二次創作小説(新・総合)

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目を瞑る話【カゲプロ】
日時: 2022/09/29 20:45
名前: むう (ID: Gl8CGjD8)

 
 『なんでこうなった!??』
 もう何度目かのループの末、ようやく敵を倒した俺たち。
 これでやっと身を休めることが出来ると、そう思ったのに。

「ご主人ー!! パーティしましょうよ、パーティ!!」
「お兄ちゃん、コーラ買ってきてコーラ! はい、これお金ね」
「ブフッww w シンタローくんの顔やばw 受験期のピークみたいな顔してるw」
「シンタロー…………………ねぎま、いる?」


 え、なに、なんで!! ちょっと離してくれ。
 俺はただ、ゆっくり寝ていたいだけなんだ!!! 


 ーーーーーーーー

 こんにちは、こんばんは。
 どうもお久しぶりです、むうです。
 鬼滅の2次創作とか色々かいていた人です。
 その節はお世話になりました!
 何回も疾走、失踪、迷走しましたがこの度、
 二次創作もう一回書きたいな…ってことで帰ってきました。よろしくお願いします。


 映像、音楽、ゲームと沢山あるコンテンツなので、
 こちらの総合版で今回は始めます。何卒。
 最後まで完結させられるように頑張ります!


 【むうむう あてんしょん!】
 ●カゲロウプロジェクトの二次創作です。
 ●ほぼ日常。ネタ多め、ネタバレあり。
 ●楽曲関連の話も作る予定です。
 楽曲の誹謗中傷はやめてください。


 ★目次:目を瞑る話★
「買い物」>>01>>02

Re: 目を瞑る話【カゲプロ】 ( No.1 )
日時: 2022/09/29 05:37
名前: むう (ID: Gl8CGjD8)


 「第1話 買い物」

 〈シンタローsaid〉

 「お兄ちゃんー!! ちょっとこれ買ってきてくれないかな?」

 九月末の涼しい日の午後、アジトのソファに寝そべっていたオレに、妹のモモが話しかけてきた。
 相変わらず『阿吽』と印刷された桃色のパーカーを着ている。

 毎回おもうんだが、それどこで売ってるんだろう? 
 可愛い…のかわからないが、こいつは気に入っているようだ。
 阿吽。阿吽なあ……うーん、オシャレは難しいってことにしとこう。

「買い物?」
「うわ、何その嫌そうな顔」
 
 顔をしかめたオレを見て、モモは口を曲げた。
 露骨な態度に、こちらもムッと下唇を突き出して見せる。

「オレ、今起きたとこなんですけど?」
「そうだね、すごい寝癖」
「大体自分で行けばいいだろ?」

 起きてすぐの人間に、お遣いを頼む奴があるか。
 今のこの服装をわかっているのかお前は?? 完全にパジャマだぞ?
 
 いや、それより前に『おはよう』だろう。
 まあ、今の時間だと『こんにちは』になるのか?
 ただ、「うお、寝てた」と我に帰ると同時にエコバッグを突き出されるこっちの気持ちも、もう少し考えてほしい。

「……お兄ちゃん、行って」
「なんでだよ。なぜそこまで俺にこだわる」

 セトはバイト、マリーは体力面から候補に入れないとして、
 キドもセトも今日はいるし、なんなら、あの忌々しき疫病神・榎本だって来ていたはずだ。
 彼らに頼めば、快く引き受けてくれるだろうに。

「キドさんは料理中だし、エネちゃんはゲームしてるし……カノさんは寝てるし」
「待て待て!! 榎本とカノはどう考えても暇だろそれは!!」

 モモ、なんでお前はそのメンツであの2人を選ばない!??
 ゲームやテレビをやってるってことは、絶対時間あるだろあいつら。

 

 ほら、今も遠くの方から『わははは』とか、『くっそおおお』とか、漏れてきてるし。

 

「『今忙しい』って」
「それただの言い訳だから!! お前が行けよ! 寝癖ボサボサのまま行ったら、オレの人生が更に黒に染まるぞ!」
「それは元からじゃ……はああ、やっぱ無理かあ」

 論破され、言い返せなくなったモモは、ぽりぽりと頭をかいた。
 ははは…と便りない苦笑いを浮かべている。

「実は、課題の再提出があって…それも5教科分……だから片付けないといけないの……だからごめんけど…」

 思ったより切羽詰まった状況だった。
 5教科分って……お前、そもそも勉強すらしてねえだろ……。
 知ってるぞ、3週間前の前期試験の生物の点数。3点という信じられない点数を取って帰ったことを。


「ま、まあ、そういうことなら。本当に大丈夫かお前。このままだと退学になるぞ」
「おっかしいなあ。仕事も辞めたし、ちゃんと授業受けてるのになあ」

 何がおかしい? みたいな言い方をするな。
 完全に自分の行いが原因だろ。
 

 と、エプロン姿の団長キドが、台所の奥から顔を覗かせた。
 その横には、オレと同じく惰眠を貪っていたらしい猫目の男もいた。

「すまんなシンタロー。夕飯の支度が終わってなくてな。
 キサラギもかなり忙しいようだから引き受けてくれないか。
 勿論カノとエネは俺の手伝いだ」

「え!?」「おおキドおおい!!」

 オレの感動の声と、カノの悲鳴がピッタリと重なった。

 流石は団長、話がわかる。
 キドと2人でうんうんと頷く。働かざる者食うべからず、だ。
 ゴロゴロしてた奴は当然、後々雑用をやる羽目になる。
 そういうことだ、ふふふ。

「うわ、シンタロー君がニヤついてる」
「いつものことですよ」

 おいおいおい待て待て待て。
 誤解を生むような言い訳をするんじゃない。
 そうだ、オレは決していかがわしいものなど試聴していないから!! 本当だから!! 
 う、嘘とか言うな!!

「ということで、これメモと財布ね。よろしく!」
「あー、ハイハイ………」
 

 眠い。寝たい。
 たが、起きてしまったので仕方ない。

 受け取ったメモと財布をバッグに入れて、とりあえず風呂に入って汗を流す。
 寝癖も治り、さっぱりしたところで、俺はアジトの扉を開けて外にとびだした。


 …………………………


「あ、し、シンタロー行っちゃったの……?」
「おうマリー。 なんだ、やけに慌てて」

 シンタローが買い物に出てすぐ、奥の部屋がバンッと開け放たれた。
 部屋の主…マリーは、キョロキョロと辺りを見回す。

 ど、どうしよう……。
 あれがないとシンタロー、きっと大変なことになっちゃうよ……。

 だ、大丈夫なのかな……。
 
 ゆっくりち後ろを振り返る。
 テーブルにぽつんと置かれた白いイヤホン。
 彼がお出かけに行く時に、いつも持って行ってたもの。


「シンタロー……イヤホン忘れてるよ……!!」




Re: 目を瞑る話【カゲプロ】 ( No.2 )
日時: 2022/09/29 23:04
名前: むう (ID: Gl8CGjD8)

 そんなこんなでオレは、とりあえず近くのデパートへ向かった。
 あそこなら色んな店舗があるし、品物の種類も豊富だ。
 いちいち店と店を行き来する手間もない。

 ただ、そういうでっかい場所には当然人も沢山いるわけだ。
 なんと、間の悪いことに今日はイベントがやっているらしく、そのせいで人の波がいつもよりも大きい。

 なんとか避けながら進むも、1人、また1人と増えていく。
 オレはふらふらのヘトヘトになりつつも、大通りを抜けて人通りの少ないトイレ脇に移動する。

 「はあ………………疲れた……」

 まだ買い物の一つも済ませてないのに、全身が痛い。
 これが二年にも及ぶ引きこもりの結果だと思うと、余計惨めな気持ちになる。

 「イベントっつったか。何やってんだろ…」

 なんとなく気になって、袋の中に入れていた携帯の電源を入れようと、ボタンに手を伸ばす。
 あんなに人が来るようなイベント、なんかあったっけ。
 有名な歌手とかが公演に来るのだろうか?

 ポチ。
 
 …………………………こんな余計なこと、しなければ良かった。
 画面いっぱいに広がった青色を視界に捉え、俺は頭を抱える。

 ニヤアと意地悪い笑みを浮かべているそいつは、液晶画面を自身のドアップ顔面で占領していた。
 目が合うと、彼女は身を乗り出し、

「いやいやいやあ、いい天気ですねえご主人!! 
 涼しくなりましたし、過ごしやすい絶好のお出かけ日和ではないですか!!
 まあご主人のことでしょうから自分から『わーいお散歩してこよー』とはならないと思いますが、
 何せこの超絶プリティスマイル……ご主人?」

 真顔で電源を切ろうとしたオレに、顔をこわばらせる。
 

「ちょっと!? 何してるんですか!!」
「こっちのセリフだ! なんでいるんだよ、ゲームは!??」

 オレが尋ねると、エネは慌てるどころか「よくぞ聞いてくれました!」と更にニコニコと話を続けた。
 

「そうそう、今日実は新しいゲームの発売日なんですよ!! 
 レビュー評価も高くて映像も綺麗で、おまけに、なんと、制作秘話が詰め込まれた特典DVDが付いてくるんです!」

 などと早口でまくし立てる彼女の言葉に熱がこもる。
 それだけ、発売日という事実が嬉しいんだろう。
 確かに聞いた話、面白そうではある。
 特典も豪華だし、ゲーム通のこいつが絶賛するくらいだから、内容もきっと濃いやつだ。


 ただ、だ。
 オレが買い物に行くと同時に、スマホの中に忍び込んだということは……。
 
「どうですか〜ご主人!! いつも頑張っているこの私に」
「買わねえからな」

 即答。
 バッサリと切り捨てたオレに、エネは一瞬唖然としたが、直後普段の調子に戻ってパーカーの裾を口に当てた。

「またまたあ。隠さなくていいですよ。高画質・高品質・高評価の商品に期待を抱くのは当然じゃありませんか!」
「買わねえ。金がないのを知らないわけじゃないだろお前も。こっちは買い物に来てんだよ」

 ぷうう。ふくれっつらでそっぽを向くエネ。
 気持ちはわからないでもないが、あいにくほしいものをホイホイ買い与えるような性格ではないのでしょうがない。

 さて、こんな茶番も終わりにして、とっとと用事を済ませなければ。
 モモにもらった買い物のメモを確認する。

 暗号のようにも、異国の言語のようにもとれる文字の羅列。
 数十年間一緒に過ごしてきたのでなんとか読めるが、率直な感想は字が汚い。
 もしかして、テストの点が取れないのはこの字の下手さが関係してんじゃねえか?


「えーっと。玉ねぎ、ニンジン、じゃがいもにトマト、カレールー」
「おおっ、いいですね! カレーですよ! 老若男女みんな大好きなあの食べ物!!」

 今日の夕飯はカレーか。
 やばい、よだれが垂れてきた。こりゃ箸が進みそうだな、流石キド。
 
「後は、おシルコーラとあたりめと、カレイ……」
「カレイ!??」

 ああそうだ、あの妹のことだ。
 自分のおやつを買い物リストに加えることなど平気でやるだろう。

 そして多分横にはマリーがいたな。
 大方、カレーをカレイと間違えて、「じゃあカレイもいりそうだね!」とかモモにいったんだろう。
 
 何この、某名探偵みたいな推理。

「コーラとあたりめは、まあ、いいとして、カレイなんてどこで売ってるんでしょうね!」
「ここにはないのは間違いないな」

 とりあえず、カレイは買わなくていいよな…と、シャーペンで線をひこうとして、手を止める。
 純粋で、世界に無知なマリーのことだ、
 『カレイがないとカレーできないよ…!! なんで買ってきてくれなかったの……?」なんて怒られたら、どうする。

 下手に言い訳して、彼女を不快にするのもアレだし、事実を上手く伝えようにもコミュ力の欠片もない。
 なにをしても相手を泣かせてしまうそうだ……。

「お、終わった後に八百屋とか行って、カレイ買ってみるか……」
「ええええ!?? ご主人、カレーの材料買った後にカレイを……あれ?? カレー…あれ?」

 簡単な言葉遊びに引っかかっているエネに、フッとオレは笑う。
 ええっとまとめると、

 カレーの材料、モモのお菓子、カレイ。

「ん?? え、っと、カレーがカレイで?? えっと……」
「ご主人!?? 惑わされないでください!! 買うのはカレーとお菓子とカレーですよ…あれ??」

 ああダメだ。あいつらのせいで、18歳のお使いが初めてのお使いまでランクダウンしそうだ。
 落ち着け、如月シンタロー。とりあえず買うのは……。


「ご主人しっかりしてください!! とりあえずお菓子から先買いましょう、ね!! 
 そのあとは、野菜と魚です!もうこれで行きましょう!」

 なんだろう、こいつにフォローされるのがなんだか釈然としないな。


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