃいけないんだから。私がこんな傷だらけの身体になったのは、自殺したからなんだ」

ジェニー「……!」

サディ「私が自殺志願者を救おうとするのは、私みたいなことになってほしくないからなんだ。だからジェニー。……私の言いたいこと、分かる?」

ジェニー「ああ。察したよ。自殺は止めて、でしょ? 大丈夫だよ。僕にはローラっていう親友がいるんだ。彼女を放って死ぬわけにはいかないよ」

サディ「そうなんだ……それがいいよ」

ジェニー「ところで君、僕と仲良くしたいって言ってたよね。友達になりたいってこと?」

サディ「うん。自殺を試みた者同士としてね」

ジェニー「なんか嫌な理由だな……まあ、いいよ。サディっていい人そうだし」

サディ「いい人か……有難う。あ、ところで一つ聞いていいかな?」

ジェニー「何?」

サディ「何故自殺を図ろうとしたの?」

ジェニー「学校で極悪な少年に下剤を盛られて漏らして……」

サディ「あ……えっと……ご愁傷さまです」









パウダー「ねえねえレッド! 見て見てー! あの満月の模様、ウサギが餅をついてるみたい!」

レッド「あっそ……」


パウダーのテンションの高さにうんざりしているレッドの近くに――


アンジェリカ「レッド! カレン! パウダー!」


アンジェリカ・ピクルスが通りかかった。


カレン「アンジェリカちゃん! 何かな? 私達と一緒に行動しに来たの?」

アンジェリカ「違うわよ。アタシはあんたらと勝負しに来たの!」

パウダー「しょ、勝負ー!? そんなー、前回であたし達の味方になってくれたんじゃないのー?」

アンジェリカ「誰が味方になったって言ったのよ。いい? アタシはあんたらのライバルなのっ! 敵なの!」

レッド「ああそう……」

アンジェリカ「という事で、勝負――! と行きたいところだけど……アタシ武器持ってくるの忘れた……ということで、さよなら」


アンジェリカはそそくさと去って行った。


カレン「あっ、待ってアンジェリカちゃん! 一人じゃ危な――行っちゃった……」

レッド「何しに来たのかしら、あの子」








一方、アリー・ザ・スレンダー・ドールは一人で病院の外を歩いていた。


アリー「外の空気は美味しいわね……」


彼女は人形だが、人間に限りなく近い精密な人形であるため、空気の味が分かる。そんな彼女の近くに――


レイク「ヒヒヒハアアッハハ!! お前人形!! なのでガラクタにしてやるぅよおお!!」


レイクが高速で近づいて来た。


アリー「ガラクタ?」

レイク「俺は他者を亡き者にするのが大好きなんだぁ!! だから甚振る!! 嬲る!! 倒す!! 殺すゥウウウヒハアア!!」

アリー「なるほどね……まあ、私は黙って殺される訳にはいかないから……」


アリーは「通常フォーム」から「ナイトメアフォーム」に切り替えた。アリーには二つのフォームが存在する。切り替える前の、冷静な性格の時が通常のフォームである。ナイトメアフォームになると口が悪くなり、狡猾になり、そして捕食者となる――。


アリー「抗わせてもらうぞ。お前……」

レイク「ヒャフヒッハッハハハハハ!! 抗ったところで無駄なんだよぉおおおお!!!」


レイクは彼女に向かって高速でパンチを繰り出した。しかしあっさりと躱された。アリーは三本のナイフを取り出し、その三本をレイクの腹に高速で投げつけた。その三本が彼の腹に深く突き刺さった――。


レイク「ゲグエエエッ!! ナイフが腸に到達したやろがい!! ブチ殺すぞオ゛ル゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」


怒り狂ったレイクがアリーの腹に爪を深く突き刺した――。


アリー「あうっ……」



【アリー・ザ・スレンダー・ドール     失格   ≪残りゲーム時間≫】
          残り  20人          {157:22}



アリーは気絶し、倒れた――。


レイク「おっ!! 死んだか!? 死んだ!! イイヒハハハハハハハ!!」


死んだと勘違いしている、哀れで醜い男――。








ピコン!


アン「『アリー・ザ・スレンダー・ドールがザ・レイクに撃破され、残り20人となった』」


シュエル「レイクって……わたくしを追いかけて来た奴ですわよね? 撃破したのですか……」








ムーンドロップ「あー、どっかに敵はいねーかなぁ~? お金欲しいんだよ、オレサマ!」


その頃、ムーンドロップはヘラヘラと笑いながら病院内を散歩していた。その途中で、「誰か」の気配を感じた。すぐ近くの病室から感じた。その病室は、ゲーム序盤でレッドとカレンが入った場所だ――。


ムーンドロップ「――おい、サニー? 何をそんなにガタガタ震えてんだぁ?」


「誰か」とは、サニードロップのことであった。サニードロップの事が心配になっているムーンドロップ。


サニードロップ「オ、オイラが暗闇苦手なこと知ってんだろ!?」

ムーンドロップ「ああ、そうだった……おめえ、大丈夫かよ?」


サニードロップとは友人の関係であるムーンドロップ。どうやら、サニーを放っておけないようだ。


サニードロップ「大丈夫じゃあないな……。光が、光が欲しいんだよぉ……オイラぁ」

ムーンドロップ「待ってろ、懐中電灯探しに行ってやんよ」

サニードロップ「恩に着る、ムーンよ!」


友達には優しい、ムーンドロップなのであった――。







一方、ナース・アンは病院の廊下を歩いていた――。歩いている内に、一人の男性とすれ違った。


ステッチラース「……」


ステッチラースであった。険しい表情をしている彼が気になったアンは、ステッチラースに話しかける。アンは人間を嫌っているが、人外には心の底から友好的に接する。ステッチラースはロボットな為、心の底から好意的に接し始めた。


アン「ステッチラース? 何をそんなに怒っているの? 何かあったの?」

ステッチラース「……お前には関係の無い事だ」

アン「冷たい子ねぇ。何かあったら私に相談しなさいな。私は医師。悩み事を聞いて、その悩みを解消させるのが仕事なの。さあ、相談を――」


その瞬間、ステッチラースは爪で素早くアンの頬を切った。彼は自分の邪魔をされるのを嫌う。彼の攻撃を受けたアンは怒り、チェーンソーを作動させる。


アン「手術を始めま~す! 痛いけど我慢してくださいねー!!」


そしてそのチェーンソーでステッチラースの腹を薙ぎ払い、上半身と下半身に真っ二つに切断した――。



【ステッチラース     失格   ≪残りゲーム時間≫】
     残り  19人       {151:02}



アン「ダメじゃない……医者さんに攻撃しちゃあ。ロボットだから好意的に接してやったのに……ふざけるなよ」


人外には心の底から友好的に接する彼女だが、攻撃されれば本性を剝き出しにする――。








アンジェリカ「どっかに武器になりそうな物、落ちてないかしら……?」


その頃、アンジェリカは武器探しに専念していた。


アンジェリカ「この椅子は……? ダメ、デカくて持ち運びがだるいわ。この注射器は……ダメ、攻撃力が低そうだわ」


武器探しをしている彼女の背後に――。


レイク「ようガキ」

アンジェリカ「?!」


レイクが現れた。


レイク「とりあえず屍になってくれや」

アンジェリカ「な、何よアンタ!? ちょ、止めて――」


彼は彼女の言葉を無視して、彼女を爪で切り裂いた――。



【アンジェリカ・ピクルス     失格   ≪残りゲーム時間≫】
        残り  18人        {144:17}



レイク「ハッハッハー!! 人を襲うって楽しいなーー!! ヒヒッハハハハハハ!!」










ピコン!


パウダー「『アンジェリカ・ピクルスがレイクに撃破され、残り18人となった』。アンジェリカがやられたー!」

カレン「アンジェリカちゃん……」

レッド「自称ライバルが撃破されたのね」




----------------------------------------------------------------------------




残り逃亡者……レッド、カレン、ジェニー、パウダー、サニードロップ、ムーンドロップ、
       ジェフ、ラザリ、エリザベス、アイア、スマイリー、アン、レイク、サディ、
       ミン、シュエル、イリザベス、アリサルの18人。



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅤ】 ( No.5 )
日時: 2023/02/04 08:30
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Moondrop and Sunnydrop】


ジェニー「ねえサディ、気になってたんだけど……」

サディ「何かな?」

ジェニー「どうして自殺したの?」

サディ「……私のお母さんが癌で亡くなったんだ。お父さんはとっても気さくでいい人だったんだけど……。お母さんが亡くなってから自棄になって、とても暴力的になったんだ。それからずっと私に暴力を振るって……酷かったよ。私はもう耐えられなくて……自殺したんだ」

ジェニー「……っ。本当に酷い……」

サディ「君のところのお母さんとお父さんはどんな人?」

ジェニー「優しい人だよ」

サディ「そうなんだ……もし君のお母さんが亡くなってお父さんが狂い出したら、お父さんを正気に戻してあげてね」

ジェニー「うん」


サディと仲良くなったジェニー。










ラザリ「ねえ……パパを殺したお医者さんは何処にいるの? 出てきてよ……呪っちゃうよ」


その頃、ラザリは実の父親であるザルゴを倒したスマイリーを捜し続けていた。


ラザリ「パパを倒したなんて、私は許せない……」


パパが好きな彼女の近くに、口の裂けた男がやってきた。


ジェフ「パパがどうしたんだ」


ジェフ・ザ・キラーであった。


ラザリ「あっ、ジェフ……だよね。聞いてよ……」


ラザリはスマイリーに襲われそうになったことや、スマイリーにザルゴが倒されたことを話した。


ジェフ「そうか……酷いことがあったのか……悪い奴だな、スマイリーは。まあ殺人鬼の僕が「悪いやつ」だなんて言えた事じゃないけどな……。分かった。僕がその悪い奴に制裁を加えて来るよ」

ラザリ「ホント? ありがとう……。いい人なんだね、ジェフって」

ジェフ「いい人じゃないよ、僕は……」

ラザリ「でも私も制裁を加えていいかなぁ? この手でパパを倒したお医者さんに痛い目見せないと私、気が済まないんだ……」

ジェフ「ああ、構わないさ」

ラザリ「ありがとうね……」


ラザリはジェフと共に、スマイリーを倒すことに決めたのであった――。








イリザベス「zzz」


その頃、退屈が嫌いな少女のイリザベス・ファウストは、上階にある病室のベッドで寝ていた。相変わらず、呑気な女の子である――。


シュエル「……何でこんなとこで寝てるんですの……?」


自分の姿を隠せそうな場所を探しているシュエルが、イリザベスを発見した。


イリザベス「zzz」

シュエル「……まあいいですわ、害は無さそうですし。こちらは隠れさせていただきましょう」


シュエルはイリザベスの隣にあるベッドの下に隠れ続けた。ベッドの下に入った瞬間、シュエルは咳く。そのベッドの下が埃だらけである為だ――。


シュエル「コホッ、コホッ……でも身を隠さないと……」









アリサル「あれ、あそこにいるのは……?」


アリサルが3人のグループを発見。その3人とは――レッドとカレンとパウダーであった。


アリサル「ごめん、そこの皆さん! ちょっと撮らせていただけないかしら?」

カレン「え?」

アリサル「ごめん、私はアリサルって言うの。私は自分の人生を記録するために、いつも自分を動画に撮ってるの。私は「他国の人間と交流した」という記録を残したいから、ちょっと撮ってもかな? あ、因みにすぐ終わるから大丈夫よ!」

パウダー「えっ!? 撮影!? いいよー! あたしのカッコいい姿、バッチリ取ってねー!!☆」

レッド「メインはあんただけじゃないわよ」

カレン「お願いします、アリサルお姉ちゃん!」

アリサル「じゃあちょっと待ってね――ヤバッ、あっちに狼いる!」

レッド、カレン、パウダー「「「えっ!?」」」


アリサルの言う通り、確かに狼が彼女たちの遠くにいた。彼女たちは一斉に逃げる。――狼は彼女たちに気づかないまま、何処かへ去って行った。


カレン「狼さん来てないよね?」

レッド「大丈夫、追って来てないわ」

パウダー「あれ? アリサルがいないよ?」キョロキョロ

カレン「私達とは別の方向に逃げたんじゃないかな?」

パウダー「なるほど」

レッド「また会った時に被写体になりましょうか」












スマイリー「先程のお嬢さんは何処にいるのでしょうか……彼女の内臓を標本にしたいんですよね」


ラザリを捜し続けているスマイリーの近くに――女性医師のアンが通りかかった。


アン「あら、その恰好は……もしかして医者なの?」

スマイリー「はい。私はスマイリー。手術を趣味としています。見たところ、貴方も医者のようですが」

アン「ええ。私も医者なのよ。……このゲーム、私以外にも医者がいたのね。医者同士、仲良くしたいわ」

スマイリー「ほう、仲良くですか。申し訳ありませんが、私は一人が好きでしてね……友達は作らない主義なのです」

アン「あらそう」


アンは突然チェーンソーを作動させた。友好的に接したのに友達になってくれなかったことに苛立ったのだ。彼女はスマイリーの脇腹を抉ろうと、チェーンソーを振るう――。しかしその瞬間、チェーンソーは真っ二つに割れてしまった。スマイリーがメスでチェーンソーを真っ二つにしたのだ。


アン「!?」

スマイリー「私のメスはとーっても切れ味が良いのですよ。さあ、切開手術をしましょうか」


そしてスマイリーはメスでアンの腹を切り裂き、倒した――。



【ナース・アン     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  17人       {127:02}








ピコン!


ムーンドロップ「『ナース・アンがDr.スマイリーに撃破され、残り17人となった』」


ミン「残り17人か……てか、もう10人以上もやられてるじゃん」










ジェフ「スマイリーがまた逃亡者を撃破したか……ますます奴を野放しにするわけにはいかなくなったね」

ラザリ「スマイリーっていうお医者さん、ヤバイ人だよっ!」


スマイリーを捜しているジェフとラザリの近くに――


レイク「ケッヒヒャハハハハハ!! お前らぁ!! とりあえずくたばってくれやあぁぁああ!!」


レイクが四足歩行で、しかも猛スピードでやってきた。


ジェフ「なんだお前」


唐突な襲来にジェフは慌てずにナイフを投げつけ、レイクの腹に深く刺した。レイクは苦痛を味わうも、ナイフを抜き取り、それをジェフに投げつける。


ラザリ「危ない、ジェフ!!」


ラザリがジェフを庇い、代わりにナイフを食らった。彼女の胸に、そのナイフが刺さったのであった――。


ジェフ「ラザリ!!」

ラザリ「ふふ……ジェフみたいないい人を倒れさせるわけには行かないよっ……」


そしてラザリは倒れた――。



【ラザリ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  16人     {122:25}



ジェフ「……ごめんな、ラザリ。僕がナイフを投げつけなければ……」

レイク「悲しんでる暇はねえぜえ、ジェフよおおおおお!!!」


そしてレイクはジェフに飛び掛かり、殺そうとする。その瞬間、ジェフは怒り、もう一つのナイフを取り出しレイクの腹を切り裂こうとした。


レイク「鈍いんだよぉお、オメエエエハヨォ!!」


しかし切り裂く前にレイクがジェフに渾身の力を込めたパンチをかまし、ジェフの意識を失わせたのであった――。



【ジェフ・ザ・キラー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
      残り  15人        {122:02}



レイク「ヒャッハハハハッハハハ!! 殴った時の瞬間が最高に快感だぜえ!! 襲うのってなんで楽しいんだろおなああああイヤハアアアア!!」


他者に暴力を振るうことに一切の抵抗が無い生物。まさに、残虐――。










ピコン!


エリザベス「『ラザリとジェフ・ザ・キラーがザ・レイクに撃破され、残り15人となった』。二人同時に撃破か……。レイクって人、強いんだね……」


スマイリー「おや、ラザリがやられてしまいましたか……。彼女の内臓を標本にしようと思ってたのに……」









アイア「荒れてるから歩きづらいわね……破片がいっぱいじゃない」


今回初参戦の優しい悪魔の少女・アイアが不満を垂らしながら病院の中を歩いていた。


ムーンドロップ「懐中電灯、懐中電灯はいずこや~?」


そこにムーンドロップが通りかかった。


アイア「あらムーンドロップ。何故懐中電灯を探しているのかしら?」

ムーンドロップ「オレサマの友達が暗闇が苦手でよぉ。光が無いとずっと怯えてて病室から出てこねーんだ」

アイア「なるほど……光が無いと動けないのね。私も探しましょうか?」

ムーンドロップ「マジで!? 助かるわー。オメー悪魔みたいな見た目してる癖にやさしーんだな!」

アイア「悪魔よ、私は」


クールそうな見た目をしている悪魔だが、実際にはとても優しいアイアである――。








エリザベス「私、撃破されたくないなぁ……」


エリザベスは泣きながら病院内を彷徨う。そんな彼女の近くに、レイクがやってきた。


レイク「なあオメー」

エリザベス「ひっ……! な、何?」


怖がりな女の子は唐突に話しかけられ、怯える。そして彼女は恥ずかしがり屋なので、柱の陰に隠れる。


レイク「何ビビってんだよおおお!! 殺すぞおおあああおお!!」

エリザベス「ひいいっ!! た、助けてえっ!!」


エリザベスは逃走するが、あっという間にレイクに追いつかれ、背中を蹴られてしまった。


エリザベス「いたい、いたいよっ!! 貴方を呪うよ……!?」


エリザベスは幽霊なので、人を呪う事ができる。


レイク「呪ってみろやゴラアアアア!!」


そしてレイクはエリザベスの腹に強烈なパンチを繰り出し、意識を失わせた。



【エリザベス・ヴァスケス     失格   ≪残りゲーム時間≫】
        残り  14人        {113:15}



レイク「ヒャッヒャヒャヒャヒャ!!」











ピコン!


サディ「『エリザベス・ヴァスケスがザ・レイクに撃破され、残り14人となった』」


ミン「またレイクって人がやったの……? レイクってどんだけ強いの?」









その頃、ムーンドロップとアイアは今も懐中電灯を探していた。


アイア「あら、道が二つに分かれているわね」

ムーンドロップ「二手に分かれよーぜ。お前どっち行きたい?」

アイア「右」

ムーンドロップ「じゃあオレサマは左ね~」


アイアは右の通路へ、ムーンドロップは左の通路へと向かって行った――。










アイア「こっちに懐中電灯があればいいのだけど……」


通路を歩いている彼女の近くに、レイクが通りかかった。


レイク「初めまして!! 死んでもらいまーす!!」

アイア「!?」


レイクは強烈なパンチを繰り出す。アイアは翼で飛んで間一髪で回避した。


アイア「危ないじゃない……暴力はダメよ?」

レイク「黙れこのアマァ!! 俺は暴力が大好きなんだぁ!! 止めてたまるかぁああヒヒハアア!!」

アイア「……逃げた方がいいわね、これ……」


アイアは逃げ出すが、一瞬でレイクに捕まえられてしまった。


レイク「逃げんじゃねえよクソアマアアア!!」

アイア「は、放しなさい!!」


アイアは足掻くが、レイクは放してくれない。そしてレイクはアイアの腕の骨を折った。腕を折られた彼女は泡を吹き、気絶した――。



【アイア     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  13人     {106:12}




レイク「ヒャッハハハハッハハハ――あん?」

ミン「ヒッ……」


レイクの奇声が気になって、こちらに来てしまったミン。危機を感じたミンは咄嗟に逃げ出す――。


レイク「おい待てよテメエエエ!!」

ミン「た、助けてええっ!!」


ミンは懸命に逃げ続けるが、一瞬でレイクに追いつかれてしまった。レイクは彼女に強烈な蹴りを食らわせ、意識を失わせた――。



【ソヌ・ミン     失格   ≪残りゲーム時間≫】
     残り  12人     {105:55}



レイク「どんどん撃破出来て楽しいいいいィィィィゼエエエエィィイエエエ!!」


彼に「容赦」という概念は存在しない――。










ピコン!


ジェニー「『アイアとソヌ・ミンがザ・レイクに撃破され、残り12人となった』。またレイク!?」


サディ「レイクが倒してばっかりだね……」


ムーンドロップ「……アイアの奴、やられちまったのかよぉ」








ムーンドロップ「くそっ、オレサマだけで懐中電灯探すしかねえか……お?」


通路を歩いていると、キラリと光る物を発見した。それを近くで見てみたら、なんと懐中電灯であった。


ムーンドロップ「おっ! 懐中電灯じゃねーか! えーと、これちゃんと使えんのかな?」


廃墟にあったものだからちゃんと光がつくかどうか気になり、試しにスイッチを押してみる。すると光がついた。


ムーンドロップ「おっしゃ! これちゃんと使えるわ! 待ってろよ、サニードロップ!」










その頃、サニードロップのいる病室にて――。


サニードロップ「ううう~~光が、光が欲しいよ~~~!!」


彼は今もガタガタと震えていた。そんな彼の近くに、懐中電灯を持ったムーンドロップがやってきた。


ムーンドロップ「おうサニー、懐中電灯持ってきたぞ!」

サニードロップ「え、ホント!? 有難う! じゃあそれで早速オイラを照らしてくれ!」

ムーンドロップ「おうよ」


ムーンドロップは懐中電灯の光をサニードロップに当てた。するとサニードロップは突然高揚した――


サニードロップ「ウッヒョオオアアア!! 光だあ、光だあ!! オイラ元気MAX!! 今のオイラなら、いっぱい逃亡者をぶっ倒せそうな気がするぜぃ!! 友よ、一緒に他の逃亡者を倒しに行こうぜええ!!」

ムーンドロップ「OK! オレサマ達で他の逃亡者をポイントに変えちゃお~~~~~☆ ちゃおランド☆」


不気味な笑顔を浮かべる、サニードロップとムーンドロップであった――。






その頃、レッドとカレンとパウダーは病院の中を歩いていた。


カレン「レッドお姉ちゃん……レイクって人が逃亡者さんを倒しまくってる……私もやられちゃうのかなぁ……?」

レッド「来たら守ってやるわ」

パウダー「よっ、レッドちゃん男前ー! カッコイー!」

レッド「恥ずかしいから止めなさい、パウダー」

パウダー「ちぇー、褒めたのにー――あれ、あそこに誰かいるよ」


スマイリーがこちらに歩いて来た。


スマイリー「おや、少女が3人も。初めまして、私は医師のスマイリーです」

カレン「お医者さんかぁ。怖い人じゃ……ないみたい」

スマイリー「……」


スマイリーは一瞬でカレンの前に寄り、メスをカレンの胸に突き立てた。


レッド、パウダー「!?」

スマイリー「その考えは間違いですよ」


スマイリーは不気味な笑顔を浮かべながら、カレンの胸からメスを抜いた。抜かれたカレンは、倒れた――。


カレン「うっ……」

レッド「カレン!!」

パウダー「しっかり!!」

カレン「お、お姉ちゃんたち……逃げて……」


カレンはそう言うと、気を失った――。



【カレン・マコーミック     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  11人         {98:22}



カレンは自動的に地下牢へ転送された――。



スマイリー「おっと、少し力を入れ過ぎてしまいましたか。まあいいです、次は貴方たちの番です……貴方たちの肝臓をください」

レッド「カレン!! ――許さない……」


レッドが激怒した瞬間、パウダーが一瞬でスマイリーの前に寄った。この時のパウダーの顔は噛みつきそうな激しい表情をしていた――。


パウダー「あたしの友達に何すんのさ!!」


そしてパウダーは渾身のパンチをスマイリーの顔面に食らわせた。それを食らった彼は大きく吹っ飛び、壁に激突した後、倒れ込んだ――。


レッド「パウダー……!」

パウダー「スマイリー!! またあたしの友達を襲ったら……殺す!!」

スマイリー「ぐっ……」


彼は痛みを堪えながら、立ち上がる。この時の彼の顔は、何故か不気味な笑顔であった。


スマイリー「……お嬢さんたち、後ろに気を付けたほうがよろしいですよ」


そう言われたパウダーとレッドは後ろを振り向く。するとレイクの姿が見えた。


レイク「復讐じゃあああああ!! よくも俺の口に銃弾をぶち込んでくれたなぁああ!!」


レイクはレッドに飛び蹴りを放つが、レッドは慌てずに回避した。


レッド「あら、叫べるくらいには回復したのね。じゃあまた口の中を傷つけて喋られなくしてあげるわ。やかましいから」


彼女は銃を取り出して撃とうとした瞬間、レイクに銃を弾き飛ばされた。


レイク「これで傷つけられねぇなぁ!」

レッド「そうかしら?」


レッドは手の人差し指と中指を開いてV字形にし、その手でレイクの口の中を思い切り突いた。


レイク「グエエエッ!!」


彼は苦しんで嘔吐き、倒れ込む。その後レッドは、パウダーの腕を掴み――


レッド「こっちよ、パウダー!」

パウダー「え!? うん!」


そのまま、逃げ出した――。


レイク「グウッ……て、テメエら……逃げんなっウオエエッ!!」










――そしてレッドはパウダーと共に、屋上へと逃げ込んだ。


レッド「ここまで来れば、もう大丈夫でしょ……」

パウダー「レイクって人、ほんと怖い……」

レッド「……パウダー」

パウダー「何かな?」

レッド「……さっきは、カレンの為に怒ってくれて有難うね。ちょっとビックリだわ、貴方があんなに怒ったところ見たの、初めてだったもの……」

パウダー「……あたし、友達に酷い目に遭わす人が嫌いなんだもん」


パウダーはいつも変なテンションで相手を困惑させるが、友達想いの良い子である――。


レッド「パウダー。貴方のこと変人だと思ってたけど……ちょっと見直したわ」

パウダー「へ、変人とは何ぞや!」







レイク「ヘヘヘ……こんなところにいたのかぁ……」





レッド、パウダー「!」

レイク「レッド・マッカーサー。今度こそ殺してやるよ……」

レッド「懲りない奴ね……!」


レイクはレッドを殴り飛ばそうと、パンチを放った。その時、パウダーがレッドを庇い、代わりに殴られた。


レッド「パウダー!」

パウダー「ううっぐっ……」


強烈な一撃だったため、意識を失ってしまった――。



【パウダー・ターナー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  10人        {90:12}



レッド「パウダー……!!」

レイク「次はテメエの番だ!!」


レイクは目にも止まらぬ速さでレッドの腹を蹴り、彼女を大きく吹っ飛ばした。その際に彼女は気絶した――。



【レッド・マッカーサー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  9人          {90:02}



レイク「おっしゃあああ!! 復讐出来たぜえええええ!! リベンジ成功オオオオオオ!!」

スマイリー「レイク」

レイク「あん?」


いつの間にかレイクの背後にいたスマイリー。スマイリーはレッドとパウダーの内臓を手に入れたいが為に、彼女たちを追いかけていたのであった。


スマイリー「さっきの女の子たちは?」

レイク「ああ、そいつらなら俺がぶっ飛ばしてやったぜえ! 今頃地下牢だな!」


レイクがそう答えた瞬間、スマイリーはレイクの目にメスを突き刺した。レイクは悲痛な叫びをあげた。


スマイリー「何てことをするのですか。私はあの女の子たちの内臓が欲しかったのですよ……」

レイク「――いっでええじゃねえかァァアイアア!!」


レイクはスマイリーを蹴飛ばした後、自分の目に刺さっているメスを抜き取り、捨てた。その時――。


ムーンドロップ「何だ何だ? 何の騒ぎだ?」

サニードロップ「あ、ムーンドロップ! アレアレ!」


ムーンドロップとサニードロップがやってきた。因みにサニードロップはあれからずっとムーンドロップに懐中電灯で照らして貰っている――。


サニードロップ「あ、ムーンよ、月があるからもう懐中電灯はいいよ」

ムーンドロップ「ん、そっか」


夜空に浮かぶ満月の光がサニーを照らしてくれている。


サニードロップ「で、逃亡者がいるからぶっ飛ばそうか!」

ムーンドロップ「オーケーオーケー!!」


サニードロップはレイクに、ムーンドロップはスマイリーに襲い掛かった――。


スマイリー「何ですか、貴方は……」

レイク「邪魔じゃオラァアア!! 俺はスマイリーを殺してんだあああ!」


レイクはサニードロップを蹴り飛ばした後、スマイリーに復讐しようと、スマイリーに襲い掛かった。


レイク「くたばれやオラアアアア!!」


激怒しているレイクは目にも止まらぬ速さでスマイリーを渾身のパンチで殴り飛ばした――。殴り飛ばした彼は、意識を失った。



【Dr.スマイリー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
     残り  8人        {87:15}



レイク「ヒュウウ!!♪ 復讐出来た出来た!」

サニードロップ「おいアンタ、オイラのこと忘れてねえか?」


サニードロップはレイクに蹴りをかまし、軽く吹っ飛ばした。


サニードロップ「お前はオイラのポイントとなってもらうよ~~~ん☆」

ムーンドロップ「レイクさぁ、何オレサマの標的を倒してくれちゃってんの? あいつ倒してポイントにしたかったのに……」


そしてサニードロップは頭についているトゲトゲでレイクの背中を大きく切り裂き、致命傷を負わせた。


レイク「何すんじゃゴラアアア!!」


更に怒ったレイクはサニードロップを蹴り飛ばした。その後、レイクは気を失った――。サニードロップが吹っ飛んだ先は――屋上のフェンスの向こう側であった。サニードロップは屋上から落ちそうになる――。


ムーンドロップ「サニー!! 死なせねえ!! 死なせねえぞおおっ!!」


それを見たムーンドロップが全速力で駆けつけ、サニードロップの両足を掴む。そして屋上に戻り、救助した――。


サニードロップ「ああ、助けてくれたのか……あんがとよ……」

ムーンドロップ「当り前よ。友を死なせてたまるかってんだ……」


友達を大切にしているムーンドロップがサニードロップを背負う――。


ムーンドロップ「てかお前、ボロボロじゃねえか。そんな状態じゃ歩けねーだろ。仕方ねーから背負ってやんよ」

サニードロップ「おう。ありがとよ、ムーン……」

ムーンドロップ「いいってことよ」


そして彼らはレイクを置いて、病院の中へと戻って行った――。


レイク「……」


























――その時、レイクの腕がピクっと動いた。




-----------------------------------------------------------------------------------




残り逃亡者……ジェニー、サニードロップ、ムーンドロップ、レイク、サディ、シュエル、イリザベス、アリサルの8人。




続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅤ】 ( No.6 )
日時: 2023/02/04 08:33
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Last】





その頃、シュエルは今もイリザベスが眠っている病室のベッドの下に隠れていた。


シュエル「他の人に見つかってたまるものですか……!」


その時、廊下から誰かの呟きが聞こえた。その「誰か」は、ずっとブツブツと何かを呟いている――。


シュエル「……? 誰かの声が聞こえますわね」


シュエルは耳を澄まして聞いてみる。






レイク「クソが……サニードロップは何処だ……殺す……」


先程サニードロップに致命傷を負わされたレイクが、殺意の籠った目をしながら廊下を歩いている。呟いているのは、レイクであった。


シュエル(今、殺すって聞こえましたわ……。危なそうな人ですわね。このまま隠れておきましょう……)

レイク「ここかぁ~?」


レイクが、病室に入ってくる。


シュエル(!? 何でここに入ってくるんですの……!! で、出て行って下さいまし……!!)


シュエルは緊張で心臓の鼓動が速くなる。レイクは病室の中を探る。


イリザベス「zzz」

レイク「ん? 何だこの女は……何で寝てんだ? まあいい、ブチのめすか。ドルァ!!」


彼は寝ているイリザベスを強烈なパンチで殴り飛ばし、意識を失わせた。



【イリザベス・ファウスト     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  7人           {60:12}



シュエル(……!?)


レイクの打撃音を聞き、戦慄を覚えるシュエル。レイクに見つからないように、涙を浮かべながら息を殺す――。


レイク「サニードロップは…………? …………いないな。別の場所を当たってみっか」


レイクは病室から出て行った。


シュエル(で、出て行ったみたいですね……こ、怖かったですわ……ホント)











ムーンドロップ「サニー、大丈夫か? 手当してやるからな」

サニードロップ「大丈夫だぜぃ……」


その頃、ムーンドロップは今もサニードロップを背負っていた。ムーンドロップが手当できそうな場所を探しているところに――


レイク「イイヒッヒッヒャアアアアア!! サニードロップ!! ブチ殺してやんよぉおおおお!!」


レイクが襲来した。彼はサニードロップに飛び掛かる。それに感づいたムーンドロップは蹴りでレイクを吹っ飛ばす。


レイク「ぎええっ!! 殺しの邪魔をすんじゃねえよ、ムーンドロップ!!」

ムーンドロップ「オレサマの邪魔をすんじゃねえよ、レイク!! オメーに構ってる余裕はねえんだよ!!」


ムーンドロップはサニードロップを背負ったまま、逃走する。しかしあっという間にレイクに距離を詰められてしまった。


レイク「殺スゥウウウウウヒイイイハアアアア!!」


そしてレイクは右手でムーンドロップを、左手でサニードロップを殴り飛ばし、意識を失わせた――。



【ムーンドロップ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
      残り  6人        {43:12}


【サニードロップ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
      残り  5人        {43:12}




レイク「ヘヘヘヘヘ……借りは返したぜィエエエイッハ!!」








{残りゲーム時間  25:00}







その頃、ジェニー・サイモンズとスーサイド・サディの二人は一緒に廊下を歩いていた。


ジェニー「それにしてもサディ、君身体中傷だらけだけど……平気なのかい?」

サディ「平気だよ。私、幽霊だから痛覚ないもん」

ジェニー「そうなのか……」

サディ「生返事かい」


仲の良い二人に、フィリピン人の女の子が近づいて来た――。そう、アリサルだ。


アリサル「初めまして、私はアリサル! ちょっと二人を動画に撮っていいかしら?」

ジェニー「は?」

サディ「動画? ダメだよ。私、動画撮られるの苦手だもん」

ジェニー「僕も……」

アリサル「そうなんだ! 分かった、じゃあ他を当たるね」









レイク「おうガキ共おお! 死体となってくれやあああ!!」

アリサル、ジェニー、サディ「!?」


突然、レイクに発見されてしまったアリサルとジェニーとサディ。


サディ「私は幽霊だよ? もう死んでるよ?」

レイク「じゃあ成仏させてやんよ!!」

ジェニー「な、何この不気味な生物は……怖いよ!」


その時、アリサルは真剣な表情をして、ジェニーとサディの前に出た。


アリサル「ジェニーとサディ! すぐに逃げて!」

ジェニー「えっ!?」

アリサル「私、人が殺されるなんて嫌! こいつは私が相手するから、逃げて!」

ジェニー「……分かった」


ジェニーとサディは逃走した。


アリサル「はああっ!」


アリサルはレイクにドロップキックを食らわす。しかしあっさりと躱されてしまった。


レイク「鈍すぎんだよ、お前の動きは!」


そして彼はアリサルを渾身の一撃で吹っ飛ばした。



【アリサル     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  4人       {22:12}



レイク「はあ、邪魔だったわこの女……弱すぎだろ。――てか、さっきのガキ共追いかけねーと!!」












{残りゲーム時間  10:00}







その頃、シュエルは今もあの病室のベッドの下に隠れ続けていた。


シュエル(あと10分ですわね……はあ、このまま誰にも見つからずにゲームが終わってほしいですわ……)


もう賞金のことなどどうでも良くなっているシュエル。賞金より、自分の命が惜しいようだ。


シュエル(とにかく、生きて帰りたいですわ……ん?)

レイク「オーーーーイ!! ジェニーとサディは何処だー!? ここかー!?」


この病室に、またレイクがやってきた。


シュエル(ま、また来ましたか……! 頼むから帰って下さいまし……!)


シュエルは泣きながら祈る。その時――ベッドの埃が彼女の鼻に入った。埃が入ったせいで、くしゃみがしたくなった――


シュエル(ま、マズイ……くしゃみ、我慢しなければ……)

シュエル「……っ」

シュエル「ックシュッ!!」


必死に堪えたが、我慢できずにくしゃみをしてしまった。その音を聞いたレイクが、ベッドの下を覗き込む。姿を見られたシュエルは恐怖し、身体が動かなくなる。


レイク「オウオウ、こんなところに逃亡者がいたのか。じゃ、くたばってね」


彼はシュエルを引きずり出した後、強い力で壁へ投げ飛ばし、意識を失わせた――。




【シュエル     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  3人       {7:15}














{残りゲーム時間  3:00}













ジェニー「ここまで来れば大丈夫だろ……」


その頃、ジェニーとサディは屋上へと逃げ込んでいた。息を切らしているジェニー。一方でサディは幽霊なので、全く息が切れていなかった。


ジェニー「幽霊っていいよね……足を使わずに移動できるんだからさ……息も切れないみたいだし……」

サディ「怖がられるけどね……ん?」

レイク「やーーーーっと見つけたぜえええ、クソ女どもおおおおヒイハハアア!!」


レイクも屋上へとやってきた。


ジェニー「なっ――! アリサルはどうした!?」

レイク「そんな奴、俺がぶちのめしたに決まってんだろ!? それより、俺はお前らを殺す!!」

サディ「……っ」

レイク「人間のほうは屍にして、幽霊のほうは成仏させてやらああああああ!!」


最初にレイクはジェニーに飛び掛かり、強烈なパンチを繰り出した。
























――そのパンチをサディが代わりに受けた。そう、サディがジェニーを庇ったのだ。サディは幽霊であるが、物に触れることが出来、更に人から触られる体質をしている。








ジェニー「サディ!!」

サディ「ううっ……友達を……傷つけさせたくないんだ……」


そしてサディは、倒れた――。




【スーサイド・サディ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  2人          {1:59}




ジェニー「……」

レイク「ちっ、邪魔されたか。まあいい。ジェニー・サイモンズ! 貴様の墓場はここじゃああああ!!!」









――ジェニーの凄まじい怒りが彼女の眉の辺りに這う。






レイク「あ? 何だよその目は……」





――彼女は無言で鉄パイプを構える。彼女は今、満月の光に照らされながら彼を睨んでいる。友達をやられて、静かに激怒している。




















ジェニー「覚悟しろ」





















そしてジェニーは目にも止まらぬ速さで、レイクを鉄パイプでフルスイングし、意識を失わせたのであった――。




【ザ・レイク     失格   ≪残りゲーム時間≫】
     残り  1人       {0:32}










ジェニー「……やったよ、サディ」











{残りゲーム時間  0:02}



{残りゲーム時間  0:01}



{残りゲーム時間  0:00}










≪ジェニー・サイモンズ  優勝   220万円獲得≫








ジェニー「僕が……優勝……」






















その時



















ジェニー「うっ……!?」


腹を下した。彼女は辛そうな顔でトイレに向かおうとするが、我慢できずに肛門から排泄物を捻り出してしまった――。


ジェニー「……」


放心状態になっている、ジェニーであった――。













【THE END】

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅤ】 ( No.7 )
日時: 2021/12/15 20:20
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

~あとがき~

【Lunatic PlayⅤ】、完結致しました!
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
次回のLunatic Playですが、投稿は未定です。申し訳ありませんが、ご了承ください。



では!


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