二次創作小説(新・総合)

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3週間の教育恋(きょういくれん)
日時: 2022/06/19 17:51
名前: しんせさいざ (ID: jnBdShI.)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi

 ある日、一人の教育実習生がこのクラスに来た。

 5月下旬。よく晴れた天気の朝、華米鈴はなまいすずは大好きな恋愛小説を読んでいた。実際、恋愛小説を読んでいても本当の恋愛には鈍感で、恋をしたことが一度もない。
「ねぇねぇ!今日ね、新しい教育実習の先生が来るって!楽しみだなぁ〜♡」
 目をキラキラさせて話しかけてきたのは友達の桐谷実宙きりたにみそらだった。
「へぇー…私は気にしないけど。」「え〜?男の先生だよ?」どうやらその教育実習生は男性のようだ。
そんな話をしているとあっという間に休み時間が過ぎていった。そしてとうとう教育実習生とご対面の時間になった。
「初めまして!今日から教育実習生として3週間お世話になります!土森風人つちもりふうとです!」
どうやら彼は、鈴達が通っている学校の卒業生らしい。「えー♡中々イケメンじゃんっ!」早速実宙が食いついた。彼女は大のイケメン好きであっという間に目が釘付けになった。「んー、確かにカッコいいけど私は別に。」恋に鈍感な鈴はやっぱり食いつかない。
 彼は、保健体育科の先生になりたいらしく、体育の毎時間メモを取っていた。実宙は好きになったのか気に入ったのかわからないがいつも風人先生といた。「先生〜♡いつも何しているんですか〜?」毎日そんなアプローチのような声が聞こえる。いつの間にか頑張れ!実宙と応援しているようになっていった。
 ある日、風人先生が鈴に「その小説、俺も読んでる!ハマるよね!」と話しかけた。初めて話しかけられ、同じ共通点があったことに喜び、つい話しすぎてしまう。鈴は「あれ?意外と話しかけやすい?」と思った。それから鈴は毎日のように風人先生と小説の話をしていた。
 風人先生が来て1週間がたった日の休み時間、実宙が鈴に「私、風人先生のこと好きになっちゃった」突然のカミングアウト。そしてこう続けた。「鈴もさぁ、、風人先生のこといつも目で追ってるよね」「え?」気づかなかった。いつの間にか先生を目で追ってしまっていたのだ。
 それから鈴は風人先生と話す時緊張してしまっていた。目で追ってしまっていたことがバレたらどうしよう。と様々なことを思い浮かべ、不安になっていた。風人先生はいつものように明るく話すが、鈴はどうしても明るく振る舞えない。鈴はだんだん風人先生と話さなくなっていった。
 体育の時間。いつもだったら実宙が風人先生と話していても気にしなかったのに今日はなぜか苦しい。体調の問題?と考えたが体育の前まで全く異常はなかった。ふと小説の内容が頭をよぎった。
『あれ、何だろう。友達が先輩と話していると胸が苦しい…そっか、私先輩に《恋》したんだ。』
はっと息を呑む。「私‥先生に恋しちゃった…?」鈴は走り出して実宙と先生が話しているところに入っていった。これ以上2人で話すのを見たくないッ‥!そんな感情を持って。
 今まで恋をしたことがなかった。どんなにカッコいい人でも。どんなに優しい人でも。そんな私が先生に恋、、?自分の感情なのに整理が出来ていない。でも、やっぱり先生と話すと顔が熱くなってくるのを感じる。完全に小説に書いてあることと一致している。飲み込めてないのに、先生が好きな気持ちが抑えられなかった。

 学級目標。一年間でクラスで達成するために掲げる目標。鈴はその学級目標を掲示する紙を作る担当になった。他にも数人集まって、鈴たちのクラスの掲示紙には手形を厚紙で作り、それで虹の形にしようと言うことになった。クラス分の手形は取ったが、どうしても枚数が足りず、先生方にも協力してもらうことになった。担任、副担任と取り終え、どうせなら風人先生も入れようよという提案があり、風人先生を呼んだ。手形は一人では取れないので、誰かシャープペンシルで手の形をなぞる人を決める時、鈴は「私が取ります!」と自ら進み出た。自分で進み出たのにいざ、書くとなると風人先生の手に触れるため、顔が赤くなる。体温が上がる。バレないように必死に隠したが、取り終わった瞬間その場に崩れ落ちた。手が震えてしまい、結局ガタガタになってしまった。ガタガタの手形を見て風人が「あははっ!この手形面白いね!」と笑った。あまりの可愛さに、かっこよさに鈴は胸打たれた。完全に恋をしている。そう確信した。

 そして教育実習の3週間はあっという間にすぎ、とうとう最終日となってしまった。実宙は朝から「最終日‥やだよ‥」とテンション低めだったが、鈴は「今日が最終日か‥」と好きなはずなのになぜか悲しくなかった。昼の放送で先生の挨拶が流れるも、寂しさは沸かなかった。帰りの学活のときに風人先生のお別れ会をクラスで行った。メッセージカードを貼った色紙、歌のプレゼントをした。先生は立って歌を口ずさんだりしていた。そんな先生を鈴はチラチラ見ながら歌っていた。挨拶をし、まだ完成していなかった学級目標の完成に向かう。他のメンバーは部活等で忙しかったため、鈴は一人で作成していた。あと少しだったため、あまり時間はかからず完成した。教室の後ろに貼り、しばらく眺めていると風人先生が帰る支度をしてから目標の掲示紙を見に来た。「凄いねー!完成したね!」と明るく話しかけていた。鈴は「あぁ、これで最後なんだな」と横に立っている風人先生を見つめた。そして、「先生。今日までありがとうございました。」と感謝を伝えた。とたんに目から温かいものが流れ落ちた。涙。鈴は思わず泣いてしまった。泣いてしまうともうどうしようもなくて思わず「先生!私先生のことが、、先生のことが好きなんです!」と伝えてしまった。ハッとして口を抑えて先生を見ると先生はびっくりしたような顔をし、その後「ありがとう、鈴さん。でも俺20超えてるんだよ?同い年の子と青春しなよ」と笑顔で言ってきた。そして鈴は「20超えていても良い、私は先生のことが一番好きなんです!年なんか関係ないです!」と伝えた。すると「…分かった。俺も、鈴さんと話していて楽しかった。好きだった。好きだけど、、鈴さんに伝えたら嫌われるんじゃないかと思って言えなかった。ありがとう‥」先生の目元にも光るものがあった。「今じゃまだ付き合えないから、せめて連絡先でも。」スマホを出して連絡先を交換する。「先生のおかげで恋に気づくことが出来ました!体育も恋も教育してもらいましたね!本当に3週間お疲れさまでした!」
 こうして鈴の3週間の教育恋は終わり、一生紡いでいく愛を学んだのであった。


 


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